2011年12月27日

ブラジルの街で車を運転するときの注意

ブラジルの街の安全情報で、自動車を運転する場合の注意である。

2011年第3四半期、サンパウロ市だけで10,696台の自動車が盗難に遭った
2010年同期間の盗難台数と比べて、約2千台も増加した。
サンパウロ市公安局の発表のこの数字は、一日で116台、1時間当り5台が盗難被害になる勘定だ。

児童心理学者Rosana Molinari氏は、2011年に2回車を盗まれた。
2回目は車は回収できたが、パネルは破損し、スペアタイヤがなくなっていた。
2回とも駐車した場所は、サンパウロの伝統ある地区の路上だった。

サンパウロ州・軍警察のcapitão Cleodato Moisés氏は、駐車する場所はできるだけ照明が明るくて人通りの多いところをすすめる。

この時期に多いスキは、買い物後、袋を車のシート上に置いておくことである。
泥棒の格好の撒き餌となる。
このようなものは全部トランクにしまうことだ。
車の中を見渡して、金目のものが何も目につかないようにする。
車のオーディオは外しておく。
ブラジルに多いのは前面が取り外しできるモデルである。
前面を外して車から持ち出せば、泥棒の注意を引かない。

運転中は注意に怠りなく、できるだけ中央寄りの車線を走ることだ。
強盗は道路の端に近い車線を好む。
ただ、みんなが中央寄り車線を走りたがったらどうなるかは知らない。
赤信号などで止まらなければならないときはできるだけ前の車との間に距離を置いて、異常を感じたら少しでも移動できるようにする。

家の車庫へ入る前は、通りに怪しい人影がないか確かめる。
車庫へ入れるときは、バックで入庫する。
注釈しておくと、ブラジルの道路や車庫は日本のものより広くゆったりしているので、前向きに入庫する人が多い。
日本では道路も車庫も幅が狭いので、バックで入れないと入らない場合も多いので、条件がかなり違う。
車で外出するとき強盗が通りで待ち伏せしていて、車が後ろ向きにソロソロ出てくるのを見ると、運転手の視界に入る前にすばやく車のそばに近づき、運転者を脅すことが可能だ。
もし車が前向きで出る場合は、強盗は発見されやすいので、実行を思いとどまる可能性がいくらかある。

(Globo Jornal Hoje 20/12/2011 13h41 - Atualizado em 20/12/2011 13h41から)

2011年12月20日

Vale社の巨大貨物船団戦略のつまずき

韓国製新鋭巨大鉱石船は鉄くずになるか

Vale só saberá o que causou rachadura em supercargueiro em 2012
Dubes Sônego e Yan Boechat, iG São Paulo | 15/12/2011 05:44
ということで、Vale(ヴァーレ)社にとって巨大貨物船の亀裂の原因を解明・発表する期限は2012年に入ってからとなった。

この日の記事ではVale Beijing丸には鉱石35万トン、燃料7千トンが積載されている
現在原因究明作業に関連しているのはSTX、リスク調査会社Det Norske Veritas (DNV)、Valeである。
「色々憶測はできるが、原因は技術的調査によって解明されるべきであり、それには多分1ヶ月かかり、多くのパラメーターが関連している。」
DNV社のソースはこう言う。

ベレンから船が着くのを待ち、12月19日から燃料の半量を抜き取る作業が始まることになっている。

正確な情報の発表は先に延びた一方で、国際海運界で憶測は飛び交っている。
一番信じられている憶測は、Vale Beijing丸の造船の欠陥である。
ブラジルのリスク調査会社RBNAのLuiz Alberto de Mattos氏はこう語る。
「情報が少なくて判断は難しいが、これだけの問題が起きるためには、プロジェクトのミスか、材料が強度などの要求を満たしていないことが考えられる。」

ノルウェーのDNV社はVale Beijing丸のリスク調査を引き受けたため、すべての資料にアクセスして、船が安全か判断するために技術再計算を行なっているはずだ。
そのため、Vale Beijing丸の問題はDNV社に損害をもたらす可能性がある。

船体亀裂箇所のサンプルを入手できれば、どこから亀裂が始まり、どのように広がったのかを解明できる。
それから事故をシミュレートできる。
そのあとでようやく船が大洋を航海しても安全かどうかを判断できる。
それまではVale Beijing丸は35万トンの鉄鉱石を積んだまま足止め状態が続く。

(http://economia.ig.com.br/vale-so-sabera-o-que-causou-rachadura-em-supercargueiro-em-2012/n1597411094790.htmlから)

Supercargueiros têm sido fonte de problemas para a Vale
Yan Boechat e Dubes Sônego, iG São Paulo | 15/12/2011 05:00

今回のVale Beijing丸の問題は、Valeにとってこれまでの巨大貨物船のトラブルにまた一つ頭痛の種が加わった格好だ。
もともと、35隻(うち19隻は自社所有)の鉄鉱石巨大貨物船を自前で持ち、四海のすみずみまで運ぶプランであった。
この壮大なプランは戦略ミスであったと言われている。
この記事の一週間前、Vale社長Murilo Ferreira氏はO Globo紙のインタビューで、韓国・中国に発注して2013年までに納品されることになっている貨物船全てを売却する意向を示した。

まだ納品が済んでいない資産を売却するという方針は、前社長Roger Agnelli氏の描いた戦略とかけ離れたものだ。
鉄鉱石の運賃が1トン100ドルを超した2008年、Agnelli氏は7年前に全て売却してしまっていた船団を再び自社で所有する決定をした。
そのために、Vale社は新たに巨大専用貨物船を建造することにした。
船団はこれまでのものと全く異なるカテゴリーで、Valemaxと呼ばれた。

Valemaxとは巨大貨物船カテゴリーで、全て38万から40万トンの積載量を持つ。
パナマ運河を通行可能な最大の船は8万トンである。
浮かぶものとしては最大級の大きさだ。
例えばVale Beijing丸は365メートル、積載量はトラック11,000台に相当する。
その鉄鉱石からはサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジを3つ建設して余りある。

印象的なその数字であるが、現在まで6隻が就航しているValemaxはその本来の目的、中国へ鉄鉱石を運ぶ使命を果たせないでいる。
中国側ロビーはValeが輸送を独占して運賃を壊滅的に下げるとみなしており、そのため北京政府はValemaxの接岸を許可していない。
一応中国の港湾は40万トン級の積荷を処理する大きさがないということを理由にしている。

6月、Valeがこのクラスの船の最初の航海を祝っているとき、アフリカの喜望峰から逆戻りを余儀なくされた。
突然中国が船の接岸を拒否したのは全く寝耳に水であった。
そのためValemaxはイタリアへ回り道をして鉄鉱石を降ろしている。
現在Valeは、巨大貨物船団をマレーシアで一種の配送センターとして、そこで積替をして中国へ鉄鉱石を運ぶことを考えている。

Valeのような規模の会社が、60億ドルに及ぶ巨大貨物船団の投資を、事前に顧客との合意なしに踏み切るとは想像外であるが、事実それが起こったのだ。
「前もってこの問題は交渉しておくべきだった。
それを怠ったから今になって荷降ろしができないでいる。
その船の一部は当の中国製であるのにだ。
Valeには逆風が吹いている。」
Banco Fator戦略担当Lika Takahasi氏は言う。

Valeにとって法律上の問題だけにとどまらなく、経済的問題でもある。
2008年に1トン100ドルであった運賃が現在30ドルであることから、巨大投資の回収は遠い先のことになる。
「船団は経済的負担になっているのは間違いない。
会社の投資は、うまくいっているニッケル、鉄鉱、銅、石炭、肥料に集中しなければならない。」
Murilo社長は認める。
しかしながら、ValeはまだValemaxに固執しているようだ。
Valeは長期契約を結んで輸送を担ってくれるところに売却しようとしている。

船団売却の戦略は、実現すれば確かに会社の財務コストを減少させてくれるだろう。
しかしまた確実に、このオペレーションでValeはいくらかの金を失うことになろう。
「それが起こらないということは考えられない。
でもValeには選択肢はない、最良の解決は19隻の売却だ。」
Banco do BrasilアナリストのVictor Penna氏は言う。

こうした問題の中のVale Beijing丸だ。
この船はValeの所有でない。
韓国のSTX Panocean社の所属で、Valeとは25年契約を結んでいる。
Vale所有船でなくても、この事故は就航したばかりのValemaxの有効性に多くの疑問をつきつけている。

(http://economia.ig.com.br/supercargueiros-tem-sido-fonte-de-problemas-para-a-vale/n1597411096196.htmlから)

2011年12月11日

現金を引き出して銀行を出るときは次の注意を守る

Idosos são as principais vítimas dos bandidos nas agências bancárias
「お年寄りは銀行で強盗ひったくりの被害に遭いやすい」
防犯カメラが写した集団ひったくりの場面では、3人が年配の被害者の後ろから近づき、一人が被害者に後ろからぶつかり、一人が被害者の注意をそらすために宝くじ券をばらまき、一人が被害者のポケットから財布を奪うという分業で盗みを働いた。
被害者が我に返ったときには、犯人共はすでに画面外へ消えていた。

同じ記事で、街を歩く人を観察しながら、警察官が銀行から出る時、街を歩く時の注意点をあげていた。

一般的注意

  • なるべく一人で銀行へ行かない。
  • 自分の周囲への注意を怠らない。
  • 一時に多額を下ろさず、大金を持ち歩かない。
  • 歩きながら札を勘定しない。
  • 財布を手に持って他人から見えるようにしない。

女性あるいはバッグを持った人

  • 財布はバッグに入れて体に密着して持つ。
  • バッグは体の後ろに回したり、腕にぶら下げたりしないで、脇の下に抱え、片手で吊り帯をつかむ。
  • 透明なバッグは避け、バッグの口をきちんと閉じる。

フォーマルなズボンの男性

  • 後ろ(尻)ポケットに財布を入れ、付いているならボタンを掛ける。
  • 前(脇)ポケットは開口部が広いので、後方から手を突っ込まれて中の物を取られる可能性が高い。

交通量の多い道路を運転するときは、バックミラーを見ながら走る。
人ごみの中を歩くときもこれと同じだ。
バックミラーを使う代わりに、後ろに怪しい人物がついてきていないかときどき振り向いて確かめながら歩くのが安全だ。

私に一回ある盗難未遂事件は、はるか昔サンパウロで起きた。
一人で市内バスターミナルで乗り場を探してうろうろしていた。
二日酔いでかなりぼうっとしていた。
財布は前(脇)ポケットに入れてあった。
こういったつけ入られる条件が一杯の時に、後ろからポケットに手を突っ込まれて財布を取られそうになった。
たまたま財布は地面に落ちたのですぐ拾ったのだが、まわりにいた数人は何も知らないような顔をしていた。
集団ではなかったので、このうち一人が犯人だったのだろうが、しくじったので何くわぬ顔をしていたのだろう。

あの頃のブラジルは今よりもずっと平和だった。
武器は少なかったし、クラックなどという危険なドラッグもなかった。
(30/11/2011 Globo Jornal Hoje http://g1.globo.com/videos/jornal-hoje/t/edicoes/v/idosos-sao-as-principais-vitimas-dos-bandidos-nas-agencias-bancarias/1714367/から)

2011年12月10日

泥棒がツイートしてくれた

休日の前の日、あるエンジニアはうれしくてソーシャルネットワーク(rede social)に書き込みをした。
「これから旅に出ます。」

彼が休日を思い切り楽しんでいる一方で、メッセージを見た泥棒たちは安心して留守宅に侵入して、家電製品や金目の物をごっそり盗んでいた。
さらに最後に、犯人はメッセージを残していた。
「次に旅にでるときも知らせてくれよ。」

先週サンパウロ西部のあるアパートでは、家には電気製品がたくさんあるとソーシャルネットワークに書きこみをした青年の住まいに押し入った泥棒が、警察に射殺された。

「あなたがネットに書きこむことは情報あさりの標的となる。
あなたの友人の友人といった人が、あなたの写真を見て、どこに住んで何を持っているのかを知ることになる。」
Andre Salles Lamber Neto署長は語る。

ソーシャルネットワークは、友人の輪を広げる楽しいものであるはずなのだが、同時に危険な道具となる。
警察や専門家が語る注意は次の通りだ。
  • 実際に知っている人のみ友人として受け入れる。
  • 旅行中に写真をアップしない、家を留守にしていることを教えるようなものだ。
  • 外出するとか、行き先を言わない。
  • 親密な情報、個人情報をネットに流さない。
  • 書きこむ前にいっとき考える。
「書きこみをするときにはその内容が、あなたに何か悪さをする結果になるかどうかよく考えるように。
情報が悪用されるおそれがあるなら、書きこみをするな。」
ネット犯罪専門家Wnderson Castilho氏は述べる。

「今日ソーシャルネットワークは、犯罪人が被害者を選ぶ道具のひとつになっている。
犯人にとっては簡単で安全なツールだ。
映画を見ている人は携帯に応えることはないから、犯人はその家族に電話をして誘拐詐欺にひっかけるようなことができる。」
署長はそう諭す。

ブラジルではソーシャルネットワークの注目のされ方が全く違っているようである。
ポルトガル語で書きこみをするときはよく注意しよう。

(7/12/2011 14h09 - Atualizado em 07/12/2011 14h12 Globo Jornal Hojeから)

2011年12月9日

韓国製新鋭巨大鉱石船は鉄くずになるか

つい3ヶ月前の2011年9月に韓国で製造されて、世界最大の鉄鉱企業Vale社に納品されたばかりの巨大鉱石専用貨物船が、早くも船体破壊の危険にみまわれている。

マラニョン(Maranhão)州都サン・ルイス(São Luis)ポンタ・ダ・マデイラ(Ponta da Madeira)港で、ロッテルダム港向けに荷積み中、船体に亀裂が入っているのが発見された。
亀裂から海水が船内に浸水して、船体が艫の方へ傾いている。
船は空荷ではなく、26万トンの鉄鉱石と334トンの軽油を積載している。
船体が破壊されると深刻な環境問題を引き起こすだろう。

港湾局は、船を即座に水深の深いところへ曳航しないと、沈んだ艫が海底に接触して船体が折れ、積荷が流出する危険があるとしている。
船体と海底はわずか1メートルしか離れていない。
船は、修理作業を容易にするため、より深く海水の透明度も高い、水深30メートルの9キロ先沖合に向け曳航された。

ブラジル海軍は、最初の航海も終えてない世界最大級の最新鋭巨大貨物船に、どうして亀裂が入ることになったか調査を始めている。
積荷積載のミス、材料の疲労(まだ新しいのに…)、造船のミスなどがその原因になりうるとしている。

韓国STX Pan Oceanで製造・運行されているVale Beijing丸は、Vale社が発注して2013年までに納品されることになっている8隻の鉱石船の最初の1隻である。
鉄鉱石運搬価格を下げて競争力を高める、Vale社の切り札だ。
価格1億1千万ドル、積載量40万トン、全長391メートルの浮かぶ(その後沈むわけだが)鉄くずとならないことを願う。
でも最初の1隻がこうだと、残り7隻は大丈夫だろうか。

12月9日現在、韓国から来たエンジニアが調査を行なっているが、まだ事故の実態も原因も明らかになっていない。
STX Pan Ocean社は、水がより澄んでいるセアラ(Ceará)州沖に船を移したいそうで、ブラジル環境資源院(IBAMA)は、船を浮きで囲むよう命じた。
沖合に曳航できたのだから船体破断の危険は少なくなったと思う。

(6/12/2011深夜 Jornal Globo記事及び9/12/2011 http://g1.globo.com/brasil/noticia/2011/12/ibama-exige-colocacao-de-boias-ao-redor-de-navio-da-vale-no-maranhao.htmlを参考)

Vale社の巨大貨物船団戦略のつまづき

2011年12月3日

ブラジル人のよくある名前50

あるクレジット審査会社が調査発表したブラジル人に多い名前を上から50並べた。
ブラジル人のCPF(Cadastro de Pessoas Físicas 自然人登録、つまりブラジルの"マイナンバー")1億6500万が調査された。

調査対象から見て、小さな子供の名前は含まれていず、銀行口座開設や入学試験志願などの社会的活動に参加するようになった人が母集団といえよう。

最近はやりの名前は入っていないわけだ。
リストは男女名が混じっている。
ジョゼ・アントニオのような2つ以上の名前を持つ人がどう記録されているのかわからないが、リストは複合名は入っていないから、一つ一つ独立した名前として記録されたのだろう。

マリア、ジョゼの1位2位ぶっちぎりは想像通りといえよう。

Veja a lista com os 50 nomes mais comuns, segundo a proScore.

Maria13.356.965マリアF
José7.781.515ジョゼM
Antônio3.550.752アントニオM
João2.988.744ジョアンM
Francisco2.242.146フランシスコM
Ana1.996.377アナF
Luiz1.541.895ルイスM
Paulo1.416.768パウロM
Carlos1.384.201カルロスM
10ºManoel1.334.182マノエルM
11ºPedro995.254ペドロM
12ºFrancisca853.590フランシスカF
13ºMarcos823.738マルコスM
14ºRaimundo821.242ライムンドM
15ºSebastião798.627セバスチャンM
16ºAntônia672.400アントニアF
17ºMarcelo628.138マルセロM
18ºJorge587.670ジョルジM
19ºMárcia557.347マルシアF
20ºGeraldo530.050ジェラルドM
21ºAdriana529.778アドリアナF
22ºSandra497.971サンドラF
23ºLuís492.208ルイスM
24ºFernando489.142フェルナンドM
25ºFábio481.790ファビオM
26ºRoberto480.695ロベルトM
27ºMárcio471.906マルシオM
28ºEdson467.806エジソンM
29ºAndré465.484アンドレM
30ºSérgio462.397セルジオM
31ºJosefa453.636ジョゼファF
32ºPatrícia446.001パトリシアF
33ºDaniel439.826ダニエルM
34ºRodrigo438.083ロドリゴM
35ºRafael432.356ラファエルM
36ºJoaquim431.594ジョアキンM
37ºVera430.683ヴェラF
38ºRicardo423.616リカルドM
39ºEduardo417.277エドアルドM
40ºTerezinha409.120テレジニャF
41ºSônia403.702ソニアF
42ºAlexandre403.114アレシャンドレM
43ºRita396.901リタF
44ºLuciana390.507ルシアナF
45ºClaudio390.104クラウジオM
46ºRosa385.634ロザF
47ºBenedito378.680ベネジトM
48ºLeandro378.136レアンドロM
49ºRaimunda372.672ライムンダF
50ºMário364.589マリオM
[追記]
カタカナ表示と性別を入れてみた。

カタカナ表記は、
-マリーア、ジョゼーのようなアクセントを強調する長音を入れない、
-子音rのブラジル風発音ハヒフヘホでなく、通常の表記ラリルレロにする、
ので、発音よりローマ字としての表記を重視した。

性別は、この名前が単独で使われた場合のもので、複合名ではこの限りでない。
例をあげると、José Mariaという男性やMaria Joséという女性は結構みられる。

(データはproScore、記事はGlobo Jornal Hoje 29/11/2011、http://g1.globo.com/jornal-hoje/noticia/2011/11/levantamento-aponta-maria-como-o-nome-mais-popular-do-brasil.htmlから)

マルコス・マリアーノの数奇な人生

ある元冤罪囚の悲しい死に、運命のいたずらを感じた。

19年間無実の罪で収監された元機械工のMarcos Mariano da Silva(63歳)は、11月22日火曜日、レシフェの自宅で就寝中、梗塞で死亡した。

元機械工は1972年殺人の疑いで逮捕され、いったんは1982年に真犯人が捕まったというので6年懲役の後釈放された。
その3年後の1985年、彼はトラック運転中の一斉検問で、彼の顔を知っていた警官に脱獄囚として再び捕まり監獄に戻った。

マルコス・マリアーノはどう弁明しても聞いてもらえず、さらに13年刑務所で暮らすことになった。
獄中で結核にかかり、刑務所で起きた囚人の反乱を鎮圧する警察が発射して爆発した催涙弾の破片の直撃を受け失明した。
ある司法権の人が司法の間違いに気づいてくれて、1998年にやっと自由な身になることができた。
マルコス・マリアーノは、さっそくペルナンブコ州政府を相手に、損害賠償を求める訴訟を起こした。

大衆を驚愕させた冤罪の事実が明らかになり、州政府は一ヶ月千レアルの年金を支払ってきたが、2009年に賠償金の半金を支払ってから州政府は年金を停止した。
マルコス・マリアーノは家を購入し、家族を養い人間の生活を取り戻した。
しかし友人となった彼の弁護士によると、彼はすでに生きる喜びをなくしていた。
「暗い監獄で生きてきたんだ、再び目が見えるようになるなら何でも払うつもりなんだが。」

2回目に捕まって妻と11人の子に見捨てられたときに、マルコス・マリアーノは、同房の囚人を訪問した囚人の妻の付き添いだったルシアと知りあい、結婚に至った。

州政府を訴えた裁判のゆくえであるが、一審は物的損害賠償金及び慰謝料として200万レアルの支払を命じた。
しかし州政府は2009年に半分を払った後、残る半分が惜しくなったのか、上級審へ控訴した。
高等裁判所(Superior Tribunal de Justiça)の判決は、州政府の言い分を認めず、一審判決を支持した。

その判決内容を弁護士から知らされたのは11月21日の午後3時ころであった。
判決を知った喜びの夜から、彼は目覚めることは二度となかった。

彼の尊厳ある人間の証明に向けて、苦痛に満ちた闘争を共にした弁護士は、彼の死について語った。
「まるで安らかに死におもむけるよう、無実の確証を待っていたようなできごとだった」

賠償金を独り占めにしたい身内の犯罪のにおいがするとか、うがった見方もできるがやめておこう。
ただ数奇な人生であった、とだけ言っておこう。

(http://noticias.r7.com/cidades/noticias/homem-fica-preso-19-anos-preso-por-engano-e-morre-depois-de-saber-sobre-indenizacao-milionaria-20111127.htm及びGloboニュースから)

ブラジル医学生の選ぶ人気専門科目

ブラジルの大学の医学部はやはり6年であるが、卒業すれば国家試験などに通る必要なく医師として働くことができる。
しかし、例えば心臓科や婦人科などの専門医になるためには、新卒業生は病院で専門医について2年から5年研修医として学ばなければならない。
これはresidênciaと呼ばれ、病院の受け入れの空きをめぐって試験がある。

選択肢がある場合の常で、志望者が少ない空きに押し寄せる分野と、希望者が少なく楽に入れる分野が分かれる。
そして競争が激しい分野では、選抜試験がもうひとつの入試に例えられる。

サンパウロ大学(USP - Universidade de São Paulo)でレジデンシアの試験が行われた。
志望者が集まる分野は、皮膚科(dermatologia)16.31(志望者/定員)、眼科(oftalmologia)14.18、神経外科(neurocirurgia)14などだった。
サンパウロ連邦大学(UNIFESP - Universidade Federal de São Paulo)パウリスタ医学校では、皮膚科25.6、一般外科23.7、神経外科22.7と、かなり似た傾向だ。

UNIFESPのレジデンシア・コーディネーターGilmar Fernandes do Prado氏の分析では、専門医の人気には市場の影響が大きく、仕事に対する報酬が大きい分野に集中するという。

応募が少ない方は、USPで伝染病科(infectologia)0.14、UNIFESPで移動医学(medicina do tráfego)0.2などだ。

移動医学とは聞きなれない言葉だが、手段を問わず移動する人間の肉体的、精神的、社会的健康を維持し、同時にエコロジー的な調和を目的として、移動・移動手段と人間の相互作用を取り扱う医学専門分野という。

競争が激しい分野の顔ぶれは、外科関係はともかく、皮膚科や眼科など、あまり緊急手術や力仕事がなさそうで、都会で開業しやすそうな専門科目が選ばれているように思える。

日本で産婦人科のように、時間が不規則で重労働でしかも医療訴訟につながりやすそうな専門科が避けられるというが、少し似た現象がブラジルでもみられるわけだ。

( Globo Jornal Nacional 2011年11月28日放送記事から)

2011年11月27日

ブラジルのスーパーマーケットでの行儀作法

かなり昔日本で袋入りのミックスナッツを手にした。
中にブラジルナッツという名前だったと思う、歪んだラグビーボール形をした一番大振りなナッツがあった。
こちらではカスターニャ・ド・パラ(castanha do Pará つまりパラのナッツ)と呼ばれる。
パラ州はブラジル北部、アマゾン河下流流域部にある州だ。

カスターニャ・ド・パラは一年中見られるのだが、クリスマスひと月前ということで、今日スーパーへ行ったら目立つ場所で、大袋に入れられたのから客が必要分を小袋にとってレジへ持っていく、量り売りをしていた。
ポルトガル語でノイス(noz)と言うクルミの大袋と並んでいて、殻付きの値段は両方共1キロ19.50レアルだった。

クルミの方は大袋の中に割れた空の殻が結構入っている。
どんな動物が食べたのだろうか。

しばらく観察していると、客がクルミの殻を割って中身を食べている。
さすがに大袋の前に居座って何個も割って腹一杯食べる図々しい奴はいないようだが、一個二個味見のつもりで食べている人が結構いるようだ。
そうでなければあれだけ殻が残っているはずがない。
しかしカスターニャ・ド・パラの殻付きは、金槌で叩かないと割れないほど頑丈なので、殻を割って食べようとする者はいない。

ブラジルはどこからクルミを輸入しているのだろうか。
ヨーロッパからアジアにかけた北半球温帯原産の植物だから、チリやアルゼンチンでも移植されて栽培されているが、ポルトガルから輸入されているという話を聞いたことがある。

北半球の旧世界産のクルミは手で容易に殻を割れるので、ブラジルの行儀悪い客に耐性がない。
しかしカスターニャ・ド・パラはブラジルの行儀悪い客も寄せ付けない。
カスターニャ・ド・パラは行儀悪いブラジル人という環境のもとで進化して硬い殻をつけるようになったのだ。
トンデモ結論とは思えない。

クルミの他にスーパー内部で行儀悪いブラジル人が好んで食する食物があるのでここにあげてみる。

  1. ポテトチップスのような袋入りスナック類
  2. カップ入りアルミ箔フタのヨーグルト類
  3. パン
  4. ブドウ
  5. 干しダラ

1,2については腹をすかせてうるさい子供を黙らせるために親が与えるという、いささか反教育的行動が見られるが、正直な大半(と信じたい!)の消費者は、空になった袋やカップをレジに持って行って代金を支払ってから捨てる。
不届き者は空の袋やカップを店の中にこっそり置いてきてしまう、つまりネコババだ。

3のパンはクルミ同様量り売りで、パン売り場で小袋にとって計量したものを、レジに到着する前に食欲に負けてしまい開封して食べるという行動なので、普通は5個計量したパンがレジに到着するときは3個になっていたりするのだが、計量した時のバーコードチケットが袋に貼ってあるから、客は既に食べてしまったパンの代金をレジで払う。
反道徳的には、2個量ったパンを店内で全部食べてしまって空袋を捨ててしまったり、5個量って店内で2個食べて袋に残った3個のパンを店内にそっとおいてきたりすることも可能なのだが、実行しているのを見たことはない。

4のブドウは、この美味で高価な果物がつまみ食いしやすい罪な形状をしていることが問題だ。
洗ったほうが良いのではないかと思うが、もちろん行儀悪い客はそんなこと気にしない。
バナナなど、皮をむくのがきわめて楽であるが、大型なのと単価が安いことからこれを店内で食べているのを見たことはない。
ちなみに今日見た値段は、ブドウR$10.78/kg(パック入り)、バナナR$1.98/kg(量り売り)だった。
最近は行儀悪い客対策のためか、その他の目的があるのか、ブドウなどは量り売りをやめてパック入りになっている店が増えている。
パックを壊してまでつまみ食いする輩はさすがにいない。
パックを壊すのはつまみ食いとは言わないか。

5であるが、量り売りのため陳列棚にどんと乗っている干しダラをちぎって口に入れる客は結構多い。
しょっぱくて噛みごたえがあるし、単価が高いのでしょっちゅう買えないことも行儀悪い客をひきつける要因であろう。

行儀悪いブラジル人の習性がどこから来たものかと思ったが、本にこう書いてある。
(引用はじめ)
果樹園には一種の不文律がある。見しらぬ人間がはいってきて枝からもいで食べても一向にかまわない。一人の腹に入る分くらいたかがしれているという考え方だ。前にふれたシロアリハリナシの巣をとった時など、仕事をはじめてからおわるまでに、各人20くらいのマンゴーをたいらげた。
(引用終わり)
(私のブラジルとそのハチたち 坂上昭一著 思索社 1975年)

行儀悪いブラジル人は、スーパーマーケットの店内と果樹園の区別がつかないのかもしれない。

最後に付け加えておくが、ブラジル人の大半は行儀悪くないのである。

2011年11月14日

ファヴェーラ・ダ・ロシーニャ奪還大作戦

ブラジルのFavelaとは説明しにくい単語である。
一般的にはスラムとされるが、全住民が貧しいわけではない。
新郊住宅街かもしれないが、無計画に増殖したものだ。
学校や商店街もあっていつも大勢の人で賑わっている。
坂が多くて人口密度が高い。
行ったことはないけれどテレビでよく見る風景、リオに住んでいる人にとっては、立ち入ったことはなくてもどこからでも遠くから見ることのできる場所かもしれない。

リオデジャネイロ市は海側には港湾と海岸、後ろには奇岩と言える岩山がそびえ立ち起伏に富んだ地形をもち、そのため高名な観光地になっているのだが、ファベーラは丘(morro)と呼ばれるように、宅地にあまり適さない傾斜地にへばりついている。
そんな場所でも街の中心部に近いから住みたい人には事欠かない。
最初に住み始めた人は不法占拠から始まったのかもしれないが、現在は地権登録など正式なものかはわからないが土地家屋は売買されるようだ。
整備の進んだ場所では電気水道などしっかりしているが、盗電(gato 意味は「猫」だが、なぜこう言うのかわからない)し放題のところもある。
そんなところは当然治安に問題があり、電力会社も警察も迂闊に入れない。

住んでいる人には申し訳ないが、都市の癌と言っても間違いでないだろう。
通常都市秩序を保つはずの市役所や警察の管理から逸脱して、犯罪組織が支配する(もちろんそうでないところも多い)無秩序に増殖する市街地である。

リオデジャネイロ州が行なっている矯正方法も癌の場合と酷似している。
健康な組織へのがん細胞の拡散を防ぎ、がん細胞へのエネルギー供給を断つために血管(道路)を閉鎖する。
抗がん剤や放射線ならぬ、精鋭部隊を含む警察力3千人と海軍狙撃兵が参加して、装甲車18台とヘリコプターを使いがん内部を叩く。

集中治療は2011年11月13日日曜日早朝4時に開始される。
今回の奪還作戦の対象ロシーニャ(Favela da Rocinha)、ヴィジガル(Favela do Vidigal)とシャカラ・ド・セウ(Chácara do Céu)の住民8万人及び隣接地区住民は、発砲騒ぎ無しに正規権力(警察)による奪還が平穏に成功することを期待している。

奪還作戦の一日前から警察は地域に出入りする通りの警戒を厳重にしている。
警察のヘリコプターは地を舐めるように飛び交う。
地域へのアクセス道路でオートバイ・乗用車・路線パスの人員と積載物の厳しいチェックが行われる。
脱出しようとする犯罪者や武器・薬物を捕獲するためだ。
丘の上方の動きは逐一監視される。

住民は、作戦の日は一日中家にこもるのが安全だと考えている。
作戦の日に備えて食糧など買い置きする住民で商店が賑わっている。
作戦の対象区外に親戚や知人が住んでいる住民は、そこを頼って一日中地域外で過ごす人もいる。

ファベーラ・ロシーニャ(Favela da Rocinha 22°59'25.79"S - 43°14'42.63"W)とファベーラ・ヴィジガル(Favela do Vidigal 22°59'43.20"S - 43°14'23.94"W)へのアクセス道路は8箇所で歩行者・車両共に閉鎖される。
リオデジャネイロ市全体でも、犯罪者が脱出するのを防ぐため他州から応援に来た連邦道路警察が警戒にあたる。
州政府の保健局も警戒態勢に入り、作戦でけが人が出たときに備える。

以下は11月14日のニュースから。
13日早朝4時にところどころ霧のかかる丘で開始された占拠作戦は発砲や大きな混乱なくかなり平穏に終了したようだ。
丘の上には象徴的にブラジル国旗とリオデジャネイロ州旗が掲げられた。
組織の幹部が何人か捕まった。
現在隠された武器や薬物を捜索する掃討作戦が続いている。
バズーカ・対戦車弾から機関銃、手榴弾、大量の薬物が押収されている。
ゴミ収集など公共サービスも平常どおり動いている。

これから警察は和平警察署(UPP - Unidade de Polícia Pacificadora)をロシーニャへ設ける。
ロシーニャUPPは予定40ヶ所の中の19番目のUPPとなる。

しかし作戦成功でも安心していられない。
薬物取引組織がなくなっても、中毒者は残る。
この連中はこの後誰から薬物を入手するのだろうか。
大都市から閉めだされた組織末端は、地方都市へ拡散して勢力を盛り返すのではないだろうか。

インコやオウムは野鳥だ

先週のことだが、家の庭に可愛い来訪者があった。
しかしその到着はいささか騒々しいものだった。
庭にいた犬は吠え、来訪者は金切り声で叫んで一触即発だったからだ。


これが来訪者だ。
インターネットで検索してみた。
和名アオボウシインコ、英語名Blue-fronted Amazon、学名Amazona aestiva、ポルトガル語ではPapagaio-verdadeiroとなっているが、通常Papagaio(オウム)と言っている鳥のようだ。

日本でこの鳥が見つかったのなら間違いなく飼い鳥が逃げ出したものであろうが、ブラジルではfaunaにある野生種でもある。
ここは市街地だから野生のものである可能性は低い。
何よりも人を怖がらない。
手に乗る、肩に乗る。
おまけにポルトガル語をしゃべるから、こいつは野生であるはずがない。

これは飼ってやるしかないなと思っていたところ、午後になって飼い主が探しに来た。
33歳の男性の飼い主が8歳の頃、北の地方から連れてこられたというから鳥の年齢は25歳だ。

「北の地方から連れてこられた」って、野鳥を捕獲したのか。
野生動物を飼育するのにはブラジルではイバマ(IBAMA - Instituto Brasileiro do Meio Ambiente e dos Recursos Naturais Renováveisブラジル環境・再生可能天然資源院)の許可がいるはずなのだが、そんなことにお構いなく、飼われることの多い鳥だ。

ツッコむのは諦め、鳥も飼い主も喜んでいるようだし、仕方なく手放した。
さらにインターネットで調べたら、日本では20万円くらいで売られているらしい。

2011年11月6日

6mのアナコンダがマナウス西部の路上で見つかる

以前アナコンダ(Anaconda)という映画があった。
ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)がセクシーだったが、アナコンダの動きが異常に速すぎて不自然だった。
映画だから文句は言わないが。

ブラジルでは、アナコンダのことをスクリあるいはスクリー(sucuri学名はEunectes)という。
今回見つかったのは長さ6メートル、11月4日夜9時頃アマゾナス州マナウス西部タルマン(Tarumã)地区のカショエイラ・アルタ(Cachoeira Alta)道路であった。

見つけたのは自由業フェルナンド・アルベルト(Fernando Alberto)氏で、軍警察環境隊(Batalhão Ambiental da Polícia Militar)に届け出た。
「友人たちと一緒に縄をかけてからトラックの荷台に積み込んだ。
運転手の中にはこういった動物は殺すものと思い込んでる奴もいるからね。」
翌5日朝に警察に連絡した。



Animal apresenta estado de saúde estável e será solto em Anavilhanas (Foto: Tiago Melo/G1 AM)

マナウスから100キロのアナヴィリャナス列島(Arquipélago de Anavilhanas)近くのスクリ本来の棲息地へ放すことになっている。
(g1.globo.com 05/11/2011 13h19 - Atualizado em 05/11/2011 13h52から)

さっきテレビニュースで見た。
4人がかりで抱えて船に積み込んでいた。
ヘビは特に外傷もなく元気そうで、川に放流された。
ずいぶん岸から遠い川の真ん中辺りで放すなあと感じた。
ヘビは悠々と泳いでいた。
水生なので川に放流しても大丈夫であろうが、島に放つ予定でなかったのか。

マナウスの近くにネグロ川(Rio Negro)とソリモンエス川(Rio Solimões)の合流地点がある。
コーヒーのように黒いネグロ川の水と、ミルクコーヒーのような茶色く濁ったソリモンエス川の水が、温度など水質の違いのため数キロメートルも混じり合わないで平行して流れる奇妙な風景で、有名な観光地だ。
観光客は観光船で訪れ、船はしばし停泊して、観光客は二種類の水の中を泳ぐことができる。



Solimões river at the confluence or the Meeting of Waters with Negro River, near Manaus, where the Amazon River officially begins.
(Wikimedia Commons Foto por Mario Roberto Duran Ortiz Mariordo)

ヘビはネグロ川に放流した、とニュースで言っていた。
ネグロ川のどの辺かはわからない。
本物のアナコンダ、つまりスクリは、映画と違ってのったりしているようだが、観光客が泳ぐようなところに6mの大蛇を放つのはまずいのではないか。

2011年11月5日

タイプライターは博物館へ

タイプライター = máquina de escrever (意味は書く機械)
キーボード入力(タッチタイピング)技術 = datilografia (br.) dactilografia (po.)

今Ottavaからルロイ・アンダーソンのタイプライターが流れている。

今の子はタイプライターを見たことがなく、どんな物であるか知らない。
もちろんタイプを打ったこともない。
行の終わりになって鐘がチンと鳴って、手動でキャリッジリターンをする時シャッと音がするこの曲の面白さがわからないのでないか?と思った。

プリンターの制御文字でLF, CRなどあるが、ラインフィード line feed、キャリッジリターン carriage returnとかはタイプライター用語がそのまま使われているのだろう。

ブラジルに以前よくあったタイプライター教室(curso de datilografia)は今はなく、パソコン教室にとって代わられている。
datilografiaというのはタイプライターのことでなく、キーボードを使ってテキストを入力する技なので、実際はパソコン技術に取り込まれているといって良いだろう。

連邦最高裁は飲酒運転は犯罪であると判決

ブラジル司法の頂点連邦最高裁判所(STF - Supremo Tribunal Federal)は、血液1リットル中6デシグラム以上のアルコール濃度で運転することは、たとえ事故を起こしたり、他人に危険を与えていなくても犯罪(crime)であると判決をした。

ミナスジェライス州の検問で酒酔い運転で現行犯逮捕された男の保釈請求としての裁判であり、保釈は棄却された。
アルコールに酔って運転することを犯罪と定めた2008年の法律に基づく最初の連邦最高裁の判断らしい。

この男は呼気計測で0.9mg/lのアルコールが検出された上に、明らかな酒酔いの症状、言葉がもつれたり(fala desconexa)、酒臭く(hálito etílico)、目が充血(olhos vermelhos)であったという。

「武器所有と同じだ。
実際に武器を使って不法行為をしたかは問題でない。
所有しているだけで他の財産に危険を及ぼすから抽象的危険を形成している。
ブラジル交通法306条が公衆の安全保護を目的とした法的根拠だ。」
Ricardo Lewandowski判事は述べた。

あれ?飲酒運転はもともと犯罪でなかったのか?

(以下Wikipedia 罪刑法定主義から引用)
罪刑法定主義(ざいけいほうていしゅぎ)は、ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令(議会制定法を中心とする法体系)において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則のことをいう。
(引用終わり)
なるほど、犯罪となるのは法律に規定された行為でなければならないわけだ。

ブラジル交通法(Código de Trânsito Brasileiro)を調べた。

2006年から2008年までは、302条により、「アルコール又は薬物の影響下で運転した時」に、事故を起こして人を殺した場合、殺意なき殺人(homicídio culposo)の懲罰(2年から4年の拘置と運転免許の停止)を三分の一割り増す、となっていた。
2008年の改正で、306条は「アルコール濃度血液1リットル中6デシグラム以上の状態あるいはその他依存性の精神作用を起こす薬物の影響下にあるときに公道で車両を運転すること」が犯罪とされた。
以前の条文から「他人の安全を潜在的に害する」が外されて、誰もいない公道を酒酔いで運転しただけで罪になるということだ。

日本ではどうなのか?

日本には危険運転致死傷罪(刑法208条の2)というのがある。
日本では飲酒運転だけでは罪にならないということのようだ。

以上の記事でアルコール濃度の二通りの単位、血中濃度と呼気中濃度が出てくるので整理しておく。
ブラジルで酒酔い運転で引っかかる血中アルコール濃度6dg/l=0.6mg/mlは、呼気アルコール濃度0.3mg/lに相当する。
日本の道交法で酒気帯び運転となる呼気アルコール濃度は0.15mg/lなので、ブラジルで許容されるアルコール濃度は日本の2倍と、結構甘いと思われるかもしれない。

今までブラジルは飲酒運転だけでは罪にならなかったものが、今回の連邦最高裁の判例は、後を絶たない飲酒運転撲滅にかける社会の姿勢が現れたものだろう。
2010年のブラジル交通事故死は40,610という恐るべき数であった。

2011年11月4日

ENEMこれでええねん?

のっけから寒いタイトルだが、ENEMとはExame Nacional do Ensino Médioつまり全国中等教育試験である。

ブラジルは8年の基礎教育(ensino fundamental)に続き、3年の中等教育(ensino médio)があり、中等学校は通常コレジオ(colégio)と呼ばれる。
教育省の機関である国立教育研究所(INEP - Instituto Nacional de Estudos e Pesquisas Educacionais Anísio Teixeira)が中等教育3年生を対象に行う全国試験がENEMだ。

ENEMがただの学習到達度調査に過ぎなかったならこんなにブラジル国民の注目を集めないのだが、多くの公立大学はENEMの結果で入学判定をしたり(来年2012年は定員30万人を超す)、ENEMを1次試験に代用したりする上に、私立大学生への政府奨学金(bolsa do Prouni)支給可否もこの試験によって決定されるため、高校生を含む受験生にとっては将来を決定する大試験なのだ。

そんな大事な試験なのに、いつも疑念と騒動がつきまとって、一度でうまくいった試しがない。

2009年には試験問題の印刷所から問題が盗み出されたので、試験を1ヶ月延期して、問題用紙を印刷し直して翌月に実施された。

2010年には試験問題冊子の一部に問題の重複や欠損があったり、解答欄に紛らわしい部分があったりして、試験官の訂正連絡に不備があった一部の受験生は混乱した。
セアラ(Ceará)州の検事が試験無効の請求をしたが、連邦裁判所は試験は有効と判断した。

そして今年何が起こったか。
またもやセアラ州であるが、州都フォルタレザ(Fortaleza)の私立高校Colégio Christusで、生徒が本番の一週間前に受けたENEM模擬試験の中の13問題が、ENEMに出た問題と同じだったという。
ニュースの画面で模擬試験と本試験の設問図の比較が出たが、全く同じだった。

ENEMの試験問題作成の過程でいくつか作られるプレ試験の問題は、問題用紙は回収されて厳重に管理されるはずなのだが、回収されずに誰かの手に渡ったプレ試験問題が高校の模擬試験に出たということらしい。
試験実施の翌日くらいからすぐニュースネタになって連邦警察の捜査が始まったので、どういう解決になるのかが注目されていた。
  1. 教育省とINEPは、Colégio Christusの3年生639名だけ実施した試験を無効として639名だけ再試験を行いたい。
  2. 教育省とINEPは、次善の策としてColégio Christusの3年生639名だけ13問を無効としたい。
  3. 告発したOscar Costa Filho共和国検事は、漏れた問題のみ無効にして、残りの問題を有効としたい。
  4. 全受験生に対して再試験を行う。
10月31日にセアラ州の連邦裁判所が出した判決は、検事の訴えを認めて、上3番目の漏れた問題のみ無効にして、残りの問題を有効とするというものだった。
判決は全国の受験生に及ぶ。
Luiz Praxedes Vieira da Silva連邦裁判事は判決理由として、Colégio Christusの3年生639名のみが漏れた問題にアクセスしたと肯定はできないことをあげた。
さらにINEPを批判し、「プレ試験に使った問題を再び本番で使うのは重大な誤り」と指摘した。
至極もっともだと思う。
なぜ全く新しい問題にしなかったのだろうか。

ここに2009年と2010年のENEMの問題がある。
第1日目(土曜日午後)は人文科学(45問)・自然科学(45問)、第2日目(日曜日午後)は小論文及び言語(ポルトガル語と外国語計45問)・数学(45問)あり、各設問は多肢選択(5つから正解一つを選ぶ)問題だ。
180問のうち13問は7.2%に当たるから、無効にする影響はかなり大きいと思える。

漏れた問題は数学に偏っているので、TVニュースでは数学が得意な生徒は問題無効により損をして不満がり、数学に失敗した生徒は喜ぶという反応が見られた。

セアラ州フォルタレザの私立高校は5校ほどあるが、同市のセアラ連邦大学(UFC - Universidade Federal do Ceará)への合格率を看板にして中流子弟を競い合っている。
優秀でしかも月謝を毎月支払える生徒を確保して合格率を上げれば、さらに良い学生が集まって学校は儲かるということだ。
その競争の中でColégio Christusはフライングを起こしてしまった、という見方が多い。

11月3日政府側の国家総合弁護団(Advocacia Geral da União)は判決を不服として、レシフェの連邦第5地方裁判所(Tribunal Regional Federal - 5a Região 第2審)へ控訴した。

翌日11月4日レシフェの連邦第5地方裁判所は、漏れた13問を全国で無効にする一審の予備判決を覆して、Colégio Christusの639名についてのみ13問を無効にする判決を下した。
上の3番を覆し2番になったわけだ。
639名の学生の点数については有効な点数を使って再計算を行うらしい。

2011年10月27日

ブラジルの弁護士・会計士・医師・獣医師資格

ブラジルの弁護士・会計士・医師・獣医師資格

2011年10月26日ブラジル連邦最高裁(Supremo Tribunal Federal)は、法学部(direito)を卒業した法学士を対象にブラジル弁護士会(OAB - Ordem dos Advogados do Brasil)が実施する弁護士資格試験が有効である判断をした。
裁判は56歳の法学士ジョアン・ボランチ(João Volante)氏が、OABの試験に合格しなくても弁護士の活動ができるよう連邦最高裁へ特別上告したものだ。
8名の最高裁判事は全員一致で試験を有効とした。

「試験だけが職業能力を評価するものではない、試験によって弁護士の仕事に就けないのは憲法が保証する職業選択の自由に反する」との原告の請求に対して、判事のマルコ・アウレリオ・メロ(Marco Aurélio Mello)氏は、
「理論と実習の授業に出るだけで職業能力があると判断できない、試験によって評価されるべきだ。
もしも試験が能力を評価しないとするなら、大学の試験も能力を測ることはできない。
大学の試験は憲法違反だといえるか?」
と、判決意見を示した。

同じく判事のルイス・フクス(Luiz Fux)氏は次のように述べた。
「能力のない弁護士の失敗を後になって監察し回る事態は許されない。
OABの試験によって法学士が最低の職業遂行能力を持っている保証が得られる。
今日の試験には問題があるかもしれないが、だからといって憲法違反とは言えない。
でたらめな弁護により社会が被る被害の危険性は職業自由を制限できるか、答えはイエスだ。」

他の判事も同様にOABによる試験の必要性を認めている。

次の日曜日10月30日に第5回弁護士会統一試験(第5回統一というのは、以前は州ごとに独立して行なっていたからだろう)の1次試験が実施される。
前回は全受験者の85%に相当する10万人が不合格であった。
(Priscilla Borges, iG Brasília | 26/10/2011 14:08 - Atualizada às 20:31)

ちなみに前回OAB試験合格率ベスト5(2次合格者/1次受験者を合格率とする)をあげる。
1セルジペ連邦大学(Universidade Federal de Sergipe - UFS)25/3669.44%
2ミナスジェライス連邦大学(Universidade Federal de Minas Gerais - UFMG)33/5164.71%
3サンパウロ大学(Universidade de São Paulo - USP)44/6963.76%
4リオグランデドスル連邦大学(Universidade Federal do Rio Grande do Sul - UFRGS)28/4562.22%
5ジュイスジフォーラ連邦大学(Universidade Federal de Juiz de Fora - UFJF)18/3060.00%
連邦大学は連邦立(国立)、サンパウロ大学は州立で、完全に公立大学優位である。
私立大学最高位は26位サルバドル大学(Universidade Salvador - UNIFACS) 33/74 44.59%であった。
(Priscilla Borges, iG Brasília | 23/09/2011 11:39 - Atualizada em 26/09/2011 17:35)

法学部ではない他の分野での資格試験はどうなっているのだろうか。

会計学(contabilidade)では、2000年に会計能力試験が導入された。
試験は連邦法によってではなく、連邦会計評議会(CFC - Conselho Federel de Contabilidade)の規定によって設けられたものに過ぎないという理由で裁判になり、10回実施後の2004年に司法判断によって廃止された。
しかし2010年になって連邦法12,249号が発効して、CFCの会計士登録(つまり資格)条件に、試験への合格が含まれるようになり、試験は復活した。

CFC会長Juarez Domingues Carneiro氏は、会計士試験が中止された期間は教育機関(会計学部)と卒業生の質が落ちたという。
「評議会が受けつける行政処分、監察、苦情の件数が増えた。」
Carneiro氏にとって試験は、大学が教育の質を維持して、学生を合格できるまで鍛える原動力である。

同氏によると、試験が廃止された時点で合格率は60%だった。
今年実施された、中止期間後復活の第1回試験では16,600人以上が試験に挑み合格率は30%であった。
「次回の試験では、1,200を超える会計学部が教育の質向上に取り組んで合格率を上げてくれることを期待する。」

教育省(Ministério da Educação)による全国学生能力試験(ENADE - Exame Nacional de Desempenho dos Estudantes)でも、会計学部の質低下が指摘された。
2006年に不満足(insatisfatório)なレベルの学部が30%であったのが、3年後には32%に増加した。
能力試験とは基準が異なる教育省の評価だけでは、能力試験に匹敵する教育水準アップ効果は見込めなかったのだろう、とCarneiro氏は分析する。

獣医師/獣医学(médico veterinário/medicina veterinária)の資格試験は、2007年に司法判決によって中止された後、実施には至っていない。

連邦医学評議会(Conselho Federal de Medicina)は、達成度試験(teste de progresso)を医学生に実施する考えを支持して、教育省に働きかけている。
試験は医学生の卒業試験として知識を問うものではなく、在学中に能力を測るものとして行い、試験で明らかにされた欠点を修正できるような形が良いと評議会は考えている。

サンパウロ州地域医学評議会(Cremesp - Conselho Regional de Medicina do Estado de São Paulo)は、新卒業生を対象に任意で試験を行なっている。
直近の試験では68%の受験生が不合格で、試験開始以来最悪の結果であった。
(Marina Morena Costa, iG São Paulo | 27/09/2011 07:00)

見てわかるように、現在ブラジルの医学部卒業者にはOABの弁護士能力試験や医師国家試験のような試験がない。
習熟度の判断が各医学部に任されているというのは、正直言って不安だ。

弁護士の例に習うと、診察室によく掲げてある大学の卒業証明書でどこの大学卒業かをチェックしなければならないのかもしれない。
有力大学を卒業していても、現在目の前にいる医者が本当に医師資格にふさわしい職業能力を持っているかはわからない。
サンパウロ州の任意試験結果を見ると、新人医師3人中2人は医者として能力不足ということだろうか。
信じたくない数字である。

口コミ評判が医師を選ぶときに結構重要視される理由の一つだろう。
医師に関しても統一達成度試験を実施して、少しでも安心してかかれる医者を養成するようにしてもらいたいものである。

2011年10月24日

2014ブラジルワールドカップに半額チケットは出るか?

ブラジル政府とFIFAの間で2014年ワールドカップ運営上の意見の相違がある。

この前ニュースで見たFIFAのブラジル側への要望は次の3つだ。
  1. ブラジルでは州や市の地方法によってアルコール飲料禁止のスタジアムがあるが、FIFAはアルコール飲料を解禁したい。
    もちろん飲料メーカーが大スポンサーになっているからだ。
  2. ブラジルでは、老人には連邦法の効力で連邦全体にわたり、学生には地方法の効力で場所によって、入場料が半額になる恩典があるが、FIFAは入場料の価格決定権を握っていて、半額チケットは導入したくない。
  3. 大会スポンサーの権利を最大限尊重して欲しい。
    スポンサー権利保護に不安がある。
Orlando Silvaスポーツ相は、老人憲章に定める老人の半額チケットの権利は連邦法であるからFIFAに認めてもらいたい、学生への半額チケットは地方法によって定められているので、FIFAは各開催都市と協議してもらいたいと、2011年10月3日のインタビューで答えた。

一方2011年10月5日、ブラジル下院は青年憲章(Estatuto da Juventude)を可決し、15歳から29歳までの若者に全国で文化・催事・娯楽の半額入場料の権利を認めた。
これが正式な法律となるのにはさらに上院の可決と大統領の承認が必要だ。
起案議員はワールドカップでのFIFAとの抵触に関して、青年憲章の細則は定めず、FIFAが開催都市と話し合って決めてもらいたいとスポーツ相と同様の考えを述べた。

10月17日Dilma大統領はインタビューでスポーツ相の発言を確認した。

ワールドカップ運営に関してはワールドカップ総合法(Lei Geral da Copa)が開催の大筋を定めるはずなのだが、FIFAにとってはとっくに完成して承認されているはずのこの法が、いまだにブラジル政府とFIFA意見の相違で議会にとどまっているのが気がかりではある。

先週の10月20日のFIFAの試合スケジュール発表では、ブラジルを賞賛することを忘れず、一体感を演出したFIFAであるが、それに先立つFIFAの本部での会合ではJérôme Valcke FIFA総書記は2018年ワールドカップのホスト国ロシアの法整備の進み具合を引き合いに出したり、2010年南アフリカ大会の責任者Danny Jordaanがブラジル批判に加わったりで、なかなかしっくりすっきりとしないようだ。

10月20日のFIFAの発表によると、コンフェデレーションズカップのチケットは2012年12月から、ワールドカップのは2013年8月から発売が開始される。

ブラジル政府の言い分が通り、連邦法の効力で老人の半額チケットが実現、開催都市との合意で学生の半額チケットが実現したところで、ワールドカップ観戦に全世界からブラジルにやって来る外国人観光客への適用はどうなるのだろうか。
全世界のチケット販売の場面で、ブラジルに半額制度があることが周知されるのだろうか。

ワールドカップが一回きりならブラジルも好きなようにできるだろうが、これからも4年に1回開催され続けるのだから、ブラジルだけわがままを許されるとは考えにくい。

あまりに両者の溝が深すぎてどうにも埋まらない場合には、2012年6月1日まで開催契約を罰金なしで破棄することができるとHost Agreement 7.7に定められているため、ブラジル・FIFA両方にとって不名誉な最悪の結果に陥る可能性が全くないわけではない。

2011年10月23日

カリオカは2014ブラジルワールドカップの試合割りに不満

2011年10月20日FIFAはワールドカップの会場割(マッチ・スケジュールmatch schedule)を発表した。

2013年に行われるコンフェデレーションカップ(16試合)は、ブラジルの4都市、南から北へ向かって並べるとリオデジャネイロ(リオデジャネイロ州)―決勝(final)を含む、ベロオリゾンテ(ミナスジェライス州)、ブラジリア(連邦区)―開幕戦(jogo de abertura)を含む、フォルタレザ(セアラ州)で行われる。
スタジアム建設が間に合えば、サルバドル(バイア州)、レシフェ(ペルナンブコ州)の2都市でも試合が行われる可能性がある。

2014年のワールドカップ本番は64試合ある。
開催12都市はそれぞれ少ない都市で4試合、多い都市では7試合が行われる。

マナウス(アマゾナス)、クイアバ(マットグロッソ)、ナタル(リオグランデドノルテ)、クリチーバ(パラナ)ではそれぞれの都市でリーグ戦4試合が行われる。

レシフェ(ペルナンブコ)とポルトアレグレ(リオグランデドスル)はリーグ戦4試合とベスト16戦(oitava de final)1試合の5試合ずつが行われる。

フォルタレザ(セアラ)、サルバドル(バイア)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝(quarta de final)1試合の計6試合が、ベロオリゾンテ(ミナスジェライス)、サンパウロ(サンパウロ)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準決勝(semifinal)1試合の計6試合が行われる。

ブラジリア(連邦区)は、リーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝1試合さらに3位決定戦(decisão de terceiro lugar)の計7試合が、リオデジャネイロ(リオデジャネイロ)はリーグ戦4試合とベスト16戦1試合及び準々決勝1試合そして決勝戦(final)の計7試合が開催される。

開催国のメリットで、ブラジルセレソン(seleção brasileira=ブラジル代表チーム)の試合スケジュールはすでに明らかになっている。
ブラジルは組み合わせ表のA1である。

2014年6月12日木曜日午後5時(ブラジル南東時UTC-3)開幕戦はサンパウロ、現在建設中のコリンチャンスのホームスタジアムとなるイタケロン(Itaquerão 68000人収容)で、続いて6月17日フォルタレザのカステロン(Castelão 66000人)、6月23日ブラジリアのブラジリア国立(Estádio Nacional de Brasília 71000人)でグループリーグを戦う。

グループ1位で通過すると、6月28日ベロオリゾンテのミネイロン(Mineirão 64000人)、準々決勝7月4日再びフォルタレザ、準決勝7月8日再びベロオリゾンテ、7月13日午後4時決勝戦リオデジャネイロの現在改修中のマラカナン(Maracanã 76000人)と進むことになる。
グループ2位だった場合にはベスト16戦フォルタレザ、準々決勝サルバドル、準決勝サンパウロになる。

コンフェデレーションズカップの入場券の売り出しは2012年の12月、ワールドカップの入場券の売り出しは2013年8月に開始する。

現在リオデジャネイロの最大球技場でありブラジルサッカーの栄光を記憶するマラカナンスタジアム(Estádio do Maracanã)は、8億6千万レアルをかけてワールドカップに向け改修工事の最中である。
先日の会場割の発表で、マラカナンでは7試合が行われることになった。

しかしブラジルセレソンをマラカナンで見られるのは、セレソンが決勝に残った場合に限られる。
ブラジルサッカー連盟(CBF-Confederação Brasileira de Futebol)のRicardo Teixeira会長は、ブラジルは絶対決勝まで残るからカリオカ(carioca=リオデジャネイロ市民)はマラカナンで観戦できる、と言っているのだが、決勝に残る保証は全くない。

カリオカはもちろんブラジルが決勝まで勝ち残るよう応援しているのだが、落胆の色を隠せない人も多い。
「マラカナンはフットボールの世界で独特の価値を持つところだからブラジル代表にもっとプレーして欲しい」
なかなか真っ当な意見だ。
「ブラジルが負けたらどうするんだ」
この人はブラジルが負けると思っているのだろう。
現在のセレソンを見ていると無理もないが。

一方ホテルなど観光業界は喜んでいる。
観光省はリオを訪れる外国からの観光客を40万人以上と試算している。

組織委員会は気候や収容力・輸送力などを考慮して会場割を決定したと報告している。

(Globo Jornal Nacional 20-21/10/2011から)

2011年10月20日

あなたのポケットはアメリカ(の病院)製?

先週、シーツや白衣など布物の病院廃棄物がぎっしり詰まったコンテナが発見されたのが始まりだ。
病院の中古で血液のしみまでついている古いシーツなんかブラジルは輸入してどうするのか。
最初の報道では、縫製業者へ売られてズボンのポケットなど服の内側で見えない部分に使われている、とのことであった。
しかし事件は拡大している。

ジョアンペッソア(パライバ州都)の運転手エリオ・ルセナさんは行商人から1枚20レアルで買ってきたシーツ2枚を家で見てびっくりした。
アメリカ合衆国政府のマークが入っていたからだ。
「U.S.のマークって何だこれは米国から来た病院廃棄物でないのか?
有害かどうかはわからないけど。」

画面を見ると
U.S. GOBERNMENT PROPERTY
SAMMC
STOLEN IF REMOVED FROM PREMISES
とプリントされている。
これだけでは廃棄されたものか盗まれたものかは分からない。

パライバ(Paraíba)州衛生監視局長イヴァンドロ・ブラジレイロは市民の注意を促している。
「原料がどこのものかわからないから、行商人から繊維製品を買うときは注意するように。」

Globo取材陣はペルナンブコ州チンバウーバ(Timbaúba)の商店でアメリカの病院のシーツが売られているのを発見した。
ある店では1枚2レアルで売られていた。

病院のシーツを客室で使っているホテルまであった。
テレビの画面では、メークしたベッドの側面に"HEALTHCARE SERVICES"と読める。
印字を見ておかしいと思わなかったのかと尋ねられたホテルの主人は、「2年前から使っているけど、おかしいと思ったことはない」と言った。

左官アントニオ・カルロス・ザネリさんは、先週買ったばかりのバミューダパンツのポケット地を見て不審に思った。
「私には(その生地に)何が入っていたか、何に使われていたか、何の病人が使ったかはわからないが…」
ポケット地にプリントされたマークはポルトガルの病院のものだった。
パンツを購入した店の店主は、ゴイアス(Goiás)州で購入したものだが、製造はペルナンブコ州という。
店主は商品を返品した。
「代理店は正式な全国法人番号(CNPJ)を持っている。
しっかりした会社だと思った。
まさかこんな犯罪の疑いのある原料を使うとは思わなかった。」
店の支配人はこう言った。

バイア州イリェウス(Ilhéus - Bahia)の警察は、800キログラム以上のシーツその他の病院廃棄物を市の中心街の生地店で押収した。
血液のしみが見てとれるシーツもあった。
病院のマークはリオデジャネイロ、サンパウロ、パラナ、ペルナンブコ州の病院のものであった。

米国からのコンテナに入った、シーツ、枕カバーや白衣など米国の病院の廃棄物だけではないのだ。
今回の摘発は国内でも使用済み病院廃棄物が州境を超えて不法取引されていることを明るみに出した。

カルアル(Caruaru - PE)で購入したズボンのポケット地にブラジルの病院、サンルーカス医院の名前があった。
サンルーカス医院を運営するサンタカーザ・グループはベロ・オリゾンテ(ミナスジェライス州都)にあるが、自分の病院の廃棄物がそんな場所に届いているなんて全く知らなかった、廃棄は保健省の定める手順に従って行なっていると回答した。


レシフェ(ペルナンブコ州都)の大衆向け商店街では消費者も商店も慎重になっている。
服を選ぶときは、裏を見て選ぶようになった。
病院のマークなどプリントされていたら大変である。
「あのアメリカ製のポケットの付いていないのだったら良いよ」ってどの客も言うんだ。
店主が教えてくれた最近のピアーダ(piada=ジョーク)だ。

病院廃棄物不法輸入の容疑者Altair Teixeira de Mouraはカルアルで取り調べを受けている。
彼の弁護士は、アメリカ側の荷主が間違って発送した、と報道陣へ話している。
「あの病院廃棄物は彼が買った商品ではないと輸入業者が指摘した、彼が米国の業者へ発注したのは新品の生地だった。」

今日10月20日朝、アメリカからFBIのエージェントが捜査協力のためレシフェへ到着した。
国立衛生監視庁(Agência Nacional de Vigilância Sanitária)によると、外国からの病院廃棄物の購入は不法であり禁止されている。

(Globo Jornal Hoje 2011年10月19,20日を参考にした)

2011年10月15日

ブラジルの夏時間

ブラジルの一部は今夜から夏時間(horário de verão=サマータイム)に入る。
今年の夏時間は次のように実施される。

夏時間を採用する州は、南部(リオグランデドスル、サンタカタリーナ、パラナの3州)、南東部(サンパウロ、リオデジャネイロ、ミナスジェライス、エスピリトサントの4州)、中西部(マットグロッソドスル、マットグロッソ、ゴイアスの3州及び連邦区)の、赤道から比較的離れていて毎年夏時間を実施する3地方と、北東部からただ1州バイア州も夏時間に入る。
夏時間は2012年2月26日まで続く。

2008年の大統領令によって、夏時間は10月の第3日曜日に開始、2月の第3日曜日に終了する。
2011年の第3日曜日は10月16日で一致しているが、2012年の2月第3日曜日は2月19日でないか?
2月第3日曜日がカーニバルに当たった場合には、夏時間をさらに1週間延長して第4日曜日に終了することになっている。

具体的には、2011年10月15日土曜日から16日日曜日に変わる午前0時に時計の針を1時間進めて午前1時にする。
そのため今晩は夜が一時間短くなる。
これまで夜明けが6時だった所は、明日から7時に夜が明ける。
日没が6時であったなら、明日からは7時になる。

連邦政府によると、今回の夏時間実施期間は、1985年以来最長の133日(19週間)となる。
カーニバル延長規定によるものだろう。
電力システム全国オペレーター(Operado Nacional do Sistema Elétrico)の試算によるブラジル全国の夏時間実施による節電効果であるが、デマンド(要求電力)が-4.6%相当の2,650メガワット減少し、全期間で7,500万から1億レアルの金額となっている。

夏時間実施を決定するのは各州政府であるが、昨年まで実施しなかったバイア州が今年実施する理由は、バイア州の企業が、銀行や企業の営業時間を南部や南東部と一緒にしたいと希望したと報道されている。
テレビニュースでは、州民の世論調査で半数以上が夏時間を希望したと別の報道がされた。
バイア州が夏時間を採用するのは8年ぶりで、住民にとっては評価は半々であるが、企業を始め観光・商業部門は夏時間を歓迎している。

住民の評価が賛否半々であるのはバイア州だけでなく他の実施州でも同じであるが、一部下院議員が夏時間廃止法案を提案している。
夏時間に反対する理由は健康上及び保安上の悪影響としている。

1時間時計を進めたり遅らせたりすることへの適応性は人によって違うだろうから、いつも非常に規則的な生活をしている人には耐えられない辛さがあるのかもしれない。
保安上の影響というのは、毎日午前6時に家を出る人がいて、今日までなら日の出後で明るかったのが、来週月曜日の午前6時はまだ真っ暗で人気のない街路で強盗や追い剥ぎの心配をしなければならないということのようだ。
そんなことを言うのだったら日が短い季節はどうするのか、早朝でも明るいように冬時間を採用するのか、そうすると夕方早く真っ暗になってしまうだろうと反論が出そうだ。

(http://g1.globo.com/brasil/noticia/2011/10/horario-de-verao-comeca-meia-noite-de-domingo.html及びhttp://pt.wikipedia.org/wiki/Hor%C3%A1rio_de_ver%C3%A3oを参考にした)

夜が一時間短くなるこの晩、交通機関はどうなるのか。

サンパウロ大都市圏では通常午前1時まで運行するメトロ・電車・都市間バス等は夏時間の午前2時まで運行になる。
と言っても、深夜0時になった途端に時計の針を1時間進めて午前1時になってしまうから、日曜日未明の営業時間=1時間は変わらないわけだ。
運行が止まっている時間帯が1時間短くなって、日曜の始電・終電は夏時間にシフトする。

サンパウロ長距離バスターミナルによると、日曜日0時から0時59分発のバスは存在しない。
日曜日午前0時になったら即午前1時になってしまうのだから当然だ。
午前1時10分発のバスに乗る予定で15分前にターミナルに着いておきたい人は、0時55分でなく、土曜日の23時55分に着かなければならない。
ここが間違えやすいので注意!

空港公社によると、時間が変更になる時間帯に出発を予定している人は航空会社へ問い合わせるのが良い。
特に国内線でバイア州へ行く人の注意を喚起している。
と言うのも、バイア州は今年夏時間を採用することになっているからだ。

(http://g1.globo.com/sao-paulo/noticia/2011/10/horario-de-verao-amplia-circulacao-de-trens-e-onibus-de-sp.htmlを参考にした)

実用性はないが、各地の日の出日の入り昼の時間など調べてみた。
都市 緯度 10/15
日出
10/15
日没
10/15
昼時間
12/22
日出
12/22
日没
12/22
昼時間
マカパ アマパ 0°04'N 6:17 18:13 12h06m 6:21 18:28 12h07m
サルバドル バイア 12°58'S 5:09 17:31 12h22m 6:26 18:59 12h53m
リオデジャネイロ リオデジャネイロ 22°54'S 5:21 17:57 12h36m 6:05 19:38 13h32m
ポルトアレグレ リオグランデドスル 30°02'S 5:47 18:35 12h47m 6:21 20:26 14h05m
ブエノスアイレス 連邦区 34°20'S 6:12 19:08 12h55m 6:39 21:06 14h27m
ウシュアイア ティエラデルフエゴ 54°47'S 6:25 20:15 13h50m 5:52 23:12 17h19m
アルゼンチンは2011年の夏時間について未定なので、ブラジルの都市との比較のため夏至(12月22日)の日出・日没は夏時間になっているものとして1時間ずらした。
データはhttp://www.timeanddate.comによる

2011年10月8日

殺人統計からみたブラジルの治安

国連薬物犯罪事務所(UNODC - United Nations Office on Drugs and Crime)が世界の殺人件数を調査した"2011 Global Study on Homicide"を発表した。

ブラジルの殺人数は実数で世界一、2009年に43,909人だった。
UNODCサイトのニュースリリース見出しが、「UNODCの調査で殺人率が高いのは(南・中央・カリブ海)アメリカと(南)アフリカ」となっている。

世界で最も殺人が多い国は中央アメリカのホンジュラス(Honduras)で10万人年当たり82.1人だ。
南アメリカで殺人の多い危険グループは第1位ベネズエラ(Venezuela)人口10万人年当たり49人、第2位コロンビア(Colombia)33.4人、第3位ブラジル(Brasil)22.7人だ。
南アメリカ安全グループは、ウルグアイ6.1人、アルゼンチン5.5人、ペルー5.2人、チリ3.7人で、ブラジルより一桁少なく、世界平均6.9人を下回る。

東アジアでは北朝鮮15.2人、モンゴル7.6人が殺人の多いグループで、韓国は2.9人、安全グループが中国1.1人、香港及び日本0.5人となっている。
東アジアは南アメリカと安全では天地の差がある。

しかしブラジルはこれでも5年前より安全になってきている。

ブラジル法務省によると、サンパウロ市の殺人率は2004年10万人当たり20.8人だったのが、2009年には10.8人へと5年でほぼ半減した。
サンパウロ州政府による8月までのデータからの推計で2011年は、8.9人とさらに改善している。
Geraldo Alckminサンパウロ州知事は、街角や住宅街への警察巡回増強や、ONG (Organização Não Governamental 非政府組織)や民間団体と組んだ社会対策、武器取締りや犯罪捜査に力を入れた結果だと説明する。
UNODCのレポートは、サンパウロ及びリオデジャネイロ両大都市の犯罪への取り組みと殺人の減少を賞賛している。

一方でブラジルの地方州はこれから対策が望まれる。
ブラジル最悪の州は北東地方アラゴアス(Alagoas)州で、10万人年当たり60.3人だ。

当レポートのグラフからブラジル各州を分類した。
各階級内では、州は殺人数の順ではなく、ブラジル5地方の南部・南東部・北東部・中西部・北部の順に並んでいることに注意。
おまけに2014年ワールドカップの開催12都市に*印をつけた。
10万人年
殺人数
略号-州名州都・観光地
60人以上アラゴアス AL-Alagoasマセイオ Maceió
30.0-59.9パラナ PR-Paraná*クリチーバCuritibaイグアス滝
リオデジャネイロ RJ-Rio de Janeiro*リオデジャネイロ
エスピリトサント ES-Espírito Santoヴィトリア Vitória
バイア BA-Bahia*サルバドール Salvador
ペルナンブコ PE-Pernambuco*レシフェ Recife
パライバ PB-Paraíbaジョアンペッソア João Pessoa
マットグロッソ MT-Mato Grosso*クイアバ Cuiabá パンタナル
ロンドニア RO-Rondôniaポルトヴェーリョ Porto Velho
パラ PA-Paráベレン Belém
15.0-29.9リオグランデドスル RS-Rio Grande do Sul*ポルトアレグレ Porto Alegre
セルジペ SE-Sergipeアラカジュ Aracaju
リオグランデドノルテRN-Rio Grande do Norte*ナタル Natal
セアラ CE-Ceará*フォルタレザ Fortaleza
マットグロッソドスル MS-Mato Grosso do Sulカンポグランデ Campo Grande
ゴイアス GO-Goiásゴイアニア Goiânia
連邦区 DF-Distrito Federal*ブラジリア Brasília
トカンチンス TO-Tocantinsパルマス Palmas
アクレ AC-Acreリオブランコ Rio Branco
アマゾナス AM-Amazonas*マナウス Manaus
アマパ AP-Amapáマカパ Macapá
5.0-14.9サンタカタリーナ SC-Santa Catarinaフロリアノポリス Florianópolis
サンパウロ SP-São Paulo*サンパウロ
ミナスジェライス MG-Minas Gerais*ベロオリゾンテ Belo Horizonte
ピアウイ PI-Piauíテレジーナ Teresina
マラニョン MA-Maranhãoサンルイス São Luís
ロライマ RR-Roraimaボアヴィスタ Boa Vista

(Globo Jornal Nacional 2011年10月6日、
http://www.unodc.org/unodc/en/data-and-analysis/statistics/crime/global-study-on-homicide-2011.html
を参考にした)

2019年5月15日追加

最近の記事から拾った数字を比較参考のために記す。
記事の表題は忘れてしまったが、一応信用できるものであり、データソースは表示されていなかったので不明。
2016年人口10万人あたり自殺数(殺人数ではない)
日本 17.3
米国 13.5

2011年10月7日

郵便と銀行のダブルスト、支払はどうする?

ストライキ = (a) greve (po.)

郵便局員のストライキにより郵便物の遅配が続いている上に、銀行員がストに入った。

電気水道電話その他支払票が支払日までに届かなかったら大変だ。
期日に支払うのはどこでも消費者の義務である。
ブラジルでは支払いの遅れをストのせいにすることはできない。
支払期日に遅れると、金額の2%の罰金とひと月当たり1%の延滞利息がつく。

銀行協会によると現在半数以上の取引が機械(ATM)あるいはインターネットバンキングによる取引だという。
ダブルストの状況でどうやって自動料金支払い(débito automático)になっていない支払いをするか。

1 毎月支払期日が決まっていてしかも支払先のインターネットサイトで支払票複本(segunda via)を入手できる場合

銀行口座を持ち、インターネットバンキングを通常行なっている場合は、電気会社などのサイトで支払票のバーコード(数字列)を書き取って、インターネットバンキングでその数字列を打ち込み支払うことができる。
スマートフォンのアプリでバーコードリーダーになるものがあるというが、使い勝手はわからない。

銀行口座を持つが、インターネットバンキングは信用できないという向きは、電気会社などのサイトで支払票をプリントして、口座を持つ銀行のATMでバーコードを読ませて(プリンターがないなら書き取った数字列をATMに手入力して)支払いをする。

受取給与の現金引出しに機能が制限されている給与口座の場合、あるいは銀行口座をそもそも持っていない場合はどうするか。

給与口座からの支払いはできないので、まず現金を手にしなければならない。
そうすれば支払票複本と現金を持って行って宝くじ店(casa lotérica)で支払いができる。
宝くじ店は連邦貯蓄銀行(Caixa Econômica Federal)の業務を一部代行しているので、水道電気ガス電話等料金や連邦貯蓄銀行の支払票は1件1,000レアルまで、その他の銀行の支払票は1件700レアルまでの支払をすることができる。

日本のようにどこにもあるコンビニで支払える便利さはないが、宝くじ店の他に、各種料金の受け取りなどを行う銀行代理店になっているスーパーや商店で支払いもできる。

2 支払期日がわかっていてもインターネットで支払票複本が取れない場合

支払期日前に電話その他で連絡をして、支払い方法を聞く。
近くなら直接店頭で払うように言われるかもしれないし、遠くなら支払期日を延長した新たな支払票を送ってくれるかもしれない。

支払期日前に連絡して、「支払う意志を持っているが方法がない」ことを伝えた証拠を作っておくことが大切だ。
もちろん証拠だから、内容と共に電話年月日時刻、応対者の名前、受付番号(protocolo)などを記録しておくこと。

3 支払期日がわからない場合

支払先に連絡するのが良いが、支払期日が全くわからないのならスト復旧を待っても良いと思う。

期日まで支払えず、支払先が罰金利息を請求してきたらどうなるのか。
「支払う意志を持っているが方法がない」証拠を残してあるのだから、消費者保護機関などで有利な裁定を受けることができる、はずだ。

消費者はこういった事態に自衛しなければならないわけだ。
面倒な話ではある。

(27/9/2011 Globo Jornal Nacionalを参考にした)

2011年10月6日

日本人はブラジル人化しているか

「非嫡出子の相続差別は違憲…大阪高裁で確定」
日本の民法では婚外子の遺産相続は夫婦間の子の半分とした民法の規定は、「法の下の平等を定めた憲法に違反し無効」との判断を大阪高裁が下した。
(2011年10月4日日本経済新聞Web刊、その他各紙サイトから)

ブラジルの民法は嫡出子と非嫡出子の区別をしない。
子供であれば正式な夫婦の子でも、婚外の子でも相続分は同じだ。
日本の民法の規定が奇妙に感じられたのは、日本の法律に全く疎いからか、頭の中がブラジル化したからか。

日本の民法は本当に婚外子を差別しているのだろうか?

ここからは想像の話だ。
ブラジルのある町にひとりの娘がいた。
金持ちの家で家政婦として働いていたところ、家族が旅行中に泥酔して一人で帰ってきた金持ちの主人の世話をしているうちに関係を持って妊娠してしまった。
カトリックの国であり、娘は中絶など想像すらせず子供を産んで金持ちに認知してもらった。

結構な額の養育費を受け取り、子持ちにはなったが気の良い娘だったので、貧しいが働き者の青年と知り合った。
連れ子は青年になつき、青年も連れ子をかわいがったので二人は結婚した。
娘は青年と間に子供2人を授かった。
子供3人の仲は良く、幸せな家族だったが、数十年後、夫婦は交通事故で死亡した。
夫婦は資産10万レアルを残した。
子供3人は10万レアルを3等分して33,333レアルずつ相続した。

それから3年経った。
連れ子の父親である、妻に先立たれていた金持ちが死亡した。
金持ちだった(bilionário)ので遺産は10億レアル(um bilhão de reais)残した。
金持ちも先立った妻との間に2人の子がいたので、3人の子が遺産相続した。
一人あたり333,333,333レアルだ。

連れ子(婚外子)はもらい過ぎではないのか?

金持ちを普通の人に置き換えて、この男も資産10万レアルを残したと仮定しよう。
登場する5人の子の中で、いずれの夫婦間にできた子供は33,333レアルを相続するのに、婚外子だけは66,666レアル相続することになる。
日本の民法の規定を適用すれば、5人が40,000レアルずつ均等に相続することができてこっちのほうが公平ではないのか?

でも日本の民法の計算でも困ることがある。
ブラジルでは金持ちでも金持ちでなくても無責任で姿をくらますような男はいるし、誰とでも寝るふしだらな娘もいるわけで、そういった場合には父親の名前なしで子の出生登録をすることになる。
この場合に婚外子の相続分は嫡出子の半分とすると、今度は相続分が少なくなってしまう。

ここで推論する。
ブラジル民法は、父親の名前なしで出生登録した子でも十分な相続の権利を持てるようになっている。
日本民法は、父親が責任をもって認知することを想定して、父母両親からの二分の一ずつ相続を前提にしている。
大阪高裁の裁定は、最近の日本人の男女関係がブラジルのものに近くなったことが根底にある。
反論が出そうだ。

断っておくと、ブラジルの出生登録(registro de nascimento)・結婚登録(registro de casamento)制度と日本の戸籍制度の違いや両国の民法の詳細を全く考慮していないので、間違った推論をしている可能性はある。

2011年10月3日

返ってこないお釣り

現在ブラジルに流通する紙幣・硬貨は次のとおりだ。
紙幣(cédula) 100レアル・50レアル・20レアル・10レアル・5レアル・2レアル・1レアル
硬貨(moeda) 1レアル・50センターボ・25センターボ・10センターボ・5センターボ・1センターボ
ブラジル中央銀行(Banco Central do Brasil) 紙幣と硬貨

1センターボは百分の一レアル、レアル(real)の複数形はレアイス(reais)、センターボ(centavo)の複数形はセンターボス(centavos)だが、ここでは全部単数形で示した。

物の値段を39,800円とか半端に付ける習慣は世界共通なのだろうか。
実質4万円を3万円台に見せるトリックだ。
手元にある仏系スーパーマーケットの広告を見てみよう。
米5Kg R$6.29、砂糖5Kg R$7.89、フェイジョン(いんげん豆)1kg R$2.79、大豆油900ml R$2.69
確かに一見安く見えるように半端な金額になっている。

しかしここはブラジルで、日本とは事情が事なる。
商店主も客もとても大雑把なのだ。
98センターボの買い物をして1レアル貨を渡しても、2センターボのお釣りが返ってこないことがよくある。
客もお釣りじゃらじゃらがうっとうしいのか、わざわざ請求しない人が多い。

98センターボの買い物をして1レアル貨を渡してお釣りが返ってこないのなら、10個買って10レアル札で払って20センターボのお釣りを受け取る手はある。
1センターボ・5センターボがなくても、さすがに10センターボ貨がないという店は少ない。
でもたくさん買っても仕方ないことが多い。

パン屋などでは飴玉をお釣りの代わりに渡す店もあるが、こんなモノいらないと断って、あくまでもお釣りを渡せというのは消費者の当然の権利だ。
法に定めるまでもないとは思うのだが、消費者保護法では、商店にお釣りがない場合には釣りの金額を切り上げなければならない。
つまり、1センターボ硬貨がないのなら5センターボ、5センターボ硬貨がないのなら10センターボを客に渡さなければならない。

商店は店頭に必ず「消費者保護法」の冊子を備えていなければならない。
違反すると罰金が科されるはずだ。
消費者保護法を隅まで覚える必要はないが、ケチでわからず屋な商店主に対抗するために、多少の知識を持てば店頭の消費者保護法は強い味方になるはずだ。

全ての商店で使えるわけではないが、もう一つ釣銭の問題を回避する方法がある。
デビットあるいはクレジットカードを使えば、いくら端数があっても買い物金額丁度を支払うことができる。

どうしてセンターボ硬貨が市場から消えるのかわからないが、ブタの貯金箱や空き缶貯金、引出しの隅などに死蔵されるのではないか。
端数が日毎に価値を失っていく年二桁のインフレが終息して20年近く経つのだから、インフレ時代の記憶から硬貨が粗雑に扱われるということは最早ないとは思うのだ。

2011年9月24日

南の春分=北の秋分=9月分点=天秤宮開始点

分点 = equinox (en.) = equinócio (po.)
至点 = solstice (en.) = solstício (po.)

先日調べたブラジル・パラ州(Pará)の州都ベレン(Belém)の緯度は南緯1度27分だったが、実はブラジルの州都でもっと赤道に近い都市がある。
アマパまたはアマパー(Amapá)州の州都マカパまたはマカパー(Macapá)で、北緯0度2分、市域を赤道が横切っている。
赤道から名前が付けられた国エクアドル(Equador)の首都キト(Quito)の緯度は、南緯0度15分だから、マカパはキトより赤道に近い。

このような赤道直下では、春分・秋分は一年に2度起きる南中時の太陽が頭上真上を横切る日なのだが、理論上一番暑くなるわけだから春・秋と呼べるのだろうか。
しかも春分・夏至・秋分・冬至という言い方は北半球と南半球では反対になるのだが、どう区別するだろうか。

Wikipediaによると、春分点と秋分点はそれぞれvernal equinox, autumnal equinoxと呼ばれるのだが、南北半球の違いをなくす呼び方がMarch equinoxとSeptember equinox、太陽が天の赤道を横切りどちらの半球へ向かうかに注目した呼び方がnorthward equinoxとsouthward equinoxというように、さまざまな名称(いずれも英語)が付いている。

first point of Aries 白羊宮(おひつじ座)開始点とfirst point of Libra 天秤宮(てんびん座)開始点という名称は、占星術で使われるそうだ。
何か星間旅行を思わせるロマンを感じる。

ブラジル南東部標準時2011年9月23日午前6時4分(UTC同日午前9時4分)に太陽は9月分点を通過して、天秤宮へ入った。
春の始まりだ。

2011年9月23日

中国自動車メーカーとブラジル財務省と野党入り乱れ

最近テレビで韓国車・中国車のコマーシャルがよく見られるようになった。

ブラジルのこれまでの自動車のコマーシャルは、乗用車ならばブラジルらしからぬ清潔な街をイケメンがクルマで爽快に走っていたり、軽トラックならば農業国ブラジルらしく一面のサトウキビ畑の中を土煙を巻き上げながらやはりイケメン運転のピックアップが疾走していたり、かなりステレオタイプ映画シーン的なものが多かった。
トヨタ・ホンダ・三菱・日産など日本メーカーのコマーシャルもこの域を出ない。
フィアット、シトロエンなどラテン系メーカーのコマーシャルは、ユーモアが入って変わった味のものがある。

ここへ韓国・中国勢が入ってきたわけだ。
韓国メーカーはコマーシャルの量が多いだけでない。
目をひく明るくポップなコマーシャルは、従来の自動車のコマーシャルに慣れた目には新鮮に映り、バックに流れる音楽はk-popなのだろうか、耳にも軽快に訴える。

韓国メーカーの宣伝のすごさはそれだけではない。
ブラジルのテレビドラマは、ブラジル庶民の生活からかなりかけ離れた富裕階級が舞台になることが多い。
手入れが行き届き緑まぶしい芝の中に広いプールのある庭園、建築意匠を凝らした大邸宅、庶民の住宅の一軒分の広さがある部屋、量産店にはまず見られない、一つが数千レアルしそうな、広大な部屋でないと冴えないデザインの高級家具に囲まれ、登場人物が愛憎物語を繰り広げるのだ。

そんな家にはお抱え運転手の控え室の隣に、その何倍も広いガレージがあって、家族の人数以上の台数の自動車がある。
そういったテレビドラマのスポンサーになって、ドラマの中に韓国車を登場させる。
当然のようにガレージの中の車は全部Kia車だったりするわけだ。
登場人物はドラマの中で車を褒めたり自慢したりするのだ。
物語の筋と全く関係なく、スプリットシートの使い方を延々と説明してくれたこともあった。
なかなか白々しい強引なマーケティングである。

しかしここへ来て風向きが変わりそうなことが起こった。
財務省は2012年12月までの時限付きで、メルコスール([南米]南部共同市場 / Mercosul (po.) / Mercosur (es.))外から輸入する自動車にかかる工業製品税(IPI - Imposto Sobre Produtos Industrializados)の税率を30ポイント上げることを2011年9月15日に発表した。
メルコスール外といっても、ブラジルと独自の協定を持つメキシコからの輸入車は税率上昇から除外される。

目的は輸入車との競争から国内製造車を守ることだとMantega財務相は説明する。
輸入車の半分がこの措置の影響を受けて、25%から28%の価格上昇に直結する。

税率だが、これまで7%だった排気量1リットルまでの車は37%へ、1リットルから2リットルまでの車は11%から41%へ上がる。
乗用車・トラック全て30ポイントの上昇である。

しかし、ブラジル・アルゼンチンで製造された車は、ある条件のもとでIPIの上昇から免れる。
少なくとも65%の部品がメルコスール域内で製造されること、域内に技術的投資を行うことがその条件にあげられる。

こんな保護主義的な手段をとる根拠は、経済危機によって全世界の自動車産業が供給力過剰になって売り先を探しているため、ブラジルに流入する輸入車と国産車の競合が激しくなっていることだ。
ブラジルに世界から完成車の流入が増大して、ブラジルの雇用を外国へ輸出するようになるリスクを負っている、と財務相は説明する。

国内製造業保護については労働省も賛成している。
労働相によると、今年輸入が3倍に増加しているのに、国産車の在庫は増えている。

G20のためにワシントンにいる財務相は、「これは保護政策ではない、ブラジルへの技術投資の推進策だ、どの国の企業にも公平に開かれている。いかなる国に対してもブラジル進出への障壁を設けない。」と述べた。

先週のTVニュースでも指摘されていたが、このIPI上昇で一番影響を被るのは部品国産率が低かったり完成車輸入をしている韓国・中国メーカーと言われる。
以前は輸入車は高級車と決まっていたのだが、最近急速に売上を伸ばしているのは、お買い得感の多い韓国・中国車である。

中国も郷に入っては郷に従うのか、あるいは中国自体がそうなのか、どちらかわからないが、ブラジルの司法を早速動かしている。
さっそくChery(奇瑞)がエスピリト・サント州の連邦裁判所へ訴えて、輸入車のIPI上昇を12月15日までの90日間差し止める予審判決を得た。
新税あるいは増税は、公布から発効まで少なくとも90日経たなければならないルール(noventena)、というのが予審判決理由だ。

財務省検事総局(Procuradoria-Geral da Fazenda Nacional)は連邦裁判所へ、予審判決に対抗する訴訟を起こした。

野党DEM(民主党)は、9月22日に連邦最高裁へ、輸入車のIPI税率上昇は憲法違反との直接請求を起こした。
根拠は90日ルールであるが、DEM総裁José Agripino上院議員は、連邦政府の国内産業保護政策を批判し、競争が妨げられるために自動車価格が上昇して消費者が被害を被るという主張をしている。
立法権まで出てきて三権入り乱れ状態だが、韓国・中国勢の強力なロビー活動があると想像できる。

テレビでは韓国車のディーラーが、在庫のある限り9月30日までは値上げしませんとのコマーシャルを流している。
急に湧いたこの戦いから当分目が離せない。

2011年10月21日追加

2011年10月20日、連邦最高裁(Supremo Tribunal Federal)は、輸入車への工業製品税(IPI)税率増加を停止する判決を出した。
税率増加が有効になるのは2011年12月16日からになる。
最高裁は憲法に定める、いかなる税負担変更も立法後90日を経なければ徴収することができない原則を確認した。
(2011年10月20日 Globo Jornal Nacionalから)

2011年9月13日

ブラジル・アルゼンチンのスーパークラシック親善試合に抽選で2名様ご招待

(Fred Raposo, iG Brasília, e Pedro Taveira, iG São Paulo | 13/09/2011 11:47から)

インターネットを使う人 = internauta 天体(astro) → 宇宙飛行士(astronauta)のように作られた造語だろう。
Twitterを使う人 = tuiteiro Twitterをポルトガル語読みしたものに、-eiroをつけた新しい造語だろう。
初めて聞いた。
ブログを書く人 = blogueiro という語と同じく、パン(pão) → パン屋(padeiro)、手紙(carta) → 郵便配達人(carteiro)の類か。

ブラジル北部(つまり熱帯地方)にパラあるいはパラー(Pará)州がある。
パラ州の州都はアマゾン河口、ほぼ赤道直下(南緯1度27分)のベレン(BelémあるいはBelém do Pará)で、この28日にブラジル・アルゼンチン戦の黄金カードの親善試合が行われる予定だ。

最近ではブラジルの議員もTwitterを使うのだが、パラ州選出上院議員Flexa Ribeiro氏は「パラ州内のTwitterフォロワーに限って」親善試合の入場券2枚が当たるキャンペーンを始めた。

入場券2枚180レアルは議員歳費からでなく自分のポケットマネーから支払った、選挙目的は一切ないと、腹を探られた上院議員はiG(ポータルサイト)に返答した。
上院議員選挙は昨年終わっていて、次回は2014年だ。
2012年には地方総選挙(市長・市議会議員)選挙がある。

上院議員は言う。
「パラ州にワールドカップを呼べなかったのは冷や水だった。
この抽選は試合の宣伝だ。
インターネットユーザーが政治に興味を持ってもらうようにするのが目的だ。」
取材時点で上院議員は7,841人のフォロワーを持ち、56人がリツイートした。

さてこの親善試合であるが、CBF(Confederação Brasileira de Futebol)とAFA(Asociación del Fútbol Argentino)の合意によって2018年まで続けられる予定の"Superclássico das Américas"(po.), "Superclásico de las Américas"(es.)、アメリカ・スーパークラシック(現地風に読むならスペルクラシコ)と呼ばれるものだ。
AFA(Asociación del Fútbol Argentino)のサイトにあった画像なので、スペイン語表記になっている

アメリカが複数形になっているということは、北南中央全てのアメリカのスーパークラシックということで、米国野球が勝手にワールドシリーズと呼ぶのと同じノリであるが、ブラジルとアルゼンチンならば許してもらえるのだろうか。
ウルグアイやパラグアイが文句を言いそうな気もするのだが。
両国の選抜チームは、「ブラジルとアルゼンチンにあるクラブでプレーする選手で組まれる」とあるので、ヨーロッパにいる選手は呼ばれないのだが、ブラジルでプレーするアルゼンチン人はアルゼンチン選抜チームに入る。

2011年のアメリカ・スーパークラシックは、明日9月14日にアルゼンチンのコルドバ(Córdoba)で、その2週間後9月28日にベレンで行われる。
参考に、ベレンの試合の入場料はベンチ席(arquibancada)40レアルからイス席(cadeira)190レアルまで。
例の上院議員の抽選で当たるのは90レアルの席、最低の席の倍以上だが最高の座席の半額以下だ。

2011年9月10日

金髪二人のはずだったのに手ぶらで帰ってきた

最近毎日この楽しいテレビコマーシャルを見てきた。



今週末10日・11日の2日間にわたり、一人24本限定で、ペプシ(Pepsi)コーラを缶でもボトルでも1本買うと、もう1本ついてくる(つまり半額になる)キャンペーンだ。

まだ土曜日の昼過ぎなのにこんな記事が出た。
(以下Marina Gazzoni, iG São Paulo | 10/09/2011 13:58から)

主婦アンドレア・オツスジ(Otusuji 日系の人?)さんは、きょう土曜日朝早く近所のスーパーへ出かけた。
ペプシのもう一本キャンペーンを利用して、90歳になる祖母のパーティーで供する炭酸飲料を買うためだ。
8時にスーパーに着いたのだが、棚にペプシは一本もなかった。
「誰が悪いのかわからないが、腹が立ちました。」

iG(ポータルサイト)には、ポン・ジ・アスーカル(Pão de Açúcar), エクストラ(Extra), ソンダ(Sonda), カルフール(Carrefour), コープ・イ・サコロン(Coop e Sacolão)(いずれもスーパーマーケットのチェーン)でペプシを買えなかった消費者の声が届いている。

サンパウロ大都市圏のいくつかのスーパーでは客が騒いでいるとか、サルバドールのハイパー・ボン・プレッソ(Hiper Bom Preço)では抗議活動が起きているとか報告されている。

Pão de Açúcarチェーンでは一人4本に制限したのだが、それでもほとんどの店舗でペプシの在庫が空になってしまった。
Pão de Açúcar営業担当役員Wilson Barquilla氏によると、昨年9月全月売上分に相当する在庫を用意したうえに、さらにペプシの配給元アンベブ(AmBev)へトレーラー60台分を追加注文したのだが、受け取ったのは20台分だった。
「AmBevはプロモーションの力を軽く見過ぎていたのではないか。」Barquilla氏は言う。

Pão de Açúcarの各店では、客をなだめるために仕方なくライバル製品コカコーラ(Coca-cola)を半額で客に売ることにした。
「この勘定書は月曜日にAmBevに送り付けるつもりだ。」

小売店ではまだ土曜日なのに早速「ペプシ品切れです」の張り紙を掲げている。
Pão de Açúcarは月曜日新聞各紙に、「お客様には申し訳ないが、プロモーションはPão de AçúcarでなくPepsiが企画したものである」との声明文を載せる予定だという。

当記事締めの時刻までに、Pepsi配給元AmBev及びPão de Açúcar以外の小売チェーンの詳細なレポートは(iG編集部に)入っていない。

夕方になったら近所のスーパーでペプシを買おうかなあと思っていたが、どうやらだめみたいだ。
まあ、いつもコーラなんか飲まないからいいか。

アンベブ(AmBev)は世界最大シェア25%のビールメーカー、アンハイザー・ブッシュ・インベブ(Anheuser-Busch InBev)の子会社で、ラテンアメリカ最大のビールメーカー。
Pão de Açúcarグループはブラジル最大の小売店(スーパーマーケット)チェーン。

2011年9月5日

ブラジルの徴兵制度(その2)

ブラジルの徴兵制度(その1)

徴兵選抜で入隊が免除された場合でも、ひとつの儀式を受けなければならない。
国旗への宣誓(Juramento da Bandeira あるいは Juramento à Bandeira)という儀式だ。
ブラジル国旗の前で、ブラジル国家が危機に見舞われるときには命を賭して国を守ることを誓う。

フットボールチームSantos所属、セレソン(seleção=代表チーム)のネイマール(Neymar)君(19歳というから君づけで)に登場してもらおう。
2011年4月、サントスでの国旗への宣誓だ。
Divulgação/SantosFC

結構ラフな格好をしているが、国旗への宣誓の案内書には「バミューダパンツ・草履・肩の露出するシャツ・宣伝のついたシャツは禁止」と書いてあるだけだ。
普通の人も宣誓する格好は同じだ。
普通の人とネイマール君と違いがあるのは、彼は一人で宣誓していること、宣誓の後、職員に写真を取らせてと頼まれたことだ。
一般市民は広い場所で大勢で一つの国旗の前で宣誓するし、当然だが写真を取らせてとかサインしてくれとか言われることはない。

この儀式の終了後に防衛省(Ministério da Defesa)発行の入隊免除証明書(Certificado de Dispensa de Incorporação)を晴れて受け取る。
この証書の文面には、「招集時には直ちに応集すべし」と書かれている。
「x年x月x日、定員超過のため初期兵役を免除する」とも書かれている。
初期兵役とは18歳時の徴集兵役のことで、非常時に応集する義務は45歳になるまで続く。

2011年9月4日

殺人蛸、いや殺人凧にご用心

ブラジルで二輪車を使った職業といえば、モトボーイと言われる貨物輸送と、モトタクシーと呼ばれる乗客輸送があるのだが、貨物輸送と乗客輸送とをきっちり区別することになった。

新法は職業ライダーが21歳以上であること、免許取得から2年以上経っていること、専門講習受講と安全装具使用を義務付けた。
身につける安全装具は、風防またはゴーグルとヘルメット、反射テープ、安全チョッキで、オートバイにつける安全装具は、エンジン両側の転倒時脚保護プロテクター、凧(たこ)切りアンテナ、積荷を固定する装置から成っている。
(以上"Curso de especialização para motoentregadores começa a ser exigido"
Publicado em 02/08/2011 às 14:00 Por MGTV Panorama 2011年8月2日のTVニュースから)

凧切りアンテナ(antena corta-pipa)って何だ?

ブラジルの子供も凧揚げをする。
雨が降らず風が強くて学校が休みという三拍子揃った凧揚げの季節は7月だ。
ブラジルでも凧揚げなどする子供は無邪気でよろしい、なんてのどかなことは言っていられない。

セロル(cerol)というものがある。
ガラスを細かく砕き接着剤に混ぜたもので、凧糸に塗りつける。
そうすれば、他人の凧の糸と絡まったときに、相手の糸を切って自分の糸は助かるという凧(の持ち主)の身勝手な攻撃兵器なのだ。

凧同士で争っている限り大人は誰も文句は言わないだろうが、セロルは人命に関わる危険なものだ。
高速で走っているライダーの首にセロル付き糸が引っかかると、命を失う重大なけがにつながる。

禁止されているのだが、全ての子供が良い子ではないし、警察は揚がっている凧をいちいちセロル付きかどうか調べて回るわけにも行かない。
そこでライダーの自衛手段が凧切りアンテナなのだ。

どんな物かは一目瞭然。
Foto: carrovip.com

糸はアンテナに沿って上方へ滑り、鍵形の部分で切断されるか、ライダーの頭部上方に逃げてやり過ごすという仕組みである。
Foto: carrofacil.org

2011年8月28日

リオデジャネイロ路面電車事故

ブラジルで鉄道事故があった。
2011年7月の中国の高速鉄道事故より規模も反響もずっと小さいのだが、路面電車も鉄道だろう。

事故があったのはリオデジャネイロ市のセントロ(Centro = 都心)地区とサンタテレーザ(Santa Teresa)地区を結ぶ路面電車だ。
2011年8月27日土曜日午後4時頃、高台のサンタテレーザからセントロへ下っていた定員超過の路面電車は、カーブを曲がりきれず脱線して、コントロールを失った車両は20メートルほど先で横転して電柱に衝突した。

定員超過というのは、一両編成の路面電車の定員座席32名、立席12名合計44名であるところ、運転士を含む5名が死亡、けが人57名合計62名の死傷者を数えたからだ。
ステップに立ち車体にしがみつく乗客は当然定員に入っていない。

Foto: Divulgação/Riotur

死亡した運転士(路面電車の場合motorneiroと呼ばれる―初めて知った)は、思い切って飛ばすほかの運転士と違って、時に遅れるくらいゆっくり運転する慎重な運転士だったと、職場仲間もサンタテレーザの住民も証言した。

リオデジャネイロ市交通局は原因解明に努め、解明されるまでは電車の運行を停止すると発表した。

リオの路面電車は現在この一路線しか残っていなかったと思う。
サンタテレーザ地区は観光客も訪れるので、この路面電車は地元住民の足であると共に、ブラジル内外の観光客も多く利用する。

2ヶ月前の2011年6月にはこの路線がセントロの元水道橋(Arcos da Lapa)上を走行する区間で、ステップに乗っていた24歳フランス人男性観光客が水道橋の15メートル下の道路に転落して死亡する事故があったばかりだ。
水道橋に保護網はあったのだが、隙間から下の道路へ落下した。
カメラその他の持ち物は皆盗まれたと警察は発表した。
瀕死の観光客から盗むとはひどいが、ありそうな話だ。

この時のリオデジャネイロ州交通局の発表では、水道橋走行中は事故防止のため時速5kmに減速している、保護網については補修予定ということだった。

ワールドカップやオリンピックを控えるリオデジャネイロだが、この2つの事故の教訓により路面電車のぶら下がり厳禁は実行されるだろうか。
実行されても取り締まりに手が回らないかもしれない。

教訓:想像以上に揺れる電車に慣れていない訪問客は気をつけるように、ステップでぶら下がりは個人責任で、スリや強盗にも注意。

2011年10月7日追加
犯罪研究所(Instituto de Criminalística Carlos Eboli)の鑑識書によると、事故原因はブレーキの整備不良で、非常ブレーキも作動しなかった。
ブレーキ以外にも保守不足が多数指摘された。
事故後のテレビ報道ではネジ止めすべき場所を針金(!)で止めてあった部品のクローズアップが流れたりしたが、それが証明された。
事故の被害者は死者6名、けが人56名と、死者が1人増えた。

2012年5月14日追加
5月8日報道によると、リオデジャネイロ検察は路面電車運行会社の保守部門5人を起訴した。

2015年7月28日追加
http://odia.ig.com.br/noticia/rio-de-janeiro/2015-07-26/apos-quatro-anos-bonde-de-santa-teresa-volta-a-circular.html
によると、Largo da Carioca から Largo do Curvelo まで、かっての全長10キロメートルの内900 mのみ、月曜日から土曜日の11時より16時まで無料で運行されることになった。
沿線住民の利便より、観光客のためだと地元住民はインタビューに答えた。
2014年のワールドカップに間に合うはずだったのが、2014年後半、2015年3月、2015年7月と延期されて、ようやく7月初めから試運転が行われていた。

テレビのニュースでは再開運転区間を1.4キロと言っていた。
せっかくなので地図を見て距離を測ってみた。
ターミナルの端から端まで測ったら1.5キロメートルあった。

2011年8月27日

パッションフルーツと体内時計

パッションフルーツ = Maracujá (po.)
マラクジャあるいはマラクジャーとは、ブラジルのインディオの言語の一つツピー語で「供される果物」あるいは「ひょうたんに入った食べ物」とかいう意味らしい。

ブラジルでは、この果物は生食用の甘い品種もあるが、よく見るのは酸っぱくてジュースにする果皮の黄色い品種だ。

[Two ripe yellow passion fruits, one of them opened to show the edible seeds. Picture taken by Fibonacci.]

果皮にしわができるまで果実を室温で放って追熟すると、酸味が減るという。
あまり長い期間放っておくと表皮はしわしわになり、腐ってしまう。
そこで適度に追熟してから半分に切り、果皮は利用せず、中に多数の種子を包むゼリー状の果肉を種子ごと、水と砂糖を加えてミキサーにかけて粉砕する。
種子はミキサーで粉々になるので、茶漉しで漉す。
以上がパッションフルーツジュースの作り方だ。

民間ではこの果物は鎮静作用(propriedades calmantes)があると信じられている。

そこでこのニュースを見た。

「パッションフルーツに『体内時計』遅らせる働き」
記事によると、パッションフルーツに含まれる物質ハルミンが、体内時計の周期を30時間に遅らせるとこがわかったという。
「古くから鎮静、睡眠導入効果があると言われていた」とも書かれている。
(2011年8月18日01時46分 読売新聞 YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110817-OYT1T00833.htmから)

さてここで素朴な疑問が出るのだ。
パッションフルーツを摂って2時間後に体内時計の周期を30時間に遅らせる効果が出てくると仮定しよう。

いつも午後11時に就寝、午前6時に起床する人が、今日は早く寝ようと睡眠導入効果を期待して午後8時にパッションフルーツジュースを飲んだら、午後10時になると体内時計の周期が30時間に延長されるのだから、朝の5時まで目が冴えて反対に眠れなくなるのではないのだろうか。

ブラジルではパッションフルーツジュースはよく飲まれるが、飲んで眠れなくなったという話は聞いたことがない。

サンタンデール温泉銀行



以前ABNアムロ・レアル銀行(Banco Real ABN Amro)の支店だった店舗がサンタンデール銀行(Banco Santander)に衣替えしたのは2010年11月だったが、近所のショッピングセンター内のレアル銀行ATMコーナーの切り替えはさらに時間がかかり、今年6月頃になった。
メモを見るとブラジルでサンタンデール銀行とレアル銀行の合併が承認されたのは2007年だったから、4年かかって統合作業が行われたてきたわけだ。

レアル銀行に口座を持っていたのだが、サンタンデール銀行の支店・口座番号に替わったのは2011年2月だった。
相当長い期間、レアル銀行の店舗・ATMでもサンタンデール銀行の店舗・ATMでも、同じレアル銀行カードで取引ができたし、カードも小切手帳もいまだにレアル銀行のものが通用している。
口座番号は古いものが印刷されているのだが、銀行内部で新番号への読み替え処理が行われているようだ。

存在しない銀行名・支店口座番号の印刷されたカードと小切手帳の中にしか、レアル銀行の名前とロゴは見られなくなってしまった。

サンタンデール銀行のロゴであるが、何かに似ていると思ったら、これだった。
温泉記号、温泉マークだ。

2011年8月21日

ブラジルの徴兵制度(その1)

徴兵制度 = Conscription (en.) = Conscrição (po.)
南アメリカでは、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル、ボリビア、パラグアイが徴兵制度を維持している。

ブラジル国籍を持つ息子が徴兵検査に行ってきた。

今日はブラジルの徴兵制について調べてみた。
18歳になる男性ブラジル市民には12ヶ月間の兵役義務がある。
しかし大半はexcesso de contingência(定員超過)のため、兵役を免除される。

以下Wikipediaに載っていた1964年の法律4.375号からの抜粋だ。

5条 ブラジルの兵役義務は平和時には、市民が18歳になる年の1月1日に始まり、45歳になる年の12月31日まで継続する。

74条 いかなるブラジル市民も19歳になる年の1月1日から45歳になる年の12月31日までの期間、兵役義務の遅滞のない証明なしに次の行為を行うことはできない:
  • a) パスポートを取得・延長すること
  • b) 連邦・州・直轄区・市政府の許認可により規定される団体・企業・協会などに職員・従業員・協会員として入ること
  • c) 連邦・州・直轄区・市政府との契約に署名すること
  • d) いかなる形態の学校の入学試験を受けたり入学手続きをすること
  • e) 企業・職業のいかなる形での職務・許可のための職業証明・登録をすること
  • f) 公職につくための採用試験を受けること
  • g) 種類・支払の形態を問わず、いかなる名称での公職につくこと
  • h) 連邦・州・直轄区・市政府から恩典を受け取ること
75条 兵役義務の遅滞がないことは次によって証明される。
  • a) 期限付きの登録証明書 Certificado de Alistamento, nos limites da sua validade
  • b) 予備役証明書 Certificado de Reservista
  • c) 免役証明書 Certificado de Isenção
  • d) 入隊免除証明書 Certificado de Dispensa de Incorporação
5条は「兵役義務」が継続する期間であって、もちろん兵役期間ではない。
帰化したブラジル市民にも適用されるので、例えば30歳で帰化したら兵役登録をしなければならない。

74条を見ると、兵役を忌避すると学校にも行けず、公務員にはなれず、国外旅行へも出られないことになる。
e)項がわかりにくいが、ブラジルには職域団体へ登録しなければ、書類へサインすることができない職業が結構ある。
例えば、医師の処方箋には署名と共に必ずCRM(Conselho Regional de Medicina)登録番号が書かれている。
工学技師・建築士・農学技師関係にはCREA(Conselho Regional de Engenharia, Arquiteto e Agronomia)、化学技師にはCRQ(Conselho Regional de Quimica)、薬剤師にはCRF(Conselho Regional de Farmácia)があるという具合で、登録がなければその職業人として書類にサインできないので、兵役を忌避するとせっかく学んで取得した資格を使って仕事に就けないことになる。

実際には次の流れになる。

まずブラジル市民の男子は、18歳になる年の1月から4月にかけて徴兵名簿への登録(alistamento)を行う。
登録証明書には、兵役希望欄があって、はい・いいえのどちらかに印が付いている。
8月頃に徴兵検査に呼ばれる。
選抜に残ると再度呼ばれるらしい。
選抜が終わるのが翌年1月ころ、入隊は更に1年後になる。
兵役期間は12ヶ月である。
なお良心的兵役拒否のためのボランティアなど代替役務の制度はブラジルにはない。

以下見つけたサイトから抜粋した。
選抜の基準は、
  • 肉体運動に支障のある健康上の問題がないこと
  • 身長はブラジル人平均の1,72mより上回っていること
  • 家族を養う義務のないこと
  • 同性愛者でないこと
  • 薬物使用者でないこと
もしあなたが兵役を希望なら、
  • 面接でははっきり兵役希望を表明する
  • 体を鍛えておく
  • タトゥーやピーシングをしない
  • 高等学校を卒業しておく
もしあなたが兵役を希望しないなら、
  • 慎ましい態度で、勉学を続けるか家族を養う必要があるので兵役を希望しないと言う
  • 母親の自筆で家族を養うために働いてもらう必要がある旨の手紙を書いてもらう
  • 労働手帳や雇用主による証明書など勤労している証明書を提示する
  • 面接で尊大な態度に出るな、議論はするな、問題を起こすな
  • 相当するのならば例えば腰痛、糖尿、心臓疾患、ひどい近視乱視などの医師自筆の診断書を持っていく
  • 運動検査ではずるに見えない程度に力を抜き、すぐに疲れたふりをせよ
  • 心理テストでも手を抜け、問題をよく読まずに適当に答えろ
  • 恥も外聞もなくとにかく兵役から逃れたいのなら服装と態度でホモセクシャルのふりをする
(http://dicasdoconsumidor.blogspot.com/2011/07/alistamento-militar-2011-2012-dicas.htmlから)

息子の検査結果だが、視力検査でよく見えなかったのと言ったので視力によるものか、大学在学中であることからか、一人っ子であるからか、単に名簿登録人数より入隊定員が少ないからなのかわからないが、選抜初回参加後免除された。
登録証明書には定員超過(excesso de contingência)とスタンプが押されている。
あとは国旗の誓(Juramendo da Bandeira)に参加して忠誠を誓い、75条d)の入隊免除証明書を受け取って、無事に兵役義務の終了となる。

ほとんどの若者は兵役を希望しないが、徴兵定員は徴兵名簿登録者の5%に満たないので、兵役希望者であっても採用されない可能性があると言われている。

ブラジルの徴兵制度(その2)

2011年8月14日

ブラジル法学生の無銭飲食日

Dia da Pendura「無銭飲食の日」というのがブラジルにあるのだ。
8月11日は弁護士の日、そして弁護士週間の始まりだ。

19世紀、1900年以前からあった習慣と言われる。
その頃の弁護士への尊敬は、現在とは比べものにならない大きなものだったのだろう。
レストランの主人は、この日には喜んで法学生の飲食の勘定を持ったという。

法学生の数は圧倒的に増加した。
ブラジルほど法学部の多い国はない。
すごいデータがある。
CNJ (Conselho Nacional de Justiça)全国法曹審議会による昨年のデータでは、1,240の法学部があるという。
ブラジル以外の国全てを足しても1,100だというのにである。

おおらかな太っ腹レストラン主は少なくなった。
それでも法学生の食い逃げの習慣は廃れていないという。
だからひどいケースでは通報され逮捕される学生もいるようだ。

ある弁護士は語っている。
「遊びの範囲に収めておくのなら許されるが、限界を超えたらその結果を甘んじて受けねばならない、私らの頃は前もってレストランと打ち合わせておいたものだった。」

この習慣に反対する弁護士も多い。
「社会経済の習わしが変化した現在、無銭飲食の習慣自体許されるものでないのに、法学生でない者にまで乱用されている。
そもそも法秩序を尊ぶべき職業のものが他人に損害を与える乱痴気騒ぎに手を染めるべきではない。」
まともな意見だ。

「普段行ったこともないレストランに押しかけ、高価な皿ばかり注文する輩がいる。
いつも通って常連になっている場所で、主人が心から喜んでもてなしてくれるというのが、良き習慣として伝統的に許されるものだ。」
納得。

最終学年の法学生は言う。
「悪乗りでなく、節度と交渉ありだ。
飲食全てただにしてもらうのでなくレストラン側と交渉したうえで、割引とかデザート無料とかを得ている。」
これくらいなら応じてくれるレストランも多そうだ。

「学生によっては「無銭飲食」は、食べて飲んで歌って騒いで全く勘定を払わない行為を意味するが、食べ物だけは無料にしてもらっても飲み物とウエイターへのチップは支払う者もいるのだ。
伝統と言われようが悪乗りと言われようが、とにかく「無銭飲食の日」は法学生にとって大きな行事である。」

法学以外の他の学生にこういった日はあるのだろうか、これからニュースに注意してみよう。

(Marina Diana によるig.com.brの2つの記事
"Dia da Pendura": tradição ou oportunismo?
Advogados criticam desvalorização da profissão
から)

2011年8月12日

ブラジルの空母

「中国初の空母航行、米が保有意図の説明求める」YOMIURI ONLINE(2011年8月11日20時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110811-OYT1T00457.htm?from=y10
相変わらず中国はお騒がせのようである。
いずれの理由にせよ、空母保有という行動は世界の注目を集める。

「中国、インドがすすめる空母保有 金食い虫を維持できるか」
MoneyZine
http://moneyzine.jp/article/detail/197338

空母は日本になくてブラジルにあるものの一つだ。

世界の空母保有国は、アメリカ(11)、ロシア(1)、フランス(1)、タイ(1)、イギリス(2)、イタリア(2)、スペイン(2)、インド(1)、ブラジル(1)の9カ国(数字はWikipediaによる各国の保有隻数)。
ここに中国(1)が加わったわけだ。
保有数はアメリカの10隻以上を除き、各国1ないしは2隻。
アジアではインドとタイが各1隻だ。
それと新しく中国。
中国とインドが空母保有・増加に向け驀進中。
上2番目のリンク記事によると、空母は大変な金喰い虫らしい。

アメリカ(11)-我が国が持たずして誰が持つ
ロシア(1)-不凍港は少ないがアメリカが持つならうちも一つくらい
フランス(1)-イギリスが持つならうちも
タイ(1)-陸続きのカンボジアと国境紛争があるようだが、空母なんか要るのか?
イギリス(2)-英連邦の盟主だし、海洋国家だし
イタリア(2)-対岸は不穏だし、地中海なら任せろ
スペイン(2)-無敵艦隊再び?
インド(1)-中国とかパキスタンがうるさいし、インド洋なら任せろ
ブラジル(1)-?

タイとブラジルが入っているのに違和感がある。
この二つの国は空母保有の動機が薄いと思われるからだ。

ブラジルの空母は、確かフランスの中古を購入したものだった。
1960年建造フランスの空母を2000年にブラジル海軍が購入した、とある。
艦名はNAe São Paulo、NAeはNavio Aeródromoの略で、サンパウロ州及びサンパウロ市から名付けられたが、聖人の名を戦争の道具につけるのはどうかと思う。
十字軍ではあるまいし。

南アメリカ大陸の東側を占めるブラジルは10ヶ国と接している。
陸続きの国境地帯は、コロンビアのFARCなど他国のゲリラの侵入や麻薬取引や密輸問題を抱えるが、対策に空母は使えない。
リオデジャネイロなど大都市スラムに巣食う密輸取引組織掃討にも、空母は使えない。
海岸部の災害救助にも、空母は大きすぎるだろう。
ブラジルの空母は、訓練以外にどんな事態が起きたら使うことになるのか、想像できない。
訓練のみに使われるのなら平和である証拠だ。
空母を派遣するような紛争は、あってほしくないものだ。

2011年8月11日

日本並みに安くなるか?インターネット接続(その2)

日本並みに安くなるか?インターネット接続(その1)

連邦政府のブロードバンド普及計画で、1Mbpsを35レアルで提供する計画である。
速度と価格を比較すると現在の倍以上のパフォーマンスとなるはずなのだ。

何か裏があるのかと疑っていたのだが、やはりあった。
ダウンロード容量に上限が設けられるらしいのだ。
ケーブルあるいはADSL接続の場合、上限は一ヶ月300MBだ。
CD半分に満たない。
大きなファイルをダウンロードする時、一秒0.1MBとすると、300/0.1=3000秒、つまり50分で上限に達してしまう。

携帯やモデムでの3G接続の場合は、上限はさらに少なく、150MBとなる。
上限に達したときにどうなるかは、現在のところ明らかになってない。

ベストエフォートについても、最初に聞いた話と違う。
接続業者はサービス開始当初は、多数の人が接続するピーク時間には名目速度の30%、接続者が少ない時間には50%を保証すれば良いことになっている。
一年後の目標は、ピーク時間は50%、非ピーク時間は70%へ上げることになっている。

なお、35レアルという値段は、流通サービス税を減税する州においては29.80レアルに下がるので、一日1レアルを切ることになる。

(http://www.pcsaudavel.com/2011/07/02/limite-de-download-para-banda-larga-popular-de-35-reais/から)

2011年8月6日

ブラジル新中流のささやかな夢が経済を潤す

世論調査会社Data Popularが世帯所得月2,300レアルの新中流層18,000人を対象にした調査だ。

  1. 12ヶ月内に携帯電話を取り替える
  2. ノートパソコンを購入する
  3. 家の改造をする
  4. 飛行機で旅行する
  5. 自動車を購入する

それぞれいくら掛かるか、ざっとみた夢の値段は次のようになろうか。

  1. 500レアル
  2. 1,000レアル
  3. 10,000レアル(小規模な改装)
  4. 700レアル(ツアーパック一人)
  5. 30,000レアル(新車)

調査によるとこの人達は将来に楽観的で、80%は人生がこれから良くなると信じている。
北、つまり熱帯へ行くほど楽観的な人が多く、北東部89%、北部88%だった。
南、つまり一番寒い地方では楽観的な人の割合が低く、南部で75%だった。

80%の楽観的な人に将来計画を尋ねた。

  1. 12ヶ月内に何かの学校や講習で学ぶ
  2. 起業する
  3. 公務員試験を受ける

公務員試験が入っているのが興味深い。
試験に合格して採用された公務員(concursado)は、comissionadoという政治任命による公務員と異なり、犯罪などよほどの事由がなければ解雇されることはない、職種によるが給料が良い、年齢性別など制限が少ないといった要因からだろう。

この数年で所得が増えて経済的に生活が改善した新中間層が楽観的になるのは当然と、調査コーディネーターは述べた。
クレジット地獄などにはまらないで、地道に消費してもらえれば、これからもブラジル内需拡大の大きな力になるだろう。

(Globo Jornal Nacional 05/08/2011 21h10の記事をもとにした)

2011年8月2日

ベネズエラのHugo Chávezとキューバとブラジル

昨日ニュースをみていたら、ベネズエラのウーゴ・チャベス大統領が頭を剃った姿でテレビに出ていた。
キューバで化学療法を受けてから、ベネズエラへ帰国して間もない。
インタビューで次の大統領選挙に出馬して、あと20年政権を担いたいと言ったそうな。

気になったことをふたつほど。

その1
ブラジルでは大統領が外遊で国を空ける場合、副大統領が臨時大統領になる。
副大統領も国にいない場合には、下院議長が臨時大統領になる、という具合に、必ず大統領職が、国内にいる三権の長である誰かに受け継がれるようになっている。
ベネズエラのチャベス大統領の場合には、自身がキューバでがん治療を受けている間、誰にも大統領職を預けず、ハバナからもベネズエラ大統領の執務はできると言っていた。
同じ南アメリカの大統領制の国であっても制度が異なるようだ。
それともチャベス大統領自体が憲法なのだろうか。
日本の菅首相など足元にも及ばない権力への固執だ。

その2
チャベス大統領がハバナでがん手術を受けてから最初にベネズエラ帰国をした時に、テレビで何気なくさらっと流れたニュースである。
チャベス大統領がブラジルでがん治療したいのだが受け入れてもらえるか、ブラジル外務省へ打診があったという。
ブラジル外務省はコメントしなかった。
その後、チャベス大統領は化学療法のために再びキューバへ渡った。
そして今現在ベネズエラに戻っている。

2011年1月1日に就任したDilma Rousseffブラジル大統領は、同じ労働者党の同士で強力な後見人の立場にあった前任のLula前大統領と比べて、チャベス大統領とは距離を置いているようだ。
Lula大統領時代だったら、チャベス大統領はサンパウロで治療を受けていただろうか。

付け加えておくと、ブラジルは南アメリカの医療の中心といってよく、昨年はFernando Lugoパラグアイ大統領もサンパウロでがんの治療を受けている。

2011年7月31日

ブラジルに新幹線はいらない?(その2)

ブラジルに新幹線はいらない?(その1)

日本のニュースをみるのに、あらたにすを使うのだが、日経と朝日で全く反対の記事があった。

ひとつは
「中国「新幹線」空席8~9割 急速に鉄道離れ
収入減、今後の整備計画に影響も」(2011/7/29 23:09 日本経済新聞Web)、
一方、
「中国高速鉄道、ほぼ満席 絶えぬ「速さ」求める人たち」(2011年7月30日22時8分 asahi.com)
ということである。

どちらが真実に近いのかはわからないが、取材した日時や調査対象の路線が異なっていたら、全く反対の結果が出るのかもしれない。

さて、ブラジルと中国の高速鉄道運賃の比較をしてみよう。

asahi.comによると、「温州永嘉駅-上海まで1等席が219元(1元は約12円)で、正規運賃だと千元を超える飛行機より大幅に安く、長距離バスと大差ない」。
そこでGoogle Earthを使い、両都市間の距離を求めてみた。
車で移動した場合の走行距離であるが、鉄道でも大差がないと仮定しよう。

温州永嘉-上海の距離は439km、運賃は219元、1元は約12円だから、2,628円である。
リオデジャネイロ-サンパウロの距離は442km、ブラジル政府が要求する最高運賃は200レアル、1ドル=77円=1.57レアルで計算すると、9,809円となる。

ブラジルは中国の3.7倍も高いではないか。
ブラジル政府の設定するリオデジャネイロ-サンパウロ高速鉄道運賃の上限200レアルは、ブラジル国内では高すぎるという声が多い。

リオデジャネイロ-サンパウロのバス運賃を調べてみた。
座席の大きさで異なるが68から114レアル、新幹線の三分の一から半分くらいに当たる。

中国の鉄道運賃は異常に安すぎる。
しかしブラジルでは同じ距離を走らせて3.7倍も収入が上がるのに、中国は応札しなかった。
よほどブラジル側の要件が法外なのだろう。

さらに気になるのは次の記事だ。
"The price of high-speed ambitions" (BBC 28 July 2011 Last updated at 11:41 GMT)

この記事によると、今回の事故で中国は米国への高速鉄道展開のチャンスをゼロにしてしまった。
それだけでなく、マレーシア、ベネズエラ、サウジアラビアは、中国の高速鉄道をコピーしたいが、計画は中断した。
とあるのだが、ブラジルはどこへ行った?
先日のブラジルの高速鉄道入札不調により、計画自体が消滅したのかと思ってしまうような記事だ。

ブラジルでの中国の高速鉄道事故の報道は極めて少なく、事故当初にテレビで流れたが、事故後の車両を埋めたり掘り返したりとか、遺族の補償とか報道管制とかの動きは表に出ていない。
経済紙には出ているのかもしれないが確認していないのでわからない。

高速鉄道建設に国民の興味があったなら、建設運営体になる可能性のある中国での事故に報道は無関心ではいられないと思うのだが、冷めている。
中国の高速鉄道事故の報道量は、
日本(朝日・日経・毎日サイト) >> BBCやReutersサイト >> ブラジルのTVやサイト
の順に少なくなる。

日本では全く出ていないニュースだと思うが、今ブラジル連邦政府の運輸省(Ministério dos Transportes)は汚職で揺れている。
入札不正で連邦政府資金が横流しされているとTribunal de Contas da União(会計検査院)から指摘されて、政府高官20名が罷免されている。
足元に火がついて新幹線入札どころではないのではないか。

当初は2014年ワールドカップまでに開通させると言っていた気がするが、このまま応札者なしだから仕方ないという形でうやむやに消えて行くような気がしてならない。

2013年8月12日追加

Leilão do trem-bala é adiado em um ano
Ministro dos Transportes e diretor-presidente da EPL anunciaram uma nova mudança na data para a concessão dos interessados na construção do trem de alta velocidade
iG São Paulo | 12/08/2013 13:21:23 - Atualizada às 12/08/2013 16:43:14
という記事が出た。

運輸相が高速鉄道入札の1年延期を発表した。
入札期限は2013年8月16日金曜日であるが、応札が1社に終わりそうだというのだ。
記事の中には「Japão, Alemanha, França e Coreia do Sul、つまり日本、ドイツ、フランス、韓国を含む、少なくとも7ヶ国の企業が興味を示した。」とあるのだが、その気配がみられない。

ブラジル政府は、そのうち安くなるだろうからと、永遠に延期を繰り返すつもりだろうか。
投げやり感満々である。

2011年7月29日

北は暗いから脳が大きくなった

http://www.reuters.com/article/2011/07/27/us-brains-north-idUSTRE76Q1HD20110727
という記事だ。
世界各地の原住民の頭蓋骨の比較研究をしたところ、高緯度地方に住む人ほど、脳と眼球が有意に大きいことがわかった。

誰もが知りたがるだろうが、研究者は脳が大きいから頭が良いとは言っていない。
高緯度地方は曇りがちで日光も弱いので、生きるためには暗い環境で物を見る視力、つまり大きな眼球と信号処理をする脳が必要だという。

こういった話が出ると、ヨーロッパのような寒い地方に住む人間は生活のための知恵が必要だから文明が発達したのだ、熱帯地方では頭を使わなくても生きていけるから遅れたままなのだ、などという人が出てきて、だからブラジル人は……、とお決まりの文句になりがちだ。

研究対象になったグループはイングランド、オーストラリア、カナリー諸島、中国、フランス、インド、ケニア、ミクロネシア、スカンジナビア、ソマリア、ウガンダ、米国の原住民で、1800年代からの頭蓋骨が調査された。
一番脳と眼球の大きいグループはスカンジナビアで、一番小さかったのはミクロネシアだった。

現代人で比較実験したら、スカンジナビア人はミクロネシア人より夜目が効くはずであるが、そういう研究はないのだろうか。

2011年7月27日

デング熱対策に一日22杯の水

今日はブラジルに旅行で来る人にも役立つ情報だ。

ブラジルの大部分の州には、熱帯病であるデング熱がある。
Dengueと書かれ、デンギと発音される。

病原体はウィルスで、ウィルス病の常として特効薬がない。
さらに悪いことに、ワクチンもない。

媒介するのはデング蚊(mosquito da dengue 学名はAedes (Stegomyia) aegypti-"エジプトの憎き奴"という意味なんだそうだ)外見は薮蚊の一種だ。
予防は蚊に刺されるのを防ぐこと、そのためにボウフラのわく水たまりを撲滅するために市役所の見回り人が各家を訪問して排水口、冷蔵庫の霜解け水蒸発皿、植木鉢の受け皿、裏庭に転がっている空き瓶や古タイヤの水たまりなどを丹念に点検する。

潜伏期は約7日、症状は頭痛、眼球の奥の痛み、高熱から始まる。
熱は3、4日で治まるが、その時期が要注意だ。
嘔吐、腹痛、失神などを症状とする重症の出血性デング熱に進行すると、血管から出血が起き、肝臓・脾臓・肺・骨髄・脳・心臓に及び、生命に関わる。

さて今日のニュースだが、上に書いた症状があってデング熱にかかったかなと思ったら、水を多量に飲むのが良いそうだ。
どのくらい多量かというと、体重1kg1日当たり60から80ml、体重70kgの人なら1日に最低4.2リットル、180mlコップだったら22杯だ。
水に限らず、お茶でもジュースでも良いからとにかくたくさん水分を取ることが大事だ。
発症してから最初の24時間に十分な水分を補給すると、症状を軽くして、出血性に達し難くするという。

この日のニュースでは触れなかったが、デング熱の場合、アスピリンを服用してはいけない。
デング熱には、水分大量摂取、アスピリンは禁物、ぜひ覚えておこう。

(2011年7月26日Globo Jornal Hojeより)

2011年7月22日

外国の医学部で金をかけずに医師になる

ブラジルの公立大学は授業料が無料である。
連邦立・州立・市立全部が無料かは確認できないが、少なくとも連邦立大学は無料だ。
だから特に医学部などは狭き門である。
普通に倍率100倍を超す。
しかしこの高倍率の理由は、もしかしたら受かるかもという楽観的受験者が多いというブラジル事情があるのだが。

難関の公立大学に入れないが、さりとて私立は授業料が高すぎるという向きには、留学という方法がある。
留学が安くつく?

アルゼンチンの103の大学の85%は公立で、大部分は首都ブエノスアイレスにある。
入学試験はなく、全員が入学できる。
全国150万人の大学生のうち、少なくとも2万5千人は外国人だ。
グラフィックデザインを例にとると、UBA(ブエノスアイレス大学)で学ぶ場合に授業料はゼロ、一方サンパウロの私立大学の授業料は月額2500レアルにまで達する。
公立大学の授業料無料はブラジルもアルゼンチンも同じだが、入学試験の有る無しが違う。

あるブエノスアイレスの私立大学で医学を学ぶブラジル人は400人を数える。これから入学の新入生500人のうち30%はブラジル人だ。
食費・住居費・交通費は個人持ちだが、レアル高の為替がブラジル人の味方になる。
現在1レアルが2ペソ以上に相当する。
一番授業料の高い医学部で7年間学んでも合計14000レアルしかかからない。

入学は簡単で身分証明と高校課程終了証明を添えて申請するだけだ。
しかしどの学科にも必修の1年間の基礎課程の後、難しい進学試験がある。
ポルトガル語とスペイン語は非常に似ていると言われるが、ポルトニョールと呼ばれる国境付近で話されるような両言語まぜこぜでは学生はやっていけない。

ようやく卒業しても難関が待っている。
アルゼンチンの医学部卒業者がブラジルで医師として医療行為をするためには、ブラジルの学位有効化試験に通らなければならない。
アルゼンチンの法学部卒業者がブラジルで弁護士として働くためには、OAB(ブラジル弁護士会)の試験に合格しなければならない。
OABの試験はブラジルの法学部卒業者にも課せられるため、スペイン語でアルゼンチンの法律を学んでから、ブラジルの法律を学び直して試験を受けるメリットはないように思える。
(以上2011年7月20日 Globo Jornal Hojeの記事をもとにした)

と、この報道があった日にインターネットで見たのは、医者になるためにロシアの大学に行くという話。
記事になったのはクルスク(Kursk)州立医科大学で学ぶ17歳のブラジル女子学生のケースだ。

Aliança Russaという団体が、ロシアの大学を代表してブラジル国内で試験を行う。
選考を通って11月にロシアへ渡った17名のうち、今ロシアに残っているのは7名という。
授業は英語で行われるが、ロシア語も欠かせないらしく、11月から1月まではロシア語の授業だったという。
諦めたブラジル人にとっては、寒さと言語が大きな障害となるようだ。

カロリーネは高校卒業時のブラジルの公立医学部受験に落ち、私立に行く金はなく、予備校に行く気もないので、ロシア留学というかなりまれな道を選んだ。
ロシアの大学は外国からの留学生を奨学金付きで受け入れていて、(彼女の場合?)学費は年間5900レアルになる。
これはブラジルの私立医学部の2ヶ月の授業料に当たる。
さらに4人部屋の寮費を含む生活費が月700レアルかかる。
この月額1200レアルの勘定は、ブラジルの私立医学部で学ぶ場合よりずっと安くなるわけだ。

外国の大学で学び取得した学位をブラジルで生かしたい人は、学位を承認し法的有効化する手続き、つまりアルゼンチンの例であげた試験に合格することが必要だ。
これはアルゼンチンもロシアも同じだ。

ブラジル国内25の公立大学が協力して昨年行われた医師学位有効化試験法制化の先行試験は、32ヶ国で学んだ628名が挑んだが、合格者はたった2名だった。
どうも卒業後に最大難関があるようだ。
時々摘発される偽医者は、外国の医師資格をブラジルで有効化できない人が偽って病院で働いているのではなかろうか。

(以上2011年7月20日 http://ultimosegundo.ig.com.br/educacao/por+curso+de+medicina+brasileiros+vao+a+russia/n1597091493486.html から)

2011年7月17日

家政婦のお手伝いさん

ブラジルで家政婦は"empregada doméstica"という。男性だったら"empregado doméstico"となるのだが、これは聞いたことがない。

家政婦の給料の上昇(2002年から2011年まで9年間で+43.5%)が一般勤労者の給料上昇(同期間で+25%)より高いため、家政婦が別の家政婦を雇うことが増えている。
ブラジルの人口上昇に家政婦の供給が追いつかないのと、最低給料の上昇率がインフレ率を上回るように設定する所得引き上げ政策が、家政婦給料の高騰を招いている。

ブラジルに家政婦は600万人いるのだが、そのうちの100万人は金を払って他の人に家事を手伝ってもらっているという。
10年前にはあまりみられなかった現象だ。

テレビのドラマはしばしば上流家庭が舞台になるから、家政婦さんはドラマでよく見るのだが、人件費高騰のため最近の実世界では、専属家政婦として契約するのでなく、一日単位で派遣してもらい、例えば週に2日来てもらうと、時間あたり給料は増えることがあっても月間に支払う額は少なくなる。
この形態はdiaristaジアリスタと呼ばれる。
月雇いだったらmensalistaメンサリスタだ。
昔の家政婦さんのように炊事洗濯掃除アイロンかけから子どもの世話まで全てやってもらうのでなく、独身者なら炊事は外食、洗濯は洗濯機で、掃除だけは人に頼むけれど、独り者だから週1回掃除してもらえば良い、という場合もある。

当然だが、545レアル稼いでいる家政婦が他の人を雇って545レアル払うわけはないのだ。
例えば週6日フルタイムの正規雇用(ブラジルで正規雇用とは労働手帳に記載するということ)で家政婦の仕事をしている人が、自分の家の掃除をしてもらうために週2日半日ずつ不正規雇用(口頭での労働契約)のお手伝いさんに来てもらう、というようなケースなのだろう。

2011年7月15日

コパ・アメリカ2011と南米四天王

昨年2010年の南アフリカワールドカップで、ベスト8に4ヶ国も入って「南米大会か」と言われたが準決勝に一つも進めなかったブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイの南米勢であったが、コパ・アメリカでも2試合目まで引き分けのみというスロースタートぶりだった。

ブラジル・アルゼンチン・ウルグアイはグループリーグ最終戦(第3戦)で一勝し、パラグアイは3戦引き分けだったが4チームは決勝トーナメントへ進んだ。
出場全12チームのうちの2つの招待国、メキシコとコスタリカはトーナメントへ進むことはできなかった。

コスタリカは当初招待されていた日本の代わりに出たのだが、日本が出ていたら面白かっただろう。
日本女子は決勝まで進んでいるが、男子もコパ・アメリカに出てトーナメントに進んだでいたら応援もさらに熱が入ったであろう。
震災とかJリーグの日程の都合とかあったようだが、無理しても出ておいたらよかったと思う。

さて、ドイツでの女子ワールドカップであるが、準々決勝で日本がドイツに勝った後、Globoスポーツニュースでは、大番狂わせで日本が優勝候補のドイツを破ってしまったからのブラジル・米国戦は事実上の決戦などと報道していた。
結果はPKでブラジルは敗退した。

女子決勝はブラジル南東時で7月17日15時45分、コパ・アメリカのブラジル・パラグアイ戦の15分前にキックオフとかぶっている。

2011年7月12日

レッドカードは消費者保護法違反?

リオ・デ・ジャネイロ市から北へ160キロ余り、ミナス・ジェライス州のジュイス・ジ・フォーラ(Juiz de Fora)は、人口約52万人の、州で4番目に大きな堂々たる中核都市である。
3万5千人収容のスタジアムがあり、Tupi Football Clubという1912年創立、2010年CBFランキング104位のクラブがある。
その市議会が物笑いの種になりそうな審議会を開いた。

ある市会議員が、フットボールの退場規定、つまりレッドカードに異議を唱えたのが審議会の発端だった。
観客がプロフットボールの試合を入場料を払って観戦するということは、両チームで22人のプレーヤーが行う試合を楽しむ権利があるということである。
よって、レッドカードでプレーヤーが退場して22人が21人になってしまったら、消費者(=観客)の正当な権利が損なわれる、というのが発案議員の言い分だ。

FIFAの資格を持つ?審判が呼ばれて意見を求められたが、彼は現行ルールを支持した。
市議会議長はテレビのインタビューで、ルール改正はFIFAによって行われるものであり、市議会は決定権はないけれど審議をするだけだ、審議を行うのは自由である、というようなことを言っていた。

もっと他にやることはあるんじゃないの?と言いたくなる記事であった。

(Globo MGTV 2011年7月12日より)

ブラジルに新幹線はいらない?(その1)

2011年7月11日ニュースで、再三期限延長されたブラジルのリオデジャネイロ-サンパウロ-カンピーナスを結ぶ約500キロメートルの高速鉄道入札が、入札者ゼロで不調に終わったと報道された。

ブラジル政府が入札者に求める要件が、総工費340億レアルの建設は全部入札者持ちで、営業は運賃の上限キャップありという、入札企業にとってリスクの大きすぎるものらしく、第1回目入札でただ一社応札した韓国企業体も今回は降りてしまった。
民間企業体は、ブラジル政府の工費計算は過小で、実際は550億レアルに達するとみている。
韓国や中国が応札しないというのは、実際に採算面で厳しいものなのだろう。

過去のメモを見たら、ほぼ1年前の2010年7月13日に入札開始の記事があった。
ブラジル政府の求める運行条件は、リオデジャネイロ-サンパウロ間を1時間半で結び、運賃は200レアルに抑えるというものだ。
当時インターネットでは、飛行機と比較して200レアルは高すぎるという意見が多くみられた。
現在も鉄道不在で飛行機と長距離バスにより行われている両大都市を結ぶ交通は、別に高速鉄道などなくても構わないという空気を醸し出している。

ブラジル政府も強気を引っ込め、今回まで建設運営一体で入札をしたのを止め、建設と運営を分離して新しい入札を行うことにしたらしい。
しかし、Globoの報道班は、新方式の入札について企業コンソーシアムの一つに質問したところ、投資額に見合う収益が見込めない点は以前と変わっていないという返答を得た。

(Globo Jornal Nacional 2011年7月11日及び
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959CE3E0E2E2978DE3E0E2E5E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2?n_cid=DSANY001
から)

ブラジルに新幹線はいらない?(その2)

2011年7月7日

公立小学校の9割が「さすまた」を常備

http://moneyzine.jp/article/detail/197503

U字型の金具に2~3メートルの柄がつき、距離を保ちながら相手をはさみ、動きを封じ込める道具「さすまた」。
こんなに普及しているのか。

**引用**
「新さすまた 御用1号(胴体捕捉用・2万6250円他)、御用2号(足捕捉用・2万円)/三和コンベア」。
スプリング鋼(バネ材)の使用で広がる開口部と、折り返し(抜け防止)加工が、不審者をはさみやすく、そしてがっちりと離さない。
さらに保管や持ち運びを考慮して、柄の部分は伸縮する。使用の際は、御用1号、2号の併用が効果的だという。
(略)
カラフルなさすまた「叉護杖(さごじょう・1万500円)/実川製作」。
**引用終わり**

「御用1号」、「御用2号」、「叉護杖」、商品名がそそる。

しかしこれ、普通の人に簡単に使えるものだろうか。
訓練が必要でないのか。
日本ではさすまた講習会などあるのだろうか。
私は時代劇捕物ファンでないので、扱えそうもない。

これはブラジルで使えるだろうか。
「御用1号」と「御用2号」を日本で買っても、飛行機に搭乗できるだろうか、米国に入国できるだろうか、ブラジルで通関できるだろうか。
"fork to hold invader"あるいは"garfo para imobilizar invasor"と言ったら分かってくれるだろうか。
不審者と見られて、反対にこちらが捕まってしまうかもしれない。

使う場面になったとき、「御用1号」で侵入者の胴体を押さえて、「御用2号」で足を押さえるのは良いが、ピストルを持った腕を押さえる「御用3号」がないと、かえって危なそうだ。
仮に、「御用1号」・「御用2号」・「御用3号」全部揃っていても、こちらが1人では一つしか使えない。
侵入者が2人いたらもう大変だ。

しかたがないので、わが家は、防犯システムと飼い犬とゴルフクラブからなる、現在の防犯体制を続けよう。

2011年7月6日

銀行手数料に注意

サンパウロのPROCON(消費者保護機関)が、銀行手数料の調査をした。
同機関の消費者向けアドバイスを書く。
  1. ATMからの現金引き出しは、30分以内に行った操作は全て一回と勘定する。
  2. 消費者の請求がないのに勝手にクレジットカードを送付することは禁止されている。でも送付されてきた場合、カードを使用せず銀行に連絡しキャンセルを依頼する。
  3. 銀行に口座を開く際に、同時にクレジットカードを作る義務はない。抱き合わせ販売は消費者保護法で禁止されている。
  4. クレジットカードの請求額は全額支払う。支払いの遅滞は罰金・利息・手数料などを徴収される。
  5. 銀行サービスの追加サービスパッケージの契約をする場合、既に銀行から無料で提供されているサービスを十分使用しているか確認する。
1.は初耳だ。だがこれは有益な情報だ。100レアル引出したいのだが、一部10レアル札で欲しい時に、まず90レアルおろし、次に10レアルおろす。これを2回とカウントされてしまうと、無料でATMから引き出しができる回数が1ヶ月4回という制限にすぐに引っかかってしまう。

2.と3.は禁止されているにもかかわらず今でも時々起こるようだ。銀行へ連絡する手間がかかり面倒だ。

4.は銀行の儲け口の一つだ。クレジットカードの請求書に、「分割払いしませんか」の勧誘が一緒に入っている。こういうのに騙されてはいけない。

5.は、中央銀行が基本サービスの内容を指定し、無料で提供するよう定めている。下に書いておく。

中央銀行が定める銀行の無料サービス群(一月当たり回数)

小切手発行数 10
窓口・ATM・代理店での引出し 4
窓口・ATM・代理店での最近30日の取引明細書 2
窓口・ATM・代理店での同銀行内の振替 2
最初のデビットカードの発行 無料
2枚目以降のデビットカードの発行 無料(紛失・盗難・破損など銀行に責任がない場合を除く)
インターネットによる照会 無料
小切手の決済 無料
前年に徴収された銀行手数料の使用明細 無料

2011年7月5日

あぶなくないフェジョアータ

インターネットラジオ・クラシックステーションOttavaで初めてこの曲を聞いた。
Heitor Valla-Lobos作の1分くらいの短いピアノ曲だ。

曲の名前が珍妙だ。
原題でも"Feijoada Sem Perigo"=「危険のないフェイジョアーダ」だ。
フェイジョアーダはうちで作ることもあるが、うちのフェイジョアーダは危なくないと思う。

「危ないフェイジョアーダ」はどんなものだろうか。
毒入りフェイジョアーダか。
薬物が入っているのか。
腐りかけていて食べると当たるのか。

曲を聞くと、夜更けの森林に迷い込んだような、幽玄な気持ちになる。
黒いんげん豆と豚の耳・足・肉・ソーセージなどを煮込んだ、見た目には真っ黒いしるこのような食べ物を初めて見た人は、こんな気分になるのだろうか。
「これ食べても大丈夫かしら?」

ヴィラ・ロボスはブラジル人だからフェイジョアーダを珍しがるはずはない。
ヴィラ・ロボスが外国人と一緒に食事をしたときに、怖気づく客を安心させるために「見た目は奇妙だが、危なくないよ、フェイジョアーダは」と言ったのだろうか。
そしてフェイジョアーダを初めて見た外国人の気持ちを曲にしたのだろうか。

謎だが、曲名の珍妙さではサティの足元にも及ばない。
ということで納得しておこう。

Telescópio = 出目金

テレビで地元の水族館を紹介していた。
telescópioと聞こえたので見たら、出目金だった。

telescópioとは望遠鏡のこと、葡日辞典を見てもこの訳は載っていない。
検索したら、"peixe telescópio", "kinguio telescópio", "olho de telescópio"とかいろいろな呼び方があるようだ。
なぜそう呼ぶかは説明するまでもない。

peixe = 魚
olho = 目
kinguio = 金魚(日本語からだろう)

2011年7月4日

日本並みに安くなるか?インターネット接続(その1)

インターネットは、仕事・娯楽だけでなく、ブラジル人の日常生活にも大きく関わっている。

例えば、個人の所得税申告は、昨年は紙のフォームに記入して提出できたのだが、今年4月の最新の申告は、インターネットあるいはフロッピーディスクのみしか受け付けないようになった。
また、多くの公立大学が入学試験に代用したり、政府の奨学金申請に必要な教育文化省の中等教育統一試験は、インターネットを通じてしか申請できない。

自宅にも職場にも友人宅にもインターネット接続がない人はどうするかというと、有料のLANハウス(ブラジル版インターネットカフェ)や、無料で使える公立学校のパソコンを使って、市民の基本的義務や権利を行使しているのだ。
テレビでも、「詳細はインターネットサイトで」というニュースが多くなっている。

連邦政府はインターネット接続を大衆家庭に普及拡大するプログラムを発表した。
政府案では接続料金は1Mbps月額R$35で、現行価格の約半分に当たる。
うちのインターネット接続は、ベストエフォート800kbps実効670kbpsに、R$79も払っているから、実現すれば半額以下になり大歓迎だ。

政府の目標は2014年までに70%の家庭にインターネットを普及することだ。
今日インターネット接続を所有する家庭は27%に留まっている。

接続会社は計画に適合したプランを準備するために90日の期限を要請した。
もう一つこのプログラムで重要なのは、現在ベストエフォートで良いというのでごまかされている通信速度を、実効速度で実現させることだ。
Agência Nacional de Telecomunicações(テレコミュニケーション管理庁)は今年10月末までに細則を決定するという。

政府は同時に、低所得家庭向けに月額R$10以下で、90分の通話が追加料金無しでできる固定電話プランを導入したいという。

これが実現したら街角のLANハウスがかなり閉店に追い込まれるのではないだろうか。

日本並みに安くなるか?インターネット接続(その2)

軽犯罪では捕まらない?

2011年7月4日より拘留法が一部改正され、拘留について変更がある。
ブラジルの犯罪と懲罰について参考になりそうなので書いておこう。


Crimes leves = 軽い犯罪 懲役4年まで


被疑者は保釈金を払い、逮捕されることなく判決を待つ権利を有す。また、判決があっても、社会奉仕などの代用懲罰、刑務所外囚役の道があるため、必ずしも刑務所で懲役するわけでない。

これまでは現行犯は必ず一度逮捕され、保釈については判事の裁決が必要だった。
これからはdelegado da polícia(民事警察署長)が現行犯逮捕調書作成後、保釈の決定をすることができる。
これまでに軽い犯罪で現在拘置されている被疑者は、今回の改正により、釈放される可能性が出ている。

次にあげるのは軽い犯罪ではないが、delegadoが保釈金額を決定して釈放することができる。
  • furto = 窃盗 暴力を使わず他人の財物を奪うこと
  • estorção = 恐喝
  • receptação de produtos roubados = 盗品故買
  • homicídio culposo = 過失致死 殺意なく殺人を犯した場合、例えば、不注意運転で人をはね殺した場合

crimes graves = 重大な犯罪 懲役4年以上


これまでは重大な犯罪の現行犯逮捕の場合、拘置されていた。
これからは判事が現行犯逮捕後48時間以内に保釈に関しての決定を行う。
勾留・釈放の二択でなく、保釈時に位置確認装置の装着、自宅監禁、旅行・出国禁止、被害者・証人からへの近接禁止命令等様々な条件をつけることができるようになった。

次のような犯罪はcrime hediondo凶悪犯罪となる。
凶悪犯罪には保釈がない。
  • tráfico de drogas = 薬物取引
  • latrocínio = 強盗殺人
  • sequestro = 誘拐
  • estupro = 強姦
  • tortura = 拷問
  • racismo = 人種差別
  • homicídio doloso = 計画的・他人を死に至らす危険を知りながらの殺人、例えば、飲酒運転、スピード違反、信号無視で人をひき殺した場合

次にあげる犯罪も重大な犯罪であるが、判事は保釈金額を定めて、釈放することができる。
  • corrupção = 汚職
  • roubo = 強盗 暴力を使って他人の財物を奪うこと
  • crime financeiro = 経済犯罪
  • furto qualificado = 暴力は使わないが計画的な窃盗

この改正については、法曹専門家の間でも意見が割れている。
庶民の治安への不安感を配慮して保釈が得られにくくなるという意見があれば、反対に、軽い犯罪で拘留されることはほとんど無くなるとする意見もある。

ブラジルは、特に軽い犯罪に対する刑罰が世界的に見ても甘いと、ある識者も述べている。
日本で犯罪を犯してから、無断でブラジルへ帰国した在日ブラジル人への代理処罰が甘過ぎるという、一般的日本人の意見を裏打ちしている。

一方で、今回の改正は勾留についてのみであり、軽い犯罪による拘置から出所の恩恵を受ける人も、重大な犯罪で保釈を得る人も、本来刑務所にいるべきではないのだから無処罰の氾濫には当たらない、刑罰確定前は慎重でなければならないのとの意見もある。

アメリカン・ドリームの終焉

アメリカン・ドリームといっても、ブラジルの、それも庶民の抱く夢の話である。

20年ほど前から続いていた、より良い生活を求め米国へ出稼ぎに行くブラジル庶民の国際移動が、現在全く逆向きになっている。
米国のあるブラジル系旅行代理店では、2011年のブラジル行き片道航空券の発券は昨年同期間と比較して+54%増加したという。
ブラジル人の引越しで、旅行代理店だけでなく、国際引越し業者は繁盛している。

金融危機以前にブラジルを立ち、米国で良い職につき、高給を得て、立派な家に住む夢をみたブラジル人も、2008年のリーマンに発する金融危機後の米国の低調な経済に嫌気がさして、現在はブラジルに戻り、渡米以前にしていた仕事や、身につけた新しい仕事で生きていこうとする動きが目立っている。

(2011年6月13日ニュースより)

2011年7月1日

「マイナンバー」が不良支払い者ブラックリストに載った

ある人(私自身ではない)が受け取った「不良支払い者ブラックリストへ登録する通知」を見た。
差出人はSerasa Experian、通常セラーザと呼ばれる消費者信用照会機関である。

通知ではまず、1990年9月11日の法律第8,078号による、とブラックリストへ名前を載せる法的根拠を述べ、個人登録番号(CPF)、氏名、債権者名、記載金額、本来の支払期日、取引形態、照会番号のデータが続く。

通知発行年月日を見ると、60日間支払いを滞ると通知が発行されることがわかる。
もちろん60日経過する前に、債権者(たいていは掛売りをした商店)は、債務者(商店から掛けで買った消費者)へ督促状を何通か送っているし、上にあげたデータはSerasa Experianに既に届いていて、支払いがなければ即座にブラックリスト登録できる準備ができているわけだ。
Serasa Experianは10日間債権者と債務者の解決(つまり支払いか再交渉)を待ち、両者から解決の通知がない場合、ブラックリストに不良支払い者として債務者の名前が登録されることになる。

ブラジルの(納税者)個人登録番号は、もともと徴税のために連邦税庁が個人に付ける11桁の番号であり、一人に一意である。
だから個人識別に便利なので、いろいろな場面で使われ、納税義務のない未成年でも入試の受験応募などに使われるようになってきている。
身分証明書、社会保険、雇用管理はそれぞれ別の番号が使われるので、現在日本で検討中の共通番号制とブラジルの(納税者)個人登録番号は異なる。

しかし、日本の「マイナンバー」とは、ひどい名前をつけたものだ。
私のマイナンバーは、マイ・マイナンバー、あなたのマイナンバーは、ユア・マイナンバー、なんだかよくわからなくて恥ずかしい呼び方だ。

2011年6月27日

アルゼンチンは凋落?それとも復活?

日曜日はいつもフットボールの日であるのだが、昨日2011年6月26日はかなり特別な日だった。
クラブ創設以来110年間1部から落ちたことがなく、33回の優勝を誇るブエノスアイレスの名門リバープレートの2部落ちが決定したのだ。
怒り狂ったファンは試合終了前にピッチへなだれ込み、観客席を壊し、ブエノスアイレスの町で商店破壊などの狼藉を働いた。

このできごとは、リバープレート一チームのことに限らず、アルゼンチン全体に関わっていることのようだ。
リバープレートには、少し以前にはカンビアッソ(現ミラン・インテル)、マスチェラーノ(バルセロナ)、ゴンサロ・イグアイン(レアル・マドリ)とそうそうたるプレーヤーがいたのであるが、このクラブもアルゼンチンもフットボール選手の輸出超過の度が過ぎて枯渇しているというのだ。
選手の移籍で金銭的に潤っていると思われるのだが、有名クラブでも赤字、リーグのレベルも落ちているらしい。

Gerardo Molina y Asociados/Euromericas Sport Marketingというコンサルタントの調査では、過去10年間にアルゼンチンの選手のヨーロッパへの移籍は825%増加し、この期間にブラジルは1,374名を他国のクラブへ輸出したのに対し、アルゼンチンは2,204名だった。
アルゼンチンのワールドカップでの最近の優勝は1986年(マラドーナ大会)、コパ・アメリカは1993年以来優勝がない。

そしてファンが狼藉を尽くしたメモリアルスタジアムは、次の日曜日に開催する2011年コパ・アメリカの決勝戦が戦われることになっている。
現在最強の選手メッシを擁する地元アルゼンチンは最有力優勝候補とみられている。
(http://esportes.terra.com.brより)

2011年6月23日

2011年の冬は6月21日14時16分に始まる

ブラジルには、赤道地方のように四季の区切りが実際上全く意味を持たない地方がある。
熱帯では、四季というより、乾季と雨季の二季としたほうが実際の気候と合致する。

しかし、ニュースでは四季の移り変わりを報道するが、その区切りが面白い。
春は春分に始まり夏至で終わる、夏は夏至に始まり秋分で終わる。
秋は秋分に始まり冬至で終わる、冬は冬至に始まり春分で終わる。
春分・夏至・秋分・冬至は、地球の傾きと太陽をめぐる公転軌道上の地球の位置で決まるわけだから、春分点は文字通り「点」であり瞬間である。
春分の日は、春分点の瞬間を含む日だ。
ブラジルでは「春分」とか「夏至」とかの言い方は聞かない。
「2011年の冬は6月21日午後2時16分に始まる」とテレビのニュースで言っていた。

2011年の夏至点時刻はブラジル南東標準時で6月21日14時16分、日本はブラジル南東標準時+12時間だから、6月22日未明2時16分となる。
月の朔望と同じ天体の自然現象であるから、地球の時間帯の差を超越して起きるので、時間帯が異なると時刻や日付は異なるわけである。

冬になって2日目の6月22日は、南からの寒波が弱まり、昼間はかなり暑くなった。
外を歩いたら結構汗が出た。
室内の温度計は25度を指す夏日だった。

2011年6月21日

車内の小銭が消えるのはなぜ?

サンパウロでは、レストランやバーには、必ずと言っていいほどマノブリスタ(manobrista)というサービスがある。
これは、客の乗ってきた自家用車を入り口で預かり、運転手が安全な駐車場まで代わりに運転して保管するという仕事、そしてその仕事をするドライバーのことを指す。
サンパウロのこのサービスの相場は平均10レアルである。

取材記者は車に次のような仕掛けをした。
クマのぬいぐるみ、箱に入ったチョコレートボンボン、ボールペン、口のあいたビニール小袋に入った小銭20レアル分、色々なものを入れた布製バッグ、それから隠しカメラだ。

10ヶ所へ持っていき、マノブリスタの行動を撮影した結果は、情けないことに、8ヶ所で何らかのものが盗まれていた。
一番人気は小銭で、さすがに袋ごと全部持っていく者はいなかったが、中には行きと帰りで2回くすねた者もいた。
次の人気はチョコレートで、その場でさっそく食べ、ごまかすために箱の位置を変えていた。
車を預けた時から箱の場所が変わっていたらかえってバレてしまうと思うのだが。
マノブリスタの仕事を仲間?に下請けに出す者もいて、鍵を受け取って下請けした男は、小銭をくすねてからトランクまで調べ、結局小銭以外は盗らなかった。

以上は先週6月16日のTVニュースから

盗む-自分のものでないものを不当に自分のものにするということに対する自制が足りない、酷いなーブラジルの民度は、と落胆する前に少し考察してみた。

ブラジルだけでなくどこでも旅行する場合に、ホテルの部屋に貴重品を置かずにセーフティボックスやフロントに預けるのが海外旅行者の注意となっている。
睡眠のために一部屋を借りるホテルは、確かに夜の時間はプライベートなスペースだ。
宿泊者が在室の場合、誰も勝手には入れない。
しかし、日中宿泊者が外出している場合、清掃やベッドメイクなどのために、ホテルの従業員は鍵で開けて客室に入り一人で仕事をする。
客室は公共のスペースと同じセキュリティレベルに下がる。
誰の目にも触れるところに置いたお金が消えても、誰も責任を取らないと、しっかり断り書きがしてある。

自分の愛車であっても、その鍵を他人の手に委ねたら、そこはもう公共のスペースとなる。
いつもの教訓が生きる-シートの上など眼に見えるところに決して物を置くな、泥棒や強盗を引き寄せる-これはマノブリスタに自分の車を預けるときにも当てはまる。