2020年10月28日

人心荒廃ウィルス

歩道を歩いていたところ、道の真ん中を横切ってきた自転車の若者がスクイズボトルを落としてしまい、ころころとこちらに向かって転がってきた。

とっさに拾って「これ落ちたよ、気をつけて」とでも一言かけながら手渡すはずだった。
コロナ以前だったならば。。。

今はマスクを付けていない、どこの者ともわからない他人の持ち物に手を付けて、手渡す近距離に接近するような迂闊はできない。
気まずい思いをしながら、うろうろと去るしかなかった。

拾って手渡す小さい親切ができなかったので、自転車の青年は自転車から降りてかがんで自分でボトルを拾って、どこかへ走り去ったのだった。

別の日のことだった。
田舎道を車で走っていて、アスファルト道路へ合流する地点にさしかかった。
右側、つまり追い越し側の反対側を無造作に走り抜けたオートバイが、アスファルトとの段差に斜めに突っ込んでいってスローモーションで転倒した。

車から降りて「あんた大丈夫かい?けがはないか?」とか言って、オートバイを起こす手伝いくらいしたのだった。
コロナ以前だったならば。。。

今は全く知らない人の腕を引っ張ったり、肩を貸したりするのはいささか躊躇する。
それによく見るとこのオートバイの男、単車を起こすときにふらふらしていて、どうも酔っ払っているようである。
今日は日曜日の午後だしなあ、と思い少し罪悪感が減ったところだった。

ほどなくして、このオートバイの男の知り合いが何人か乗った車が広い路肩に停まって、2人ほど降りてきたのを見て、安心してその場を離れることができた。
どうせ車から降りてオートバイ男を助けていた連中も、田舎の空気の良いところで肉でも焼いたりしながら、一緒に飲んでいたのだろう。

酔っぱらい同士で仲良く助け合ってくださいな。
コロナ時代は不自由で不親切だけど、許してください。

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