2020年3月1日

コロナとハグ

新型コロナウィルス(COVID-19)が世界中に拡散している。
ブラジルで最初の感染者が確認されたのは、2020年の灰の水曜日である2月26日であった。
イタリア北部を出張訪問して来た、サンパウロ市在住の企業オーナーである。

前日火曜日までのカーニバルは、その悪いニュースを聞く前でみんな気楽だったから、病気もブラジルに来てカーニバルを楽しんでいたとか、戯言が言われていた。

2月29日には2人目の感染者が、やはりイタリアを訪問したサンパウロ市住民に見つかったという発表があったばかりである。

コロナウィルスとブラジルに関していくつか書いてみる。

テレビニュースで早速説明しているのが、手の洗い方とアルコール・ジェルの使い方である。
日本の手洗いは30秒とか、ハッピーバースデーを2回歌えとか言われているが、こちらでは1分間洗えと言っている。
1分はかなり長い。
できない気がする。
スーパーの棚には、アルコールはまだ残っている。

ブラジルでマスクを着用して街を歩く人はいない。
2009年新型インフルエンザのときにわかったのだが、コンビニとかスーパーといったところではマスクは扱わず、薬局にしても全部の店で売っているわけではなく、苦労してやっと見つけたものだった。
さて今回の新型コロナでは、マスクを予防的に着用する習慣がブラジルに広まるのだろうか。
咳やくしゃみをする人が他人にうつさないようにするためにだけ、マスク着用を勧めている。

手の洗い方と一緒にニュースで説明してくれたのが、マスクをしていないときに咳やくしゃみをする場合に、決して手のひらで覆わないで、肘の内側でガードするようにという飛沫拡散防止方法である。
今日通りを歩いていたら、手鼻をかんだ男が、手に鼻水がついてしまったので、仕方なくシャツの裾でぬぐったという、なんとも見たくない風景を見てしまったばかりであるから、正しい防ぎ方が広まってほしいものである。

日本の人もきっと知りたいのは、現在夏であるブラジルや南半球で国内感染がどうなるかだろう。
最初の感染者との接触者については追跡されているから、これから数日から2週間目くらいの期間にブラジル国内で感染がどれだけ起こるか、また現在夏のブラジルの気候のもとで、どれだけの感染者が重症化まで至るのか注目される。

現在感染が広がっている北半球はこれから春が来て暖かくなるから、新型コロナウィルスがインフルエンザのような性質のものだったら、自然に収まってくるはずである。
これから秋を迎える南半球はそれと反対の、先行きの暗い懸念がある。

ブラジル保健省は本来5月に開始する予定であった従来型インフルエンザ予防接種を前倒しして、3月23日から開始すると発表した。
これは今年の冬に流行しそうだと予想されるいくつかの型に対応するインフルエンザワクチンであり、子供、妊婦、高齢者、医療・公安関係者を対象とする無料接種プログラムである。
もちろん直接コロナウィルスに効くわけではないが、コロナウィルスと戦わなければならない体力・免疫力が別の病気に分散することが避けられるだろうし、診断する医療側から見れば、接種者については従来型インフルをスクリーニングできて手間が省けるのだという。
側面からのサポートと言える。

信心や信仰の問題もある。
わが町を管轄するカトリック教会の司教が、当分はミサで、和平の抱擁つまりハグと握手はしないよう、司教区の司祭に指導していると、ニュースで言っていた。
ミサの中で隣人とハグする打ち解けた瞬間を楽しみにする信者は、ふれあいが無接触となって味気ないと感じるであろう。

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