2013年10月14日

トラッキング現象とブラジルのヤモリ現象

福岡・整形外科火災 「トラッキング現象」で発火の可能性
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20131014-00000766-fnn-soci

トラッキング現象というのを初めて聞いた。
日本では知っている人が大多数なのだろうか。

中部電力 http://www.chuden.co.jp/ryokin/information/use/plug/tracking/index.html
九州電力 http://www.kyuden.co.jp/life_living_safe_safe7.html

に説明がある。

ベランダの2つの電球を灯すスイッチが、部屋の壁にあるのだが、電球を点けようとすると、じりじり音がして煙が出た。
さすがにこれを放っておいたら危ないと思って、きのうスイッチを分解することにした。

表面のパネルをドライバーで外す。
中にある二つのスイッチを支える基板部のネジを外して、壁の凹んだ配線箱から取り出す。

2インチx4インチの配線箱に収まるスイッチの配線ネジ締め部の周りに、ヤモリの干からびた死体が6匹ほどからまっていた。
以前同様のできごとがあったのだが、昔みたときは、ヤモリ成獣・幼獣だけでなく、卵の殻まであったから、スイッチやコンセントの配線スペースを産卵場所に使うヤモリもいるのだろう。
気持ち悪いのですぐに片付けてしまい、写真を撮らなかったのが残念である。

ヤモリの死体と埃を払い落としてから、スイッチを入れてみたが、じりじりする音は止まない。
そこでさらに分解をすすめる。

スイッチの配線を外す。
スイッチを基部から外す。
スイッチの、指で押さえるプラスチック部品を外して、接点のシーソー金具を取り出す。
シーソー金具、固定接点を清掃し紙やすりをかけ、汚れていたプラスチック部品を洗剤で洗い、よく乾かす。
以上の逆順でスイッチを組み立てる。

無事解決して何よりだった。
一つ発見があった。
厚いゴム底の靴を履いて作業していたのだが、ゴム手袋を探したが見つからなかったため、電線に220Vの電圧がかかった状態で素手で扱っても、絶縁が完全なためかショックを感じることはなかった。
もちろん他の物に触れたり寄りかかったりせず、足元及び手指は完全に乾燥した状態だった。

ヤモリであるが、英語では Gecko と呼ばれる爬虫類の一群である。
ブラウザのレンダリングエンジンの一つにGeckoというのがあるが、ヤモリがインターネットと相性が良いわけではない。
ブラジルでは電気設備に入り込んで、漏電、短絡を起こす害獣ともいえよう。
Gekkonidae というラテン語はヤモリ科の学名、私の周りで使われるポルトガル語では、lagartixaラガルチッシャと呼ばれる。

ヤモリによって起きるこの現象は、福岡の火災の原因と思われるトラッキング現象と媒体は異なる(一方はヤモリ、他方は湿ったホコリ)ものの、原理的には似ていると思う。
Fenômeno Lagartixa ヤモリ現象と名づけておこう。

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