現在ブラジルに流通する紙幣・硬貨は次のとおりだ。
紙幣(cédula) 100レアル・50レアル・20レアル・10レアル・5レアル・2レアル・1レアル
硬貨(moeda) 1レアル・50センターボ・25センターボ・10センターボ・5センターボ・1センターボ
ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil) 紙幣と硬貨
1センターボは百分の一レアル、レアル(real)の複数形はレアイス(reais)、センターボ(centavo)の複数形はセンターボス(centavos)だが、ここでは全部単数形で示した。
物の値段を39,800円とか半端に付ける習慣は世界共通なのだろうか。
実質4万円を3万円台に見せるトリックだ。
手元にある仏系スーパーマーケットの広告を見てみよう。
米5Kg R$6.29、砂糖5Kg R$7.89、フェイジョン(いんげん豆)1kg R$2.79、大豆油900ml R$2.69
確かに一見安く見えるように半端な金額になっている。
しかしここはブラジルで、日本とは事情が事なる。
商店主も客もとても大雑把なのだ。
98センターボの買い物をして1レアル貨を渡しても、2センターボのお釣りが返ってこないことがよくある。
客もお釣りじゃらじゃらがうっとうしいのか、わざわざ請求しない人が多い。
98センターボの買い物をして1レアル貨を渡してお釣りが返ってこないのなら、10個買って10レアル札で払って20センターボのお釣りを受け取る手はある。
1センターボ・5センターボがなくても、さすがに10センターボ貨がないという店は少ない。
でもたくさん買っても仕方ないことが多い。
パン屋などでは飴玉をお釣りの代わりに渡す店もあるが、こんなモノいらないと断って、あくまでもお釣りを渡せというのは消費者の当然の権利だ。
法に定めるまでもないとは思うのだが、消費者保護法では、商店にお釣りがない場合には釣りの金額を切り上げなければならない。
つまり、1センターボ硬貨がないのなら5センターボ、5センターボ硬貨がないのなら10センターボを客に渡さなければならない。
商店は店頭に必ず「消費者保護法」の冊子を備えていなければならない。
違反すると罰金が科されるはずだ。
消費者保護法を隅まで覚える必要はないが、ケチでわからず屋な商店主に対抗するために、多少の知識を持てば店頭の消費者保護法は強い味方になるはずだ。
全ての商店で使えるわけではないが、もう一つ釣銭の問題を回避する方法がある。
デビットあるいはクレジットカードを使えば、いくら端数があっても買い物金額丁度を支払うことができる。
どうしてセンターボ硬貨が市場から消えるのかわからないが、ブタの貯金箱や空き缶貯金、引出しの隅などに死蔵されるのではないか。
端数が日毎に価値を失っていく年二桁のインフレが終息して20年近く経つのだから、インフレ時代の記憶から硬貨が粗雑に扱われるということは最早ないとは思うのだ。
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