2013年10月6日

露天売りの携帯SIMカード

この記事で取り上げるのは、ブラジル全国で一般的に使われている、プリペイド式、ポルトガル語でpré-pago(プレパーゴ)のSIMカードについてである。

サンパウロの中心地区(セントロ)を歩いていると、露天売りがさまざまなものを売っている。
ブラジルでchip(語源は英語チップと思われるがシッピと読む)と呼ばれる、携帯電話のSIMカードを売っている者がいる。
SIMカードは、通常クレジットカード大の台紙のような支持体に支えられている。
商品は全くかさばらない。
舗道に売り物を広げたり、屋台を持つ必要はない。
身一つで商売をしている。

売り子の声はこう言っている。
「Claro 2レアル」
「どの会社も5レアル」

ClaroのSIMカードを2レアルで売っている少年にきいたら、5レアル出せば、そのカード同士で無料通話ができるSIMカード2枚組セットが買えると言った。
「どの会社も5レアル」の女性は、VivoだったかOiだったか今思い出せないが、ある一つのキャリアだけは10レアルと言っていた。
料金のうちいくらがSIMカードそのものの値段で、いくらが通話に使える金額かは、面倒なので尋ねなかった。

露天売りで買ったSIMカードは、まともに使えるものだろうか?
最近のSIMカードの包装は簡素だが、破られたものでなく、ICチップ部分をクレジットカード大の支持部分に、不自然に接着した形跡がなくて、チップの接点に、携帯機器に装着したときにその接点とこすれた筋がなかったら多分大丈夫だろう。
SIMカード、つまり携帯電話番号が盗まれたものだったら、被害者が番号を盗難申告して無効化されるおそれがある。
自分で携帯電話機器を持っていて、売り子の目の前で装着して使用できるか確かめることができれば問題はないと思う。

ネット販売ではどうか?
ブラジルの大手ポータルの価格比較機能
http://shopping.uol.com.br/chip-pre-pago.html?dir=asc&ord=preco
では、
TIM R$2.99
Claro R$5.90
Vivo R$6.30
Oi R$9.60
から買える。
安いものは10レアルあれば買える、と言ってよいだろう。

サイトを見て気がついた、SIMカード購入の注意をあげてみよう。
  • SIMカードの携帯電話会社選択
    Vivo, TIM, Claro, Oiがブラジル全国で販売されている。
    かける相手と同じキャリアを選ぶのが賢明である。
    僻地を探検する人はカバーする地域を重視して選ぶ。
    Vivoは会社が古いだけあって、田舎でもよく通じると言われる。
  • SIMカードの物理的大きさ
    http://tecnologia.ig.com.br/especial/2013-07-03/vai-trocar-de-celular-fique-de-olho-no-tamanho-do-chip.html
    をみると、3種類あることがわかる。
    自分の機器に合うものでなければ買う意味が無い。
  • SIMカードのメモリ容量
    SIMカードに収める電話帳その他情報の記憶域の大きさである。
    128KBが現在の主流のようである。
    64KBでも不足した経験はない。
  • SIMカードの電話番号の属する地域
    自分が居住、あるいは長期滞在する地域の市外(地域)局番(2桁の番号 例 サンパウロ大都市圏11、リオデジャネイロ大都市圏21)を選ぶ。
  • SIMカードにあらかじめ入っている通話プランの種類
    インターネットでみつけた安いSIMカードには、以前主流だったが現在はあまり使われていない通話プランのものもあるようである。
    自分の用途にあったプランを選ぶ、例えば、通話だけしかしない人に、インターネット接続の含まれたプランは必要ない。
    インターネット接続やSMS(Short Message Service - ブラジルではよく torpedo 魚雷という物騒な呼び方が使われる)の機能は含まれているが、使った日だけ一日定額課金というようなプランがあるから、あまり心配する必要はないのかもしれない。
    もちろん、SIMカード購入後に変更することはできるが、面倒は最初から避けたほうが楽だろう。

値段が高いものでないし、どこでも買えるものであるから、あえて舗道の(移動する)売り子から買う必要はなく、どこの街角にもある、雑誌売り、パン屋、スーパーや、ブラジルの地方にはあまりないけれどコンビニで、各携帯電話会社の「chip販売」表示幕のある(常駐の)商店で購入したほうが安心できる。
同じように、ネット販売ではSIMカードがいくら安くても、SIMカードの付属しない機器と同時に購入するのでなければ、送料を考慮すると割高になるだろう。



以前(2004年)SIMカードを携帯電話会社の正式な販売店で購入したときは、25レアルを支払った記録が手元にある。
15レアル分のプリペイド・クレジットが付いてきたから、SIMカード分は10レアルであった。
金額は変わっていないが、インフレを計算すると安くなっているといえるだろう。

最後に一つ注意点、プリペイド式携帯電話を使用する場合、正式には氏名、納税者番号その他を登録する必要があるのだが、露天売りではその場で登録などできない。
最初から犯罪に使おうなどと不届きな入手する人は、このブログを読んだりしないだろうが、単に1週間の旅行中使えれば良い、というのではなくて、長期間正規に使うのだったら、やはり先に書いたように、常設の販売所で購入したほうがよさそうだ。

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