2011年10月27日

ブラジルの弁護士・会計士・医師・獣医師資格

ブラジルの弁護士・会計士・医師・獣医師資格

2011年10月26日ブラジル連邦最高裁(Supremo Tribunal Federal)は、法学部(direito)を卒業した法学士を対象にブラジル弁護士会(OAB - Ordem dos Advogados do Brasil)が実施する弁護士資格試験が有効である判断をした。
裁判は56歳の法学士ジョアン・ボランチ(João Volante)氏が、OABの試験に合格しなくても弁護士の活動ができるよう連邦最高裁へ特別上告したものだ。
8名の最高裁判事は全員一致で試験を有効とした。

「試験だけが職業能力を評価するものではない、試験によって弁護士の仕事に就けないのは憲法が保証する職業選択の自由に反する」との原告の請求に対して、判事のマルコ・アウレリオ・メロ(Marco Aurélio Mello)氏は、
「理論と実習の授業に出るだけで職業能力があると判断できない、試験によって評価されるべきだ。
もしも試験が能力を評価しないとするなら、大学の試験も能力を測ることはできない。
大学の試験は憲法違反だといえるか?」
と、判決意見を示した。

同じく判事のルイス・フクス(Luiz Fux)氏は次のように述べた。
「能力のない弁護士の失敗を後になって監察し回る事態は許されない。
OABの試験によって法学士が最低の職業遂行能力を持っている保証が得られる。
今日の試験には問題があるかもしれないが、だからといって憲法違反とは言えない。
でたらめな弁護により社会が被る被害の危険性は職業自由を制限できるか、答えはイエスだ。」

他の判事も同様にOABによる試験の必要性を認めている。

次の日曜日10月30日に第5回弁護士会統一試験(第5回統一というのは、以前は州ごとに独立して行なっていたからだろう)の1次試験が実施される。
前回は全受験者の85%に相当する10万人が不合格であった。
(Priscilla Borges, iG Brasília | 26/10/2011 14:08 - Atualizada às 20:31)

ちなみに前回OAB試験合格率ベスト5(2次合格者/1次受験者を合格率とする)をあげる。
1セルジペ連邦大学(Universidade Federal de Sergipe - UFS)25/3669.44%
2ミナスジェライス連邦大学(Universidade Federal de Minas Gerais - UFMG)33/5164.71%
3サンパウロ大学(Universidade de São Paulo - USP)44/6963.76%
4リオグランデドスル連邦大学(Universidade Federal do Rio Grande do Sul - UFRGS)28/4562.22%
5ジュイスジフォーラ連邦大学(Universidade Federal de Juiz de Fora - UFJF)18/3060.00%
連邦大学は連邦立(国立)、サンパウロ大学は州立で、完全に公立大学優位である。
私立大学最高位は26位サルバドル大学(Universidade Salvador - UNIFACS) 33/74 44.59%であった。
(Priscilla Borges, iG Brasília | 23/09/2011 11:39 - Atualizada em 26/09/2011 17:35)

法学部ではない他の分野での資格試験はどうなっているのだろうか。

会計学(contabilidade)では、2000年に会計能力試験が導入された。
試験は連邦法によってではなく、連邦会計評議会(CFC - Conselho Federel de Contabilidade)の規定によって設けられたものに過ぎないという理由で裁判になり、10回実施後の2004年に司法判断によって廃止された。
しかし2010年になって連邦法12,249号が発効して、CFCの会計士登録(つまり資格)条件に、試験への合格が含まれるようになり、試験は復活した。

CFC会長Juarez Domingues Carneiro氏は、会計士試験が中止された期間は教育機関(会計学部)と卒業生の質が落ちたという。
「評議会が受けつける行政処分、監察、苦情の件数が増えた。」
Carneiro氏にとって試験は、大学が教育の質を維持して、学生を合格できるまで鍛える原動力である。

同氏によると、試験が廃止された時点で合格率は60%だった。
今年実施された、中止期間後復活の第1回試験では16,600人以上が試験に挑み合格率は30%であった。
「次回の試験では、1,200を超える会計学部が教育の質向上に取り組んで合格率を上げてくれることを期待する。」

教育省(Ministério da Educação)による全国学生能力試験(ENADE - Exame Nacional de Desempenho dos Estudantes)でも、会計学部の質低下が指摘された。
2006年に不満足(insatisfatório)なレベルの学部が30%であったのが、3年後には32%に増加した。
能力試験とは基準が異なる教育省の評価だけでは、能力試験に匹敵する教育水準アップ効果は見込めなかったのだろう、とCarneiro氏は分析する。

獣医師/獣医学(médico veterinário/medicina veterinária)の資格試験は、2007年に司法判決によって中止された後、実施には至っていない。

連邦医学評議会(Conselho Federal de Medicina)は、達成度試験(teste de progresso)を医学生に実施する考えを支持して、教育省に働きかけている。
試験は医学生の卒業試験として知識を問うものではなく、在学中に能力を測るものとして行い、試験で明らかにされた欠点を修正できるような形が良いと評議会は考えている。

サンパウロ州地域医学評議会(Cremesp - Conselho Regional de Medicina do Estado de São Paulo)は、新卒業生を対象に任意で試験を行なっている。
直近の試験では68%の受験生が不合格で、試験開始以来最悪の結果であった。
(Marina Morena Costa, iG São Paulo | 27/09/2011 07:00)

見てわかるように、現在ブラジルの医学部卒業者にはOABの弁護士能力試験や医師国家試験のような試験がない。
習熟度の判断が各医学部に任されているというのは、正直言って不安だ。

弁護士の例に習うと、診察室によく掲げてある大学の卒業証明書でどこの大学卒業かをチェックしなければならないのかもしれない。
有力大学を卒業していても、現在目の前にいる医者が本当に医師資格にふさわしい職業能力を持っているかはわからない。
サンパウロ州の任意試験結果を見ると、新人医師3人中2人は医者として能力不足ということだろうか。
信じたくない数字である。

口コミ評判が医師を選ぶときに結構重要視される理由の一つだろう。
医師に関しても統一達成度試験を実施して、少しでも安心してかかれる医者を養成するようにしてもらいたいものである。

2011年10月24日

2014ブラジルワールドカップに半額チケットは出るか?

ブラジル政府とFIFAの間で2014年ワールドカップ運営上の意見の相違がある。

この前ニュースで見たFIFAのブラジル側への要望は次の3つだ。
  1. ブラジルでは州や市の地方法によってアルコール飲料禁止のスタジアムがあるが、FIFAはアルコール飲料を解禁したい。
    もちろん飲料メーカーが大スポンサーになっているからだ。
  2. ブラジルでは、老人には連邦法の効力で連邦全体にわたり、学生には地方法の効力で場所によって、入場料が半額になる恩典があるが、FIFAは入場料の価格決定権を握っていて、半額チケットは導入したくない。
  3. 大会スポンサーの権利を最大限尊重して欲しい。
    スポンサー権利保護に不安がある。
Orlando Silvaスポーツ相は、老人憲章に定める老人の半額チケットの権利は連邦法であるからFIFAに認めてもらいたい、学生への半額チケットは地方法によって定められているので、FIFAは各開催都市と協議してもらいたいと、2011年10月3日のインタビューで答えた。

一方2011年10月5日、ブラジル下院は青年憲章(Estatuto da Juventude)を可決し、15歳から29歳までの若者に全国で文化・催事・娯楽の半額入場料の権利を認めた。
これが正式な法律となるのにはさらに上院の可決と大統領の承認が必要だ。
起案議員はワールドカップでのFIFAとの抵触に関して、青年憲章の細則は定めず、FIFAが開催都市と話し合って決めてもらいたいとスポーツ相と同様の考えを述べた。

10月17日Dilma大統領はインタビューでスポーツ相の発言を確認した。

ワールドカップ運営に関してはワールドカップ総合法(Lei Geral da Copa)が開催の大筋を定めるはずなのだが、FIFAにとってはとっくに完成して承認されているはずのこの法が、いまだにブラジル政府とFIFA意見の相違で議会にとどまっているのが気がかりではある。

先週の10月20日のFIFAの試合スケジュール発表では、ブラジルを賞賛することを忘れず、一体感を演出したFIFAであるが、それに先立つFIFAの本部での会合ではJérôme Valcke FIFA総書記は2018年ワールドカップのホスト国ロシアの法整備の進み具合を引き合いに出したり、2010年南アフリカ大会の責任者Danny Jordaanがブラジル批判に加わったりで、なかなかしっくりすっきりとしないようだ。

10月20日のFIFAの発表によると、コンフェデレーションズカップのチケットは2012年12月から、ワールドカップのは2013年8月から発売が開始される。

ブラジル政府の言い分が通り、連邦法の効力で老人の半額チケットが実現、開催都市との合意で学生の半額チケットが実現したところで、ワールドカップ観戦に全世界からブラジルにやって来る外国人観光客への適用はどうなるのだろうか。
全世界のチケット販売の場面で、ブラジルに半額制度があることが周知されるのだろうか。

ワールドカップが一回きりならブラジルも好きなようにできるだろうが、これからも4年に1回開催され続けるのだから、ブラジルだけわがままを許されるとは考えにくい。

あまりに両者の溝が深すぎてどうにも埋まらない場合には、2012年6月1日まで開催契約を罰金なしで破棄することができるとHost Agreement 7.7に定められているため、ブラジル・FIFA両方にとって不名誉な最悪の結果に陥る可能性が全くないわけではない。

2011年10月23日

カリオカは2014ブラジルワールドカップの試合割りに不満

2011年10月20日FIFAはワールドカップの会場割(マッチ・スケジュールmatch schedule)を発表した。

2013年に行われるコンフェデレーションカップ(16試合)は、ブラジルの4都市、南から北へ向かって並べるとリオデジャネイロ(リオデジャネイロ州)―決勝(final)を含む、ベロオリゾンテ(ミナスジェライス州)、ブラジリア(連邦区)―開幕戦(jogo de abertura)を含む、フォルタレザ(セアラ州)で行われる。
スタジアム建設が間に合えば、サルバドル(バイア州)、レシフェ(ペルナンブコ州)の2都市でも試合が行われる可能性がある。

2014年のワールドカップ本番は64試合ある。
開催12都市はそれぞれ少ない都市で4試合、多い都市では7試合が行われる。

マナウス(アマゾナス)、クイアバ(マットグロッソ)、ナタル(リオグランデドノルテ)、クリチーバ(パラナ)ではそれぞれの都市でリーグ戦4試合が行われる。

レシフェ(ペルナンブコ)とポルトアレグレ(リオグランデドスル)はリーグ戦4試合とベスト16戦(oitava de final)1試合の5試合ずつが行われる。

フォルタレザ(セアラ)、サルバドル(バイア)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝(quarta de final)1試合の計6試合が、ベロオリゾンテ(ミナスジェライス)、サンパウロ(サンパウロ)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準決勝(semifinal)1試合の計6試合が行われる。

ブラジリア(連邦区)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝1試合さらに3位決定戦(decisão de terceiro lugar)の計7試合が、リオデジャネイロ(リオデジャネイロ)はリーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝1試合そして決勝戦(final)の計7試合が開催される。

開催国のメリットで、ブラジルセレソン(seleção brasileira=ブラジル代表チーム)の試合スケジュールはすでに明らかになっている。
ブラジルは組み合わせ表のA1である。

2014年6月12日木曜日午後5時(ブラジル南東時UTC-3)開幕戦はサンパウロ、現在建設中のコリンチャンスのホームスタジアムとなるイタケロン(Itaquerão 68000人収容)で、続いて6月17日フォルタレザのカステロン(Castelão 66000人)、6月23日ブラジリアのブラジリア国立(Estádio Nacional de Brasília 71000人)でグループリーグを戦う。

グループ1位で通過すると、6月28日ベロオリゾンテのミネイロン(Mineirão 64000人)、準々決勝7月4日再びフォルタレザ、準決勝7月8日再びベロオリゾンテ、7月13日午後4時決勝戦リオデジャネイロの現在改修中のマラカナン(Maracanã 76000人)と進むことになる。
グループ2位だった場合にはベスト16戦フォルタレザ、準々決勝サルバドル、準決勝サンパウロになる。

コンフェデレーションズカップの入場券の売り出しは2012年の12月、ワールドカップの入場券の売り出しは2013年8月に開始する。

現在リオデジャネイロの最大球技場でありブラジルサッカーの栄光を記憶するマラカナンスタジアム(Estádio do Maracanã)は、8億6千万レアルをかけてワールドカップに向け改修工事の最中である。
先日の会場割の発表で、マラカナンでは7試合が行われることになった。

しかしブラジルセレソンをマラカナンで見られるのは、セレソンが決勝に残った場合に限られる。
ブラジルサッカー連盟(CBF-Confederação Brasileira de Futebol)のRicardo Teixeira会長は、ブラジルは絶対決勝まで残るからカリオカ(carioca=リオデジャネイロ市民)はマラカナンで観戦できる、と言っているのだが、決勝に残る保証は全くない。

カリオカはもちろんブラジルが決勝まで勝ち残るよう応援しているのだが、落胆の色を隠せない人も多い。
「マラカナンはフットボールの世界で独特の価値を持つところだからブラジル代表にもっとプレーして欲しい」
なかなか真っ当な意見だ。
「ブラジルが負けたらどうするんだ」
この人はブラジルが負けると思っているのだろう。
現在のセレソンを見ていると無理もないが。

一方ホテルなど観光業界は喜んでいる。
観光省はリオを訪れる外国からの観光客を40万人以上と試算している。

組織委員会は気候や収容力・輸送力などを考慮して会場割を決定したと報告している。

(Globo Jornal Nacional 20-21/10/2011から)

2011年10月20日

あなたのポケットはアメリカ(の病院)製?

先週、シーツや白衣など布物の病院廃棄物がぎっしり詰まったコンテナが発見されたのが始まりだ。
病院の中古で血液のしみまでついている古いシーツなんかブラジルは輸入してどうするのか。
最初の報道では、縫製業者へ売られてズボンのポケットなど服の内側で見えない部分に使われている、とのことであった。
しかし事件は拡大している。

ジョアンペッソア(パライバ州都)の運転手エリオ・ルセナさんは行商人から1枚20レアルで買ってきたシーツ2枚を家で見てびっくりした。
アメリカ合衆国政府のマークが入っていたからだ。
「U.S.のマークって何だこれは米国から来た病院廃棄物でないのか?
有害かどうかはわからないけど。」

画面を見ると
U.S. GOBERNMENT PROPERTY
SAMMC
STOLEN IF REMOVED FROM PREMISES
とプリントされている。
これだけでは廃棄されたものか盗まれたものかは分からない。

パライバ(Paraíba)州衛生監視局長イヴァンドロ・ブラジレイロは市民の注意を促している。
「原料がどこのものかわからないから、行商人から繊維製品を買うときは注意するように。」

Globo取材陣はペルナンブコ州チンバウーバ(Timbaúba)の商店でアメリカの病院のシーツが売られているのを発見した。
ある店では1枚2レアルで売られていた。

病院のシーツを客室で使っているホテルまであった。
テレビの画面では、メークしたベッドの側面に"HEALTHCARE SERVICES"と読める。
印字を見ておかしいと思わなかったのかと尋ねられたホテルの主人は、「2年前から使っているけど、おかしいと思ったことはない」と言った。

左官アントニオ・カルロス・ザネリさんは、先週買ったばかりのバミューダパンツのポケット地を見て不審に思った。
「私には(その生地に)何が入っていたか、何に使われていたか、何の病人が使ったかはわからないが…」
ポケット地にプリントされたマークはポルトガルの病院のものだった。
パンツを購入した店の店主は、ゴイアス(Goiás)州で購入したものだが、製造はペルナンブコ州という。
店主は商品を返品した。
「代理店は正式な全国法人番号(CNPJ)を持っている。
しっかりした会社だと思った。
まさかこんな犯罪の疑いのある原料を使うとは思わなかった。」
店の支配人はこう言った。

バイア州イリェウス(Ilhéus - Bahia)の警察は、800キログラム以上のシーツその他の病院廃棄物を市の中心街の生地店で押収した。
血液のしみが見てとれるシーツもあった。
病院のマークはリオデジャネイロ、サンパウロ、パラナ、ペルナンブコ州の病院のものであった。

米国からのコンテナに入った、シーツ、枕カバーや白衣など米国の病院の廃棄物だけではないのだ。
今回の摘発は国内でも使用済み病院廃棄物が州境を超えて不法取引されていることを明るみに出した。

カルアル(Caruaru - PE)で購入したズボンのポケット地にブラジルの病院、サンルーカス医院の名前があった。
サンルーカス医院を運営するサンタカーザ・グループはベロ・オリゾンテ(ミナスジェライス州都)にあるが、自分の病院の廃棄物がそんな場所に届いているなんて全く知らなかった、廃棄は保健省の定める手順に従って行なっていると回答した。


レシフェ(ペルナンブコ州都)の大衆向け商店街では消費者も商店も慎重になっている。
服を選ぶときは、裏を見て選ぶようになった。
病院のマークなどプリントされていたら大変である。
「あのアメリカ製のポケットの付いていないのだったら良いよ」ってどの客も言うんだ。
店主が教えてくれた最近のピアーダ(piada=ジョーク)だ。

病院廃棄物不法輸入の容疑者Altair Teixeira de Mouraはカルアルで取り調べを受けている。
彼の弁護士は、アメリカ側の荷主が間違って発送した、と報道陣へ話している。
「あの病院廃棄物は彼が買った商品ではないと輸入業者が指摘した、彼が米国の業者へ発注したのは新品の生地だった。」

今日10月20日朝、アメリカからFBIのエージェントが捜査協力のためレシフェへ到着した。
国立衛生監視庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária)によると、外国からの病院廃棄物の購入は不法であり禁止されている。

(Globo Jornal Hoje 2011年10月19,20日を参考にした)

2011年10月15日

ブラジルの夏時間

ブラジルの一部は今夜から夏時間(horário de verão=サマータイム)に入る。
今年の夏時間は次のように実施される。

夏時間を採用する州は、南部(リオグランデドスル、サンタカタリーナ、パラナの3州)、南東部(サンパウロ、リオデジャネイロ、ミナスジェライス、エスピリトサントの4州)、中西部(マットグロッソドスル、マットグロッソ、ゴイアスの3州及び連邦区)の、赤道から比較的離れていて毎年夏時間を実施する3地方と、北東部からただ1州バイア州も夏時間に入る。
夏時間は2012年2月26日まで続く。

2008年の大統領令によって、夏時間は10月の第3日曜日に開始、2月の第3日曜日に終了する。
2011年の第3日曜日は10月16日で一致しているが、2012年の2月第3日曜日は2月19日でないか?
2月第3日曜日がカーニバルに当たった場合には、夏時間をさらに1週間延長して第4日曜日に終了することになっている。

具体的には、2011年10月15日土曜日から16日日曜日に変わる午前0時に時計の針を1時間進めて午前1時にする。
そのため今晩は夜が一時間短くなる。
これまで夜明けが6時だった所は、明日から7時に夜が明ける。
日没が6時であったなら、明日からは7時になる。

連邦政府によると、今回の夏時間実施期間は、1985年以来最長の133日(19週間)となる。
カーニバル延長規定によるものだろう。
電力システム全国オペレーター(Operado Nacional do Sistema Elétrico)の試算によるブラジル全国の夏時間実施による節電効果であるが、デマンド(要求電力)が-4.6%相当の2,650メガワット減少し、全期間で7,500万から1億レアルの金額となっている。

夏時間実施を決定するのは各州政府であるが、昨年まで実施しなかったバイア州が今年実施する理由は、バイア州の企業が、銀行や企業の営業時間を南部や南東部と一緒にしたいと希望したと報道されている。
テレビニュースでは、州民の世論調査で半数以上が夏時間を希望したと別の報道がされた。
バイア州が夏時間を採用するのは8年ぶりで、住民にとっては評価は半々であるが、企業を始め観光・商業部門は夏時間を歓迎している。

住民の評価が賛否半々であるのはバイア州だけでなく他の実施州でも同じであるが、一部下院議員が夏時間廃止法案を提案している。
夏時間に反対する理由は健康上及び保安上の悪影響としている。

1時間時計を進めたり遅らせたりすることへの適応性は人によって違うだろうから、いつも非常に規則的な生活をしている人には耐えられない辛さがあるのかもしれない。
保安上の影響というのは、毎日午前6時に家を出る人がいて、今日までなら日の出後で明るかったのが、来週月曜日の午前6時はまだ真っ暗で人気のない街路で強盗や追い剥ぎの心配をしなければならないということのようだ。
そんなことを言うのだったら日が短い季節はどうするのか、早朝でも明るいように冬時間を採用するのか、そうすると夕方早く真っ暗になってしまうだろうと反論が出そうだ。

(http://g1.globo.com/brasil/noticia/2011/10/horario-de-verao-comeca-meia-noite-de-domingo.html及びhttp://pt.wikipedia.org/wiki/Hor%C3%A1rio_de_ver%C3%A3oを参考にした)

夜が一時間短くなるこの晩、交通機関はどうなるのか。

サンパウロ大都市圏では通常午前1時まで運行するメトロ・電車・都市間バス等は夏時間の午前2時まで運行になる。
と言っても、深夜0時になった途端に時計の針を1時間進めて午前1時になってしまうから、日曜日未明の営業時間=1時間は変わらないわけだ。
運行が止まっている時間帯が1時間短くなって、日曜の始電・終電は夏時間にシフトする。

サンパウロ長距離バスターミナルによると、日曜日0時から0時59分発のバスは存在しない。
日曜日午前0時になったら即午前1時になってしまうのだから当然だ。
午前1時10分発のバスに乗る予定で15分前にターミナルに着いておきたい人は、0時55分でなく、土曜日の23時55分に着かなければならない。
ここが間違えやすいので注意!

空港公社によると、時間が変更になる時間帯に出発を予定している人は航空会社へ問い合わせるのが良い。
特に国内線でバイア州へ行く人の注意を喚起している。
と言うのも、バイア州は今年夏時間を採用することになっているからだ。

(http://g1.globo.com/sao-paulo/noticia/2011/10/horario-de-verao-amplia-circulacao-de-trens-e-onibus-de-sp.htmlを参考にした)

実用性はないが、各地の日の出日の入り昼の時間など調べてみた。
都市 緯度 10/15
日出
10/15
日没
10/15
昼時間
12/22
日出
12/22
日没
12/22
昼時間
マカパ アマパ 0°04'N 6:17 18:13 12h06m 6:21 18:28 12h07m
サルバドル バイア 12°58'S 5:09 17:31 12h22m 6:26 18:59 12h53m
リオデジャネイロ リオデジャネイロ 22°54'S 5:21 17:57 12h36m 6:05 19:38 13h32m
ポルトアレグレ リオグランデドスル 30°02'S 5:47 18:35 12h47m 6:21 20:26 14h05m
ブエノスアイレス 連邦区 34°20'S 6:12 19:08 12h55m 6:39 21:06 14h27m
ウシュアイア ティエラデルフエゴ 54°47'S 6:25 20:15 13h50m 5:52 23:12 17h19m
アルゼンチンは2011年の夏時間について未定なので、ブラジルの都市との比較のため夏至(12月22日)の日出・日没は夏時間になっているものとして1時間ずらした。
データはhttp://www.timeanddate.comによる

2011年10月8日

殺人統計からみたブラジルの治安

国連薬物犯罪事務所(UNODC - United Nations Office on Drugs and Crime)が世界の殺人件数を調査した"2011 Global Study on Homicide"を発表した。

ブラジルの殺人数は実数で世界一、2009年に43,909人だった。
UNODCサイトのニュースリリース見出しが、「UNODCの調査で殺人率が高いのは(南・中央・カリブ海)アメリカと(南)アフリカ」となっている。

世界で最も殺人が多い国は中央アメリカのホンジュラス(Honduras)で10万人年当たり82.1人だ。
南アメリカで殺人の多い危険グループは第1位ベネズエラ(Venezuela)人口10万人年当たり49人、第2位コロンビア(Colombia)33.4人、第3位ブラジル(Brasil)22.7人だ。
南アメリカ安全グループは、ウルグアイ6.1人、アルゼンチン5.5人、ペルー5.2人、チリ3.7人で、ブラジルより一桁少なく、世界平均6.9人を下回る。

東アジアでは北朝鮮15.2人、モンゴル7.6人が殺人の多いグループで、韓国は2.9人、安全グループが中国1.1人、香港及び日本0.5人となっている。
東アジアは南アメリカと安全では天地の差がある。

しかしブラジルはこれでも5年前より安全になってきている。

ブラジル法務省によると、サンパウロ市の殺人率は2004年10万人当たり20.8人だったのが、2009年には10.8人へと5年でほぼ半減した。
サンパウロ州政府による8月までのデータからの推計で2011年は、8.9人とさらに改善している。
Geraldo Alckminサンパウロ州知事は、街角や住宅街への警察巡回増強や、ONG (Organização Não Governamental 非政府組織)や民間団体と組んだ社会対策、武器取締りや犯罪捜査に力を入れた結果だと説明する。
UNODCのレポートは、サンパウロ及びリオデジャネイロ両大都市の犯罪への取り組みと殺人の減少を賞賛している。

一方でブラジルの地方州はこれから対策が望まれる。
ブラジル最悪の州は北東地方アラゴアス(Alagoas)州で、10万人年当たり60.3人だ。

当レポートのグラフからブラジル各州を分類した。
各階級内では、州は殺人数の順ではなく、ブラジル5地方の南部・南東部・北東部・中西部・北部の順に並んでいることに注意。
おまけに2014年ワールドカップの開催12都市に*印をつけた。
10万人年
殺人数
略号-州名州都・観光地
60人以上アラゴアス AL-Alagoasマセイオ Maceió
30.0-59.9パラナ PR-Paraná*クリチーバCuritibaイグアス滝
リオデジャネイロ RJ-Rio de Janeiro*リオデジャネイロ
エスピリトサント ES-Espírito Santoヴィトリア Vitória
バイア BA-Bahia*サルバドール Salvador
ペルナンブコ PE-Pernambuco*レシフェ Recife
パライバ PB-Paraíbaジョアンペッソア João Pessoa
マットグロッソ MT-Mato Grosso*クイアバ Cuiabá パンタナル
ロンドニア RO-Rondôniaポルトヴェーリョ Porto Velho
パラ PA-Paráベレン Belém
15.0-29.9リオグランデドスル RS-Rio Grande do Sul*ポルトアレグレ Porto Alegre
セルジペ SE-Sergipeアラカジュ Aracaju
リオグランデドノルテRN-Rio Grande do Norte*ナタル Natal
セアラ CE-Ceará*フォルタレザ Fortaleza
マットグロッソドスル MS-Mato Grosso do Sulカンポグランデ Campo Grande
ゴイアス GO-Goiásゴイアニア Goiânia
連邦区 DF-Distrito Federal*ブラジリア Brasília
トカンチンス TO-Tocantinsパルマス Palmas
アクレ AC-Acreリオブランコ Rio Branco
アマゾナス AM-Amazonas*マナウス Manaus
アマパ AP-Amapáマカパ Macapá
5.0-14.9サンタカタリーナ SC-Santa Catarinaフロリアノポリス Florianópolis
サンパウロ SP-São Paulo*サンパウロ
ミナスジェライス MG-Minas Gerais*ベロオリゾンテ Belo Horizonte
ピアウイ PI-Piauíテレジーナ Teresina
マラニョン MA-Maranhãoサンルイス São Luís
ロライマ RR-Roraimaボアヴィスタ Boa Vista

(Globo Jornal Nacional 2011年10月6日、
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/statistics/crime/global-study-on-homicide-2011.html
を参考にした)

2019年5月15日追加

最近の記事から拾った数字を比較参考のために記す。
記事の表題は忘れてしまったが、一応信用できるものであり、データソースは表示されていなかったので不明。
2016年人口10万人あたり自殺数(殺人数ではない)
日本 17.3
米国 13.5

2011年10月7日

郵便と銀行のダブルスト、支払はどうする?

ストライキ = (a) greve (po.)

郵便局員のストライキにより郵便物の遅配が続いている上に、銀行員がストに入った。

電気水道電話その他支払票が支払日までに届かなかったら大変だ。
期日に支払うのはどこでも消費者の義務である。
ブラジルでは支払いの遅れをストのせいにすることはできない。
支払期日に遅れると、金額の2%の罰金とひと月当たり1%の延滞利息がつく。

銀行協会によると現在半数以上の取引が機械(ATM)あるいはインターネットバンキングによる取引だという。
ダブルストの状況でどうやって自動料金支払い(débito automático)になっていない支払いをするか。

1 毎月支払期日が決まっていてしかも支払先のインターネットサイトで支払票複本(segunda via)を入手できる場合

銀行口座を持ち、インターネットバンキングを通常行なっている場合は、電気会社などのサイトで支払票のバーコード(数字列)を書き取って、インターネットバンキングでその数字列を打ち込み支払うことができる。
スマートフォンのアプリでバーコードリーダーになるものがあるというが、使い勝手はわからない。

銀行口座を持つが、インターネットバンキングは信用できないという向きは、電気会社などのサイトで支払票をプリントして、口座を持つ銀行のATMでバーコードを読ませて(プリンターがないなら書き取った数字列をATMに手入力して)支払いをする。

受取給与の現金引出しに機能が制限されている給与口座の場合、あるいは銀行口座をそもそも持っていない場合はどうするか。

給与口座からの支払いはできないので、まず現金を手にしなければならない。
そうすれば支払票複本と現金を持って行って宝くじ店(casa lotérica)で支払いができる。
宝くじ店は連邦貯蓄銀行(Caixa Econômica Federal)の業務を一部代行しているので、水道電気ガス電話等料金や連邦貯蓄銀行の支払票は1件1,000レアルまで、その他の銀行の支払票は1件700レアルまでの支払をすることができる。

日本のようにどこにもあるコンビニで支払える便利さはないが、宝くじ店の他に、各種料金の受け取りなどを行う銀行代理店になっているスーパーや商店で支払いもできる。

2 支払期日がわかっていてもインターネットで支払票複本が取れない場合

支払期日前に電話その他で連絡をして、支払い方法を聞く。
近くなら直接店頭で払うように言われるかもしれないし、遠くなら支払期日を延長した新たな支払票を送ってくれるかもしれない。

支払期日前に連絡して、「支払う意志を持っているが方法がない」ことを伝えた証拠を作っておくことが大切だ。
もちろん証拠だから、内容と共に電話年月日時刻、応対者の名前、受付番号(protocolo)などを記録しておくこと。

3 支払期日がわからない場合

支払先に連絡するのが良いが、支払期日が全くわからないのならスト復旧を待っても良いと思う。

期日まで支払えず、支払先が罰金利息を請求してきたらどうなるのか。
「支払う意志を持っているが方法がない」証拠を残してあるのだから、消費者保護機関などで有利な裁定を受けることができる、はずだ。

消費者はこういった事態に自衛しなければならないわけだ。
面倒な話ではある。

(27/9/2011 Globo Jornal Nacionalを参考にした)

2011年10月6日

日本人はブラジル人化しているか

「非嫡出子の相続差別は違憲…大阪高裁で確定」
日本の民法では婚外子の遺産相続は夫婦間の子の半分とした民法の規定は、「法の下の平等を定めた憲法に違反し無効」との判断を大阪高裁が下した。
(2011年10月4日日本経済新聞Web刊、その他各紙サイトから)

ブラジルの民法は嫡出子と非嫡出子の区別をしない。
子供であれば正式な夫婦の子でも、婚外の子でも相続分は同じだ。
日本の民法の規定が奇妙に感じられたのは、日本の法律に全く疎いからか、頭の中がブラジル化したからか。

日本の民法は本当に婚外子を差別しているのだろうか?

ここからは想像の話だ。
ブラジルのある町にひとりの娘がいた。
金持ちの家で家政婦として働いていたところ、家族が旅行中に泥酔して一人で帰ってきた金持ちの主人の世話をしているうちに関係を持って妊娠してしまった。
カトリックの国であり、娘は中絶など想像すらせず子供を産んで金持ちに認知してもらった。

結構な額の養育費を受け取り、子持ちにはなったが気の良い娘だったので、貧しいが働き者の青年と知り合った。
連れ子は青年になつき、青年も連れ子をかわいがったので二人は結婚した。
娘は青年と間に子供2人を授かった。
子供3人の仲は良く、幸せな家族だったが、数十年後、夫婦は交通事故で死亡した。
夫婦は資産10万レアルを残した。
子供3人は10万レアルを3等分して33,333レアルずつ相続した。

それから3年経った。
連れ子の父親である、妻に先立たれていた金持ちが死亡した。
金持ちだった(bilionário)ので遺産は10億レアル(um bilhão de reais)残した。
金持ちも先立った妻との間に2人の子がいたので、3人の子が遺産相続した。
一人あたり333,333,333レアルだ。

連れ子(婚外子)はもらい過ぎではないのか?

金持ちを普通の人に置き換えて、この男も資産10万レアルを残したと仮定しよう。
登場する5人の子の中で、いずれの夫婦間にできた子供は33,333レアルを相続するのに、婚外子だけは66,666レアル相続することになる。
日本の民法の規定を適用すれば、5人が40,000レアルずつ均等に相続することができてこっちのほうが公平ではないのか?

でも日本の民法の計算でも困ることがある。
ブラジルでは金持ちでも金持ちでなくても無責任で姿をくらますような男はいるし、誰とでも寝るふしだらな娘もいるわけで、そういった場合には父親の名前なしで子の出生登録をすることになる。
この場合に婚外子の相続分は嫡出子の半分とすると、今度は相続分が少なくなってしまう。

ここで推論する。
ブラジル民法は、父親の名前なしで出生登録した子でも十分な相続の権利を持てるようになっている。
日本民法は、父親が責任をもって認知することを想定して、父母両親からの二分の一ずつ相続を前提にしている。
大阪高裁の裁定は、最近の日本人の男女関係がブラジルのものに近くなったことが根底にある。
反論が出そうだ。

断っておくと、ブラジルの出生登録(registro de nascimento)・結婚登録(registro de casamento)制度と日本の戸籍制度の違いや両国の民法の詳細を全く考慮していないので、間違った推論をしている可能性はある。

2011年10月3日

返ってこないお釣り

現在ブラジルに流通する紙幣・硬貨は次のとおりだ。
紙幣(cédula) 100レアル・50レアル・20レアル・10レアル・5レアル・2レアル・1レアル
硬貨(moeda) 1レアル・50センターボ・25センターボ・10センターボ・5センターボ・1センターボ
ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil) 紙幣と硬貨

1センターボは百分の一レアル、レアル(real)の複数形はレアイス(reais)、センターボ(centavo)の複数形はセンターボス(centavos)だが、ここでは全部単数形で示した。

物の値段を39,800円とか半端に付ける習慣は世界共通なのだろうか。
実質4万円を3万円台に見せるトリックだ。
手元にある仏系スーパーマーケットの広告を見てみよう。
米5Kg R$6.29、砂糖5Kg R$7.89、フェイジョン(いんげん豆)1kg R$2.79、大豆油900ml R$2.69
確かに一見安く見えるように半端な金額になっている。

しかしここはブラジルで、日本とは事情が事なる。
商店主も客もとても大雑把なのだ。
98センターボの買い物をして1レアル貨を渡しても、2センターボのお釣りが返ってこないことがよくある。
客もお釣りじゃらじゃらがうっとうしいのか、わざわざ請求しない人が多い。

98センターボの買い物をして1レアル貨を渡してお釣りが返ってこないのなら、10個買って10レアル札で払って20センターボのお釣りを受け取る手はある。
1センターボ・5センターボがなくても、さすがに10センターボ貨がないという店は少ない。
でもたくさん買っても仕方ないことが多い。

パン屋などでは飴玉をお釣りの代わりに渡す店もあるが、こんなモノいらないと断って、あくまでもお釣りを渡せというのは消費者の当然の権利だ。
法に定めるまでもないとは思うのだが、消費者保護法では、商店にお釣りがない場合には釣りの金額を切り上げなければならない。
つまり、1センターボ硬貨がないのなら5センターボ、5センターボ硬貨がないのなら10センターボを客に渡さなければならない。

商店は店頭に必ず「消費者保護法」の冊子を備えていなければならない。
違反すると罰金が科されるはずだ。
消費者保護法を隅まで覚える必要はないが、ケチでわからず屋な商店主に対抗するために、多少の知識を持てば店頭の消費者保護法は強い味方になるはずだ。

全ての商店で使えるわけではないが、もう一つ釣銭の問題を回避する方法がある。
デビットあるいはクレジットカードを使えば、いくら端数があっても買い物金額丁度を支払うことができる。

どうしてセンターボ硬貨が市場から消えるのかわからないが、ブタの貯金箱や空き缶貯金、引出しの隅などに死蔵されるのではないか。
端数が日毎に価値を失っていく年二桁のインフレが終息して20年近く経つのだから、インフレ時代の記憶から硬貨が粗雑に扱われるということは最早ないとは思うのだ。