この前ニュースで見たFIFAのブラジル側への要望は次の3つだ。
- ブラジルでは州や市の地方法によってアルコール飲料禁止のスタジアムがあるが、FIFAはアルコール飲料を解禁したい。
もちろん飲料メーカーが大スポンサーになっているからだ。 - ブラジルでは、老人には連邦法の効力で連邦全体にわたり、学生には地方法の効力で場所によって、入場料が半額になる恩典があるが、FIFAは入場料の価格決定権を握っていて、半額チケットは導入したくない。
- 大会スポンサーの権利を最大限尊重して欲しい。
スポンサー権利保護に不安がある。
一方2011年10月5日、ブラジル下院は青年憲章(Estatuto da Juventude)を可決し、15歳から29歳までの若者に全国で文化・催事・娯楽の半額入場料の権利を認めた。
これが正式な法律となるのにはさらに上院の可決と大統領の承認が必要だ。
起案議員はワールドカップでのFIFAとの抵触に関して、青年憲章の細則は定めず、FIFAが開催都市と話し合って決めてもらいたいとスポーツ相と同様の考えを述べた。
10月17日Dilma大統領はインタビューでスポーツ相の発言を確認した。
ワールドカップ運営に関してはワールドカップ総合法(Lei Geral da Copa)が開催の大筋を定めるはずなのだが、FIFAにとってはとっくに完成して承認されているはずのこの法が、いまだにブラジル政府とFIFA意見の相違で議会にとどまっているのが気がかりではある。
先週の10月20日のFIFAの試合スケジュール発表では、ブラジルを賞賛することを忘れず、一体感を演出したFIFAであるが、それに先立つFIFAの本部での会合ではJérôme Valcke FIFA総書記は2018年ワールドカップのホスト国ロシアの法整備の進み具合を引き合いに出したり、2010年南アフリカ大会の責任者Danny Jordaanがブラジル批判に加わったりで、なかなかしっくりすっきりとしないようだ。
10月20日のFIFAの発表によると、コンフェデレーションズカップのチケットは2012年12月から、ワールドカップのは2013年8月から発売が開始される。
ブラジル政府の言い分が通り、連邦法の効力で老人の半額チケットが実現、開催都市との合意で学生の半額チケットが実現したところで、ワールドカップ観戦に全世界からブラジルにやって来る外国人観光客への適用はどうなるのだろうか。
全世界のチケット販売の場面で、ブラジルに半額制度があることが周知されるのだろうか。
ワールドカップが一回きりならブラジルも好きなようにできるだろうが、これからも4年に1回開催され続けるのだから、ブラジルだけわがままを許されるとは考えにくい。
あまりに両者の溝が深すぎてどうにも埋まらない場合には、2012年6月1日まで開催契約を罰金なしで破棄することができるとHost Agreement 7.7に定められているため、ブラジル・FIFA両方にとって不名誉な最悪の結果に陥る可能性が全くないわけではない。
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