2022年12月21日

4年に一度ギリシャ語数字を喋り出すブラジル人

ワールドカップの時期になると、高らかに唱えられるのが、ブラジルセレソンの目標、つまり今度優勝したら何回優勝となるかを、
○○○カンペオーン(campeão)
と叫ぶのである。
○○○に入るのは次の接頭辞である。
なぜかギリシャ語なのである。
biとtriはラテン語系ともいうし、下表の発音は現代ギリシャ語より古代ギリシャ語のものに近いようだし、はっきりわからないが堅いことはいわない。

回数接頭辞カタカナ該当する国
1回イングランド、スペイン
2回biフランス、ウルグアイ
3回triトリアルゼンチン
4回tetraテトラドイツ、イタリア
5回pentaペンタブラジル
6回hexaエ(ヘ)キサ
7回heptaエ(ヘ)プタ
8回octaオクタ
9回eneaエネア
10回decaデカ
11回hendecaエ(ヘ)ンデカ
12回duodecaドゥオデカ

ブラジルは2002年から20年間、エキサカンペオーンを唱えてきた。
さらに少なくともあと4年、エキサカンペオンへの願いは続く。
エキサ以上に達する国は、どれだけ待ったら出現するのだろうか?

2022年12月17日

ラテン16、ゲルマン7、スラブ1でラテン大勝

ラテン系(latins, latinos)あるいはラテン民族(Latin peoples, Pueblos latinos, Povos latinos)というと、普通はラテン語を起源とするロマンス諸語を話す国の人々のことを指すと思う。
主なロマンス語は、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語である。
もちろんロマンス語はこれ限りではなく多数ある。

留学したブラジル育ちの息子が、ブラジル以外のラテンアメリカ出身の仲間をも含めて自分達を総称する"latinos"は、「中南米諸国」、「ラテンアメリカ」とほぼ同意義であった。
つまり、フランス人やスペイン人は"europeus"ヨーロッパ人であって、latinosには含まれないという使い方をしていたようである。

以下の「ラテン」はより一般的であり、ヨーロッパ大陸とアメリカ大陸の国々を含んでいる。
アフリカにはフランス語やポルトガル語を話す国々がかなりたくさんあるが、ラテン系とは言わない。
その理由は知らない。

FIFAワールドカップ2022カタール大会の決勝は、アルゼンチン対フランスとなった。
どちらもラテンか、と思うと、過去の大会の決勝はどうだったか気になった。
現在から遡って、ラテン国が決勝に出ていない回を探す。
実に、1974年西ドイツ大会の西ドイツ対オランダまで遡ることができる。
それ以降現在までを表にしてみよう。
ラテン同士決勝対決は16年ぶり。

大会優勝準優勝
1978アルゼンチンアルゼンチンオランダ
1982スペインイタリア西ドイツ
1986メキシコアルゼンチン西ドイツ
1990イタリア西ドイツアルゼンチン
1994アメリカ合衆国ブラジルイタリア
1998フランスフランスブラジル
2002日本・韓国ブラジルドイツ
2006ドイツイタリアフランス
2010南アフリカスペインオランダ
2014ブラジルドイツアルゼンチン
2018ロシアフランスクロアチア
2022カタール(未定)アルゼンチン(未定)フランス

ラテン系諸国を太字で表した。
それ以外の国は、2018年ロシア大会のスラブ系であるクロアチアを除いてゲルマン系、それもドイツとオランダだけである。

12大会の決勝出場国数で競った、ラテン・ゲルマン・スラブ対抗は、16 vs 7 vs 1 でラテンの大勝
ラテン諸国が少なくとも1つは決勝に進んだ時期だけを選んだからラテンが多くて当然か

2022年12月8日

幻の狐ダンス(日本)vs鳩ダンス(ブラジル)

EnglishEspañolPortuguês
FinalFinalFinal
Semi-finalSemifinalSemifinal
Quarter-finalCuartos de finalQuartas de final
Round of 16Octavos de finalOitavas de final

スペイン語とポルトガル語で、決勝、決勝の半分、決勝の四分の一、決勝の八分の一、という意味は共通している。
英語でもクォーターまでは共通する。
男性形・女性形と異なっている理由はわからない。
さて日本語では決勝、準決勝、準々決勝の次は何が来るのか?
FIFAのサイトの日本語ページでは対応する訳語がなくて、英語の"Round of 16"がそのままのっている。

2022年12月5日(月)Oitavas de final
Japão 1-1 (1-3) Croácia
Brasil 4-1 Coreia do Sul

ブラジルが韓国に余裕を見せて勝ったが、監督までゴールセレブレーション・ゴールパフォーマンスをするのは、やりすぎで相手に失礼ではないかという意見があった。
中継を見ていたが、どう考えてもチッチ(Tite)監督は、周りに無理やりやらされたように見えた。
一回見ただけではよくわからなかったが、羽ばたきしているような仕草は Dança do pombo、つまり「鳩ダンス」と言っていた。
へえそんなものがあるんだ。

現役の選手なら、ネイマールとか、クリスチアーノ・ロナウドのように、属人的に決まったポーズはいろいろある。
この鳩ダンスというのは、そのように形が定着していくものかは知らない。

日本のプロ野球に「狐ダンス」というものがあるという記事を読んだことはある。
これは後で検索して、動画で確かめる必要がありそうである。

もし日本がクロアチアに勝っていたのならば、準々決勝(Quartas de final)でブラジルと当たって、狐vs鳩のダンス決戦が見られたのに、それは実現しなくて非常に残念に思う。

2022年12月2日

2022カタール大会32か国名対照

gentílico, ca 形容詞①〔キリスト教側から見た〕異教徒の②[形容詞が]国名を表す
単体で使われると、「~人」という意味になる。
形容詞・名詞であるから、性数変化をする。
Google翻訳では「異邦人」と出る。

4年前に作った、FIFAワールドカップ2018ロシア大会に出場した32の国についての、三か国語対照表のようなものを今回も作ってみる。
そして今回は最初に説明したgentílicoを入れよう。
本来はポルトガル語だけでなく、英語にもスペイン語にもそれぞれに存在するのだが、スペースの関係もあるから、ポルトガル語のものだけに限った。

日本が属するEグループの結果が決定したこの日の報道から例文を取り出してみる。
将来いつかこの大会を思い出す助けになるだろう。

O zagueiro costarriquenho Vargas disse que a ideia, a partir daquele momento, era se segurar na defesa, não dar espaço aos alemães.
その時から、ドイツ選手たちにスペースを与えずにディフェンスを固める構想だった、とコスタリカのディフェンダー、バルガスは言った。

A Espanha, contou com ela, porque no estádio Al Bayt, os dois gols de Havertz e o de Fulkrug não mudaram nada para seleção alemã, pela segunda vez seguida eliminada na fase de grupos.
スペインはドイツをあてにしていた、というのも、アル・ベイト・スタジアムでのハヴァーツの2つのゴールとフュルクルクのゴールは、ドイツ代表には何の助けにもならず、2大会連続でグループステージで敗退することになったからだ。

例文ではないが、これを忘れないで入れよう。
Na sequência, novo ataque. Mitoma acreditou até o fim e cruzou para Tanaka marcar o segundo. A jogada foi revisada pelo árbitro de vídeo, que validou o gol indicando que a circunferência da bola encostou milimetricamente na linha de fundo na hora do passe.
新たな攻撃が続く。三笘は最後まで諦めずに田中にクロスして彼は2点目を決めた。プレーはビデオ審判で再チェックされて、パスのときにポール外周がミリ単位でゴールラインに接していることを示し、ゴールを確認した。

ブラジルは何といっても、2014年地元大会でドイツに1-7で屈辱的大敗したことを忘れないから、今回のEグループ同時第3戦はドイツが負けるかどうかが何よりも気になって、ドイツ-コスタリカの方を地上波中継した。
当時1-7という野球的スコアでブラジルを下したドイツが、今回は別の試合、もちろん日本によるボール1ミリの僅差で帰国することになったのは、日本もドイツもきっとブラジルにとっても、忘れがたい事実となったのである。

英語国名とスペイン語国名はFIFAのワールドカップのサイトからそのまま写した。

EnglishEspañolPortuguêsPortuguês gentílico
ArgentinaArgentinaArgentinaargentino
AustraliaAustraliaAustráliaaustraliano
BelgiumBélgicaBélgicabelga, bélgico
BrazilBrasilBrasilbrasileiro
Cameroon*CamerúnCamarõescamaronense, camaronês
Canada*CanadáCanadácanadense, canadiano
Costa RicaCosta RicaCosta Ricacosta-riquenho *1
CroatiaCroaciaCroáciacroata
DenmarkDinamarcaDinamarcadinamarquês
Ecuador*EcuadorEquadorequatoriano
EnglandInglaterraInglaterrainglês
FranceFranciaFrançafrancês
GermanyAlemaniaAlemanhaalemão
Ghana*GhanaGanaganês, ganense
IranIránIrãiraniano
JapanJapónJapãojaponês *2
Korea RepublicRepública de CoreaRepública da Coreiasul-coreano
MexicoMéxicoMéxicomexicano
MoroccoMarruecosMarrocosmarroquino
Netherlands*Países BajosPaíses Baixosneerlandês, holandês
PolandPoloniaPolôniapolaco, polonês *3
PortugalPortugalPortugalportuguês
Qatar*CatarCatarcatarense *4
Saudi ArabiaArabia Saudí *5Arábia Sauditasaudita
SenegalSenegalSenegalsenegalês
SerbiaSerbiaSérviasérvio
SpainEspañaEspanhaespanhol
SwitzerlandSuizaSuiçasuíço
TunisiaTúnezTunísiatunisino, tunisiano
United States*Estados UnidosEstados Unidosamericano *6
UruguayUruguayUruguaiuruguaio, oriental *7
Wales*GalesGalesgalês

英語国名の *(8か国)は前回ロシア大会に出場しなかった新入り・出戻り組
*1 costa-riquenho, costa-riquense, costarriquense, costa-ricense, costarricense とたくさんある
*2 japonês, japonense, japônico, nipônicoとたくさんある上に、ポルトガルのポルトガル語では"ô"が"ó"となる
*3 polacoはポルトガルで、polonêsはブラジルで多く使われる
*4 catarense, catari, catariano があげられている
*5 この形はスペインで主に使われ、ラテンアメリカではポルトガル語と同じ"Saudita"が多く使われる
*6 americano, norte-americano, estadunidense, estado-unidense, ianque 最後のはいわゆる「ヤンキー」
*7 ウルグアイの正式国名は「ウルグアイ東方共和国」と呼ばれるように、「東方」は地名であったことから来ており、西洋と対比する東洋のオリエンタルではない

この表の内容とは全く関係ないのだが、32カ国の中にウクライナとロシアが含まれていたのなら、きっとワールドカップ停戦が成立していたであろうと思う。