2013年3月15日

アルゼンチン・ウルグアイ旅行に注意

親戚の者が観光旅行をした。
独身男が恋人と二人で行く、気楽な旅行だった。

日本では「海外旅行」英語にすると'overseas'だろうが、ブラジルは実に10ヶ国と陸続き(橋でつなぐことができるので、川を国境とするのを含む)国境を接する。
これはoverseasと言っていいのか?
英和辞典には「海外の、外国の」と書いてはある。
島国英国の言語だから、overseas=外国で良いのか?
イングランドがスコットランドやウェールズと分離している時代はどうだったのか?
ウルグアイやボリビアとブラジルの国境など、間に川すらない国境では、overseasはいささか大げさではないか。

ともかく、目的地はウルグアイだった。
スペイン語ではUruguayだが、ポルトガル語ではUruguaiだ。

ブラジル人の外国旅行先で、一番多いのはアルゼンチン、次はUSAと言われるが、ウルグアイというのはあまり聞かない。
試しに、サンパウロからブエノス・アイレスへGoogle Earthで陸上ルートをひかせると、ウルグアイを通過しない。
全長2,255kmになるのだが、その一部分になっていないのだ。
つまり、素通りすらしていない。

ウルグアイの観光地で最も有名なのは、Punta del Este(プンタ・デル・エステ 意味は東の岬)だろう。
Google Earthで計測すると、首都モンテビデオから東に向かって、直線距離110キロ、道路で移動すると138キロにある、海岸リゾートである。
モンテビデオから車で行くのに、てごろな距離といえよう。

彼が旅行から帰ってきて、ウルグアイにはブラジル人に対する偏見(discriminação)があると憤慨して言った。
とあるレストランに二人で入って、テーブルについたのだった。
テーブルには、店員に案内されてついたのか、景観の良い観光地によくある、屋外のテラスに並ぶテーブルに自分で空きを見つけたのか、そこは尋ねなかった。
どんな店に、どんな服装で入ったのかも聞かなかったので、詳しい状況はわからない。

合図をしてもウェイターが注文を聞きにこない。
20分待ってもウェイターは来ない。
頭に来て席を立ち、ほかの店に移ったという。

彼は、ポルトガル語でしゃべっていて、スペイン語を話さなかったからではないかと言った。
英語あるいはフランス語など、つまり南アメリカ外の観光客だったらどういう反応だっただろうか、気にはなる。
同行の彼女は、アルゼンチンにも行ったことがあるのだが、アルゼンチンではブラジル人差別はもっとひどいと言っていた。

アルゼンチンとウルグアイは、南アメリカ大陸の南方に位置する地理的要因、つまり寒いためなのか、近代のヨーロッパ、多くはスペインとイタリアからの移民が多い地域だ。
あまり先住民との混血が進んでいなく、人々も町並みも、一見ヨーロッパのコピーのような情景だ。
混血度については、ポルトガル人とスペイン人の性格の違いだけから説明はできない。
同じスペインを旧宗主国とする国で、パラグアイのように混血化の進んだ国もあるからだ。

「近代のヨーロッパからの移民」がキーワードだ。
明日の命も知らぬ荒くれ男だけが到達できた大航海時代と異なり、人々の行き来が自由になっているので、当然女性の移民も多いわけで、下卑た言い方をするなら、「現地であえて異民族の相手と結婚する必要性は少ない」からだろう。

ウルグアイ統計院による2011年調査では、 93.9%がヨーロッパ人を祖先に持ち(reported a predominant European ancestry)、4.9%が黒人・アフリカン(black or African)、1.1%がインディオ(indigenous)、そして0.1%がアジア・黄色人(Asian or Amarillo ("yellow"))だった。
前世紀初め、つまりヨーロッパが全盛を誇った時代のヨーロッパ人気質をアルゼンチンやウルグアイに持ち込んだ、混血の進んでいないヨーロッパ人が、それから長い停滞時代に入って、その血統と気質が脈々と維持あるいは強化されたのだったら、大勢の羽振り良いパッパラパーブラジル人をみて、こいつら成金馬鹿じゃないかと思うかもしれない。

ブラジルは広く知られているように、先住民や、奴隷として連れて来られたアフリカから連れて来られた黒人との混血が、相当容易に行われた。
動物愛護観点で物議を醸すことの多い、スペインやメキシコにある闘牛は、ポルトガルやブラジルにはない。
スペインはインカやアステカを抹殺する道を選んだ。
ポルトガル人が殺戮をしなかったわけはないのだが、なぜかポルトガル人は柔和にやってきたようだ。
そんなことからポルトガル人は、スペイン人より血気(けっき)少なく、融和を好むからと思うが、どうだろうか。
もっとも、現在ブラジルの犯罪の多さを見ると、「融和を好む」なんてのんきなことを言っている場合ではないという感じもあるのだが。

昔ブラジル国内旅行中、中国人のグループと同乗したが、3,4人だったから団体とはいえない数だったが、話し声がうるさかった。
昼間の航空便だったから、酒は大量には入っていなかったと思う。
熱に憑かれたように、延々と討論していたのだ。
その声量は、ブラジル人の比ではなかった。

ブラジルのバーやピッツァリアで、大衆的で繁盛している店に行くと、話し声がとにかくうるさい。
周りのテーブルの騒音や音楽にかき消されないように、さらに大声で、話好きな連中が次々に話し、笑いあうのだから、アルコールの効果も加わり、相乗的に音量は高くなる。
ブラジル人も中国人ほどではないだろうが、アルゼンチンやウルグアイの人からみたら、うるさく野蛮に映るのかもしれない。

日中・日韓のように騒がれてはいないが、Wikipediaによると、ブラジルとウルグアイの間には国境問題も存在する。
これがウルグアイ国民にどうとらえられているのかは想像できない。
あいにくウルグアイには行ったことはないし、知り合いにウルグアイ人はいない。
ましてや、フラジル人団体とウルグアイ人団体を並べて、どちらがうるさく傍若無人か比較する機会などないから、なんとも判断できない。

親戚の男には、「きっと入る店を間違えたか、不運なウェイターに当たったのだろうよ」と言っておいた。
バミューダパンツとHavaianasのゴム草履(chinelos)のブラジル人カップルが海水浴の後、気楽に席をみつけた海辺リゾートにある古ぼけたレストランは、もしかしたら創業100年を誇り毎夜地元の名士で賑わう店で、ドレスコードが合っていなかっただけかもしれないからだ。

面倒なラ・プラタ人たち

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