2023年7月9日

ブラジルの人口は2億3百万人

2020年に実施する予定であったのがパンデミックのためできなくて、後年にまわされたのは東京オリンピックだけではない。
ブラジルの国勢調査もその年に行う予定だったものが、新型コロナパンデミックのために翌年に順延された。
その2021年になったら、これを軽視していたのか、ボルソナロ政権は予算を確保してなくて再び順延、実際に行われたのが昨年の2022年であった。
その集計がようやく出たのがこのほどの2023年6月のことだった。

2022年国勢調査:ブラジルの人口は予想より470万人少ない2億3百万人
Censo 2022: Brasil tem 203 milhões de habitants, 4,7 milhões a menos que estimava
28/06/2023 Jornal Hoje

ブラジルの総人口は、203,062,512人であった。
前回の国勢調査2010年に対する12年間の増加率0.32%は、過去の国勢調査間隔の10年間ごとの人口増加率と比較して、最低であった。

ニュース報道でコメントされた気になる点を書いておく。
詳しい人口統計は別の記事にのせるつもりだが、これは小ネタ集のようなものになっている。
比較は2010年国勢調査と比較した2022年国勢調査の数字である。

大都市圏の人口推移
ゴイアニア大都市圏 +19.9%
ブラジリア大都市圏 +13.7%
サンパウロ大都市圏 +5.3%
リオデジャネイロ大都市圏 -2.1%

10大都市のうち5都市は人口が減少したが、その原因は周辺都市への移出である。
サルバドル -9.6%
レシフェ -3.2%
ベロオリゾンテ -2.5%
リオデジャネイロ -1.7%
フォルタレザ -1.0%

人口が減少した都市上位20のうち6つはリオデジャネイロ州にある
サンゴンサロ -10.3%
インタビューされた女性はサンゴンサロで20回強盗にあったのが嫌になり、隣のニテロイへ引っ越した。
20回?多すぎないか?
でも見方を変えれば、強盗にあってもうまく対処すれば命は大丈夫ということだろう。

ブラジルの5つの地方の総人口に対する割合
南西部地方 41.8%
北東部地方 26.9%
南部地方 14.7%
以上の3地方は12年間に全国に占める割合が減少した。
北部地方 8.5%
中西部地方 8%
以上の2地方は12年間に全国に占める割合が増加した。

ブラジルでも一世帯あたりの住人は減少している
2010年3.31人から2022年2.79人に減った。

一世帯あたりの住人がブラジルで一番多い州
アマゾナス州 3.64人
一世帯あたりの住人がブラジルで一番少ない州
リオグランデドスル州 2.54人

ブラジルで一番人口が多い州
サンパウロ州 44,420,459 全人口の21.88%
ブラジルで一番人口が少ない州
ロライマ州 636,303 全人口の0.31%

ブラジル議会では、国民を代表するとされる下院議員は、人口分布によって各州選挙区の定員が決定される。
そのため人口が多い州の下院議員はそれに比例して多数いる。
簡単に言えば、ロライマ州選出下院議員1人に対して、サンパウロ州選出下院議員は70人いる勘定になる。

一方上院は、州を代表するとされる議員によって構成される。そのため、現在26州プラス1連邦区あるブラジルの連邦構成単位のそれぞれ3名の定員があるため、上院の定数は81名である。
ここではロライマ州選出上院議員も、サンパウロ州選出上院議員も同じ3名である。
上院に限っていえば、選挙人の一票の重みが70倍も異なるということである。
憲法が議員の仕組みをそう定めているので、文句言うわけにはいかない。
辺境州に力を与えることになるのだが、そういうふうに作られているのである。

しかしロライマ州の州都ボアヴィスタ Boa Vista は、全国の州都の中で人口増加率が一番高い。
2010年 284,313人から2022年 413,486人へと、12年間で+45.4%も人口が増加した。
増加要因のひとつとして、陸続きのベネズエラからの移民や難民がある。
ベネズエラ人流入だけでなく、ボランティアのようなそれをサポートするブラジル人もボアヴィスタへ集まってくるのである。

ベネズエラには「相対的な」民主主義が存在すると発言しているブラジルの左派労働者党出身のルラ大統領にとっては、おだてられちやほやされる外遊は気分が良いだろうが、ぜひロライマ州やボアヴィスタを訪問して、ベネズエラから逃げてきた人達を自分の目で視察してもらい、それでも持論を曲げないか見たいものである。

2023年7月3日

世界の十大難民送出国

Alto-comissariado das Nações Unidas para os Refugiados (ACNUR) (por.)
United Nations High Commissioner for Refugees (UNHCR) (ing.)
国際連合難民高等弁務官事務所
この機関の名前はどの言語でもとても長い。
それに略称をどう読むのか不明である。
ポルトガル語略称ならば「アクヌ(ー)ル」と読んで合っているだろう。

世界の難民数は1億を超える新記録
Número de refugiados no mundo passa dos 100 milhões e bate recorde
14/06/2023 Jornal Hoje

国連難民高等弁務官事務所によると、全世界の難民が1億人を超えたというニュースである。
ブラジル政府はすでに1万1千の人道ビザを発給して、そのうち6千がブラジルに到着済みである。

ブラジルはアフガニスタンでタリバンに迫害される前政府の役人やその家族などに人道ビザを発給している。
しかしブラジルでの難民受け入れ態勢が追いつかないため、サンパウロのグアルーリョス国際空港で入国待ちをしながら暮らしているアフガン人は100人を超えている。

順位人数要因
1シリア654万人内戦
2ウクライナ568万人ロシア
3アフガニスタン566万人タリバン
4ベネズエラ545万人チャベス主義
5南スーダン229万人
6ミャンマー125万人ロヒンギャ
7コンゴ民主共和国93.1万人
8スーダン83.6万人
9ソマリア79.0万人
10中央アフリカ共和国74.8万人

出典:Acnur 国際連合難民高等弁務官事務所

上位4カ国で全体の三分の二を占める。

さてブラジルの左派労働者党連立政権を率いるルラ大統領は、先日ブラジルに南アメリカ各国の代表が集合した際に、自分の盟友とみなしているベネズエラのマデイラ大統領を擁護して、「ベネズエラに民主主義がないというのは作り話だと思う」とトンデモ発言して、確かチリとウルグアイの大統領だったと思うが、他の参加者の一部から非難されていた

難民送出国第4位のベネズエラから、難民がどっと流入して困っている、国境を接するロライマ州の苦労や、いつもの人権至上を忘れてお友達大統領を擁護する、現ブラジル大統領の国際感覚の欠如が全く残念である。
右派ボルソナロ前大統領がその点で優れていたとも決していい難いが、ベネズエラに関しては筋が通っていた。

このほど高等選挙裁判所は、ボルソナロ前大統領の2030年までの被選挙権を停止する判決を出した。
その理由は簡単に言うと、2022年7月に各国大使を大統領府へ招いて、現在のブラジルの選挙制度、つまり電子投票は不正であると証拠のない論調を述べて、その映像を国営メディアなどに流したことが、大統領の職権濫用や不正選挙運動とみなされたことである。

2026年に白熱した左右対決選挙を期待する向きには、非常に残念な決定である。