2023年4月25日

コロナ>結核>デング

最近新型コロナ感染症(以降簡単にコロナ)のニュースが減ってきているが、反対に急速に増えているのがデング熱である。

2週間前のことだったが、知人がデング熱(以下簡単にデング)にかかった。
農作業のために畑に来ているが、木陰で横になっていた。
聞いたら家族みんなデングだと言っていた。
それから1週間後畑へ行ったら、彼は回復してどこか歩き回っていたが、今度は彼の父親がデングで体がしんどいと、木陰で休んでいた。
体がだるい、寝ても起きてもしんどい、何も食べたくない、と言っている。

「命に関わる出血性の症状へ悪化するのを防ぐために、とにかく大量の水を飲め」ということを以前のブログ記事に書いた。
そのことを彼に言うと、食欲がないだけでなく、水を飲んでも石鹸の味がして飲む気にもならない、と答えた。

ブラジルではよく知られているように、この病気を媒介するのは Aedes (Stegomyia) aegypti といわれる、藪蚊に似たカである。
だからマスクをしていないデングの病人がそばにいて会話をしても全く心配はいらない。
第一デングの症状に咳やくしゃみはない。
ただ、吸血のために刺す虫がいそうな時と場所では、忌避剤を皮膚が露出する部分へ塗っていく。

最近結核のニュースもあった。
ブラジルで1日14人が結核で死亡、最近20年で最悪の数字
Tuberculose mata 14 pessoas por dia no Brasil, o maior número dos últimos 20 anos
04/04/2023 21h18

コロナが一段落したらこういった昔からの病気が目立つようになっているが、実際の数はどうなのかニュースの情報を集めてみた。
ブラジル国内での2023年1月から3月まで90日間の死亡数の比較である。

病気死亡数
デング熱139
結核1,260(1日14人)
新型コロナ感染症6,386(1日71人)

まだまだコロナの脅威のほうが大きいのである。

2023年4月24日

ルラ左翼人権政権のダブスタ

2023年1月、左派労働者党のルラ政権が発足してから4ヶ月目に入っている。
先々週中国を訪問したルラ大統領は、ウクライナとロシアの和平仲介について中国と同調した。

中国からアラブ首長国連邦訪問の後ブラジルに帰国して間を置かずに、ラブロフ・ロシア外相を大統領府で歓迎した。
ブラジル政府の対応は、米国高官の言葉を借りれば、「ロシアの言い分を繰り返すだけのオウム」だったと強く非難された。

ルラ大統領は「平和を望む国グループ」を作って、即座の停戦和平を仲介しようと提案する。
聞こえは良いが、現状を認めて現在の戦線を両国国境と確定せよということだろう。
ロシアの粘り得になってしまう。

さらに、戦争の原因はウクライナとロシアの両方にある、米国と欧州はウクライナへ兵器を送って戦争を長引かせている原因だ、というロシア・中国の見方に、ブラジル大統領は同調している。

左派政権の最初の仕事として、アマゾンジャングルにあるインディオ保護区へ侵入して、非合法な採掘を行い水銀などで環境を汚す不法金採掘者の取り締まりと、保護区からの駆逐をおこなっている。

インディオ保護区へ侵入して、ヤノマミ族の生活を脅かす無法金採掘者は、駆逐すべき悪であるのに、ウクライナの非戦闘員が暮らす街へミサイルや砲弾を撃ち込んだり、発電所を破壊してウクライナ市民の越冬生活を脅かすロシアは悪くないとする理由を、はっきり説明してもらいたいものだ。
侵略する国と侵略される国に等しく責任ありとみなすようなら、ブラジルは中国同様、和平仲裁する資格はない。

2023年4月23日

年金改革できない国フランス

フランスの年金改革についてニュースで説明していた。
簡単に記しておく。
以下ブラジルでなくフランスの話である。

将来20年でフランスの人口の三分の一が、60歳以上の老齢者となる。
現在のフランス国内総生産のうち、社会保障費が14%相当を占める。
フランスの年金改革の骨子は、2年かけて年金受給最低年齢を62歳から64歳へ引き上げることである。

マクロン大統領は、議会の議決を必要としない大統領令について定めた、フランス憲法49条を拠り所に年金改革を強行した。
これを覆すことのできる議会による大統領不信任は、改革反対派にとって成立のハードルが高く成立しなかった。

フランス司法はこの年金改革の内容について、正当で合憲であると判断した。
反対派は国民投票を要求するが却下される。
国民に不人気だが将来のために必要と思われるような本題に関しては、国民投票で決定する性質のものではないことは法律の専門家でなくてもわかるだろう。

マクロン大統領は正面突破を狙ったが、もっと(ずる)賢いやり方があったのではないかと思う。
例えばの話であるが、年金最低受給年齢を62歳から64歳へ上げる年金改革と、年金については今の制度に手を付けないが、そのままだと近いうちに国庫の底がつくから、付加価値税を今の10%から20%へ(数字は例え話で架空)引き上げる税制改革とどちらを選ぶか、といった、「究極の二択」を議会へ提案するのである。
連合王国でEUから出るか出ないかのブレグジットについての国民投票をおこなったように、年金改革と税率アップのどちらかを選ぶという設定なら、国民投票をすることも妥当になるだろう。

その結果現在は年金改革反対で全国民がまとまっているようにみえるが、高齢者層と若年層のあいだに分裂を引き起こすかもしれない。
どこの国にも二極化はあって、米国やブラジルの大統領選挙でみられるように、全員の同意は必要でなく、半分プラス1票があれば十分であるからだ。

最新のニュースではフランスの軍艦が台湾付近を航行したということで、フランスというかマクロン大統領は中国に寄ったと思えば米国寄りに戻ったりと、かなり外交バランスに気を使っていることが見える。

2023年4月14日

年金改革できた国ブラジル

ブラジルでは2019年の、ボルソナロ政権1年目に年金受給年齢の引き上げを含む社会保障改革が行われた。
フランスで現在騒ぎになっている、「たった」2年だけでなく、ブラジルのものは段階的に5年ほど引き上げる改革であった。
ボルソナロ政権の勢いがまだ強かった時期であって、上院下院とも通過して、左翼を含めて社会の大規模な抗議運動も起きなかった。

フランスのマクロン大統領が説明に使ったボードがニュース記事で映された。
興味深いので内容を写しておこう。

年金受給開始年齢(2022年1月時点)

年齢
アメリカ合衆国62年
フランス62年
スウェーデン62年
日本65年
ベルギー65年
カナダ65年
ドイツ65年10月
連合王国66年
スペイン66年4月
オランダ66年4月
イタリア67年

ブラジルでは2023年1月に、右派ボルソナロから左派ルラへと政権が交代した。
政権発足のかなり早い時期に、ルラ労働者党政権を構成する連立政党出身の労働・社会保障関連の大臣が「2019年の社会保障改革を廃止してもとに戻す」と発言したのだが、ルラ大統領は早速その発言を押し留めて、改革のちゃぶ台返しを否定した。

つまりそういうことだ。
金がなければ何もできない。
一旦改革の逆回りなどしたら、再試行は極めて難しくなるだろう。

ルラ労働者党政権は絶対言葉に出すことはできないが、前政権が面倒な仕事をやってくれたことに感謝しているはずである。
一時の選挙対策の人気取りのため改革の後戻りをしたところで、将来の大問題の元凶を作ったこの政党の信頼は、ひどく損なわれることになるだろう。
戦犯探しの挙げ句、ルラも3期もやったのを台無しにした馬鹿な大統領だったと、烙印を押される危険は冒したくないだろう。

2023年1月25日

2023年のキリスト教移動祝日

米国のカーニバルで有名なニューオーリンズのサイトがあって、2059年までのMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。
Mardi Grasとはフランス語で確か「肥えた火曜日」と言う意味だったと思うが、ブラジルでは普通にTerça-feira de Carnaval「カーニバルの火曜日」と呼ぶ日である。
カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけは教会に従っている。
有り体に言えば、謝肉祭というくらいだから、カーニバルで現世の喜びを十分に満悦してから、心置きなく襟を正して四旬節の節制に臨む、という意味をつけられる。
とにかく、キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。

年の後半にある、キリスト教関係で一番有名な日であるクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これはハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)と続く一連であるが、前の2つは祝日ではない―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。
ついでに言うと、ブラジルではハロウィンは子供の学校行事で楽しむくらいで、同じキリスト教といっても外国の行事のようなものである。
もっともインスタ映えや商業主義のために、近い将来どうなっていくかは予想できない。

2023年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2023年ならば4月9日日曜日が、一連の移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2022年より8日早い。

復活祭の日付の決定方法について過去の記事に説明した。

待降節(Advento)は、クリスマスに備える期間であるが、その第一日は日曜日に決まっていて、11月30日の「聖アンデレ(Santo André)の日」に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間で、最も早い年で11月27日、遅い年でも12月3日に始まる。
アドベント期間には必ず4つの日曜日が含まれる。
2023年は、この最も遅い年に当たり、12月3日、12月10日、17日、24日(クリスマスイブ)の4つの日曜日の後、25日クリスマスは月曜日に当たる。
このように、天体の月の動きによって大幅に日付が前後する、年の前半の移動祝日とは、その決め方が全く異なる。

行事日の決まり方2023年休日種類
カーニバル
Carnaval
週末から灰の
水曜日前日4日間
2月20日,2月21日
月火曜日
PF
灰の水曜日
Quarta-feira de Cinzas
復活祭46日前の水曜日2月22日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日
Domingo de Ramos
復活祭7日前の日曜日4月2日日曜日
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日
Paixão de Cristo
復活祭の2日前の金曜日4月7日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の
満月の次の日曜日
4月9日日曜日
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日5月28日日曜日
キリスト聖体の日
Corpus Christi
復活祭の60日後の木曜日6月8日木曜日PF
ぽつんと年末に孤立
待降節初日
Início do Advento
11月30日に最も近い日曜日12月3日日曜日

ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 上表ではFN)、任意出勤(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意出勤というのは、条例や労使協定によって、地方自治体、職種組合や職場ごとに、休日とするか勤労日とするか決められる。
大部分の勤め人にとっては、普通の休日となることが多いが、商店は営業するところと休むところがある。

2023年1月23日

2023年のブラジルの祝祭日

ボルソナロ政府の最終日前々日に、連邦政府の経済省は、2023年の祝日と任意出勤についての通達PORTARIA ME Nº 11.090, DE 27 DE DEZEMBRO DE 2022を2022年12月29日付官報に掲載した。
下の表はその中身である。
条文に断っているように、本来の目的は連邦行政官庁や国営企業の休日を定めたものである。
一連のキリスト教関連の移動休日は、2022年より8日早くなる。
たとえば2022年のキリスト受難金曜日は4月15日、2023年は4月7日である。

11月1日Confraternização Universal世界友好の日FN
2,32月20日,2月21日月火CarnavalカーニバルPF
42月22日quarta-feira de cinzas灰の水曜日14時までPF
54月7日Paixão de Cristoキリスト受難の日FN
64月21日TiradentesチラデンチスFN
75月1日Dia Mundial do Trabalho世界労働の日FN
86月8日Corpus Christiキリスト聖体の日PF
99月7日Independência do Brasilブラジル独立の日FN
1010月12日Nossa Senhora Aparecidaアパレシーダ聖母の日FN
1110月28日Dia do Servidor Público公務員の日PF
1211月2日Finados死者の日FN
1311月15日Proclamação da República共和制宣言の日FN
1412月25日NatalクリスマスFN
注:FN = Feriado Nacional 国定祝日、PF = Ponto Facultativo 任意出勤
任意出勤とは、職種や企業や自治体によって働くか休むかが決められる日である。
各人が勝手に自分の都合で出勤したり欠勤したりして良いという意味ではない。

10月28日(土)は「公務員の日」(Dia do Servidor Público)で、民間は通常日であるが、(連邦の)官庁は任意出勤となる。
2023年は土曜日に当たるから問題ないと思う。
以上連邦政府が定める当表に載っている全国一円の休日のほかに、各地で市、地方あるいは州の記念日が数日定められていることが多い。

次のサイトで、任意の過去・将来年の、任意の国の休日が入った月齢付きカレンダーを閲覧・印刷できる(英語・ドイツ語・当国語-ブラジルならポルトガル語)。
このリンクはブラジルの2023年

2023年1月22日

虹色と国旗の色

昨年11月のFIFAワールドカップ2022カタール大会中に、こんな事件が起きた。
ブラジルのペルナンブコ州の旗を持っていたブラジル人応援客が、カタールの街路でカタール警察に、旗がけしからんと没収毀損されたとか言っていた。

ブラジルの各州は、それぞれ独自な州の旗を持つが、ペルナンブコ州の旗はこれである。
カタールのような国でけしからんと言われる理由はすぐに分かるだろう。
赤黄緑がアーチ型を描く虹そのものである。

でも世界の国々の国旗には、虹そのものの形はなくても虹を構成する有彩色のうち3つを持つものは多いではないか?
とても気になって、カタール大会出場32カ国の中だけであるが、三色旗を探した。

FIFAのページで参加国国旗を見渡すと、三色が帯状になっている国旗は13ある。
三色と言っても原色3つでいかにも派手なのと、白か黒の無彩色が入っていて、いくらか落ち着いた印象を与えるものがあることに気づく。

結果は次の表のようになった。
表には各国が属する大陸名、3色の構成(有彩色3つまたは有彩色2つ)、国旗内の色の並び方の項目がある。

>
国名大陸有彩色色配列
ベルギーeur有彩2左右 黒黄赤
カメルーンafr有彩3左右 緑赤黃
コスタリカame有彩2上下5帯 青白赤
クロアチアeur有彩2上下 赤白青
エクアドルame有彩3上下 黃青赤
フランスeur有彩2左右 青白赤
ドイツeur有彩2上下 黒赤黃
ガーナafr有彩3上下 赤黄緑
イランasi有彩2上下 緑白赤
メキシコame有彩2左右 緑白赤
オランダeur有彩2上下 赤白青
セネガルafr有彩3左右 緑黄赤
セルビアeur有彩2上下 赤紺白

有彩色を3つ使った派手なものは新大陸、特にアフリカに多い。
だから何なんだ、と言われても返す言葉はないくらい、どうでも良い調査である。
気候や、鮮やかな色が好きとかいう国民性が反映しているのかもしれない。
比較的新しい国が多いから、白や黒は古い国にすでに使われているからかもしれない。

ペルナンブコ州政府はカタール政府に抗議するとか言っていたようだが、後報は聞いていない。
虹に気持ちがあったならば、近年になって新しいシンボル性を与えられて、多少当惑しているだろう。