2016年12月27日

国名混同談義

「姪っ子の〇〇ちゃんがドイツへ行くんだって。
旅費・生活費全部出るんだって。」
「えっ?どこだって?」
ドイツ、ドイツだってよ。」

という会話があった次の日だった。

「姪っ子の〇〇ちゃんがアルゼンチンへ行くんだって。」
「ちょっと待った、きのうはドイツだと言っていたぞ。」
「ドイツじゃなくて、アルゼンチンなんだって。」

ドイツとアルゼンチンでは全く違う。
ブラジルからドイツは飛行機でないと行けないが、アルゼンチンへならバスで行けるし、地続きの国境から徒歩で入国できる。
両国とも、フットボールでブラジルの大ライバルであることくらいしか共通点はない。

日本語では、どうしてドイツとアルゼンチンと混同するのか?ぜんぜん違うのに、と思うだろう。
ポルトガル語ではそれぞれ、AlemanhaとArgentinaであって、読みはそれぞれ「アレマーニャ」と「アルジェンチーナ」と頭韻脚韻を踏んでいるし、混同しやすいような気もする。

よく混同する二カ国ペアの代表は、オーストリアとオーストラリアだろう。
しかしこれはポルトガル語ではそれぞれ、ÁustriaとAustráliaで、アクセントの位置が全く違うから混乱することは少ない。

この前のリオ・オリンピックでは、確かフットボールで日本と対戦するナイジェリアの国歌演奏で、ニジェールの国歌がかかったと、リオ・オリンピック運営のユルさが日本で笑いものになったことがあった。

たしかに日本語では、ナイジェリアとニジェール、ぜんぜん違うでないか、と思うかもしれない。
これはポルトガル語ではそれぞれ、NigériaとNíger、「ニジェリア」と「ジェル」と、アクセントの位置は異なるが、綴りは共通していて、そのためにそそっかしく地理に疎いスタッフが国名の頭だけ見て、国歌を取り違えてしまったのでないかと思える。

ちなみに日本語では親父ギャグネタのアルジェリアとナイジェリアは、それぞれ、ArgéliaとNigériaと、アクセント位置は同じだが、子音がlとrの違いがあるから、しっかり覚えなければ筆記することができない。

昔誰か経済人が日本経済新聞の私の履歴書のような記事で書いていたと思うが、南アメリカのパラグアイとウルグアイが似ていて地図の上で混同する、どうして記憶するか?という問題があった。

答えは、「貿易するんだったら海があったほうが有利だろう?ウルグアイには海がある。だって『売る買い』って言うくらいだからな。」とオヤジが喜々として言いそうな文句であった。
まあこれで地理の点数が上がって後に社長になれたのなら、笑って済まそう。
世の中にはパラグアイとウルグアイをしっかり区別できても、社長になれない人が大勢いるからだ。

2016年12月24日

2017年のキリスト教移動祝日

2017年のカーニバルはいつかな、と気になる人もいるだろう。
それだけ知りたいならズバリ、米国のカーニバルの本場ニューオーリンズのサイトがあって、向こう10年のMardi Gras(マルディ・グラ)の日付がここでわかる。

カーニバルがキリスト教行事かというと巨大な疑問であるが、少なくとも日付の決め方だけはそうである。
そしてキリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて日付が移動するものがある。

年の後半にある、だれでも知っているクリスマスは12月25日(ブラジルの祝日)、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日(ブラジルの祝日)―これは日本ではここのところ新顔行事で賛否両論のハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)の一連としたほうがわかりやすいだろう―と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。

2017年の移動宗教祝日を下に一覧表にした。
復活祭の日、2017年ならば4月16日日曜日が、すべての移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2016年より19日遅い。
2017年の3月分点、つまりUTCの春分の日は3月20日、その次の満月の日は4月11日だ。

ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 下表ではFN)、任意休日(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意休日というのは、職種組合や職場によって、休日とするか勤労日とするか異なるのだが、大部分の勤め人にとっては、普通の休日と変わらない。

行事日の決まり方2017年休日種類
カーニバルCarnaval週末から灰の水曜日前日4日間2月27-28日月火曜日PF
灰の水曜日Quarta-feira de Cinzas復活祭46日前の水曜日3月1日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日Domingo de Ramos復活祭7日前の日曜日4月9日日曜日
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日Paixão de Cristo復活祭の2日前の金曜日4月14日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の満月の次の日曜日4月16日日曜日
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日6月4日日曜日
キリスト聖体の日Corpus Christi復活祭の60日後の木曜日6月15日木曜日PF

2016年12月7日

ロナウジーニョの夢と現実

最近見たロナウジーニョ関係の見出しである。

ロナウジーニョがドタキャン?体調不良で来日中止

日刊スポーツ 12/7(水) 20:39配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161207-01748788-nksports-socc

ロナウジーニョ、飛行機事故シャペコエンセでのプレー申し出

スポーツ報知 12/2(金) 20:15配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161202-00000199-sph-socc

でもここのところ、数か月前からテレビでよく見るのは次のビデオクリップなのだが、ここから抜け出すのは大変なんだろうね。
セメントを買って30万レアル当てよう、というキャンペーンである。

Ronaldinho Gaúcho na promoção Vida de Bacana - Cimento Montes Claros


"To ralando!"(苦労してるぜ!)と言ってもあんまり苦でなさそう、と言うかこれは寝そべっているロナウジーニョが見た夢なのか?

2016年12月1日

想定?想定外?怖い空中ガス欠

2016年11月28日未明、ブラジル南部のサンタ・カタリーナ州西部の畜産の街シャペコ(Chapecó - SC)のフットボールチーム、アソシアソン・シャペコエンセ・デ・フッテボル(Associação Chapecoense de Futebol)を、コロンビアのメデリン(Medellín)へ運んでいたボリビアのチャーター機が目的地近郊で墜落した。

シャペコエンセは、現在ブラジルフットボール選手権一部リーグで9位につけていて、コロンビア行きは、南アメリカのカップ戦、南米カップ(Copa Sul-Americana)決勝アウェイ戦のための遠征だった。



墜落の原因が燃料切れというので、そんな馬鹿げたというかマヌケな理由でこんな沢山の命が奪われるのは、いくら物事がいい加減となりがちな南米でもあんまりではないか、そんなはずはないと、それが真実であってほしくない願いをかけていたのだが、その願いを裏切るような事実が出てきているのだ。

サンパウロからポリビアのサンタ・クルス・デ・ラ・シエラ(Santa Cruz de la Sierra)へ商用便で着いた一行はそこからチャーター便でメデリンに向かったのであった。
機材はAvro RJ85、英国製である。

この型式の航続距離は3,000km、航続時間は4時間半である。
しかるに、サンタ・クルス・デ・ラ・シエラとメデリン間の距離は2,985km、飛行所要時間は4時間15分とニュースで言っていた。
余裕は15キロメートルと15分しかないではないか!

途中の飛行が順調で、すんなり目的地で着陸できれば問題なかったのであろうが、天候が悪くて別の空港へ行かねばならなくなったらどうするのだろうか。
そしてこの日は、ありそうもない不運が重なったのだ。

カリブ海方面からメデリンへ向けて来た別会社別航路の飛行機が、燃料漏れを訴えてメデリンの管制に優先着陸を申請した。
シャペコエンセ機は燃料問題を訴えて、同様に優先着陸を頼んだのだが、先客があったのでメデリン手前で2回旋回した。
ニュースで説明した航空の専門家は、一周5分位かかると言っていたので、10分分の燃料がここで消費されてしまったわけだ。

メデリン管制は、先に不調を訴えたカリブの飛行機を着陸させてから、不慮の事故に備えて滑走路に控えていた消防車などを片付けてから、シャペコエンセ機の着陸許可を与えるところだったが、もうその時には燃料は尽きていて、レーダーの視界からも失われていて、山というか低い丘に接触してから転覆する形で斜面と衝突に至った。

第一報では電気系統に問題が起きて不時着をする可能性があったので、火災を避けるために燃料を捨てたと言っていたのだが、事実はそうではなかった。

シャペコエンセの選手がサンパウロ出発前後に機内(これは別の商用便)で撮ったビデオでは、既にこの経路を旅して経路を知っている選手が、コビハに寄港するだろうと喋っている。
ボリビアとブラジルの国境コビハ(Cibija)で給油していたらこの事故は起きなかったはずである。
なぜ以前の旅では行った給油を今回は行わなかったのか。

報道では機体のやりくりで、サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ発に遅れが出ていた。
零細チャーター機会社であるLaMia(きっとスペイン語で「わたしのもの」という意味だろう)航空は、所有機が今回墜落した一機のみだったので、やりくりができない。

コビハでは空港の照明の関係で夜は満タンにできない?という話もニュースで聞いた。。
シャペコエンセ・チームはなるべく早くメデリンに着きたい。
そのためコビハ給油は見送られたのか。

そもそも機長はフライトに最大権限を持つはずと思うのだが、どうしてこんな給油なしのタイトロープなフライト・プランを立てたのだろうか?

サンタ・クルス・デ・ラ・シエラ方面からみるとメデリンの手前に当たる首都ボゴタに寄港給油する手もあったのだがなぜそれをしなかったのか?
まさか燃料メーターが壊れていたなんてことはないだろう。

燃料が持ちそうもないなら、なぜ燃料漏れの飛行機を押しのけて緊急着陸を強行しなかったのか?高速ガス欠のように罰金があるのだろうか?それにしても命よりは安いのだが。

原因の見当はついた。
今は誰も言い出さないが、LaMia航空、保険もヤバそうである。
保険金額が通常よりだいぶ低いらしい。
Tokyo Marineが、一社だけか他社もあるか不明だが、再保険を引き受けているという。

しばらく気になることばかりである。

なくなった方々の冥福を祈り、生き延びた方々の回復を願う。

2016年11月18日

リオは最近韓国状態

リオ、正確に言うとリオ・デ・ジャネイロ州がおかしい。

日本でもブラジルでも公務員は堅実な職業である。
しかもブラジルの公務員は警察や医療も含めてストライキ権が認められている上に、馘になることがほとんどない。
1千2百万人といわれる失業者や失業すれすれの生活をしている民間から見れば天国である。

しかし今リオ州の公務員の給料遅配は常態となってしまっている。
遅れたり分割払いになったりしている。
全員がうらやまれるような金額をもらっているわけではないし、第一支払スケジュールが狂うから自転車操業家計の人は大変だろう。
多少気の毒である。
リオ州知事が公務員の負担増加を伴う州の緊縮財政案を提出して、州議会は審議中なので議事堂前では公務員のデモで大騒ぎである。

それだけではない。
2016年11月18日の各新聞の1面見出しに語ってもらおう。

Correio紙
「リオで24時間内2人目の元州知事逮捕」
"Rio tem segundo ex-governador preso em 24 horas"
そう、一昨日はアントニー・ガロチーニョ、昨日はセルジオ・カブラルである。

O Globo紙
「カブラル発見される」
"CABRAL É DESCOBERTO"
これだけでは何のことかわからないだろう。

Correio Braziliense紙
「カブラルがバングーを発見した日」
"O dia em que Cabral descobriu Bangu"
カブラルと発見はなんか関係があるのか?

そこで少しだけブラジルの歴史を説く。
ポルトガル人探検家ペドロ・アルヴァレス・カブラル Pedro Álvares Cabralは大西洋を横断して、西暦1500年4月22日、その年のイースターの8日後に、将来ブラジルとなる土地を発見した。
この知識があれば、なぜこの日の新聞が執拗に引用しているのかがわかるだろう。

そして少々の地理の知識を。
バングーは留置所や刑務所のコンプレックスのあるリオ・デ・ジャネイロ市の地区の名である。

MEIA HORA紙
「連邦警察はカブラル発見、カブラルは牢屋発見」
"A FEDERAL DESCOBRIU O CABRAL E CABRAL DESCOBRIU A CADEIA"
この新聞は大衆紙だろうか、1500年のカブラルの服装のイラストに前州知事の顔をコラージュして、吹き出しに
「バングーが見えたぞ!」 "BANGU À VISTA!"
と叫ばせている。


連邦警察と検事局の捜査によると、セルジオ・カブラルは収賄した金で豪奢な生活を楽しんでいたというから、次の新聞見出しが意味を持ってくる。
海外旅行だけでなく、豪華ボートとかヘリコプターとかを所有していたという。

O Dia紙
「パリからバングー8へ」
"DE PARIS A BANGU 8"
バングーは刑務所・留置所コンプレックスであり、バングー8は高学歴者と警察・消防官用の留置所だそうだ。
今日のニュースでは、竣工式で除幕をしたのはセルジオ・カブラル前州知事自身という皮肉な事実を報道した。

EXTRA紙
「今度の旅行はパトカーで」
"AGORA O PASSEIO É DE CAMBURÃO"
カンブロンとはただの警察車でなく、後部に隔離された逮捕者用区画があるので、コンパートメントが付いているという意味では豪華客船や豪華列車のようなものかもしれない。
内側に取っ手がなく自分では外に出られない点が異なっている。

リオ出身で留置所住まいの仲間はもう一人大物がいる。
Dilma元大統領と相打ちした格好になったエドゥアルド・クーニャ元下院議長は、リオ・デ・ジャネイロ州選出である。

オリンピックのリオ・デ・ジャネイロ大会が終わってから問題が急にあらわになったようにみえるが、オリンピックを開催できたのは意地で問題を先延ばしにしてきたからだと言えるだろう。
ワールドカップ2014ブラジル大会で決勝会場となり、今年はオリンピック会場となったマラカナンスタジアムの改修工事費用から5%が抜かれていたと言われている。

2年後に冬季オリンピック大会が開催される、元大統領がことごとく不運に見舞われ、現大統領が死に体になっている韓国と、今のリオ・デ・ジャネイロ州の姿が重なる。

日本の良いところであり悪いところであるのが、時間にまだ余裕があるのに前々から心配して、あれをやれとかやるなとか喧喧囂囂(けんけんごうごう)であるが、リオの後なら運営はどう転んでもマシに見えるのだから自信を持って、リオ大会を他山の石として資金が正しく使われるように政治家と建設会社の動きには十分注意してもらいたいものである。

2016年11月16日

最も危険な25都市の風景

ブラジルで最も危険な25の都市風景
As 25 cidades mais violentas do Brasil
Estadão - Lucas Azevedo
http://www.msn.com/pt-br/noticias/brasil/as-25-cidades-mais-violentas-do-brasil/ss-AAk9dvG?li=AAggXC1

最近上の記事が出た。
リオ・オリンピックも人々の記憶から徐々に遠くなっていくが、リオの治安が悪いという話は絶対忘れられないという人は多いだろう。
リオ・デ・ジャネイロなんか目じゃないという驚異的な殺人率を持つ市である。
ブラジルでは市、町、村に当たる区別はなく、全部ムニシピオ(município)というので、市、都市としておく。
なおこの統計では、全ての殺人ではなく、HAF = Homicídios por Arma de Fogo つまり火器=火薬を使って弾を撃ち出す武器による殺人という分類である。

というと、どんな街角の風景なのか見てみたくなるだろう。
上のサイトにはワースト25市の写真がのっている。

注意しておきたいのは、写真の撮り方が市ごとに異なっていることである。
ある市では観光資料から借用したのだろうか、セントロ(市の中心)の教会や広場とか鳥瞰写真とか、きれいな絵葉書風の風景写真となっている。
反対に、殺風景な街角で警察官が何か捜査をしていたり、警察車が止まって検問のようなことをしている事件写真もある。
1位2位の市などは、警察署とパトカーの写真だったり、3位の市は暴力反対の住民デモの写真であったりする。
9位ポジュカと10位ラウロ・デ・フレイタスの写真の格差を見ると、ポジュカの住民は怒り狂いそうである。
エスタドン編集部できれいな写真が見つからなかったのか、半ば悪意を持ってセンセーショナルな写真を撮りたかったのかはわからない。
明らかにマスコミの操作がされている各市の写真を見て比較はできないので、醜い写真があったからといってその市がどこも殺伐としていると思わないようにしよう。

下の表はワースト40都市のデータである。
先の「ブラジル殺人 > シリア内戦 は本当か」に書いたことを裏付けるように、ブラジル地方の比較では北東部の市が、治安のワーストリストの大部分を占めている。

Tabela 6.1. HAF e taxas médias 2012-2014* de HAF (por 100 mil) nos 150 municípios com
mais de 10.000 habitantes, com maiores taxas médias. Brasil, 2012-2014*.
2012年から2014年の3年間について、(火器殺人数の平均)/(市の人口の平均)を10万人当たりの火器殺人数に換算した数字
調査対象都市は人口1万人以上、順位は殺人率の高い順

順位地方3年平均
人口
3年平均
火器殺人率
Mata de São JoãoBANE43.753102,9
MuriciALNE27.796100,7
SatubaALNE14.66695,5
CondePBNE22.94194,4
EusébioCENE49.25293,4
PilarALNE34.59392,5
AnanindeuaPAN492.52491,6
Simões FilhoBANE127.67091,4
PojucaBANE35.90687,3
10ºLauro de FreitasBANE181.14685,9
11ºMarechal DeodoroALNE49.29085,2
12ºQuixeréCENE21.15485,1
13ºItabunaBANE214.31181,2
14ºPorto SeguroBANE138.64381,0
15ºRio LargoALNE72.01880,5
16ºSanta RitaPBNE129.59780,0
17ºItaitingaCENE37.55079,9
18ºArapiracaALNE225.03679,7
19ºTabuleiro do NorteCENE29.89478,1
20ºHorizonteCENE60.33577,9
21ºMaceió (アラゴアス州都)ALNE985.14877,2
22ºJaguaribaraCENE10.84876,8
23ºFortaleza (セアラ州都)CENE2.541.29975,3
24ºSanta Cruz CabráliaBANE27.50775,1
25ºMacaíbaRNNE74.67375,0
26ºSão José de MipibuRNNE41.87674,8
27ºSão Joaquim de BicasMGSE27.78070,8
28ºSerraESSE455.43868,9
29ºPresidente DutraMANE45.99168,9
30ºEunápolisBANE108.48867,3
31ºCoruripeALNE55.00866,7
32ºRussasCENE73.13466,1
33ºAquirazCENE75.87365,9
34ºBaraúnaRNNE26.04165,3
35ºValençaBANE94.37165,0
36ºSão SebastiãoALNE33.43264,8
37ºCamaçariBANE270.74264,8
38ºSantana do IpanemaALNE46.79964,1
39ºPiaçabuçuALNE17.72963,9
40ºSão José da LajeALNE23.56863,6
41ºSão Miguel dos CamposALNE58.40963,3

2016年11月13日

エチオピアビールの新顔キャンペーン

エチオピア航空の話をまた一つ。



機内食で供された缶ビールのラベルが何かかわいい。
子供とも女性とも取れるけれど、ビールに子供という組み合わせはまずいだろうから、やはり女性だろう。
そう言われてみれば、まわりのCAにこんな感じの人がたくさんいたと思う。

缶にはhabeshaと書いてある。
検索すると
Habesha is a term Ethiopians and Eritreans use to refer to themselves.
とあったので、文字通りエチオピア産だ。

Canned Habesha Beer on ET flights
News By Muluken Yewondwossen - September 5, 2016

によると、この銘柄自体が新しく2015年7月に生産開始、機内食で出るようになったのはこの記事で未来形なので最近の話だ。

この缶ビールはエチオピア国内地上での流通はないと書いてあるから、コカコーラのリオ・オリンピックバージョンよりもずっと珍しそうである。



でも機内食のワインはスペイン産だった。
ワインの写真を取るのは忘れた。
ビールもワインもおいしく頂いた。

2016年11月12日

ブラジル全土で携帯電話番号が9桁

「サンパウロ市周辺の携帯電話番号が9桁」という記事を書いたのは2012年7月のことである。
それから4年以上の時を経て、ブラジル全土の携帯電話の電話番号が9桁になった。
この期間中、地方ごと、というか市外局番グループごとに時期をずらしながら順次、これまでの8桁の番号の先頭に9が付けられてきていた。

最後に残っていた8桁地域、市外局番41から49つまりブラジル南部のパラナ州とサンタ・カタリーナ州、それからリオ・グランデ・ド・スル州の51、53、54、55地域にも2016年11月6日からは9をつけることとなった。

これからはブラジル全土で次の原則が通用する。
0-xx-xx-xxxx-xxxx
0-xx-xx-9xxxx-xxxx
  • 2桁 キャリア識別番号 código de operadora
  • 2桁 市外局番 código DDD
  • 8桁なら固定電話 通常は先頭が2, 3, 4, 5
    9桁なら移動電話 通常は先頭が9であるが将来は8が加わるだろう

2016年11月11日

サンパウロでも博多でも道路陥没

博多で道路に大穴が空いたニュースを見た。
ブラジルでも過去にこんなことがあったなと検索した。

サンパウロの地盤陥没の写真は以下のリンクで見られる。
https://www.google.com.br/search?q=desabamento+obra+metro+sao+paulo&biw=1115&bih=651&tbm=isch&source=lnms&sa=X&ved=0ahUKEwjkkaXBtqHQAhWEjpAKHZwqDB0Q_AUICSgC&dpr=1

都市サンパウロ博多
事故日2007/01/122016/11/08
大きさ長径80m短径40m30m四方
深さ32m15m
計算容積321,500立方メートル13,500立方メートル
原因地下鉄工事地下鉄工事
死者70
避難区域半径1km350m x 150m
その後3ヶ月間工事中断
4年後に地下鉄開通
3日後に穴補充
6日後に仮復旧予定

容積は単に規模を想像するために計算しただけで、実際にその容積の空間が生じたわけではない。
穴の大きさと被害者の重大さは桁違いに異なるが、復旧の速度も大違いである。

サンパウロの穴の工事中断が異常に長期と思われるだろうが、原因追求にかなり時間がかかっていた。
結局工事責任者には、事故予見は不可能だったから無罪の判決が出た。
博多の陥没穴復旧が、中国の高速鉄道事故車両埋めと同種でないと信じたい。

2016年11月5日

デブの歩幅は狭い

ストップウォッチと歩数計でウオーキングの計測をする。
普通は8千歩を少し超えるくらいなのだが、ある日9千歩を超えたことがあった。
前日8173歩だったのが、9103歩になった。
寄り道はしていないから距離は同じであるはずだ。
でも前日より930歩、11パーセントも多い。
理由は不明だ。

そうしたらおかしな画像がSNSで送られてきた。
運動でズルをする太った男性の画像を見ながら思いついた。

歩数計の中にはバネの付いた振り子が入っている。
歩数計を脂肪層たっぷりの太鼓腹の前に装着して歩いたり走ったりする姿を想像しよう。
通常体型の人だったら一歩で一回上下する歩数計が、タポタポの腹脂肪の振動によって二回上下振動してしまうのではないか。
そうすると普通の人の一歩がデブの二歩と勘定されることになる。

通常会話で「太っている」という形容詞は'gordo'である。
「太った人」という意味の名詞も同形である。
女性であったら語尾の'o'が'a'に替わり、複数だったら's'がつけられる。
日本語で一語で「太った人」を表す単語は何だろうか。
「デブ」しか思い浮かばない。
だからここではデブと呼ぼう。

別にデブに恨みがあるわけではない。
デブに良い人もいれば、健康的体型だが頭の中は病的という人もいる。
しかし距離と空間が密接する場合に問題は起きる。

これから三十時間の飛行機の旅が始まるというとき、隣はどんな人かなと期待していたら、肘掛けはおろか横っ腹や太ももがこちらの領域まではみ出すようなデブが「ここは私の席ですね。道中よろしく。」といくら礼儀よく挨拶してくれても、どんなに性格が良い人であっても、ああこれから何十時間も圧迫されながら過ごすのかと思うと泣きそうな気持ちになる。
これについては誰にも異論はないと思う。
飛行機だろうが地下鉄で隣駅までだろうが、デブの隣に座りたいという人はいるわけがない。
勘弁してもらいたいと思わない人がいたら、会って悟りの境地に達した話を聞かせてほしい。

もちろん人が他の人をどう感じるかは全く自由だし対等だから、隣はどんな人かなと期待されたところ、加齢臭は香しく身なりはみすぼらしい胡散臭いおっさんだったと、正確に観察されても不当に見下されても、一向に文句は言えないから黙って我慢する。

そんなに文句があるのならビジネスクラスで行けと言われそうだが、金があったらそうしたいわけで、デブの重量と図体の容積が飛行機の浮力と機内空間容積とに与える影響を考慮すると、デブにこそエクゼクティブやファーストの旅を楽しんでほしいものである。
過重な荷物には超過料金がかかるのだが、上限体重を超えた場合に超過料金がかかるという料金体系はないのだろうか。
LCCは何を消費しても料金がかかるというが、トイレ使用や超過体重には料金をかけることはないのだろうか。

おかしな歩数計の話に戻る。
一晩でそんなに太った覚えはない。
幸い翌日のウオーキング歩数は8328歩だった。
少し多いがまあ誤差の範囲だ。
たまたま調子悪かったのだろう。

こういうのをときどき見て、太ると良いことがないと心得るようにしている。

太った人の脳は10歳早く老化している
40歳を過ぎると標準体重の人との差が拡大
2016/9/27 大西淳子=医学ジャーナリスト


「太っている人の汗は臭い」ってホント?
そのにおいは加齢臭、疲労臭、ミドル脂臭、糖尿病臭の複合体だった
2016/8/17 伊藤和弘=フリーランスライター


デブという単語はもちろん、'gordo'も学術用語ではないということが、調べてみるとわかる。
検索語'IMC'を入れたのだが、スペイン語版が先に出てきたのでついでに載せた。
Body Mass Index (BMI) [en.] = Índice de Massa Corporal (IMC) [po.] = Índice de Masa Corporal (IMC) [es.]
World Health Organization (WHO) [en.] = Organização Mundial da Saúde (OMS) [po.] = Organización Mundial de la Salud (OMS) [es.]









BMI/IMC/IMC日本肥満学会Classificação OMSClasificación OMS
< 16低体重(痩せ型)Magreza graveDelgadez severa
16 a < 17低体重(痩せ型)Magreza moderadaDelgadez moderada
17 a < 18,5低体重(痩せ型)Magreza leveDelgadez leve
18,5 a < 25普通体重SaudávelNormal
25 a < 30肥満(1度)SobrepesoPreobeso
30 a < 35肥満(2度)Obesidade Grau IObesidad leve
35 a < 40肥満(3度)Obesidade Grau II (severa)Obesidad media
> 40肥満(4度)Obesidade Grau III (mórbida)Obesidad mórbida

'saudável'とは健康的という意味だから、'normal'と同じ意味で使われている。
痩せているという形容詞をポルトガル語で'magro'というところをスペイン語で'delgado'というのが違うくらいで、あとは特に変化があるわけではない。
日本肥満学会の分類が世界保健機関のものと異なるのは、BMI25から30の呼称で、日本に限って「肥満」という単語が使われている。

2016年11月4日

ブラジル殺人 > シリア内戦 は本当か

ブラジルの殺人数は戦争している国より多い
Número de homicídios no Brasil é maior do que o de países em guerra
http://g1.globo.com/jornal-nacional/noticia/2016/10/numero-de-homicidios-no-brasil-e-maior-do-que-o-de-paises-em-guerra.html
先週のニュースの記事である。

2015年一年間、ブラジル国内で58,383人が殺人事件の犠牲となった。
9分に一人、一日で160人という数である。

シリアでは2011年から2015年の4年間(注:放送されたまま)に256,124人が死んだ。
ブラジルでは同じ期間の殺人数が278,839人だった。

2015年で暴力度の高い州はどこか。
一年間の人口10万人当たり殺人数で比較する。
セルジペ 57.3人、アラゴアス 50.8人、リオ・グランデ・ド・ノルテ 48.6人の暴力度が高かった。

反対に安全であった州は、サン・パウロ 11.7人、サンタ・カタリーナ 14.3人であった。

ブラジルの警察官は危険で過酷な職業である。
2015年に警察により死亡した民間人は3,345人、殉職した警察官は393人であった。
世界で一番、民間人の命(犯罪者であることもあれば流れ弾被害など無辜の人であることもある)を奪い、反対に自分たちの命をも犠牲にしているのがブラジルの警察なのである。

データはNGOブラジル公共安全フォーラム(Fórum Brasileiro de Segurança Pública)
http://www.forumseguranca.org.br/
からである。

とかく物事を大げさにセンセーショナルに騒ぎ立てるマスコミは、日本もブラジルも変わらない。

ブラジル最大の放送局Globoは記事の中でブラジルとシリアを比較して、ブラジルの殺人実数は内戦状態のシリアより多いという。
それだったらなぜブラジル人もシリア人のように難民とならないのだろうか?

ブラジルの人口は
http://worldpopulationreview.com
というサイトによると2016年推定値209,685,348である。

同サイトによるシリアの人口2016年推定値は18,649,031とある。
ブラジル人口の約十分の一に満たない。

シリアの人口がブラジルの十分の一で、死亡数が同じと仮定すると、シリアの内戦による死亡率はブラジルの殺人率の十倍になるのだから、一年間10万人あたり286人である。

当サイトによると、2013年9月のシリアの人口は22,457,336であったというから、その減少は老衰死、戦死、病気やけがによる死亡の他に、難民や移民となって国土を離れた人が数百万の単位に達することがわかり、これはこれで大変なことである。

最後にブラジル公共安全フォーラムの発表したデータを下に表にした。
地方でグループを作って、地方グループ内では殺人率の高い順に並べてある。
ブラジル内では北東地方が危なく、南部、南東地方が比較的安全であることがわかる。
植民地時代からポルトガル人によるブラジル発見にまで遡れる昔の伝統が残っているブラジル北東地方であるが、開拓期の、法や道理より暴力で手っ取り早く解決するという、荒っぽい風習が残っていると言えるのかもしれない。

故意による殺人の率-全ブラジルと州

「Mortes violentas intencionais 故意の暴力による死亡」とは、
homicídio doloso 殺意のある殺人、
latrocínio 物盗りに続く殺人、
lesão corporal seguido de morte 傷害致死
の合計である。
殺人の率は、2015年一年間の人口10万人あたりの殺人被害者数である。
地方 州名 略号 殺人率
全ブラジル 28.6
NE セルジペ Sergipe SE 57.3
NE アラゴアス Alagoas AL 50.8
NE リオグランデドノルテ Rio Grande do Norte RN 48.6
NE セアラ Ceará CE 46.1
NE バイア Bahia BA 41.7
NE ペルナンブコ Pernambuco PE 41.6
NE パライバ Paraíba PB 37.8
NE マラニョン Maranhão MA 33.8
NE ピアウイ Piauí PI 20.8
N パラ Pará PA 45.8
N アマパ Amapá AP 40.6
N アマゾナス Amazonas AM 37.1
N ロンドニア Rondônia RO 31
N トカンチンス Tocantins TO 25.7
N アクレ Acre AC 25.3
N ロライマ Roraima RR 18.2
CW ゴイアス Goiás GO 44.3
CW マットグロッソ Mato Grosso MT 41.3
CW 連邦区 Distrito Federal DF 23.4
CW マットグロッソドスル Mato Grosso do Sul MS 22.6
SE エスピリトサント Espírito Santo ES 37.4
SE リオデジャネイロ Rio de Janeiro RJ 30.3
SE ミナスジェライス Minas Gerais MG 20.8
SE サンパウロ São Paulo SP 11.7
S パラナ Paraná PR 25.2
S リオグランデドスル Rio Grande do Sul RS 24.7
S サンタカタリーナ Santa Catarina SC 14.3


ブラジル5地方区分

凡例地方Região州数
NE北東部Nordeste9
N北部Norte7
CW中西部Centro-Oeste3+連邦区
SE南東部Sudeste4
S南部Sul3
地方名凡例は、わかりやすいように英語の方角を使ってある。
方角の英語・ポルトガル語・スペイン語の対照は次のようになる。
north = norte = norte
south = sul = sur
east = leste = este
west = oeste = oeste

2016年10月29日

ブラジルの運転免許証更新

ブラジルの運転免許証の有効期限は、最後に受けた適性検査の期限となる。
通常は5年である。

今回更新をしたので手続きを書いておこう。
ちなみに料金などはミナス・ジェライス州のものであるから、州によって多少の上下はあるかもしれない。
ほかの州では手続き自体が異なっていることもありうるので、別の州に住む人は調べてもらいたい。

適性検査の前

運転免許証期限の1ヶ月前に、ミナス・ジェライス州交通局(デトラン DEpartamento de TRÂNsito de Minas Gerais - DETRAN/MG)は更新予告通知状を発送する。
この予告通知状にはデトランのサイトで行う手続き方法が説明されている。

デトランのサイトにアクセスして、予告通知状に書かれた方法で手続きを進める。
適性検査場所であるが、都市の選択はできるが、少なくとも当市では市内のどの検査場かの選択まではできない。
日本の運転免許試験場と違って、適性検査場は街角のクリニックといった規模であるので、多少大きな都市には複数ある。
適性検査時刻の予約を行う。
今回は前回より近くの検査場で、翌営業日は無理だったが2日後の営業日に予約できた。

入力を終えると、適性検査日時場所の指定が入った州税納付書がダウンロードできるのでセーブ・プリントする。
家のプリンターが故障していたので、ファイルをフラッシュメモリに入れてコピー屋へ持って行きプリントした。

州税納付書を取引銀行のATMへ持って行き、免許証発行手数料(2016年10月現在R$72.26)を納付する。

適性検査指定期日の前に指定検査場へ電話して、検査手数料と支払い方法について問い合わせる。
2016年10月現在R$109.11となっていた。
支払いはクレジット/デビットカードや小切手では不可で、当日の受付で現金のみと言われる。
融通がきかない。

適性検査当日

指定した日時場所へATMの払込証明を添付した州税納付書と現金、忘れていけないのは現行免許証のコピーを持って行き、適性検査を受ける。
現行免許証のコピーについては更新予告通知状にも州税納付書にも、持って行けと一言も書いてない。
しかし適性検査場に行ったらコピーを持っているか聞かれ、持ってないと言ったらコピー代もらうよと大学前のコピー屋の4倍もする40センターボを取られた。
というか、検査手数料R$109.11のお釣りを適当にごまかすというか丸めるために109レアル50センターボとしているのだろうと想像はついたが、40センターボで喧嘩して更新できなかったりしたら丸損なのでおとなしく支払う。

問診票を渡されるので、みんなこれは嘘つくだろうなと思いながら、既往症とか、薬物をやっているとか、酒を飲むとかの質問に答えていく。

記入して真実であることを宣言すると署名した問診票を渡すと、検査の順番を待つ。
時刻指定してあるので程なく呼ばれる。

機械をのぞいて行う視力検査は片目ずつ、一行4文字が上下2行に並んだのを読む。
下の行の文字は上の行より大きな字である。
読めないというとより大きな字の画面が出てくるのだが、4つの中のどの段階の字を読むことができたら合格なのかは不明であった。

次いで信号の色が順番に出てくるので色を答える。
日本で信号の色といえば赤青黄色であるが、出てきた順に緑、橙、赤と答えた。
どうして言いやすい黄色(amarela)と言わないで発音の難しい橙色(laranjada)と答えたのかよくわからない。

視力はこれで終わりで、握力強化器具のような二本のバーを片手で握るテストがある。
何キロ必要かは分からないが、きゃしゃな女性でも握れるくらいのものであるはずだ。
最後に血圧を測定して適正検査はお終いである。

別室に通され、カメラ、スタイラスと感圧パネルの付いたパソコンの前に座って、運転免許証にプリントされる顔写真を取られて、スタイラスでパネルにサインをする。
これから5年間運転免許証にかっこよく写りたいのだったら、マシな服を着て行き写す前に髪を整えなければならない。
もっとも首から下はほとんど写真に入らないが。

適性検査の後

5から10営業日後に、デトランサイトで書き込んだ住所宛に郵便で配達されると説明された。
その言葉通りに翌週書留で新免許証が届いた。

5年前には写真持参であったが、今回は写真撮影は実地で行われた。
5年後の手続きも同様であろうか、誰も知らない。
今回2016年、支払った手数料の合計はR$181.37(+コピー代1枚分)であった。

普通の人、つまりブラジルの運転免許のカテゴリーA(二輪)とB(普通)の免許証更新には関係ないが、職業運転手にはもう一つ厄介な検査がある。
職業運転手とは運転免許のカテゴリーC(大型貨物)、D(大型乗用)、E(牽引)である。
腕の体毛をカミソリで少量剃られて、薬物が残留しているかの検査が行われる。
1センチ長の体毛や毛髪で1ヶ月間の薬物使用歴がわかるとされる。
この検査が高額で、350~550レアルするらしい(パラナ州2016年3月の記事から)。

2016年10月8日

女性の乳を触って感謝される

国が推奨しない「乳がん視触診」、市区町村の半数が継続
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6216932

2017年3月19日編集

日本では乳がん視触診は推奨されていないのか。
良からぬことを考えるスケベな医者がいるのだろうか。

小学教師「乳がん検診装い」少女2人"胸触る"「間違いありません」初公判 北海道旭川市
北海道文化放送 3/17(金) 11:56配信

こんな事件が起きるのだったら仕方ないのかと思ったのだが、欲望全開の医者や教師のせいではなく、視触診は早期発見の効果は薄いことが、国が推奨しない理由である。
先進国ではほとんど行われていない、とも書いてある。

2017年3月19日編集部分終わり


先進国ではないブラジルでは全く反対である。
ちょうど昨日テレビニュースでこんなのを見たばかりだ。

国立がんセンターによると、60%以上の人が自身の検査にて乳がんを発見した
Mais de 60% descobriram câncer de mama pelo auto-exame, diz Inca
http://g1.globo.com/jornal-hoje/noticia/2016/10/mais-de-60-descobriram-cancer-de-mama-pelo-auto-exame-diz-inca.html

日本と異なるのは触診を行うのは医者だけではない。
主として本人またはパートナーが行うのである。

ビデオに登場するマリステラさんは5年前に触診で乳房にしこりを発見した。
「38歳のときでした。
本当のことを言うと、発見したのは夫です。」
どんなシチュエーションで夫が妻の乳房のしこりを発見したのかは言ってくれなかった。
彼女はすぐに化学療法に続いてガンの摘出手術を行うことができた。
ガンは初期のものだったが成長は早くて、最初2センチメートルくらいだったのが1ヶ月半で5センチ位まで達したと回想する。

INCA(国立がんセンター)による研究では(ガンを患う人の)66.2%の人が自分またはパートナーが触診で発見しているという。
触診ではしこりの大きさが1センチ位から発見できるという。
もちろん触診も大切だが、マンモグラフィを全く頼らなくても良いわけではない。
95%の初期ガンはマンモグラフィによって発見されるとマストロジスタが説明する。
女性の30%はマンモグラフィまたは類似の画像検査によって初期乳がんを発見されるという。

マリステラさんは病院に定期検診に行ってインタビューを受ける。
「病院の治療となによりも夫が私の命を救ってくれました。」
昔乳房を触ってしこりを発見してくれた夫に恥じらいなど全く無くあっけらかんと感謝している。
ブラジル人が一般に性生活に熱心で開放的であることには、ちゃんと利点があるのだ。

乳腺を専門に扱う医学分野をポルトガル語でmastologiaというのだが、Wikipediaで調べてみるとこの単語の説明が出ているのは、ポルトガル語の他にはドイツ語、スペイン語、フランス語とイタリア語だけである。
乳腺科とは日本にはない専門科目であり、英語にも対応する単語がないようである。

巨乳好きが多いと思われる日本に乳腺科がなくて、大尻好きのブラジルに乳腺科があるのは不思議でないか?
本ブログ記事タイトルを見て早とちりした人よ、触って感謝されるのはパートナーだよ、全然知らない人を触ってはいけないよ。

2016年10月2日

不審なエチオピア航空便

怪しい乗客たち

サンパウロのグアルーリョス国際空港に到着して入国審査場へ行くと、ブラジル人の列と外国人の列が分かれている。
機械による自動入国手続きもあり、ブラジル人の列の進むのは極めて速く、パスポートには入出国スタンプすら押されない。
一方外国人の行列はなかなか進まない。

その外国人の列からも離れた一角に固まっている十人くらいの人々がいる。
ほとんどが男性だが、若い女性もいた。
どうも何らかの書類の問題があってすんなり入国させてもらえないで厳重審査に回される人たちのようである。
この連中がすべてエチオピア航空便の乗客であるかは確かではない。

その中のひとりはブラジルの入国審査を行う連邦警察官に、「さっきから3回もここで携帯を使うなと言っているだろう、分からないのか?今度使ったら携帯は没収するぞ」とどなられている。言われた当人の国籍はわからなかったが、ポルトガル語で言われて一体理解しているのだろうか、と気になった。

別の機嫌の良い入国管理官に後から、永住権を持つ外国人はブラジル人の行列に入って良いのだと言われた。
外国人の列には様々な書類を持った観光やそれ以外の目的の外国人が大勢いて、その書類審査に時間がかかるが、永住資格で外国人登録のある人だったら審査が簡単だからと説明された。
納得したが、今度旅行するときに思い出せるだろうか?

怪しまれる手荷物

入国手続の後、手荷物を受け取って、頼まれた香水を免税店で買ってから税関へ行くと、係員が預け荷物の行先票を一つ一つ点検して、私達の持っている荷物は機内持ち込みも含めて全部X線機器に通された。
危ないものを隠していたわけではないので大丈夫だったが、検査後何事もなく通してくれた。

あまり注意して聞いていなかったのだが、到着後空港内放送で「エチオピア航空ETxxx便で到着した乗客の荷物はすべてX線機器に通します」と言っていたことを思い出した。
ET便なんて名前からして怪しい、などとふざけている場合ではない。

大麻やコカインのような植物由来の薬物であったら、他の南米諸国からブラジルに入国して、欧州などに輸出されるというルートがあるだろう。
FantasyじゃなかったecstasyやLSDのような合成薬物はどこで生産されてどこへ持ち出されるのか、見当がつかない。
武器や薬物について、アフリカが流入元になっているとはあまり考えられない。
第一武器などなら出発地の空港で検査されればすぐに引っかかるはずである。
しかし蟻ん子のような個人持ち込みを探しているのだろうか。
貴金属や宝石または現金の形で不正な資金が流入するのだろうか。
荷物は出発地からサンパウロまで開けられることはないから、アフリカではなく、東京や香港が疑われているのだろうか。
謎である。

しかし、エチオピア経由便の荷物には、連邦警察(入国管理)と連邦歳入局(税関)からきっと何か目をつけられる特徴があるのだろう。
エチオピア航空は初めてだし、たまにしか旅行しないのでこれが通常のことかどうかは不明である。

2016年10月1日

エチオピア経由考

エチオピア航空でブラジルから日本往復の旅をした。
この経路は2つの便に分かれている。
しかし預け荷物は最終目的地まで行くので、アメリカ合衆国経由便のようにいちいち荷物の受け渡しをする面倒さは無い。
  • 成田から香港(4h45m)経由アジスアベバ(10h05m)行き
  • アジスアベバからロメ(5h30m)経由サンパウロ(7h40m)行き
アジスアベバ Addis Ababa - エチオピアの首都、アフリカ連合の本部がある大陸の重要都市
ロメ Lomé - 西アフリカのトーゴ共和国の首都
カッコ内に示した時間はその飛行区間の所要時間で、待ち・乗り換え時間などを含まない。

香港の忙しさは中国人の特性

香港停泊は1時間、通しの乗客は機内に留まるように言われ、この間に乗客の乗降と機体の給油が行われるが、やたら大勢の係員がどやどやと機内に入ってくる。
掃除係りはビニール大袋を持って席の間を回っているから、ゴミがあれば渡してスッキリする。
確認はしなかったが、便所掃除もしっかり行われているようである。

乗客リストとシールを手にした係員は、既に乗っている乗客に搭乗券提示を求めて、本来の座席をマジックで書き込んだ丸いシールを無造作に乗客の腕とかに貼っていく。
なかなかきっちりと管理するんだなと最初は思ったが、きっと中国人は座席指定など全く無視して勝手に空いている所に座るだろうから、こうでもしないと誰がどこに席を取っているか把握できなくなり、後から乗ってきた客と喧嘩が起きないとも限らないから仕方なくこんな手間を掛けているのだろうと思うに至った。

香港からアジスアベバに到着したときには、まだ機体がタクシング中でベルト着用サインが消えないうちに、大勢いた中国人乗客は一斉に立ち上がって頭上の荷物入れを開けてわさわさ降機準備を始めてしまって、エチオピア人のCAが「お願いですから座っていてください」と英語で言っても相手は大勢、ほとんど言うことを聞く人がいなかったところから、香港空港の係員の念の入った座席管理も身勝手な中国人対策ではないかと思えてしまうのである。

しかしサンパウロから7時間半も飛行したのにろくに便所掃除が行われない(確認はしなかったがそう思われた)のんきなトーゴのロメよりは、けたたましい香港の掃除軍団の仕事は便所がきれいになるだけ数倍気持ち良いと思った。

エチオピア航空の拠点、アフリカの大ターミナルであるアジスアベバ国際空港はかなりカオス

アジスアベバ空港に駐泊している飛行機は、ざっと見て十機以上もあったが、ほぼすべてエチオピア航空の機材であった。

到着・出発は第2ターミナルとなっていて、横に第1ターミナルが見えたがトランジットのためそちらへ行ってみることはできなかった。
きっと第1ターミナルは国内線専用なのだろう。

第2ターミナルの建屋であるが、ちょうど先ごろ終了したリオデジャネイロ五輪の施設のように、屋根下に構造材がむき出しに見えるような簡素な構造である。
堅牢な壁は一切なく、可動式間仕切りとドアや引き戸からなる区画は、イベント会場には好都合そうであるが、マイレージ高級会員のプレミアムラウンジであっても全く同じで、開け放たれた質素なドアから垣間見ると、多少豪華なソファと、飲み物と軽食のカウンターが備え付けてあるだけの、かなりがっかり仕様であった。

スペースに比較して人が圧倒的に多いので、出国手続き後で保安検査・搭乗ゲート呼び出し前の待合スペースは、軽食しか出さないと思われるレストランや貧相な免税店と密集していて、保安検査後のゲート前待合室とはガラス仕切り壁で区切られているのだが、向こう側もこちら側同様に人が密集しているので、全く落ち着かない。

町内会のバザーの商品陳列が十倍マシにみえるような、飾り付けなど気を使わない、全く売る気のなさそうな、どこも代わり映えしないくせに数だけはいくつもある免税・おみやげ店を一周りして、通りかかった時間のせいか食べ物が大方片付けられたビュッフェが20ドルもするのに幻滅すると、もうすることがなくなる。
デッキ・チェアのような形の、くつろげそうな、しかしだいぶ色の褪せた安楽椅子を運良く占めることができれば、搭乗時間まで一眠り仮眠することができる。

10時間以上空の窮屈な旅を続けて、うんこくらいは強固な大地の上の静かなトイレ個室でしたい、という人は多いだろうが、全く期待できない。

当初トイレとして作ったスペースが圧倒的に足りなくなったのだろう。
本来のトイレの横に、ちょうど仮設トイレのような高床式の、急な急造スロープをあがって入るトイレが増設してある。
そんな増設トイレが2カ所はあった。

増設でも仮設でも清潔で混雑なく気持ちよく使えるのだったら構わない。
絶え間なく掃除のおばちゃんが出入りして床を掃除しているのに、狭い空間に利用者が多すぎるので人はぶつかり合い、床は一向にきれいにならない。
言ってみれば、駅便所のなかでも下に当たる清潔さ程度だろうか。
サンパウロのグアルーリョス国際空港が天国に思える。

すっぽりかぶる前開きのないガウンのような形の、当地の典型的衣装のおっさんが、サンダルを片足づつ脱いで洗面台の上に足を持ち上げて洗っていたのはご愛嬌である。
蛇口をひねれば水が出るのに素直に感謝して、こういうところでもうんこしたり歯を磨いたりできないとアフリカ大陸の旅行はできないのであろう。

搭乗券と案内モニターに表示される第14ゲート前は、人が団子状態になっている。
普通一つのゲートには一つの直前の便の乗客しか案内しないと思うのだが、どういうわけか複数の便の乗客が複数の列を作っているようなのである。
搭乗中の便名の案内モニターをゲート直下に付けたら良いと思うのだが、予算が足りないのか、あくまで仮設であるからか、それが無いために無用な混雑を引き起こしているように思えた。

ロメ国際空港は西アフリカのハブ空港

ロメ国際空港に駐機している飛行機の中で大型のはエチオピア航空、小型のはアフリカ大陸シルエットの横にASKYと書いてあるASKY航空であり、これは「西アフリカ諸国の政府が主導し設立した」とWikipediaに書いてある。
ここがハブ空港である証拠に乗り降りする人がかなり多い。

行きの旅程中、隣りに座った人たちの素性は次のとおりだった。
  • サンパウロ→アジスアベバ ブラジル人の年配女性二人
    アジスアベバからエジプトのカイロ行きへ乗り換え、カイロに住む友人を訪ねてピラミッドなどを観光すると言っていた。
  • アジスアベバ→香港 中国人青年が一人、アフリカ勤務で帰省の旅か?
  • 香港→成田 一人で三人がけ席を専有できた。

帰りの旅程中は次のようだった。
  • 成田→香港 隣人なし。
  • 香港→アジスアベバ ポルトガル語も英語もよくわからない中国人青年が一人、アフリカの勤務地へ戻るのか?
  • アジスアベバ→ロメ 別の中国人青年、他の大陸から来たのか、アフリカ大陸内での移動かは不明。
  • ロメ→サンパウロ 隣人なしでゆったり。

大きな中国のプレゼンス

上に書いたように、乗客にはアフリカで乗降する中国人が多い。
香港で搭乗して、アジスアベバやロメからアフリカ各地に散っていくのだろうか。
空港内表示にも中国語は当然のように併記されていることが多い。
免税店には中国の酒や煙草の宣伝が大きく掲げられている。
アフリカで働く中国人が帰省のときに土産にするのだろう。

第2ターミナルの混雑さを見ると、現在の3倍位のスペースがあっても良さそうである。
アジスアベバ空港の拡張工事は進行中で、工事現場を囲む塀には、アルファベットと漢字で建設会社の名称の看板があるが、現地語であるアムハラ文字(ゲエズ文字)での表示はないのが悲しい。
空港の改良は中国の力を借りて行われてゆくのだろう。

2016年8月19日

東京2020まで保存・競技名三か国語対照

オリンピック2016リオデジャネイロ大会が終わってしまう前にこういうのを作った。
競技の名前などふだんは使わないので、この機会に調べようと思ったわけである。
2020年東京大会でも、新種目を除いて使える。
English português 日本語
aqu - diving saltos ornamentais 飛込
aqu - diving - platform saltos ornamentais - plataforma 飛込-高飛込
aqu - diving - springboard saltos ornamentais - trampolim 飛込-板飛込
aqu - swimming natação 競泳
aqu - swimming - backstroke natação - costas 競泳-背泳ぎ
aqu - swimming - breaststroke natação - peito 競泳-平泳ぎ
aqu - swimming - butterfly natação - borboleta 競泳-バタフライ
aqu - swimming - freestyle natação - livre 競泳-自由形
aqu - swimming - medley natação - medley 競泳-メドレー
aqu - swimming - reley natação - revezamento 競泳-リレー
aqu - sychronized swimming nado sincronizado シンクロナイズドスイミング
aqu - sychronized swimming - duet nado sincronizado - dueto シンクロナイズドスイミング
aqu - sychronized swimming - team nado sincronizado - equipes シンクロナイズドスイミング
aqu - water polo polo aquático 水球
aquatics 水泳
archety tiro com arco アーチェリー
athletics atletismo 陸上競技
athletics - decathlon atletismo - decatlo 陸上競技-十種競技
athletics - discus throw atletismo - lançamento de disco 陸上競技-円盤投
athletics - hammer throw atletismo - lançamento de martelo 陸上競技-ハンマー投
athletics - high jump atletismo - salto em altura 陸上競技-走高跳
athletics - hurdles atletismo - com barreiras 陸上競技-ハードル
athletics - javelin throw atletismo - lançamento de dardo 陸上競技-やり投
athletics - long jump atletismo - salto em distância 陸上競技-走幅跳
athletics - marathon atletismo - maratona 陸上競技-マラソン
athletics - pole vault atletismo - salto com vara 陸上競技-棒高跳
athletics - reley atletismo - revezamento 陸上競技-リレー
athletics - shot put atletismo - arremesso de peso 陸上競技-砲丸投
athletics - steeplechase atletismo - com obstáculos 陸上競技-障害
athletics - triple jump atletismo - salto triplo 陸上競技-三段跳
athletics - walk atletismo - marcha 陸上競技-競歩
badminton badminton バドミントン
badminton - doubles badminton - duplas バドミントン-ダブルス
badminton - singles badminton - individual バドミントン-シングルス
basketball basquetebol バスケットボール
boxing boxe ボクシング
boxing - bantamweight boxe - peso-galo ボクシング-バンタム級
boxing - flyweight boxe - peso-mosca ボクシング-フライ級
boxing - heavyweight boxe - peso-pesado ボクシング-ヘビー級
boxing - light flyweight boxe - peso-mosca-ligeiro ボクシング-ライトフライ級
boxing - light heavyweight boxe - peso-meio-pesado ボクシング-ライトヘビー級
boxing - light welterweight boxe - peso-meio-médio-ligeiro ボクシング-ライトウェルター級
boxing - lightweight boxe - peso-ligeiro ボクシング-ライト級
boxing - middleweight boxe - peso-médio ボクシング-ミドル級
boxing - super heavyweight boxe - peso-superpesado ボクシング-スーパーヘビー級
boxing - welterweight boxe - peso-meio-médio ボクシング-ウェルター級
can - slalom can - slalom カヌー-スラローム
can - sprint can - velocidade カヌー-スプリント
canoeing canoagem カヌー
cyc - BMX cic - BMX 自転車競技-BMX
cyc - mountain biking cic - mountain biking 自転車競技-マウンテンバイク
cyc - road cic - estrada 自転車競技-ロード
cyc - track cic - pista 自転車競技-トラック
cycling ciclismo 自転車競技
equ - dressage hip - adestramento 馬術-馬場馬術
equ - eventing hip - concurso completo de equitação 馬術-総合馬術
equ - jumping hip - saltos 馬術-障害飛越
equestrian hipismo 馬術
fencing esgrima フェンシング
fencing - épée esgrima - espada フェンシング-エペ
fencing - foil esgrima - florete フェンシング-フルーレ
fencing - sabre esgrima - sabre フェンシング-サーブル
field hockey hóquei sobre a grama ホッケー
football futebol サッカー
golf golfe ゴルフ
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gym - artistic - balance beam gin - artística - trave 体操競技-平均台
gym - artistic - floor exercise gin - artística - solo 体操競技-ゆか
gym - artistic - horizontal bar gin - artística - barra fixa 体操競技-鉄棒
gym - artistic - individual all-around gin - artística - individual geral 体操競技-個人総合
gym - artistic - parallel bars gin - artística - barras paralelas 体操競技-平行棒
gym - artistic - pommel horse gin - artística - cavalo com alças 体操競技-あん馬
gym - artistic - rings gin - artística - argolas 体操競技-つり輪
gym - artistic - team all-around gin - artística - equipes 体操競技-団体総合
gym - artistic - uneven bars gin - artística - barras assimétricas 体操競技-段違い平行棒
gym - artistic - vault gin - artística - salto 体操競技-跳馬
gym - rhythmic gin - rítmica 新体操
gym - trampoline gin - trampolim トランポリン
gymnastics ginástica 体操
handball handebol ハンドボール
judo judô 柔道
modern pentathlon pentatlo moderno 近代五種
rowing remo ボート競技
rowing - coxed eight remo - oito com ボート競技-エイト
rowing - coxless four remo - quatro sem ボート競技-舵なしフォア
rowing - coxless pair remo - dois sem ボート競技-舵なしペア
rowing - double sculls remo - skiff duplo ボート競技-ダブルスカル
rowing - quadruple sculls remo - skiff quádruplo ボート競技-クオドルプルスカル
rowing - single sculls remo - skiff simples ボート競技-シングルスカル
rugby sevens rugby sevens 7人制ラグビー
sailing vela セーリング
sailing - 470 vela - 470 セーリング-470
sailing - 49er vela - 49er セーリング-49er
sailing - finn vela - finn セーリング-finn
sailing - laser vela - laser セーリング-laser
sailing - RS:X vela - RS:X セーリング-RS:X
shooting tiro 射撃
shooting - air pistol tiro - pistola de ar 射撃-エアピストル
shooting - air rifle tiro - carabina de ar 射撃-エアライフル
shooting - double trap tiro - fossa olímpica double 射撃-ダブルトラップ
shooting - pistol tiro - pistola 射撃-ピストル
shooting - rapid fire pistol tiro - pistola rápida 射撃-ラピッドファイアピストル
shooting - rifle prone tiro - carabina deitado 射撃-ライフル伏射
shooting - rifle three positions tiro - carabina em 3 posições 射撃-ライフル3姿勢
shooting - skeet tiro - skeet 射撃-スキート
shooting - trap tiro - fossa olímpica 射撃-トラップ
table tennis tênis de mesa 卓球
taekwondo taekwondo テコンドー
tennis tênis テニス
triathlon triatlo トライアスロン
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vol - volleyball voleibol バレーボール
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2016年8月11日

ブラジルでカーナビを使うときの注意

リオ五輪、警備の精鋭警官3人撃たれる スラム街に誤進入
http://rio.headlines.yahoo.co.jp/rio/hl?a=20160811-00000028-jij_afp-spo
こんなニュースがあったので日本でもその奇妙な危険さが知られるようになったと思う。

道を誤ってファヴェラ(スラム街)に入り込んでしまった治安部隊の隊員3人は、それぞれアクレ州、ピアウイ州、ロライマ州、つまりブラジルの辺境州からはるばるリオ・オリンピックの警備のために動員されていた。
車両一台に乗って移動中だったのだが、どこからどこへ向かっていて、どのような経過で道を誤るに至ったかは明らかになっていない。
ただ、どのあたりかは報道された。

リオ・デ・ジャネイロ市の国際空港のある東北部と南部バーハ地区を結ぶ自動車道路、黄線 Linha Amarela が、市北部と南部コパカナーバ地区を結ぶ赤線 Linha Vermelha に接続するジャンクション部は、北側をコンプレクソ・ダ・マレ Complexo da Maré、南側をヴィラ・ド・ジョアン Vila do João という二つのファヴェラに挟まれている。
ジャンクションの手前にはいくつか細かい出入り口があるので、どこかで間違って出てから本線に戻ろうとして迷ってしまったのであろう。
民間の普通の車だったらとりわけ問題はなかっただろうが、たまたま目の敵の警察車両をただ一台だけ入ってくるのを見咎めた組織の者が攻撃を仕掛けたということだったと思われる。

しかし、道を間違えてファヴェラに迷い込んでしまい、犯罪組織の者に勘違いされて銃撃されるという事故はこれが初めてではない。
ブラジルではGPSと呼ばれることが多いが、カーナビを使うときに注意しておきたい点がある。

まず、完全に設定を誤ってしまうケースである。

ブラジルには通りに名前がついていて、それが住所や住居表示となっているのだが、どこの市にもあるような普遍的な名称がある。
たとえば、Avenida Getúlio Vargas ジェトゥリオ・ヴァルガス大通といった、歴代のブラジルの大統領の名前から取った地名である。
隣町が何十キロも離れているようなところでは起きる心配はないが、いくつかの行政市の市街地が連続している大都市圏では、よく確認して目的地設定をしないと、同じジェトゥリオ・ヴァルガス大通であっても隣の市のジェトゥリオ・ヴァルガス大通を目指していくことになってしまうので注意が必要である。

もう一つの注意はもっと危なくて、しかも必ずしも避けられるものではないので、より深刻である。

たびたび書いていることであるが、ブラジルの大都市には、ファヴェラと普通や高級な住宅街が隣接しているところがかなりある。
そうすると、出発地と目的地の位置関係で通り道がファヴェラの真ん中を突っ切るようなことが時に起きる。
ブラジルでカーナビを使ったことはないので、「危険な地区を通るルートを避ける」というような設定オプションがあるかどうかはわからない。
多分ないと思う。
そもそも誰が「この地区は危険と指定する」職権を持つのか。
警察にはその職務遂行上、この地区は危険なのでパトカー二台以上でなければ入ってはいけない、というような地域に関する注意事項が徹底していると思われるが、このような情報は公開されることはないだろう。

親戚の若い者が昔、リオデジャネイロマラソンか何かのスポーツ行事に参加するために仲間と、ヴァンとよばれる15人乗りくらいの車を借りてリオまで出かけて行った。
カーナビを使っていたか、昔ながらの紙の地図を使っていたかはわからないが、近道をしようとして、よそ者ゆえに上に書いたように気づく間もなくファヴェラに入り込んでしまった。

週末の朝だったので、中に入っていくほどに、薬物で半ばフラフラになりかけた組織の見張り役のような連中が銃を突き付けて誰何してくる。
そもそも隠すことは何もないのだから、事情を説明をして先を急ごうということになり、「おれたちは(自分たちを指して)この格好を見たらわかると思うが、今日(ファヴェラの向こう側を指さして)あっちのほうで開かれるマラソン大会に参加するためにミナス・ジェライスからはるばるやってきたのだが、道に迷って遅れそうになっているのでここを通してくれたらありがたい」というようなことをわざとミナス訛りを強調して口々に訴えた。
事情を理解してもらって通してもらえたので無事マラソンにも間に合って助かった、とかなり貴重な体験を語ってくれたことがあった。

ブラジルの大都市でカーナビを使い未知の場所に行くときは、面倒でもその都市の危険地図を前もって地理勉強しておいたほうがよさそうである。

2016年8月5日

とりあえずリオ五輪の総括と開会式展望

オリンピック大会総予算391億レアル、60%民間企業、40%公共資金が負担。

環境浄化分野では予定した効果が達成できず、グアナバラ湾や市の西部の湖沼地区の汚染は除去できていない。
公安分野も市民や観光客が期待する安全な街とはなっていない。

イパネマ海岸地区と西部のバラ・ダ・チジュカを結ぶメトロ新線や幹線道路、BRT (Bus Rapid Transit)の交通インフラ建設や、高架道路を撤去、VLT (Veículo Leve sobre Trilhos)を新設して美化、公園地区化した都心港湾地区の再生に代表される都心再開発など、リオの都市計画は一応目標達成といわれる。


開会式があと数時間後に迫ったリオ五輪であるが、スタッフ3万5千人(開会式だけではないと思う)、ダンサー200人(これだけ?プロダンサーの数か)、エスコーラ・ジ・サンバ12グループ、パレード参加者5千5百人と発表されている。
リオのエスコーラ・ジ・サンバといったら、リオのカーニバルの主役であり、一つだけで五千人ぐらいが練り歩くのであるが、まさかその全部が参加するとは考えられない。
テーマは人種や国民の間の融和と地球環境保護メッセージの二つ。

驚くのはその予算で、前ロンドン大会の開会式と比較して十分の一であるという。
ロシアはソチで、その文学・芸術の豊饒さを生かした演出をした。
世界中にファンの多いブラジルの音楽やダンスは健在でないか。
十分の一のしょぼさになることはあるまい。

トップモデルのジゼリ・ブンチェン Gisele Bündchen が子供の強盗に襲われるのだが、警察からかくまってやってハッピーエンドという仰天の演出があると噂されたが、これは批判が多くて取りやめになると言われている。
ブラジルのことだから、これくらい開き直って苦境を笑い飛ばして感動させてほしい、と望むのは身勝手だろうか。

ブラジル国内聖火2万6千キロの旅

聖火トーチ - tocha olímpica (po.)
聖火台 - pira olímpica (po.)

昨日8月4日のニュースでは、聖火はブラジル国内を95日間、三百数十の町を訪れ、2万6千キロ移動したと言っていた。

昔の聖火リレーは、陸地がないところは仕方がないが、そうでなかったらずっとランナーが駅伝のように、一生懸命苦しそうな顔、少なくとも真面目な顔で大切な聖火を掲げて一目散に走っていた、という印象がある。
現在のブラジルの聖火リレーはそういった堅苦しいものではない。
ギリシャのオリンピア Olímpia で太陽光から採火されるのは昔と同じだが、途中でいろいろな乗り物に乗って担がれてきた。

  • 自転車
  • 車いす
  • サーフィン
  • パラグライダー
  • インディオのカヌー
  • モーターボート
  • ロープウェイ

テレビニュースで見た覚えがあるものを小さいものから順に並べてみた。
ほかにもスケートボードとか牛車とかあったような気もする。
広大な国土の都市間はランタンに入れて車や飛行機で運んでいるようだ。

一人のランナーの担当距離は200メートル、アスリートだけでなく子供から老人までいるし、完全に歩いている人もいる。
ステップを踏みながら、踊りながら走る人もいる。
ほぼお祭り行列である。

きょうはオリンピック2016リオ・デ・ジャネイロ大会の開会式がある最後の巡回なので、聖火はリオ市内の観光地を巡っている。
ロープウェイは箱内でなく、命綱で身体を確保したロープウェイ会社の人が箱の屋根!に乗って聖火を掲げて大観光地ポン・デ・アスカルの頂上に移動していた。

5月のある土曜日、聖火がすぐ近所を通るというので見に行った。
家からわずか一丁の通りを聖火が通ることになっていた。

どうせ時間通りに来ることはないからとのんびり通りで待っていたら、コカコーラの宣伝バンがやってきて近くの角のスペースに止まり、宣伝の音楽を流し始めた。
これは何かキャンペーングッズを配り始まるだろうと期待していると、思った通り何か配り始めた。

コカコーラの宣伝マスコットのシロクマ顔で、裏側にはメッセージが書いてある中に掌を入れて聖火が来たら振り回すミットのようなものである。
近くにいる人のを良く観察するとデザインとメッセージにかなりのヴァリエーションがあるようで、一体全部で何通りあるかはわからなかった。


しばらくしたら五輪特別パッケージのコカコーラ缶250mlを配り始めた。
あまり人が多くなくて、余っているようなので、いつもは飲まないコーラを3本も飲んでしまった。

時間は過ぎてすっかり暗くなってきた。
この辺りは人がいなくて、宣伝車の場所から下っている坂は下のロータリーまで100メートルくらい、本当にここに天下のオリンピックの聖火が通るのかと不審に思うほど誰もいない。

坂を最初に登ってきたのは20台くらいの自転車部隊、これがもうすぐ聖火が来ますよと告げる、露払いを演ずる先遣隊のようである。

聖火のイラストをボディに描いたマイクロバスが続いてきた。
中にはトーチを持った聖火ランナーと思われる人が何人も乗っている。
車の中だからもちろん火は点いていない。
なんだ聖火リレーって、車で運んで誰も走っていないし、火も消えているではないか?
と勘違いしそうになったが、これから走るランナーを聖火に先回りして各リレー地点に配るバスであった。

次に来るのは荷台部分にステージを飾り付けたスポンサーの飾りトラックが、音楽を流し、ダンサーを満載して賑やかに何台か登ってくる。
トラックの装飾で確認できたスポンサーは、コカコーラ、(われらが)日産、最後にはブラジルの民間銀行の雄、ブラデスコの3つの企業であった。

しばらく空白があったが、ようやく聖火がやってきた。
二十人くらいのお揃いのカーキ色のシャツを着た面々に囲まれて、聖火を掲げたランナーが坂を上ってくる。

歩道に誰もいないので50メートルくらい聖火と並走してコカコーラ宣伝バンのところまで行ったら、聖火リレーしてランナー交代である。

カーキ色シャツ軍団は交代しないで、円陣を作って聖火を囲み、不届き者から聖火を守っている。
後からニュースで知ったのは、カーキ色シャツ軍団は força nacional と紹介されていたので、そのまま訳すと国軍である。
この連中は何キロごとに交代することになっているのかはわからないが、一番体力の必要な役目である。

今までにどんなことに遭遇したか書いてみる。
  • 男がバケツの水をかけて聖火を消そうとした(数回あった)
  • YouTubeの人気おばさんが柄の長いほうきで聖火の火を拝借した
  • 聖火セレモニーに駆り出されたジャガーが終了後に逃走しようとして射殺された
  • デモのために時間が遅れたりルート変更になった(数回あった)
今日もリオの高級ホテル前で休職大統領罷免反対と公務員のデモがあって、聖火は並行する大通りにルート変更して、何事もなかったように行進を続けていた。

聖火点灯の大役を担うと言われてきた王様ペレは、手術後間もないためそれを辞退した。

2016年7月28日

ブラジル人も心配するリオ五輪

調査機関 IBOPE が実施した、自国開催二大スポーツ大会についてのブラジル人の意識調査を、新聞 O Estado de S. Paulo が発表した。
ワールドカップ・2014年ブラジル大会とオリンピック・2016年リオデジャネイロ大会を比較している。
大会で何が重要か
2014 WC51%ブラジル優勝
24%大会の運営
25%回答なし
2016 OG59%大会の運営
31%ブラジルの成績
10%回答なし
利益・損失どちらの結果となるか
2014 WC43%利益
40%損失
17%回答なし
2016 OG60%損失
32%利益
*8%回答なし

これを見たらわかるように、ブラジル人も大会の運営がうまくいくかどうか心配しているし、オリンピックとは、土建屋と癒着する政治家だけが儲かる、壮大な無駄遣いではないかと気づいているのである。

ワールドカップはいわば、ブラジルでは一年中やっているフットボール大会の総集編のようなものだから、「慣れている」とはいえるだろう。
反面、オリンピックは新しいことばかりであり、多少の不都合があっても仕方がないと思っているようである。

昨日のニュースでは、アトランタでは情報系が最初滅茶苦茶だったとか、アテネは工事が遅れていて開催が危ぶまれたとか、北京は大気汚染が酷かったとか、言い訳めいたことを言っていたが、リオは下手したらこれら全てが、大気汚染の代わりには水質汚染であるが、起きかねないところが、まあ心配ではある。
大会8日前の今までのところ自力でやってきて、投げ出したりIOCや他の国に泣きついたりとかはしていないから、しっかり気を入れてほしいものである。

2016年7月27日

ブラジル大都市、市内バスでナビ使用の注意

サンパウロ市に用事があって、夜行バスで行って、その夜の夜行バスで帰って来るという忙しい旅をした。

用事は昼前に終わり、午後はこれまで行ったことのない、イピランガの独立記念公園に行こうと思った。
歴史をみると、連合王国への大陸封鎖を巡りフランスと意見の相違があったポルトガル王室はその軍事的圧力に耐えかね、王室をブラジルに移した。
情勢が改善してポルトガル帰還に伴い、ブラジルをもとの植民地の待遇に降下しようとしたポルトガル勢力に反抗した皇太子摂政ドン・ペドロが、1822年9月7日に「独立か死か」と、イピランガ川のほとりで叫んで決起した場所である。

まだ鉄道網の密度が薄いサンパウロ市で、イピランガはその網目の中の空隙部にある。駅から2キロくらいだから歩いても大したことはないのだが、市内バスで行ってみよう、そのために鉄道・バス一日券をビリェテ・ウニコ(Bilhete Único)と呼ぶICカードにチャージしたのだから。
24時間メトロ・近郊電車と市内バス(近郊市外バスは含まない)乗り放題は16レアル、メトロ・近郊電車だけだったら10レアルである。
一回券はメトロもバスも3.80レアルであることを考慮すると、一日券は割安である。

日本のように路線図とか時刻表はおろか、止まるバスの系統番号すら表示されていないことのあるバス停を探して、多数の複雑な路線を持つ市内バス網から目的のバスをつかまえて、全く知らない土地を訪問するため、乗換ナビゲーターに頼るにあたり、既に入っていたGoogle Mapsを使ってみることにした。

目的地は独立公園の南側の街路、出発地は現在位置で探索して、メトロ駅まで行った。
そこからナビの示す系統番号のバスを見つけて乗ったのだが、左折するはずの角を直進して高架橋を渡り右にカーブして全く反対のほうへ走ってゆく。
話が違うでないか。
一日券を買ったのだからここで降りて元の場所に戻ったほうがよい、と判断して、乗ったばかりのバスから降りた。

降りる前にはナビ画面を見ていたので気付かなかったのだが、辺りの光景が全く変わっている。
バス通りはブラジルにしては狭く、歩道の幅も狭い。
道の片側には、主に二階建てで下は小さい商店になっているのだが、家々の壁は一様にレンガがむき出しでモルタルが張られていない。
片側は掘建て小屋といってよいような、奥行きのない雑然とした平屋の商店や食べ物屋で、その向こうには二階建てで平べったく全く同じ形の建物が何棟も何列も続く公営住宅である。
かなりファヴェラ(貧民地区)の風景に近い。
昔ファヴェラだったのが脱皮して少しマシになったのであろう。
これはかなり用心して歩かなければならないぞ、と思いながら、それでも人通りは多いのでまずまず安心して、スマホで現在位置を確かめながら高架橋を渡って見慣れた普通の光景の場所に戻ったのだった。

そして今度は正しいバスに乗れるように、メトロ駅前の通りの角を左折した次の停留所で待つことにした。
やっと来たバスの車掌は、先に間違えて乗ったバスと同じ車掌であった。
乗り間違えたバスはその後終点まで行って、折り返しの逆向きの便となっていたのだった。

乗ってからも小さな問題があった。
カードを読み取り機にかざすと、残高ゼロと表示されてカトラカ(catraca)と呼ばれる回転柵が回らない。
詳しく確認していないが、一日乗車券には30分縛りルールがあって、その間には同じ路線を使えないという話を聞いたことがある。
最初に乗車した時のことを覚えていて、「あんたは今乗ったばかりだからね」と言った車掌は、回転柵の手前側に座らせて、手前側から下車させてくれた。
ブラジルの市内バスでワンマンというのを見たことがない。
車掌というのは便利な存在で、行く先を言って頼めば、近い停留所でバスを止めておろしてくれる。
しかし今日はGoogle Mapsナビ機能のテストである。
車掌さんには頼らないことにした。

二百年の昔、清流であったはずのイピランガ川は、コンクリート壁の狭間の、汚い水の流れる浅い水路であることが分かった。

旅行が終わってから家で、問題のバス路線を検索してみた。
メトロ駅を中にはさんで北西から南東に伸びる路線である。
乗って間違いと気づいてすぐに降りたバスはファヴェラめいた通りを上り、その丘の向こうにある大病院が終点となっていて、折り返して再びメトロ駅の前を通るのだが、一方通行なので行き路線と帰り路線が重複して同じ方向に向かってくるようになっていたのだ。
事実を知れば何のことはない。

バスの前面上部の行先表示はドットLED画面切り替えで、系統番号、行先、経由地が2,3秒ごとに切り替わるようになっている。
行先が全く反対の行き路線と帰り路線が、まさか同じ通りを同じ方向に走るわけがないという先入観にとらわれて、系統番号だけ確かめれば十分だと思っていたのがいけなかった。
走ってくるバスの、切り替わりながら現れる系統番号と行く先を両方とも確かめていれば間違うことはなかったのだ。

ブラジルの大都市でファヴェラが、普通な地区や高級住宅街と隣あわせになっているところがよくみられる。
残念ながら地図を見て、記号がついていてここはファヴェラだとすぐに識別できるようにはできていない。
第一、地図会社やGoogleがここはファヴェラであると、勝手に地図に赤斜線などを入れると問題が大きく、実際上無理な話である。
それができるのは市役所だけだろうが、それにしてもファヴェラと判定する基準を作るのには相当な困難が予想されるのである。
誰だって自分の住む地区がファヴェラと判定されて地図に載ってしまうと、きっと地価暴落で損害を負い込むことになるだろうから、市役所でもそんな仕事をやって恨みを買うことになるのは避けたいだろう。
こういった荒っぽい地区は、組織の者かどうかにかかわらず怒った住民が路線バスを止めて乗客を降ろしてバスに火を放つことがあるから、バス利用者としては十分な注意が必要である。

後からGoogle Mapsで見て一つ納得したことがある。
地図にズームをかけていくと建物の輪郭線が現れるまでに拡大される。
そうしたら建物の大きさと隣との距離をよく観察すると、そこがファヴェラかどうかが推察できる。
当然建物が小さく隣家と軒が接触するように密集して間に空きスペースがないような地域はファヴェラである可能性が高い。
そうなったら地図を写真に切り替えて確認することができる。

Google Maps自体はよくできていて、バス停の位置がずれているようなことはなかったが、アルファベットがついて区別されるメトロのどの出口から出たらよいかまでは示してくれなかった。
駅構内にある近隣地図で出口を確かめるとよい。

使い方のコツと私が経験したような注意を踏まえれば、使えるモノであることが分かった。
使い慣れてしまったら、地図を自分で調べたり人に道を尋ねたりするような、昔は旅人に必須だった能力が退化するのではないかと心配になった。

2016年6月28日

地獄・リオへようこそ

「警察はリオを『地獄』と呼び、危険を喚起する」
Policiais chamam Rio de "inferno" e alertam para insegurança
雑誌 VEJA
http://www.msn.com/pt-br/noticias/brasil/policiais-chamam-rio-de-inferno-e-alertam-para-inseguran%c3%a7a/ar-AAhGu9x?li=AAggV10&oc



オリンピックが始まるまで40日余りとなった2016年6月27日午前、トム・ジョビン国際空港、つまりリオ・デ・ジャネイロ国際空港に外国から到着した観光客は、こんなメッセージ幕に迎えられて度胆を抜かれたことと思う。
幕を掲げているのは、閻魔様やハーデースではなく、リオデジャネイロ州の民事警察の警察官、と言っても何をする警察なのかわからないだろうが、犯罪捜査を担当する警察組織である。
予算カットと給料遅配に対する抗議活動である。

幕のメッセージは英語だから、たいていの人にはわかってもらえるだろう。
警察官たちは声明で、紙や水のような必要品不足、警察の人員削減で十分に仕事ができない、ただでさえひどい犯罪にこんな状況で対抗できるわけがないと訴えている。

リオはここから遠いし、実情は行って住んでみなければよくはわからないからいい加減なことは言えないのだが、危なそうである。
今日も主要道路を走行していた女性医師や、車から降りたところらしい非番の警官などが強盗の犠牲になったとニュースは言っていた。
リオの問題は、重要な道路がファヴェラ(favela)つまり貧民街のそばを通っているので、組織抗争や警察との対決、つまり流れ弾の危険や、強盗などの犯罪活動にきわめて遭遇しやすい環境にあることである。

オリンピック本番では、連邦政府は軍隊を配置するのではないかと思うが、そうすれば何とか我慢できる程度の治安は確保されるのではないか、と楽観的に言ってみる。

2016年7月6日追加

心配になることばかりではない。
オリンピックまであと1か月となった昨日今日から、全州の警察から構成される全国部隊(Força Nacional フォルサ・ナシオナル)や、陸軍部隊のリオデジャネイロへの動員が始まり訓練を開始すること、海軍はリオ沿岸に艦隊を駐泊すること、世界97か国の諜報組織と特別体制の連絡センターを設け協力してテロに備えるというニュースが続いている。
陸軍海軍合わせて2万2千人の兵士をリオデジャネイロ市内の主要道路、鉄道駅や各会場に配置するというから、かなり兵隊密度が高いと言えそうである。

軍隊のファヴェラ(貧民街)内駐留は行わない。
キリスト像やポン・ジ・アスーカルのような観光地の警備は警察の分担である。

2016年5月24日

日伯ストーカー事件、相似と相違

日本ではアイドルが待ち伏せストーカーにナイフで二十数か所刺されて重体、という事件が起きた。
たまたまブラジルでも最近同様な事件が起きている。
2016年5月21日の土曜日のことであった。

まず両事件の似ている点から、
  • 被害者のアイドル性
    日本―大学生アイドル20歳
    Brasil―モデル・司会者35歳、興味ある人は"Ana Hickmann"を検索
  • 加害者
    日本―27歳男性
    Brasil―30歳男性
  • 加害者は遠征した
    日本―「当日、彼女と会うために京都から新幹線で出てきた」京都から東京へ456㎞
    Brasil―ジュイス・デ・フォーラからベロ・オリゾンテへ257㎞
  • 加害者は待ち伏せした
    日本―駅で2、3時間待っていた
    Brasil―前日から同じホテルに泊まっていた
  • SNSの存在
    日本―Twitterなど
    Brasil―Instagram/Facebookなど
  • ストーカーの活動
    日本―プレゼントを贈る、SNSに執拗な書き込みをしてブロックされる
    Brasil―SNSに求愛としつこい書き込みをしてブロックされる

似ているのはここまで、相違点というと、
  • 使われた武器
    日本―ナイフ
    Brasil―銃
  • アイドルの被害
    日本―意識不明重体
    Brasil―負傷なし、ただし隣にいたマネージャーが重傷
  • ストーカーの運命
    日本―逮捕されたが無傷
    Brasil―死亡

最大の相違点はストーカーの運命である。
日本で起きた事件の詳細はここで述べず、ブラジルの事件のみ話す。

アイドルはマネージャーと一緒にイベントに備えて、ミナス・ジェライス州都ベロ・オリゾンテのホテルの一室にいた。
ストーカーは部屋のすぐ外にいたマネージャーの夫でアイドルの義理兄弟(夫の兄弟)にあたる男をピストルで脅して部屋に通させた。
部屋に入りアイドルを認めたストーカーは、「何で俺に冷たくするのか」と銃を突きつけながら責め始め、アイドルは気を失い、隣に座っていたマネージャーにもたれかかるように倒れた。
ストーカーは射撃を始めたので、マネージャーの夫は止めようとして二人はもみ合いになった。
マネージャーは腕と腹部に被弾して負傷した。
マネージャーの夫はストーカーの武器を取り上げることに成功して反撃に転じた。
意識を取り戻したアイドルは格闘する男たちから、室外に逃れ助けを求めた。

結局どれだけ人的被害があったか。
マネージャーは意識はあるものの腹部重傷で集中治療を受けており、頭部に反撃弾を受けたストーカーは死亡した。

警察は捜査をしているが、マネージャーの夫は正当防衛が認められそうである。
もっとも、加害者死亡のため、被害者側の証言しか残っていない。

銃のあるなしと、被害者が一人だったかどうかが運命を分けたといえよう。

2016年5月14日

ブラックバードの仲間たち

以前ブラックバードについては疑問があって、それは一応解決したものと思っていたのだが、新たな疑問が急に湧いてきた。

愛鳥週間あるいはバードウィークを記念して、
OTTAVA(オッターヴァ)
では、最近鳥にまつわる曲が非常に多くかかっていた。
クラシック音楽には鳥が取り上げられる曲が結構たくさんある。

民族音楽と自然とクロスする領域のプレゼンター、ゲレン大嶋さんの日に、曲目twitterで、次の流れを見つけた。

  • #ottava Now on air:ヴィラ=ロボス:黒鳥の歌
  • #ottava Now on air:ペルナンブーコ:黒鳥

ここで非常に考え込んでしまった。
ゲレンさんは両方とも、「コクチョウ」と発音された。
ヴィラ=ロボスの曲の黒鳥と、ペルナンブーコの曲の黒鳥は、はたして同じ種類の鳥なのか?
ビートルズのブラックバードと、バイバイブラックバードが同一かどうか問題の、第二弾である。

Heitor Villa-Lobos - O Canto do Cisne Negro
ヴィラ=ロボスの曲のポルトガル語の曲名は、"O canto do cisne negro"である。
シスネはハクチョウつまりスワンだから、シスネ・ネグロはブラック・スワン、コクチョウである。
ブラジルの先住民が黒鳥を見る機会などなかっただろうから、ブラジル民謡由来ではないと思うが、ヴィラ=ロボスがどこかで黒鳥を見たのか、あるいは「白鳥の湖」か何か他の作品から引用したのかどうかはわからない。

全身が真っ黒で赤いくちばしを持つ、白鳥と同じ形と大きさの水鳥である。
ふつうは動物園や公園でしか見られないものだろう。
カモ目カモ科ハクチョウ属のオーストラリアの固有種であるという。
ハクチョウ属ということは、同属の白鳥との間に種間雑種が生まれると思うのだが、そうすると当然、「灰鳥」となるのだろうが、両種の自然の生息地に全く接点がないからか、灰鳥というものを聞いたことがない。

João Pernambuco - Graúna
ブラジルの独特な音楽ジャンル、ショーロであるペルナンブーコの曲名にシスネはない。
そのかわりに見つかった曲名が、"Graúna"である。

グラウナはブラジルの先住民の言語の一つトゥピ語で、文字通り「黒い鳥」という意味と書いてある。
学名は"Gnorimopsar chopi"、おっこれは先の本ブログ記事の、ブラジルのブラックバード、ポルトガル語ならばパサロ・プレト(pássaro-preto)と呼ばれる鳥のことでないか。
和名は「ミゾハシクロムクドリモドキ」多分「溝嘴黒椋鳥擬」という漢字を当てるのであろう。
ムクドリモドキという名前を持つところから、大きさはムクドリくらいで、オーストラリアの黒鳥よりはだいぶ小さい。
湖上を泳ぐこともない。

19世紀から20世紀にかけての同時代に活躍したブラジルの二人の作曲家が別々に作った、漢字では「黒鳥」の曲であっても、実は異なる種類の鳥を指していたのだった。

知っている人だったら当然なのかもしれないが、これは新鮮な驚きだった。
ブラックバードは実に奥が深いというか、なかなか複雑なのである。

ブラックバード、あるいは黒鳥(くろどり)の仲間たち

カラスとか九官鳥なんかも黒いぞ、という声があるだろうが、この仲間たちは音楽関係から派生したということで、「かーらーすー、なぜ鳴くのー」とかもあるのだが、今回はこれだけに限っておこう。
原語名和名学名関連曲
Common blackbird
(代表して英)
クロウタドリ
黒歌鳥
Turdus merulaブラックバード
(ビートルズ)
New world blackbird
(代表して米)
ムクドリモドキ
椋鳥擬
多数の属バイバイブラックバード
Pássaro-preto
Graúna(伯)
ミゾハシクロムクドリモドキ
溝嘴黒椋鳥擬
Gnorimopsar chopi黒鳥
(ペルナンブーコ)
Black swan
(豪)
コクチョウ
黒鳥
Cygnus atratus黒鳥の歌
(ヴィラ=ロボス)

Common blackbird - ブラックバード


New world blackbird - バイバイブラックバード

2016年4月25日

リオも神戸も橋が落ちた

yahoo.co.jpにもニュースが載ったから、見た人も多いと思うが、あと100日でオリンピックが開かれるリオ・デ・ジャネイロ市の、風光明媚な大西洋岸沿いの自転車道路の路面が、その橋脚下の岩の壁面を駆け上がる大波で煽られ、橋脚から外れて下方の海へ転落する事故があった。
下からの波の突き上げに対する備えがなく、つまり路面を橋脚に固定していなかったとか言われているが、原因は調査中である。
現在のところ2名死亡して遺体が発見されているが、その他に行方不明者がいるかどうかは不明である。
家族による行方不明捜索願は出ていないようであるが、一人で出かけて、現場で事故に遭った人がいないとは限らないからだ。

事故は2016年4月21日木曜日、午前11時13分に起きた。
この日はブラジルの祝日であり、昼前のこの時間、昼飯前の腹ごなしに、自転車道路でサイクリングやジョギングしている人は多かったのだろう。

場所はリオ・デ・ジャネイロ市内南部の海岸地区、有名な海岸レブロン(Leblon)とバラ・ダ・チジュカ(Barra da Tijuca)の間に位置するサン・コンラド海岸 (São Conrado)の東側、岩山が海に迫るところにある。
南部の海岸地区といえば高級な地区であるが、山一つ越えた内陸側は有名な、というか悪名高いファベーラ(スラム街)、ロシーニャ(Rocinha)である。
ブラジルの都市には、高級住宅街とファベーラが隣り合っている場所が結構ある。
地図で見たい人へ、座標は 22°59'57.05"S  43°15'0.62"W である。

オリンピック記念に新設されたチム・マイア自転車道路(Ciclovia Tim Maia)は、岩の上に作られた既設の自動車道ニーマイヤー大通(Av. Niemeyer)に沿って、同じ高さで海側に張り出すように作られているので、岩盤に立てられた橋脚の上の高架道路となっている。
ついでの情報なのだが、ニーマイヤーはブラジリアの多くの建物の設計をしたブラジルの世界的建築家オスカー・ニーマイヤーであり、チム・マイアはブラジル音楽のソウルフルな歌手であった。
建築家とソウルシンガーが仲良く並んでいるのだが、オリンピックを記念して作られた総延長3.9kmのチム・マイア自転車道路が完成したのは3カ月前の1月17日、これからリオの名所となるはずであった。

https://www.google.com.br/#q=ciclovia+tim+maia
を入力、検索して、"imagens"をクリックすると、写真がたくさん出てくる。
既に崩れた後の写真も出ている。

事故現場の東側の自転車道路にいた人がとったビデオ
http://www.bbc.com/portuguese/noticias/2016/04/160422_momento_queda_ciclovia_rio_rb
撮影者の声が生々しい。

事故現場の西側の自動車道路を走行していたバスの車載ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=5wR0d9eOYXc
バスのフロントガラスが波でずぶ濡れになるほど波が高かったことがわかる。

さて、当ブログでは、リオデジャネイロで、過去何らかの事故が起きた、「気をつける場所、できたら避けたい場所」がいくつか溜まってきたので、下にリストを作ってみる。

リオデジャネイロ路面電車事故
これは運行再開している。

ファヴェーラ・ダ・ロシーニャ奪還大作戦
最近は安全を確保したツアーもあるし、別の大規模ファヴェラであるコンプレクソ・ド・アレマン(Complexo do Alemão)には、麓と山頂間にロープウェイがあって景色が良さそうだし、道順と時間さえ守れば大丈夫そうである。
しかし、犯罪組織間、犯罪組織と警察の間で、時を選ばない銃撃戦が突然起きたと仮想して、どうやって身を守るかイメージ・シミュレーション(物陰に身を隠すとか、路面に伏せるとか)をしておいたほうが良いと思う。

リオで突然ビルが崩れた事故
地震がなくてもビルが崩落することがある。

リオで爆発するマンホール
これに当たるのは全く不運と思うが、予想は全く不可能である。

銀行出口は通りゃんせ
銀行、旅行者だったら両替商から出るときに注意が必要なのは、リオだけではなく全ブラジルの問題だ。

こんばんは、シンデレラ
これは特定の場所ではないが、国際ナンパとか買春とかを目論んでいる人は気をつけたい点である。

ブラジルの集客施設での心がけ
地震国日本では、非常時の退避は第一に考えられているが、ブラジルの特に古い施設では、そういった備えは万全と言い難い。

W杯会場都市の宿泊料金ボッタクリ指数ランキング
ワールドカップ時に、どの地区が宿泊料金を普段より引き上げていたかの調査である。

2016年4月15日

リオ・オリンピックは、誰が大統領か不明

ブラジル共和国大統領が弾劾されるかという政治の山場である。
もう何か、オリンピックもジカ・ヴィルスもどうでも良い、といった一事集中的加熱である。
実際、オリンピック・リオデジャネイロ大会が開かれる4カ月先の2016年8月に、誰が大統領になっているかは、今日現在のところ確定できない。

Governo trabalha para evitar 7 a 1; PMDB estranha silêncio de Lula
「政府は7対1を避けるべく運動する;PMDBはルラ(元大統領)の沈黙をいぶかる」
http://www.msn.com/pt-br/noticias/crise-politica/governo-trabalha-para-evitar-7-a-1-pmdb-estranha-sil%C3%AAncio-de-lula/ar-BBrKrLB

こういった記事の見出しがあった。
記事の略語PMDBとは、ブラジル民主運動党のことで、感想を言わせてもらえば、昔から「筒井順慶かPMDBか」というくらいの日和見政党なのであるが、というのも、いつの世でもちゃっかり権力側というか与党の一角を占めているような印象があるのだ。
この政党の歴史を詳しく調べたわけではないので、あくまでも印象であるが、その印象を多くのブラジル人が持っていることも事実である。

現在起きつつあることを、話を単純化した例で説明する。
3つの政党の力が拮抗している国があって、1位党と3位党が連立政権を組んだ場合に、1位党がスキャンダルとか失政をやらかして国民の信頼を失ったとき、3位党が離反して2位党とくっついて政権を覆すという状況に例えられる。
大筋ではこのとおりであるが、ブラジルの場合20以上の政党があるので、問題はもう少し複雑になる。

現在のブラジルの大統領弾劾手続では、大統領が罷免されると副大統領が昇格することになっている。
1992年、時のコロル大統領の弾劾では、副大統領イタマル・フランコが大統領になり、残っていた2年の任期を務めた。
PT(労働者党)のジルマ・ルセフ大統領が罷免されると、PMDB所属のミシェル・テメル副大統領が棚ぼた的に大統領となるので、PMDBは現在与党第2党であるのが、大統領を擁する与党第1党となってしまうので、「声に出しては言えないが本心は」、と言う段階はとうに通り越して、現在大臣職にある何人かを除けば弾劾賛成を叫び、弾劾成立の議席三分の二をめざして突進しているのだ。
守備側のPTは、PMDB離脱で空きになった役職をバラまきながら、ブラジル経済の調子が良かった時のルラ元大統領を議員説得役として大統領弾劾阻止を図っているのが現在の状況である。

7対1というのは、日本の熱心なサッカーファンも思い出すことと思う。
大抵のブラジル人が絶対忘れないだろう屈辱の夜のことだ。
あのときに書いたブログ記事は、「歴史に記憶される夜」であった。

その時以来、国際試合があって、応援が熱くなって非難合戦になってしまうようなときに、ブラジルの敵国、ここでは例として隣のアルゼンチンとしておくが、声を合わせて、「ウン、ドイス、トレス、クアトロ、シンコ、セイス」と1から6まで普通に数えてから、声を最大にして「セッチー」と叫ぶのがブラジル応援団への、最大の挑発となっているのである。
この数字はポルトガル語であるが、アルゼンチン人だったらスペイン語で叫ぶのではないかとは思うが、まあどちらでもよい。

調べてみると、日本のサッカー界に「ドーハの悲劇」が起きたのは1993年、22年も前の事件を形容する言葉が今でも感情をよみがえらせながら話されているのであるから、ブラジルで「セッチ・ア・ウン」が数十年にわたって何かというと口にのぼることになるのかもしれない。

ただし、将来のブラジルフットボールがそれより惨めな負け方をしなかったらとの条件はつくのである。

2016年4月8日

60日で消滅するプリペイド携帯番号

まあ、タイトルを見ても何のことかわからないし、わかったとしてもブラジルの携帯電話のプリペイドカードのことなど全く興味ないことと思う。
仮に8月のオリンピック・リオデジャネイロ大会の応援でブラジルに旅行に来た人でも、何ヶ月も居座るというのでなければ全く用無しの情報である。
しかし、ブラジルに住んでいて携帯電話を持っているが、ほとんど自分からはかけないという人には重要な情報と思われる。
私がそうであるからだ。

携帯電話のプリペイドカードのクレジットは、クレジットを入れた日に、その金額に応じて30日とか90日とかの期限がつく。
カードと言っても最近は全く目にすることがない。
かわりに銀行ATMや商店のレジで電話番号を端末に打ち込んで、現金やクレジットカードで携帯電話クレジットを購入できるようになっているからだ。
入れたクレジットを使いきってしまえば、当然その時点で有効期限はお終いになる。
だが、例えば、10レアルのクレジットを購入して30日の期限をもらったが、30日経ってもまだクレジットを使い切っていない時はどうなるか。

かなり以前、十年も経つだろうか、調べた時には、クレジットを残して期限満了してから90日間は、送信不可受信のみ可能、それに続く60日間は送受信不可能、緊急電話のみとか、合わせて5ヶ月位の期間が、携帯電話番号没収前の猶予期間であったと思う。

その後、その期間は短縮されて90日になっていたような気がしていた。
でも、携帯会社からのSMSを見ると、そうではないような兆候があったので、改めて調べた。

http://www.anatel.gov.br/hotsites/smp/creditos.htm
この国家通信庁のページを見ると、
Vale lembrar que o contrato pode ser rescindido depois de transcorridos 60 dias da data de expiração do último crédito, sem que tenham sido inseridos novos créditos.
と書いてある。
最後のクレジットの期限が満了してから60日後までに新たにクレジット購入をしないと、契約の破棄ができるとある。
クレジットを購入した時点で、期限切れになって使うことのできなかった前回の残りクレジットが改めて有効になる。

実際は携帯電話会社は、電話番号を突然没収することはなく、督促のメッセージをかなりの頻度で送ってきているようである。
でもカレンダーを見たらゆうに60日を経過していることに気づいた。
クレジットを入れて来なければならない。

2016年4月3日

人盛り(水増し)指数

2016年3月31日、現在罷免訴求を受けつつあるDilma Rousseff共和国大統領を支持するデモが各地で行われた。
労働者党及び連立与党、労働組合、土地なし運動、学生連合がその動員者で、遠くから見ると赤いシャツや赤い旗が特徴の群衆である。
参加者には飯付き交通費込み日当払いという噂もあるのだが、真偽はわからない。

このような人が集まるイベントがあると、必ず「主催者発表」と、「警察発表」の、2つのソースの異なる参加者数が発表されるのが決まりである。
この数字の中にまずびっくりするのがあったので、ニュースを見ながらメモしたのをここに書く。
都市-州主催者発表(千人)警察発表(千人)倍率
Recife - PE90615
Salvador - BA20121,67
Natal - RN40202
Belem - PA30--
Brasília - DF200504
Goiânia - GO10--
Palmas - TO101,56,67
Porto Alegre - RS80184,44
Belo Horizonte - MG40104
Rio de Janeiro - RJ80--
São Paulo - SP70183,89
3月31日 65都市8241595,18
3月18日 54都市13002754,73
- 印は警察が発表しなかったもの

表の一番最初の都市、ペルナンブコ州レシフェの「15倍」とは一体何なのだ?
盛るにも程があるのではないか。

2016年3月28日

四旬節に身も心もデトックス

今年2016年の四旬節は、2月10日の灰の水曜日から始まり、昨日3月26日の聖土曜日に終わった。
四旬つまり40日と言っても、主日(日曜日)を含まない日数だから、日曜日数を足してやると46日の期間である。

灰の水曜日を過ぎても飲みかけのワインがあったので、それを空にしてから、少し出遅れたけれど四旬節の断酒に入った。
それを成就した昨日の「ハレルヤの土曜日」(Sábado de Aleluia)に、40日ぶりにビールとワインを味わったのだった。
全く偉業ではないのだが、達成感はあるものだ。
言い忘れたけど、私はキリスト教に興味を持つのだが信徒ではない。
節制も妻に付き合ったものである。

個人的感想を言うと、節制中に禁断症状のような苦しみは特になかった。
ただ聖週間の水曜日、木曜日あたりになると、最初の一杯への期待が否応なく膨らむのであった。
まあそれも過ぎたこととなって何よりである。
酒がなくても過ごせることがわかったが、再び毎日嗜むことになりそうだから、否定的に考えるとまた浪費の日々が始まったということだ。

キリスト教徒にとって四旬節の節制は何なのか。
まず人によってやり方が違って、これが正式といったものがない。
ある人は肉を食べずに、魚や卵に代える。
四旬節中ずっとそうする人もいれば、聖週間だけの人、四旬節の最初と最後、つまり灰の水曜日と受難金曜日、及び全ての金曜日だけ食べないという人もいる。
ある人は私が行ったように四旬節中ずっと酒を飲まない。
しかしある知人は、「私は一番好きなモノを節制する」と言って、ビールは飲まないがワインは飲んでも良いという、かなり軟弱な節制をしていた。

Wikipediaをみると、断食と節制を区別している。
イエスは40日間断食をして悪魔の誘惑と戦ったのであるが、生身の教徒が断食をするのは四旬節の最初と最後、つまり灰の水曜日と受難金曜日に昼飯を食べない、健康な人はもっと頑張っても良いと書いてあった。
もっと頑張るということは夕食を抜くということなのだろう。
水は飲んでも良いそうだ。
健康に自信のない人や妊婦さんなどは無理して断食しなくても良い。

ムスリムは太陽の出ている間は、水や自分の唾も飲んではいけないのではなかったか。
イスラム地域は乾燥地が多いのに、なんとも体に悪そうである。
最近は水を少しづつ絶え間なく1日2リットル飲め等と言われているので、健康のためには水くらいいくらでも飲ませてほしいものだ。

肉を節制することについては、一番美味しくて高価なものをやめることに意義があるようだ。
だから、ある記事では、おいしくて値段の高い肉を、同じようにおいしくて値段の高い魚に代えることは全く無意味だからやっても無駄だと書いてあった。
でもブラジルでは四旬節に肉を食べずに代わりに魚や卵を食べるという人が多く、米と豆だけで済ますという人はあまりいないようである。
カトリック教会の神父さんも、厳しくこれこれをしなければいけない、といったことは言わないらしい。

節制の意義であるが、カトリックとプロテスタントで、これはブラジル風にエヴァンジェリコと呼ぶことにするが、全く異なっている。
カトリックでは節制して浮いたお金は寄付など善行に使うべきだと、Wikiに書いてあるし、教会の神父さんもそう言っていた。
エヴァンジェリコでは、節制している事実は他人に話したり知られたりするべきでなく、密かにするものとなっている。
節制、禁欲はお祈りと同様に、個人と神の間の関係であってそこに他人が入る余地が無いということらしい。

40日間の禁酒はイエスの荒野の40日の荒行とは比べるのも恥ずかしい些細なものであるが、ご利益はあると言えそうだ。
この期間に採血して行った検査では、血糖、血中コレステロールや中性脂肪その他、全く問題点が見つからない健康状態であった。
もっとも禁酒を行わず、採血時間直前12時間の断飲食だけだった昨年も同様に健康体であったのではあるが。
健康診断のために禁酒するのは本末転倒だと思うが、一年に一度、ひと月半位の期間禁酒するのはデトックスにはなるだろう。

禁酒のカトリック的意義を達成するために、多少浮いたお金がなくなってしまう前にどこかへ寄付しなければと思っている。

2016年2月6日

猫が嫌いなあなたは潔癖

インターネットの世界中で、猫が氾濫している。
日本では猫の飼育数が犬の飼育数を上回った。
いったい猫が何の悪さをしたんだ?といぶかる人がいるだろう。
だから副題は、「ブラジル人は潔癖か」としよう。

ブラジル人は汚職には反対、しかし大多数は違法行為で得していることを認める
Brasileiro é contra corrupção, mas maioria admite obter vantagens de modo ilegal
http://ultimosegundo.ig.com.br/brasil/2016-02-05/brasileiro-e-contra-corrupcao-mas-maioria-admite-obter-vantagens-de-modo-ilegal.html

ブラジルのテレビやインターネットサイトで、企業と政治家が絡む汚職のニュースが出てこない日が全くなくなって、どれだけの年月が経つだろうか。

日本人から見たら、ブラジル人はおろか、どの国の人もどこか裏でずるい行為をしているのではないかと疑うかもしれない。
でも書籍文献や音楽や映画のコピーなどは、日本でも知られないところで広まっているのだろうか。

世論調査会社 Instituto Data Popular が、2016年1月上旬に146市の3千5百人に聞き取り調査をした結果はこうなった。
ブラジル人の10人に7人は次にあげるような何らかの違法行為を犯しているのだが、100人に3人しか自分が違法行為をしていると思っていない。

海賊製品を購入する
67%の人が「したことがある」
75%の人が「した人を知っている」
街角の露天でCDなどの海賊版が売られたり、スニーカーなどの偽物が出回っているのは日常風景である。

お釣りを(間違えて)多く渡されたとき返さない
21%の人が「したことがある」
46%の人が「した人を知っている」

他人のあるいは偽造の学生証を使って半額入場券を買う
15%の人が「したことがある」
20%の人が「した人を知っている」
ブラジルでは正式な学生証の提示により映画・演劇などの入場券、スポーツ観戦入場券、市内バス代などが半額になるのであるが、普通写真入りだったと思う。
何か抜け道があるのだろう。

有料ケーブル・衛星放送の違法接続
11%の人が「したことがある」
32%の人が「した人を知っている」
後から書くが、これがネコなのだ。

所得税申告で嘘情報を書き込む
1%の人が「したことがある」
15%の人が「した人を知っている」
自由業の人が収入を過少申告する例はよくあるが、収入額を捕捉される勤め人でも還付を狙って、扶養家族に相当しない人を扶養していることにする、かかってないのに医者・歯医者に診療・治療代支払いをしたことにする、などの手法がある。
来月開始の2015年度個人所得税申告には、治療代を支払った病院法人や授業料を支払った学校法人の法人登録番号を、支払い相手が個人営業の医者や歯科医であったら、いわゆる「マイナンバー」を、申告書に記入する義務がある。
今回からは消費者側だけでなく医者や歯科医側にも、支払いをしてくれた患者の「マイナンバー」記入を課して、脱税をしにくくすると報道があった。

有料ケーブル・衛星放送の違法接続であるが、集団住宅の配管スペースのケーブル配線パネルから違法に分岐する行為である。
最近の高度に暗号化された有料契約放送信号ではどうなっているのかは分からないが、似たような例ではインターネット接続を近所で分け合う、つまり一台のルータから隣家へケーブルを引き、インターネット接続料を折半するようなケースも、聞いたことがある。

ファベラ(貧民窟-としておく)ではタコ足状態の電柱がたくさんあり、違法ケーブルテレビ局が時々摘発される。
こういうケーブルテレビでは当然、正規より安いのが売り物だろうから、契約側も胡散臭いと感じながらも加入するのだろう。
盗品とわかりながら物品を購入するようなものだ。

猫好きな人には、いや猫嫌いな人にも説明することはできないのだが、このような行為をポルトガル語でgato(読み=ガト、意味=ネコ)という。
ネコババと何か関係があるのだろうか。
多分関係ないだろう。

電柱に登って電線を直付けして、電気を勝手に引っ張る行為もガト、家へ引き込む水道管をメーター前に接続する行為もガトである。
この猫には、白とか黒とかトラとか三毛とか、色や模様はない。
全部ガトだ。
電気猫はファベラに多いが、水道猫は水を多量に使用するプールがよく見られる高級住宅街に多い。
自分でやる人もいるが、猫を取り扱う怪しい業者もいるようである。
水道で死ぬことはないが、電気工事中に感電死する猫好きな人もいる。

この事実からブラジル人は猫好きが多いと言っていいのだろうか。
そのためにトキソプラズマが多いのかもしれない。

2016年1月19日

時下 zika ジカ熱に注意

ブラジルでは黄熱(febre amarela)やデング熱(dengue ポルトガル語読みでデンギ)だけでなく、新顔が加わった。
ジカ熱(zika)である。



ネッタイシマカ(学名 Aedes aegypti)がウィルスを媒介する。
外見は黒に白縞のやぶ蚊である。
この蚊はデング熱、チクングニア熱(chikungunya ポルトガル語読みでシクングニャ)も伝搬する。
メスのネッタイシマカがウィルス保持者から吸血して、蚊の体内でウィルスが増殖した後に別の人を刺すことによってウィルスが伝搬する。

ジカ熱の一般的症状は、眼の奥あたりの頭痛、発熱、結膜炎、四肢のむくみや腫れ、発赤、掻痒、手足の関節痛、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振などである。
発熱は37,8°Cから38,5°Cとあるのでそれほど高くない。
蚊に刺され感染してから10日で発病、症状は4~7日で治まる。

いろいろな報道を見ていると、症状はデング熱より軽く、感染しても発病しない人の率がかなり高いようである。
感染しても発病しないということは、ウィルス保持者が元気に歩きまわるということであるから、蚊の移動だけでなく人の移動によっても感染が拡大しやすいということでないか。
しかしデング熱より症状が軽いといっても、注意しなければならない症状が2つある。

まず第一に、米国が妊婦のブラジル旅行に注意を呼びかけているように、胎児に小頭症(po. microcefalia, en. microcephaly)を起こす可能性がある。
妊娠している女性は、とにかく蚊に刺されないことを第一としなければならない。

第二の重症例は、筋肉を動かす神経を冒すギラン・バレー(Guillain-Barré)症候群を引き起こすと言われている。
これに至る可能性はデング熱などよりも低いようであるが、当然妊婦以外でも罹患するし、重症の場合は命にかかわるので注意が必要である。

ワクチンは無く、治療は対症療法だけである。
安静、水分補給、医師の処方による鎮痛薬paracetamolやdipironaの服用である。

アセチルサリチル酸(ácido acetilsalicílico)つまりアスピリン系薬剤を服用してはいけない。
デング熱同様に出血を招くことがある。

ジカ熱対策はデング熱対策と同一である。
蚊を防除あるいは忌避することだ。
  • ボウフラのわく水たまりをなくす。
  • 虫除け剤(スプレー)を肌につける。
  • 蚊の多い環境の住まいには網戸を付ける。
芸能記事では妊娠したタレントが、「毎日防虫スプレーのシャワーを浴びているよ」なんて物騒で大げさな発言をしている。
薬剤服用にいろいろ制限の課される妊娠中のことである。
防虫剤の副作用などを心配せず、やたら大量に使うのも危険だ。

8月にリオでオリンピック・パラリンピックが開かれるので、その時には選手団だけでなく応援団・観光客が大勢ブラジル旅行にやって来る。
海外からの旅行者たちがブラジルでデング熱やジカ熱などの脅威に晒されたとき、「5日間ばかりブラジルに滞在するだけなのに、ブラジル住民がずさんに放置して増殖した蚊に何で俺らが刺されて病気を貰うはめになるのか!」と憤るかもしれない。
そういう声が出ても当然だろう。

デング熱の流行状況を毎年観察していると、南半球の冬になって蚊の増殖はある程度沈静化すると思われるが、そうならなくても世界が注目する手前、なんとか取り繕わなければならない。
そこで今から予想する。
7月になったら全ブラジルで、というか特にリオで保健当局と警察と、必要なら軍隊まで動員して、「ネッタイシマカと街頭の強盗ひったくり撲滅作戦」といった大キャンペーンをやることになるだろう。
武器装備は噴霧器と軽銃器と搭載車両で、込めるのは殺虫剤と実弾か。
噴霧器を載せた軽トラックや噴霧器を背負った保健所員や衛生兵と、トラックや装甲車から繰り出す武装警官や兵隊が街中を走り回って、物騒なリオもしばらくの間、安全で平和になるだろう。

不詳だがブラジル4G各社比較

2016年1月11日こんな記事が出た。

ブラジルmsnがビジネス雑誌Exameから引用した記事で、ブラジルの4Gの各社比較である。

As operadoras de telefonia com maior cobertura no Brasil
Exame.com
http://www.msn.com/pt-br/dinheiro/economiaenegocios/as-operadoras-de-telefonia-com-maior-cobertura-no-brasil/ss-BBnEs2i?ocid=mailsignout#image=6
Operadora
携帯会社
Mun.cobertos
エリア市数
Vel.méd.4G
平均速度
TIM26510Mbps
Claro18620Mbps
vivo16918Mbps
oi4514Mbps
nextel103Mbps

記事の表題が「ブラジルのカバーエリアが大きな電話会社」とあるが、この5社の他にも地域携帯会社はいくつかある。
調べるほど元データとか計算法とかがはっきりせず、他のサイトを見ても時期が異なったりして記事の正誤検証ができないのでやる気がなくなってくるが、作ったので載せておく。

日本でのLTEやWiMAXは3.9Gとされ、LTE-AdvancedやWiMAX 2.1でないと厳密な4Gとは呼べないようなのだが、これらも合わせて4Gと呼んで良いと決定したというので全部4Gとしておく。
nttdocomo.co.jpは、国内最速となる受信時最大225Mbpsの次世代ネットワーク「LTE-Advanced」を提供、という記事を、2015年2月25日に発表しているので、日本で4Gといっても、実際は3.9Gが大半なのだろう。

ブラジルはどうか。
どの携帯電話会社もLTEを使っている。
だから厳密に言ったら3.9Gとなる。

ANATELつまり国立テレコミュニケーション庁は2012年に4G用に2.5GHz帯の競売を行い、現在の4G(LTE)サービスに供されている。
ANATELは2014年9月に同じく4G用に700MHz帯の競売を行ったが、これは2018年のアナログテレビの終了をもって空きができるので、4G使用に供されるのはそれまで待たなければならない。
つまり現在ブラジルの4G信号は2.5GHz帯のみである。
たとえばApple製品では、 iPad 3, iPad 4, iPad mini, iPhone 5などは700MHzでしか受信できない。
iPhone 6, iPhone 6 Plus, iPhone 5S (modelo A1457), 5C (A1507)はブラジル4G(バンド7)と互換性がある。

ついでに3Gについても書いておこう。
ブラジルの3Gの形式はUMTS (W-CDMA/HSDPA)、周波数は1900MHz、2100MHz、及び850MHzである。

書いている本人は何のことか皆目わからないのだが、ブラジル旅行に自分の携帯を持ってきて使いたいという人は、この辺の技術的な互換性に気をつける必要があるだろう。

Como saber se minha região tem cobertura 4G?

各社のサービスエリアを調べるwebページ
調べたい場所の郵便番号(CEP)を入力すると地図が出て受信条件がわかる。

2016年7月30日追加

こういうのを見つけた。
TIM Brasil and Claro launch LTE-A using new 700MHz frequencies
17 Jun 2016
https://www.telegeography.com/products/commsupdate/articles/2016/06/17/tim-brasil-and-claro-launch-lte-a-using-new-700mhz-frequencies/
ブラジルの携帯会社TIMとClaroが、3.9Gではなくて本当の4G、LTE-Advanced (LTE-A) を、ブラジルで一番最初にアナログテレビ放送が終了した地域、ゴイアス州リオ・クラロで、空きになった700MHz帯を使って供用開始したというニュースである。

次にアナログテレビ放送が終了するのは首都ブラジリアで、10月26日ということである。
どうやらアナログテレビ放送が終了した地域から順次700MHz帯の4Gが供用されるようである。

2016年1月4日

2016年のキリスト教移動祝日

キリスト教行事の中には、毎年、天体の月の動きに応じて移動するものがある。

年の後半にある、だれでも知っているクリスマスは12月25日、ブラジルでは死者の日(Finados)と呼ばれる万霊節は11月2日-これは日本ではハロウィン(10/31)-万聖節(11/1)-万霊節(11/2)の一連としたほうがわかりやすいだろう-と、毎年同じ日付に決まっているが、年の前半にある宗教祝日は移動するものが多い。

2016年の移動宗教祝日を下に一覧表にしてみた。
復活祭の日、2016年ならば3月27日日曜日が、すべての移動祝日の基準になっていると言ってよい。
2016年の3月分点、つまりUTCの春分の日は3月20日、その次の満月の日は3月23日だ。

ブラジルで国定祝日(feriado nacional - 下表ではFN)、任意休日(ponto facultativo - 下表ではPF)になっている日と、特に休日になっていない日がある。
任意休日というのは、職種組合や職場によって、休日とするか勤労日とするか異なるのだが、大部分の勤め人にとっては、普通の休日と変わらない。

行事日の決まり方2016年休日種類
カーニバルCarnaval週末から灰の水曜日前日4日間2月8-9日月火曜日PF
灰の水曜日Quarta-feira de Cinzas復活祭46日前の水曜日2月10日水曜日14時までPF
四旬節Quaresma灰の水曜日から復活祭前日
枝の主日Domingo de Ramos復活祭7日前の日曜日3月20日日曜日
聖週間Semana Santa枝の主日から復活祭前日
キリスト受難日Paixão de Cristo復活祭の2日前の金曜日3月25日金曜日FN
復活祭Páscoa北半球春分の次の満月の次の日曜日3月27日日曜日
ペンテコステPentecostes復活祭の49日後の日曜日5月15日日曜日
キリスト聖体の日Corpus Christi復活祭の60日後の木曜日5月26日木曜日PF