2020年5月3日

日本もブラジルも9本針の効果か

前回の表をもう一度載せる。

スペインブラジル日本
死者初出日2020/3/132020/3/172020/2/14
10万人あたり死亡数33.952.780.33
死亡数15,1754,543351
人口(千人)46,755212,559126,476
人口密度(人/平方km)93.725.4346.9
65歳以上割合(%)20.09.628.4
3・4月平均気温(℃)11.5520.7511.30
3・4月合計雨量(mm)73240242

死亡数はスペインブラジル日本のデータは2020/4/30発表のもの
人口関係3指標は2019年の国連ファイルより
気候関連2指標は、マドリード、サンパウロ、東京、Wikipediaより

スペインとポルトガルからなるイベリア半島の国々は、南アメリカの国々の旧宗主国である。
だから言語だけでなくその習慣も引き継いでいるのは当然である。
欧州全体的にそうであろうが、キスやハグや握手の習慣である。

スペインとブラジルは肉体接触的習慣の多くが共通しているのだが、コロナ感染拡大の速度は両国で全く異なる理由は何だろうか。
今回コロナ感染が広まるまでは、普通の人がマスクを使うことはまったくなかった。
それはスペインも同じである。
スペイン人の生活の詳細はわからないが、ブラジル人は清潔好きで、よく言われるフランス人とは全く異なり、1日1回以上はシャワーを浴びる。
だからといってよく手を洗う国民かというと、そうでもないと思う。

前回で人口密度や年齢構成や気温や降水量やら何らかの関係があるのかと思ったが、データを眺めるだけではよくわからない。

高齢者人口の割合がスペインより相対的に低いブラジルは、そのために死亡率が低いとは言えるだろう。
でもそれだけでは、10万人あたりコロナ死亡率が1桁単位で違う説明を十分にできたと言えない。

感染と死亡が急速に増大して全く他に取る方策がなくなったスペインは、イタリアや英国と同様に罰則を伴う厳しい隔離、いわゆるロックダウンを行うことになり、その苦労の結果、ようやく隔離緩和へ向かえるようになった。

感染と死亡が急速に増大せず、しかもかなり局地的なブラジルは、最初3月下旬には住民の自主隔離実行率が高かったものの、4月末にかけて家篭りがだんだんゆるんできていた。
日米欧ほど財政状態が強くない国は、いや強い国であっても生産が止まる隔離状態を続けたくない政府の意向が反映する。
スペインほど死亡数増加が急速ではないものの、全く死亡増加率低下、検査の拡大や病床空き率の改善が認められないのに、5月に入ったら隔離緩和に向かっている。
そのためこれから1週間、2週間先に、ブラジルのコロナ死亡数が爆発的に増加しないか非常に心配である。

北半球と南半球の違いをして、これから北半球は下火になり南半球は酷くなるような予想があるが、これはどうだろうか。
ブラジル北部地方のアマゾナス州の州都マナウス、ブラジル北東部地方のセアラ州のフォルタレザやペルナンブコ州のレシフェなどの、いずれも熱帯地方の都市で、5月2日現在いずれも死亡数500以上にまで感染が拡大しているから、高温多湿だけでは病気の減少は望めない。

しかし、ブラジルで人口が一番多いがコロナ患者も一番多い、南回帰線が通るサンパウロ市では、最寒月7月でも平均気温は15.8℃であるから、マドリードや東京の3・4月平均気温より温和である。
だから天候のせいでそれほど悪くなることはないだろう。
インフルエンザの予防注射により側面擁護する必要はあると思うし、実際それは今ブラジルで行われている。

そこでBCG説である。
日本のコロナ死亡率が低い理由を説明する一つの仮説である。

もう腕を見ても痕跡を見つけることはできないが、3×3=9つの点があったことは確実に記憶にある。
ブラジル育ちの妻に、「9本針のはんこ」の記憶があるか聞いたら、覚えていると言った。
息子の予防接種カードを見たら、0歳時にBCG接種の記録がある。
日本もブラジルもBCG接種国であることがわかった。

同じイベリア半島でも、ポルトガルは接種国であるが、スペインはそうではない。
BCG接種のコロナ抵抗力増強仮説では、それがポルトガルのコロナ死亡率がスペインより低い理由を説明しているという。

現在のところこの仮説は実証されていないし、ブラジルのマスコミでこの話を聞いたことは一度もない。
でも十分ありそうな気がしている。
だからといって、残っているかわからないBCG接種の残存効果に期待するわけにはいかない。

全世界の最新のコロナ状況がここ"COVID-19"で見られるのだが、これを一日中見て恐れ嘆くのもどうかと思う。

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