2018年5月13日

廃屋処理は腐海

【動画】廃墟の村を草がのみ込んだ、不思議な風景
中国・上海沖の小島、放置されたかつての漁村は今

2018.05.02

このリンクの映像を見たら、すぐに思い浮かんだ風景は、1年半前に見た日本のいくつかの場所のものだった。
当時日本に住んでいた息子に田舎の風景を見せたいと思って、友人と親戚を頼んで関東地方と東海地方の二つの県を訪ねた。

どこに行っても山の緑が一方や全方から迫ってくる田園の風景は懐かしかった。
しかし訪れた集落には、どこでも滅びの兆候が見られるのだ。

人が住まなくなってかなり時間がたって、蔦がはびこる古びた家がたくさんある。
軒が崩れて瓦が落ちて、草が生えている屋根がある。

昔は訪れる観光客で賑わっていた温泉旅館が門戸を閉めて年月が経ち、川沿いに並ぶ窓が軒並み壊れた大浴場や、水のない底を晒すプールが、寂しく昔の繁栄を思い出させる。
昔はいつ通りかかっても清閑としていた和風庭園を前庭に持つ旅館に、横付けする観光バスから降りてくる団体客は中国語を喋っていた。

昔は近くの漁村の小型漁船を作ったり修理していた小さな造船所のドックを囲む、錆びた鉄骨やクレーンの脇を歩く。
事務所の入り口には古びて字も読めなくなった紙が貼られて、どこからか水が漏っている音が聞こえている。
二階に上る鉄製の外階段は、上の数段が腐食して崩れ落ちていた。

当時日本に住んでいた息子が、多分お父さんも好きだと思うからと予約してくれた三鷹の森ジブリ美術館へ行った。
屋上にある疑似廃墟のロボット兵を持って行っても、ごく自然に溶け込みそうな中国の廃村風景である。

住む人がいなくなり相続人が不明になった住居や、破産してしまい、これからも決して誰も改装して復業しようとは考えない古い旅館などを解体するには、かなりの費用がかかる。
誰も費用を負担できないのなら、いっそのこと解体をあきらめて、リンク映像の中国の漁村のように植物が覆うのに任せてしまったら良いのでないか。
上海近辺より気候が寒くて植物の力が足りないというのなら、人為的に助けよう。

分解過程を加速したいのなら家屋全体をビニールハウスにして、熱帯のような条件を作ってやって緑化を加速しても良い。

最初にカビやキノコのような菌類に木材などを分解してもらってまず堆肥のようにしてから、緑色植物の出番にする二段階計画でも良い。

植物や菌類の品種改良で、コンクリートやプラスチックを分解できるようにすれば良い。
地上に留めておけば、海洋の微小プラスチック汚染は起きない。

コンクリートやプラスチックの分解能力が強化された菌類や植物が廃屋以外のものに害を与えないように、ある条件のもとで「引き金」が引かれると生存ができなくなるような遺伝子的メカニズムを備えていたら、環境に安全である。
やはり遺伝子操作に頼るのか?

分解したい建物に菌類や微生物や植物の種を蒔いてやってドームで覆い適当に加熱して数年で土に戻るような技術があったら、廃屋や廃村の処理はごく簡単になる。

なんか既視感のあるプランである。
ナウシカの世界の「腐海による環境浄化」そのものではないか?
ジブリは何でもお見通しだ。
ただジブリ映画の滅びは次に来る復活をほのめかしているが、現在の時点で想像しても、人口が復活して廃村が再生するような日本の将来は、今のところ見えてこない。

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