リマ・グループというものがある。
これはペルーの呼びかけでベネズエラに民主主義を取り戻すことを目的として、賛同する南・中央・北アメリカの13カ国で2017年に結成された。
リマはペルーの首都である。
2019年初にあたって、アメリカ大陸の「旗色」を明確にしておくことには、国際情勢を理解する助けになるだろう。
13カ国とは、Argentina, Canadá, Colômbia, Costa Rica, Chile, Guatemala, Guiana, Honduras, México, Panamá e Paraguai(以上11カ国名はポルトガル語表記)、つまりカナダ、メキシコ(以上北米)、コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラス、パナマ(以上中米)、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ガイアナ、パラグアイにペルーとブラジル(以上南米)を加えた国々である。
ベネズエラから難民が直接入ってくる陸続きの、ガイアナ、ブラジル、コロンビア3国は全部入っている。
加入していない国をあげると、アメリカ合衆国(北米)、ベリーズ、エルサルバドル、ニカラグア、カリブ海全部(以上中米)、スリナム、(仏領ギニア-独立国でない)、エクアドル、ボリビア、ウルグアイ及び焦点となっているベネズエラ(以上南米)である。
アメリカ合衆国はグループのメンバーではないが、目的には大いに賛成して、オブザーバー参加(テレビ会議)を通してグループの後押しをしている。
ニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)現大統領は今月、2019年1月10日に次の6年の任期に入る。
ニコラス・マドゥロ大統領は、ウーゴ・チャベス(Hugo Chávez)の死後、副大統領から2013年4月に憲法に則り大統領に就任した。
2018年5月に大統領選挙に彼自身が当選したのだが、選挙では不正があったとされている。
そのためリマ・グループは、ベネズエラのニコラス・マドゥロ現政権の継続を承認しない決定をした。
2015年の選挙で選出された国会が、自由選挙が実施されるまでの正統なベネズエラ政権者であるとする。
議長国のペルーは、グループメンバーがベネズエラと断交をしようという強硬な提案をしたが、そこまでの合意はできずに、ベネズエラの要人の入国禁止、経済制裁などを行ってベネズエラを絞め上げようという結論となった。
全会一致でなかったのは、国家再生運動(Movimiento Regeneración Nacional)のオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領が2018年12月1日に6年の任期で就任して、13カ国内で唯一の社会主義政権となったメキシコの反対があったからであり、メキシコはリマ・グループの決定に署名をしていない。
日本ではあまり報道されていないだろうが、物不足の深刻なベネズエラから、ここ数年で逃げ出したベネズエラ人は2百万人を数えている。
よくベネズエラ国民が耐えているなあと疑問に思うものだが、産油国であるから石油生産を押さえている独裁政権は、豊かとは言えなくても金に困ることはないし、票田となる労働組合員や特定の社会階層には苦しい思いをさせないようにして過半数を確保しながら、一方では野党勢力を逮捕して選挙参加させずに政敵を追い落として、強権を使って独裁を維持しているのだろう。
北朝鮮やシリアと全く同じ匂いがするのである。
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