ブラジルでは2019年の、ボルソナロ政権1年目に年金受給年齢の引き上げを含む社会保障改革が行われた。
フランスで現在騒ぎになっている、「たった」2年だけでなく、ブラジルのものは段階的に5年ほど引き上げる改革であった。
ボルソナロ政権の勢いがまだ強かった時期であって、上院下院とも通過して、左翼を含めて社会の大規模な抗議運動も起きなかった。
フランスのマクロン大統領が説明に使ったボードがニュース記事で映された。
興味深いので内容を写しておこう。
年金受給開始年齢(2022年1月時点)
国 | 年齢 |
---|---|
アメリカ合衆国 | 62年 |
フランス | 62年 |
スウェーデン | 62年 |
日本 | 65年 |
ベルギー | 65年 |
カナダ | 65年 |
ドイツ | 65年10月 |
連合王国 | 66年 |
スペイン | 66年4月 |
オランダ | 66年4月 |
イタリア | 67年 |
ブラジルでは2023年1月に、右派ボルソナロから左派ルラへと政権が交代した。
政権発足のかなり早い時期に、ルラ労働者党政権を構成する連立政党出身の労働・社会保障関連の大臣が「2019年の社会保障改革を廃止してもとに戻す」と発言したのだが、ルラ大統領は早速その発言を押し留めて、改革のちゃぶ台返しを否定した。
つまりそういうことだ。
金がなければ何もできない。
一旦改革の逆回りなどしたら、再試行は極めて難しくなるだろう。
ルラ労働者党政権は絶対言葉に出すことはできないが、前政権が面倒な仕事をやってくれたことに感謝しているはずである。
一時の選挙対策の人気取りのため改革の後戻りをしたところで、将来の大問題の元凶を作ったこの政党の信頼は、ひどく損なわれることになるだろう。
戦犯探しの挙げ句、ルラも3期もやったのを台無しにした馬鹿な大統領だったと、烙印を押される危険は冒したくないだろう。
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