2014年2月11日

「細いボディ茶」であなたも痩せる

かなり健康食品には興味のあるわが家であるが、アマの実を買いに、自然食品店へ行った。
キヌアとか、シアとか、日本ではおなじみであるゴマとかを見たが、結局アマの実とゴマを買った。

アマの実、日本でもリンシード(en. linseed)とも言われるようだが、ポルトガル語でlinhaçaと書き、リニャサと読む。
ちなみに、繊維の麻はリニョ(linho)だ。
ゴマは、ブラジルポルトガル語でgergelim、ポルトガルのポルトガル語やスペイン語でsésamoと綴る。
後者は「セサミストリート」の「セサモ(スペイン語読み)」である。

「キヌア」quinoaは、ブラジルでもサラダなどにみられる真っ赤なテーブルビート、ポルトガル語でbeterrabaと近縁の植物の種で、アンデス地方で収穫される。
「シア」chiaとは何か、ポルトガル語Wikipédiaには、A Salvia hispanica, popularmente chia, é uma planta herbácea da família das lamiáceas (assim como a linho e a sálvia), ...と書いてある。
サルビアの種なのか、と聞くと、有難味が薄れる気がする。

ともかく買い物を終わって店を出ようとしたら、急に気になるものが目にはいった。
大きな赤い丸が真ん中にどーんと据えられたラベル、これは日の丸だ。
その上に日本語で、ゴシック体の活字で、「細いボディ茶」と印刷してある。
さらに上に、ポルトガル語で本名、と言ってもどちらが本名かは判然としないのであるが、CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDOR と書いてある。

cháは「チャ」、なんだ、日本語と同じなのか、と思いそうになるが、実はそう読まない。
読みは「シャ」である。
語尾がaでおわる名詞は普通女性名詞であるが、その例外で、一番良く使われる単語はdia、意味は「日」、ボン・ジア Bom dia「おはよう」のジアである。
cháもaでおわるが、男性名詞である。

余談になるが、スペイン語とポルトガル語を習ったときに、téは英語のteaと似ていて、cháは日本語の茶と似ているんだ、世界は単純だなと勝手に思い込んだものだ。
あまり関係ないと思う。

emagrecerは「痩せさせる」という他動詞、emagrecedorとなると、「痩せさせるもの」という形容詞的名詞となる。
だから、CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDORの直訳は文字通り「やせる日本茶」である。

「やせる日本茶」から、「細いボディ茶」への超訳ね。
区切りは、細いボディ・茶 となる。
ボディは当然、bodyだ。
まあ、痩せれば細いボディになるわけだから全く間違っていないが、自動車のボディかなんか別のものを想像してしまう。
「ボディ」と「茶」が調和していない。
この怪しげな茶を買う人で、「細いボディ茶」を読める人は皆無だろうから、何と書いてあろうが、効果は全く同一だと判断してよいだろう。
特定の茶ではなく、一般的な呼び名ではあるが「痩身茶」と、漢語風にしたほうがすっきりきれいに響く。
しかし、日本語へのこだわりを示したかった点を評価しよう。
どうせわからないのだから、「ナイスバディ茶」とぶっ飛んでも良かったかも。
CHÁ JAPONÊS EMAGRECEDORの下に同ポイントの字を配置したとき、幅がだいたい同じになるという、案外デザイン上の理由かもしれない。

本当は写真を撮りたかったのだが、急いでいたので値段を尋ねるだけにした。
130g袋入りが8レアルであった。
茶の葉っぱが、和風の茶のものというより、南米原産のマテ茶に近いのが少し気になったが、ラベルを細かく検分しなかったので原材料の疑問は晴れない。

翌日になっていつも冷茶を作って飲むマテ茶の葉をスーパーで買った。
500gパックに3.39レアル払った。
日本茶で痩せるにはけっこう金がかかる。

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