2017年9月16日

22時退社でも働き足りない世界

22時退社に混乱 電通社員の今
働きたいのに働けない!「最高益」でも電通社内は大混乱
9/14(木) 11:12 掲載
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6254000

22時退社では働く時間が足りない?
記事によると「死に物狂いで働き、ハデに遊ぶ」というのが電通という会社の文化であったのだ。
これはかなり衝撃的である。
そう感じるのは「ブラジル化」した意識と生理からなのか。

電通ではしっかり残業代とボーナスがつくから、そのため社員は高給を受け取り、少ない余暇時間に集中的に大金を散財できる。
一つの生き方である。

ブラジルの勤め人は1年労働すると、1か月の有給休暇の権利ができる。
法定のボーナスは1.33か月分である。
ブラジルでもタイムカードを手に午後5時を心待ちにする人だけでなく、残業をしたい労働者はもちろんいる。
長い休暇中に金が無いと、家でブラブラするしかないから、旅行などで使うために残業をたくさんして稼ぎたいという気持ちもわかる。
法定労働時間週44時間であるブラジルの勤め人は、10分でも残業代がつかないと労働裁判に入ることもあり、一日2時間を超える残業は禁止されていたと思う。
電通とは全く逆の人生である。

電通やその顧客の世界は、日本では当たり前であるのかと思ったが、そうでもないことは、寄せられたコメントを見るとわかる。
日本でもやはりこの世界を異常と思う人が多数いるのだ。

ニュースを見るとフランスのような先進国でも、交通機関などのストの被害を被る一般の人が「労働者の権利行使だから仕方ないね」と理解を示すことが多い。
ブラジルでは少し違って、ストを打てる業種は特に組合が強いし、雇用者側も官業や大企業で耐久力があり、労使とも平均より恵まれているから、全市民が完全にストに同調するわけではない。
もちろん、ブラジルでも日本でも多分フランスでも、取材したマスコミが自分の主義に合わない意見を報道しない可能性が大きいから、これだけから判断するのは危険である。

しかし、22時退社で働き足りない世界を思いやると、労働組合と労働者の権利保障の功徳について認めないわけにはいかない。

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