2011年7月17日

家政婦のお手伝いさん

ブラジルで家政婦は"empregada doméstica"という。男性だったら"empregado doméstico"となるのだが、これは聞いたことがない。

家政婦の給料の上昇(2002年から2011年まで9年間で+43.5%)が一般勤労者の給料上昇(同期間で+25%)より高いため、家政婦が別の家政婦を雇うことが増えている。
ブラジルの人口上昇に家政婦の供給が追いつかないのと、最低給料の上昇率がインフレ率を上回るように設定する所得引き上げ政策が、家政婦給料の高騰を招いている。

ブラジルに家政婦は600万人いるのだが、そのうちの100万人は金を払って他の人に家事を手伝ってもらっているという。
10年前にはあまりみられなかった現象だ。

テレビのドラマはしばしば上流家庭が舞台になるから、家政婦さんはドラマでよく見るのだが、人件費高騰のため最近の実世界では、専属家政婦として契約するのでなく、一日単位で派遣してもらい、例えば週に2日来てもらうと、時間あたり給料は増えることがあっても月間に支払う額は少なくなる。
この形態はdiaristaジアリスタと呼ばれる。
月雇いだったらmensalistaメンサリスタだ。
昔の家政婦さんのように炊事洗濯掃除アイロンかけから子どもの世話まで全てやってもらうのでなく、独身者なら炊事は外食、洗濯は洗濯機で、掃除だけは人に頼むけれど、独り者だから週1回掃除してもらえば良い、という場合もある。

当然だが、545レアル稼いでいる家政婦が他の人を雇って545レアル払うわけはないのだ。
例えば週6日フルタイムの正規雇用(ブラジルで正規雇用とは労働手帳に記載するということ)で家政婦の仕事をしている人が、自分の家の掃除をしてもらうために週2日半日ずつ不正規雇用(口頭での労働契約)のお手伝いさんに来てもらう、というようなケースなのだろう。

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