2022年3月8日

敵の敵も敵

北大西洋条約機構
この機関が記者会見をするとき、パネルにはNATOとOTANの略語が並ぶ。
英語: North Atlantic Treaty Organization
フランス語: Organisation du traité de l'Atlantique nord
スペイン語: Organización del Tratado del Atlántico Norte
ポルトガル語: Organização do Tratado do Atlântico Norte

報道によると、2022年3月2日の駐日ロシア大使館のツイートは、「欧米の対ロシア制限政策に反対し、我が国を支援する国家」として、中国、ブラジル、ベネズエラ、キルギス、ミャンマー、シリア、キューバをあげた。

ロシアによるウクライナ侵攻の前の週に、ブラジルのボルソナロ大統領は、慎重に止めるように勧める周りの声も聞かず、プーチン大統領に招待されたからと、ホイホイでかけていったのだった。

アメリカ合衆国の前トランプ大統領を盟友と仰いでいたボルソナロ大統領の意向のため、ブラジル政府がバイデン大統領に当選の祝辞を送ったのは諸国の中で最後の方だった。
環境問題に口を出してくるのを疎ましく思っているヨーロッパ諸国とも距離をおいている。
そのためNATO(ブラジルではOTAN)や欧米諸国と全面的に行動を共にするつもりはないことはわかる。
その結果ロシアの仲間とされているのであるが、仲間のメンバーが何と言ったらよいか、誠に香ばしいことになってしまった。

ボルソナロの赤嫌いワクチン入手などに困難をきたしたこともあるくらい大統領一派の批判の対象であった中国にも関わらず、中国、ベネズエラ、キューバと仲良しグループにされてしまった形である。

敵の敵は味方というのは、この場合には当たらない。
まあ欧米はブラジルの敵とは言えないが、特に最近はボルソナロ政権の近い味方でもない。
だから敵の敵も敵であることもある。

この面々が集まった中でブラジルの外交官はきっと、間違った部屋に入ってしまった居心地の悪さを感じることになると思う。