2019年4月17日

ブラジルの架電ロボット

これが字違いの「家電ロボット」だったら、ブラジルにもこんな進んだものがあるのかと誇ることができただろうが、残念ながらそうではなく、「架電ロボット」である。
機械的ロボット(robot)と区別するために、IT界では、ロボットの短縮形のボット(bot)がしばしば使われる、という記述があるから、それに従うと、架電ボットとなるだろう。


前に、セールス目的と思われる謎の電話の瞬切りについて、ブラジルの不審電話に書いた。
これについてある日のニュース記事に解説がされて、ボットのせいであることがわかった。

何が目的で、どのような仕組みでボットが働くのか。

携帯電話や一般家庭の固定電話に、ひっきりなくセールスの電話がかかってくる。
インターネット接続、衛星やケーブルテレビの契約、携帯電話、クレジットカードのセールスが多いようである。

特に、携帯電話と異なり、必ずしも発信者番号通知機能が備わっているとは限らない固定電話にかかって来る発信先に、ブラジルの通常の電話番号規則から外れている、一目で怪しい不審番号が多い。
0022222222とか0033333333とか、インターネットに接続されたボットが、実在しない番号を適当に装って付けているのだろうか。

ある一人のテレフォンオペレーターが、セールス通話を終えて手すきになったとしよう。
オペレーターの目の前の端末が属する潜在顧客番号管理システムの架電ボットは、前回架電してからある程度時間の経っている番号から、たった一つだけではなく、任意に7つの番号を選んで同時に架電する。
7つの架電先の中で一番先に受話器をとった番号がオペレーターに接続されて、要りもしないモノをなんとかして売りつけようとするセールストークと戦わなければならない不幸な目に合うのだが、残りの6つの番号は次のオペレーターの手がすくまで保留されるのでなく、通話は破棄される。

つまり、目的は電話呼び出し時間の最適化と、応答率向上であるということができる。
そして、通話破棄と呼び出し切断のタイムラグの中で受話器を取ると、もう切れているというワン切り的状態になることが判明した。

日本とブラジルで電話のシステムは同一でないだろうし、両国で電話による取引に関する規制も異なるだろうから、ブラジルで起きるような「ワン切り不審架電」が、日本で起きうるのかどうかはわからない。
こんな通話が病人のいる家にひっきりなしにかかるのではたまらないだろうが、日本と違ってブラジルでは、週末のフェスタの大騒ぎなど、隣家の騒音にかなり寛大であるから、ワン切り不審架電くらいでは国民的大問題になることがないとは考えられる。

それでも、夜8時から翌朝8時まで、及び週末はこの手のセールス通話は禁止されていたと思う。

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