2018年5月1日

Rio Cardを使ってみる

息子がリオデジャネイロに旅行した。
正確に言うとリオデジャネイロ市とグアナバラ湾を挟んで向かい合うニテロイ市に用があったので、リオからどうやって向こう岸に渡ろうかと思案したのであった。

1か月以上前に計画的に購入していれば、レイト(leito=寝台)というフルリクライニングワイドシートのバスより少し高いくらいの値段で航空券が買えてリオまで行けたのだが、うかうかして値段が2倍も3倍にもなったので、結局バスで行った。

長距離バスはリオデジャネイロ市のノーヴォ・リオ・バスターミナル(Rodoviária Novo Rio)に到着する。
在リオデジャネイロ日本国総領事館発行の2017年11月「安全の手引き」を見ると、「長距離バスターミナル周辺は治安が劣悪」と書いてある。
到着予定は土曜日午前9時半、危ない時間帯ではない。
リオ・ニテロイ橋を通る都市間路線バスを使う方法と、オリンピック2016年リオ大会に合わせて建設されたVLTと、昔からある渡し船バルカ(barca)を乗り継ぐか、である。

「安全の手引き」によるとこれまた避けたいと評価されるが、いっぺん乗れば乗り換えのない路線バスで、延長13キロ、片道4車線の堂々たるリオ・ニテロイ橋でグアナバラ湾を渡るのもいいけれど(橋上で強盗事件は皆無ではないのだが)、リオの町に用はなくても、せっかく来たのだからVLTで再開発されたセントロを観ながら船着き場まで行きフェリーで行ったほうが観光らしくなる。

経路は次の通り
  • ロドヴィアリア(Rodoviária)-[VLT2号線 R$3.80]→プラサ・キンゼ(Praça XV-終点)
  • プラサ・キンゼ-[バルカ・アラリボイア線 R$6.10]→プラサ・アラリボイア(Praça Arariboia-ニテロイ市)

VLTとは英語のLRV (Light Rail Vehicle)のポルトガル語(Veículo Leve sobre Trilhos)であり、そのままアルファベット読みしてヴェーエリテーと言われている。
オリンピックのためのリオ市セントロ再開発の目玉の一つである。

インターネットの情報により、あらかじめVLTの乗り方を「予習」していおいた。
Google Mapsでは乗り場の地点がわかるが、これ丸呑みも避けたいところである。
乗り場や乗り方がわからなくてウロウロするには危険な場所である。
この新しい乗り物は、十分な小銭を持って乗れば良いバスや、乗る前に駅で切符を買えば良い電車やメトロとは乗り方が少し異なる。
  • まずリオデジャネイロ大都市圏で有効なRioCardという「Suicaのリオ版」を入手する必要がある。
    車内での支払いはできない。
  • VLT乗車場の近くにある(らしい)カード発券・チャージ機(Máquina de autoatendimento)で、カード発券保証金(カードを返納すると返金される)R$3.00と当面の運賃クレジットを現金かデビットカードで購入する。
    今回はVLTのあとでリオ・ニテロイ間フェリーに乗るのでその分も含めて全部払える金額をチャージする。
  • 到着したVLTドアのボタンを押して開けて乗車する。
    寒冷地の電車みたいである。
    冷房の冷気を逃さないためだろう。
  • 乗客は自発的に車内のカード処理機にタッチして運賃支払を完了する。
ガイドを見て不思議に思ったのは、乗客が責任を持って自律的にカード有効化という部分である。
皆ごまかそうとせずに正直に行なうのだろうか?
ここはブラジルだよ?
旅から戻った息子に聞いたら疑問は解けた。
フィスカル(検札員)がたくさん乗っているというのだ。
そんなに一編成に何人も検札員が乗っていたら人件費はどうなるのだ?
まあいい。

さてRioCardである。
カードの右側に利用できる交通機関の図解、アイコンが6つあるのだが、これがよくわからない。
RioCardのサイトにあるビデオを見たら、昔のカードは交通機関が5つだった。
バス、電車、メトロ、フェリーと最後の一つが少し謎のバン(van)と説明してくれた。
バンはバン型車両である。
ブラジルでバン型乗用車と行ったら乗客15人乗りの車両を指し、これはコミュニティバスのことだと思う。
新しいカードにはこれにVLTが加わって6つになった。
上から
  1. バス/BRT
  2. メトロ(架線なし、レール、トンネル)- Metrô Rio
  3. 電車(架線あり、レール、オープン)- SuperVia - Trens Urbanos
  4. フェリー - CCR Barcas
  5. VLT(細身、レール、架線なし)- VLT Carioca
  6. バン(バックミラーが車体全体比でバスより大きいから)
であろう。

VLTと同じくリオ・オリンピックを利用して作られたBRT (Bus Rapid Transit)もあるが、これは専用の連節バスが専用レーンを走るもので、VLTと違ってレーンから外れた場所でも行けるバスであるから、普通のバスの仲間なのだろう。

カードの特徴は、ここには書かないがルールに従ってこれらの交通機関を乗り継ぎをする場合に割引運賃が適用されることがある。

それにしてもである。
日本だったらSuicaでもPasmoでもその他の地方のものでも交通系ICカードが一枚あれば国内大抵の場所で使えて、ついでに買い物までできるのだが、ブラジルでは都市ごとに分かれているのはどうにもならないのだろうか?

自己回答すれば、各都市の交通事業体は独立していて横の関係は全く無いので、きっと無理だろう。
わが町にもここ専用で他所では全く利用できないICカードがある。

サンパウロに行く用事があったときにはバスとメトロに何回も乗れる24h割引を利用するために、旅行前にインターネット登録をしてサンパウロのBilhete Único記名カードを作った。
こいつは役に立った。

ゴイアニアではインターネットにあまり情報がなくてカードを作らなかったので、乗り込んだ現金を受け取らない(!)バスが、現金受取りができる市内各地に散在するバスターミナルのどれかに着いて支払いを行うまで車内のカード処理機を通過できず、狭いスペースに押し込められた。

そして今回はリオデジャネイロである。
RioCardというのが手に入った。
割引をフルに利用するためには記名カードにする必要があるが、今回は無記名式カードである。

この分では10都市を訪問する人は10枚の交通カードを作らなければならないようだ。

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