2018年12月4日

結局泣きを見るキューバ人医師

「もっと医者を」の選抜医師はすでに働き始める
Profissionais selecionados para o 'Mais Médicos' já começam a trabalhar
Segunda, 26 nov 2018

このグロボ放送の記事によると、
  • ブラジルの正式資格医師の応募者30,734
  • 募集ポスト数8,517
  • うち8,278は応募者は要件を満たして勤務先自治体が決定している
  • うち40はすでに着任
  • ブラジルの正式資格医師の応募期間は12月7日まで
ということである。

キューバ人医師を始め、ブラジルの正式な資格を持たない医師たちはどこへ行った?

この記事の日付で、まだ空きのあるポスト数は239しか残っていない。
現在決定済みのポストであっても、後から辞退するケースはかなりあるとは思うが、どうせブラジルの医師は僻地勤務なんか応募しないから俺たちに回ってくるだろうと、高をくくっていたキューバ人医師は(いたとしたらだが)、泣きを見ることになってしまった。
まだ今のところ、どれだけのキューバ人その他の国籍の医師がブラジルに残ろうとしているかは不明である。

さて、ここで疑問が起きる。

5年前に労働者党(PT)が、ブラジルの過疎地で勤務してもらうため、キューバその他の国から医師を呼んで来るプログラムを作ったのであるが、そのときの説明では医者が足りないから外国の資格でも良しとしよう、医者はポルトガル語かスペイン語を話す人だったらOK、ということだった記憶がある。

プログラムが5年経った今、ブラジル次期政権とキューバとの確執により急遽帰国することになったキューバ人医師の穴を埋めるために約8千5百名募集したら、ブラジル正式資格保持医師が3万人応募してきた。
一体5年間に何が起こったのだろうか?
ブラジル正式資格を持つ医師が3万人ほど増加した?
前回募集は経験その他の応募要件が高かったが、今回は経験を問わないので、なりたて医師が多数応募した?
5年前はなりふり構わず、労働者党政府が盟友と認めるキューバ政府に援助をしたかっただけ?

キューバという国は、少なくともラテンアメリカでは医学が進んでいる、医療に力を入れている国であるとみられている。
インタビューされたブラジル人患者はみんな、キューバ人医師に大変感謝している。

キューバ人医師への月額1万レアルの報酬の70%がキューバ政府へ直接送金されるということは、本来キューバ人医師が個人で受け取るべき報酬からピンはねされて、7,000レアル✕8,500人✕12か月で7億1400万レアル、約3億127万ドル(5年前の為替レート2.37)の援助をしたと解釈することができる。

選挙に金がかかるからという理由で汚職に手を染めるのは、左右関わらず大政党はどこもだが、イデオロギー同盟国に送金とは、ブラジル大衆にとっては誠に不明快な税金の使い方をしたものである。
人権を声高に叫ぶ人たちは、中国やキューバの人権は別物だと思っているのだろう。
ここでは声を潜めてしまうようである。

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