2011年10月20日

あなたのポケットはアメリカ(の病院)製?

先週、シーツや白衣など布物の病院廃棄物がぎっしり詰まったコンテナが発見されたのが始まりだ。
病院の中古で血液のしみまでついている古いシーツなんかブラジルは輸入してどうするのか。
最初の報道では、縫製業者へ売られてズボンのポケットなど服の内側で見えない部分に使われている、とのことであった。
しかし事件は拡大している。

ジョアンペッソア(パライバ州都)の運転手エリオ・ルセナさんは行商人から1枚20レアルで買ってきたシーツ2枚を家で見てびっくりした。
アメリカ合衆国政府のマークが入っていたからだ。
「U.S.のマークって何だこれは米国から来た病院廃棄物でないのか?
有害かどうかはわからないけど。」

画面を見ると
U.S. GOBERNMENT PROPERTY
SAMMC
STOLEN IF REMOVED FROM PREMISES
とプリントされている。
これだけでは廃棄されたものか盗まれたものかは分からない。

パライバ(Paraíba)州衛生監視局長イヴァンドロ・ブラジレイロは市民の注意を促している。
「原料がどこのものかわからないから、行商人から繊維製品を買うときは注意するように。」

Globo取材陣はペルナンブコ州チンバウーバ(Timbaúba)の商店でアメリカの病院のシーツが売られているのを発見した。
ある店では1枚2レアルで売られていた。

病院のシーツを客室で使っているホテルまであった。
テレビの画面では、メークしたベッドの側面に"HEALTHCARE SERVICES"と読める。
印字を見ておかしいと思わなかったのかと尋ねられたホテルの主人は、「2年前から使っているけど、おかしいと思ったことはない」と言った。

左官アントニオ・カルロス・ザネリさんは、先週買ったばかりのバミューダパンツのポケット地を見て不審に思った。
「私には(その生地に)何が入っていたか、何に使われていたか、何の病人が使ったかはわからないが…」
ポケット地にプリントされたマークはポルトガルの病院のものだった。
パンツを購入した店の店主は、ゴイアス(Goiás)州で購入したものだが、製造はペルナンブコ州という。
店主は商品を返品した。
「代理店は正式な全国法人番号(CNPJ)を持っている。
しっかりした会社だと思った。
まさかこんな犯罪の疑いのある原料を使うとは思わなかった。」
店の支配人はこう言った。

バイア州イリェウス(Ilhéus - Bahia)の警察は、800キログラム以上のシーツその他の病院廃棄物を市の中心街の生地店で押収した。
血液のしみが見てとれるシーツもあった。
病院のマークはリオデジャネイロ、サンパウロ、パラナ、ペルナンブコ州の病院のものであった。

米国からのコンテナに入った、シーツ、枕カバーや白衣など米国の病院の廃棄物だけではないのだ。
今回の摘発は国内でも使用済み病院廃棄物が州境を超えて不法取引されていることを明るみに出した。

カルアル(Caruaru - PE)で購入したズボンのポケット地にブラジルの病院、サンルーカス医院の名前があった。
サンルーカス医院を運営するサンタカーザ・グループはベロ・オリゾンテ(ミナスジェライス州都)にあるが、自分の病院の廃棄物がそんな場所に届いているなんて全く知らなかった、廃棄は保健省の定める手順に従って行なっていると回答した。


レシフェ(ペルナンブコ州都)の大衆向け商店街では消費者も商店も慎重になっている。
服を選ぶときは、裏を見て選ぶようになった。
病院のマークなどプリントされていたら大変である。
「あのアメリカ製のポケットの付いていないのだったら良いよ」ってどの客も言うんだ。
店主が教えてくれた最近のピアーダ(piada=ジョーク)だ。

病院廃棄物不法輸入の容疑者Altair Teixeira de Mouraはカルアルで取り調べを受けている。
彼の弁護士は、アメリカ側の荷主が間違って発送した、と報道陣へ話している。
「あの病院廃棄物は彼が買った商品ではないと輸入業者が指摘した、彼が米国の業者へ発注したのは新品の生地だった。」

今日10月20日朝、アメリカからFBIのエージェントが捜査協力のためレシフェへ到着した。
国立衛生監視庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária)によると、外国からの病院廃棄物の購入は不法であり禁止されている。

(Globo Jornal Hoje 2011年10月19,20日を参考にした)

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