2020年12月27日

貧者の復讐、のち膨れる雪玉

毎日ブラジル連邦政府保健省が発表するデータのうちCovid-19死亡数を使って、死亡数過去直近7日移動平均を14日前の7日移動平均と比較した増減グラフを描いて観察しているのだが、11月中に明らかな転換点を通過したことがわかる。

1日あたり死亡数7日移動平均が1千を前後していた、6月上旬から8月下旬あたりの高原期から抜けて、死亡数は順調に減少してきていた。
10月から、死亡数7日移動平均が300台まで落ちてきた11月上旬頃まで、社会全体に楽観が行き渡ってきて、病人数が減って余裕ができてきたコロナ専用病床を一般病床に転換したり、コロナに対応するために建設された臨時野外病院の撤収などの明るいニュースが聞かれたものだった。

11月中旬に、14日前の7日移動平均との比較パーセントがマイナスからプラスへ転じて、第二波が始まったものと、グラフを見ながら私は判断した。
11月2日月曜日は死者の日(万霊節)の祝日で、お墓を訪れた人がたくさんいて、密な状態ができたと思われている。

その頃のニュースでは言っていた。
9月10月とコロナ死亡数が順調に減ってきたのを見て、これまでテレワークとデリバリーに守られてきた、公務員その他の安定した職業につく中間層や、そもそも金を払えば何でも人にやってもらえる富裕層が、基幹産業従事者―これは実業者や労働者階級と言い換えてもいいだろうが―この層の人達がコロナ以前と同じような活動に戻っているのを見て、これは外へ出て昔通りにしてよいのだ、かなり安全になっているではないか、と勘違いして無防備に元の生活に戻したところ、てきめんにコロナにかかったのだ、と説明していた。
その根拠として、第二波の初めの頃は国民皆保険の公立病院でなく、任意加入である民間医療保険の私立病院のコロナ病床から埋まっていったからとしていた。

ブラジルでのコロナ流行初期、欧州旅行帰りのパトロンからコロナをもらって自分たちの家族やコミュニティーへもたらすこととなった、家政婦やお抱え運転手のような労働者階級が今度は富裕層へお返しをした形になったわけだ。

まあそこまでは良い。
以前貸したものを、利息をつけて返してもらったと考えれば、許せるものだ。
そこで流行が下火になったら良かったものであろうが、現実は悪い方に進んだ。

その後は富者も貧者も関係なく一緒くたになって、確認感染者数と死亡数は、湿雪の坂を転げ落ちながらみるみる大きくなる雪玉のように、残念ながら堅調に伸びている。
2020/12/22の死亡数直近過去7日移動平均 = 780
14日前の数字との比較増減 = +25.7%

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