2022年11月24日

現地観戦はイスラム茨道

FIFAワールドカップ2022カタール大会が始まっている。

地下に膨大な化石資源を持つ砂漠の国カタールは、一体何を求めてワールドカップを招いたのか。
大会が終わったら全く使い道のなさそうな大スタジアムをいくつも建設した。
きっと大モスクに改造して、近隣国の敬虔なムスリムを集めて聖地にしたいのだろう。

その工事で命を落とした外国人出稼ぎ建設労働者の数が6500とか言われているのは、全く理解の範囲を超えている。
昔の日本のトンネル工事で何人とか何十人とか死亡したり、現在でもいろいろな場所の鉱山なんかで、かなりたくさんの人が死ぬことがある。
ここブラジル、ミナス・ジェライス州ブルマジニョで、鉱山残渣ダムが決壊した事故が2019年初めに起きたが、死者数は272人となっている。
6500人とは何だ、意味分からない。
スタジアム一つに千人近い人柱が立っているのか。
イスラムにも亡霊はあるのではないか。
怖い話である。
これだけ死者数が多いと、カタールやイスラム世界を恨む、例えばマスコミが盛りに盛った話のような気もしてくる。
コロナやワクチンのニュースのようなものなのか。
普通の労働災害とは意味が違いそうである。
話百分の一くらいに聞いておいたほうが良いのかもしれない。

試合を見るだけでなく、ビールを飲んで騒ぐために参加する人は決して少なくないだろう。
カタールでビールが飲める場所と時間が、すごく限定されている。
土壇場になって首長家の鶴の一声のためらしい。
バドワイザーとの契約はどうなっているのか。
話が違うのではないだろうか。

そのビールがやけに高い。
500ml一杯が20ドルとかするらしい。
いまブラジルの最低給料が月給1,212レアルである。
最低給料持ってカタールへビールを飲みに行き、今日の公定レート1ドル5,31レアルで計算してみると、12杯飲めないぞ。
ブラジルの試合を全部見るのに全く足りないぞ、これでは。

世界のおいしい食べ物がなんでもある?
豚肉は全くないらしい。
きっと本物のハムやソーセージもないだろう。
でも羊肉など、別の美味しいものがあるのなら結構である。
野菜は不味そうな気がする。
そして値段が安いわけがない。

世界の有名アーチストのパフォーマンスが盛りだくさん?
労働者の人使いとLGBTQ+迫害に抗議して、大勢ボイコットしている。
しかし1日5回のお祈りの時間はしっかり取ってあるそうだ。
お祈りはしっかりできても、他に見どころも大してなさそうだ。
無料で見られるようなものは特に。

質素なベッドしかないコンテナハウスはバス共同とか、灼熱砂漠地帯なのにエアコンがろくに効かないらしい。
死ぬぞ。
朝涼しいうちに冷房のある場所に移動して、夜涼しくなってから寝るために帰ることしかできないだろう。
そんなところが一泊3万円くらいするらしい。

なんで大金を払ってこんな目に合わなければならないのか。
きっともっと金を払えば払うほど、それなりに待遇は良くなるという教えなのだろう。

どちらにしろろくな場所でないのは、ブラジルセレソンの行動を見ればわかる。
本大会前の親善テストマッチなど捨てて、カタール入りしたのは参加国の中で一番遅い、大会開始前日だった。
できるだけカタールに居たくない気持ち満々である。

アルゼンチンはなかなか頭がいい。
高いだけのホテルなどに泊まらず、大学の寮を借りているそうだ。
金持ち国の金持ち子弟の通う金持ち大学だから、敷地も寮も広々、設備も良い。
何よりアルゼンチン人の好物アサードつまりバーベキューが自由にできる。
そんなことを第一に心配していたので、初戦でサウジアラビアに負けてしまった、と勘ぐる人もいるだろう。
何だ全然頭良くない。

ドイツはドイツで、今日はFIFAへ写真で抗議することに忙しくて、日本戦を落としてしまった。
サッカー以外のことを考え出すとサッカー伝統国でも神罰が下るようだ。

旅行する予定が全くなくても、肉と炭とビールを買って、ついでにこういう旗とか鳴り物を仕入れて、庭でシュラスコを焼きビールをぐびぐび飲みながら、テレビ観戦するのが一番正解なようである。
わずかな予算でカタールで貧乏旅行をすることになって、大会運営がこのようであるのなら、負け惜しみでなく、正直現地へ行きたい気持ちが全く起きない。