2020年7月14日

貧乏人に辛く当たるコロナ

2週間ほど前に書きかけで放っておいたので多少古くなったけれど、社会階層とCovid-19感染の関係に関する報道があったので書いておく。

調査が明らかにしたCovid-19に罹りやすい社会グループ
Levantamento identifica quais grupos sociais estão mais propensos à Covid-19

去る2020年7月1日にサンパウロ州のCovid-19による死者数が1万5千を超えた。
そして調査は、どの社会グループ(階層といってもよい)がこの病気に罹りやすいのかを明らかにした。

2020年6月15日から24日の期間にサンパウロ市内各地区で住人の感染(抗体保持)調査が行われた。
分析によると95万8千人の18歳以上の市民が、既に新コロナ病に感染したことがわかった。
人口の11.4%にあたる。
しかしCovid-19への感染リスクが他の者より非常に大きい住人グループがある。

セントロ(中央)地区人口の6.5%が感染者であるが、周辺部のより貧しい地区の住民ではその割合は16%である。

コロナは大卒の住民の5%に達したのだが、基礎課程未了者では23%が感染した。
白人は感染者が少なく7.9%であったのだが、黒人では19.7%に跳ね上がる。

より罹りやすい人たちは、混雑する公共交通機関を利用して職場に通い、直接対人の機会が多い職業についていることが多い。
安全な家の中に隔離されてテレワークしながら、給料を満額もらえるような職種の人は少ない。

そして住む家は人口が密集するファヴェラ(favela スラム)の中で、高いところは水道事情が悪くて十分に手洗いできなかったり、狭い家に大勢が住んでいて家族員間の感染を防ぐことが困難なので、遊び好きの若者がウィルスを家に持ち込むと、同居する高齢者や持病リスク者が感染罹病しやすい条件にある。

5月の調査ではサンパウロ市住民の4.7%が感染者(抗体陽性者)であったが、今回の6月調査では11.4%まで上昇している。